20210324

没落を食い止める! 17: 誰がこんな世界にしたのか 3: なぜ米英は大転換しなければならなかったのか?

  

 

*1

 

前回、1980年代、米英日何が起きたかを見ました。

しかし疑問が残る。

なぜこれらの国は大転換を行わなければならなかったのか?

この狙いから没落の本質が見えて来る。

 

 

* 大転換の前は国民には最良だったが

 

労働者にとって天国は経済界と富裕者にとっては地獄だった。

このことが大転換に向かわせるのですが、この背景の説明には、半世紀ほど時代を遡らなければならない。

 

20世紀初頭、米国とドイツは急速に経済を発展させていた。

さらに第一次世界大戦の軍需特需が米国経済を押し上げた。

産業構造の変化と大戦が、先進国の労働者(男女共)に権利意識を目覚めさせた。

そして労働者の権利向上と賃金上昇が進み、人類始まって以来の平等へと近づくことになる。

 

そして1929年、過度な投資ブームから米国発の大恐慌が発生した。

経済を立て直す為に、F.ルーズベルト大統領(民主党、1933/3-1945/4)がニューディール政策を行った。

この政策のポイントは大規模な公共投資と労働者の賃金上昇を図ったことでした。

経済は上向き始め、後半は第二次世界大戦の軍需特需で好況となった。

彼の人気は絶大で、大統領を13年も勤めた。

これが他の先進国にも広がり、労働者の権利と賃金が改善されていった。

 

彼は反対勢力に対しては大統領権限で強引に事を進めた。

反対勢力とは、企業家や富裕層を代弁する共和党と南部の上流階級です。

なぜなら、労働者や農民が日に日に力を付け、特権的な領域(不労所得)を浸食していたからでした。

そこで、彼らは金にあかして反ニューディールキャンペーンを徹底的に行った(研究所や学者を使い今も継続中)。

それでも功を奏せず、F.ルーズベルトの急死まで待つしかなかった。

 

第二次大戦後20年も経ずして世界に驚きが走った。

それは敗戦国の日本とドイツの急回復でした。

一方、米国はベトナムや中東の戦争に深入りし、経済は弱体化(空洞化)し、財政と貿易の双子の赤字に苦しみ、金兌換停止とドル安を求めることになる(このニクソンショックとプラザ合意は日本に痛手)。

既に英国は19世紀末には没落していた。

 

これらが大転換前の趨勢でしたが、さらに激震が襲います。

 

前述の労働者の賃上げ攻勢で定常的なインフレが起きていた。

そこに突如、石油価格の暴騰が加わり、世界は猛烈なインフレに晒された。

この巨大インフレは、戦争を拡大させる米国への抗議の為に中東産油国が一致団結した結果でした。

 

 

 

< 2. 歴史上初めて格差が大幅に減少していた >

 

大戦前、英米のトップ10%の所得シェアが全所得の45%を占める時代だったが、この時代30%へと落ちていた。

つまり格差が人類史上初めて大幅に減少したのです。

 

 

* まとめ

 

1960〜70年代は先進国の労働者にとって夢と希望が実現して行く時代でした。

特に、戦後復興を成し遂げた日本には最良でした。

一方、放漫経営が祟った米英は衰退を感じていた。

特に、英米の富裕層・保守層にとっては、旨味が減り続ける中での巨大インフレ到来が、絶対の窮地となった。

この事が彼らに牙をむかせることになった。

 

 

* データーで当時の状況を説明します

 

 

< 3. 世界各国のインフレ率の推移 >

https://chem.libretexts.org/Courses/Lumen_Learning/Book%3A_Principles_of_Macroeconomics_(Lumen)/07%3A_Module_5%3A_Measuring_the_Price_Level_and_Inflation/07.4%3A_Inflation

 

赤矢印が中曽根政権期。

第一次オイルショックが1973年に起き、凄いインフレが日本と英国を襲った(年率20%越え)

これは、米国らが中東戦争に介入した為に起きた。

中東産油国はイスラエルを支援する米国らへの経済制裁として、初めて団結し(OPEC、石油価格の上昇を図った(米国は巨額の兵器援助を行っていた)。

これが現在まで続き、当時、原油1バレル3ドルは、今や140~50ドルになった。

米国は産油国だったのでインフレの影響は軽微だった。

しかし以後、米国は世界の石油支配(メジャー)から手を引かざるをえなくなった。

1979年に第二次がまた起きた。

 

 

 

 

< 4. 日本の勤労世帯の実収入の推移 >

https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20190305-00116564/

 

赤矢印が中曽根政権、黒矢印がそれ以前を示す。

黒矢印の時代が、如何に国民、勤労世帯にとって給与が上昇し続ける夢の時代であったかは一目瞭然です。

つまり大転換は不要だった。

 

 

 

 

 

< 5.日本の失業率推移 >

https://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/12/dl/h1216-2d1.pdf

赤矢印が中曽根政権期。

彼の政権期でも失業率が漸次上昇し、その後バブルで急降下したが、バブル崩壊で、失業率はより激しく急増した。

元の木阿弥どころではない。

 

 

 

< 6. 日本の住宅建築数 >

 

中曽根政権の前まで、住宅建築数は増加傾向にあった。

しかし減速し始め、バブル崩壊と共に持ち家の夢は潰えた。

 

最悪のバブル崩壊はなぜ起きたのか?

この大きなバブルは日本だけに起き、かつ中曽根内閣(82-87年)に起因していた。

事の発端は、85年のプラザ合意(中曽根政権)が円高が不況をもたらし、その対策に政府・日本銀行の金融・財政政策による内需拡大と称した巨大な景気刺激策がバブルをもたらした。

(すべてレーガン政権による強い圧力による。レーガンと中曽根の親密さをロン・ヤス関係と日本は湧いたが、実態は従属に過ぎない)

 

これが後に30年以上、現在までのデフレの元を作った。

 

 

 

< 7. 「暮らし向き」について、日本の世帯主の世論調査 >

 

グラフの「中の中」が37から60%に拡大しており、国民の中流意識が向上している、つまり豊かさを実感していた。

インフレが定常化し、1973年に巨大インフレも起きているが、中曽根政権誕生前(1982年-)の日本は、如何に国民にとって希望のある社会だったかがわかる。

 

 

次回に続きます。

 

20210323

国境の島、対馬を訪ねて 7: 厳原の街を歩く 5

  


*1

 

 

今回が、厳原紹介の最後になります。

朝鮮通信使の所縁の地も訪ねます。

 

 

 

< 2. 散策ルート >

 

今回紹介するルートは茶色線と黒線です。

始めは、赤線と茶色線の交わった所から茶色線に沿って北上し、黒矢印辺りで折り返し、次いで黒線を南下し茶色矢印まで行き、終わりました。

 

ピンク矢印: 対馬藩家老(氏江家)屋敷跡。

黒矢印: 高麗門

青矢印: 旧日新館門

赤矢印: 桟原城跡(陸上自衛隊駐屯地)

茶矢印: 国分寺

 

 

 

< 3. 大歳神社から始める >

 

上: 大歳神社

大きなクスノキと石の鳥居、石塀に囲まれた小さな社が、川沿いに祀らていた。

江戸時代の大火を機に子宝の神から防火の神として敬われているようです。

 

下: 小川沿いを北上する。

ちょうど小学生の朝の登校時間で、一時賑やかになりました。

 

 

 

< 4. 馬場筋通りに出た >

 

上: ちょうど馬場筋通りに出たところ

北側を見ている。

 

下: 馬場筋通りの高麗門を過ぎた辺りから北側の桟原城跡の方を見ている。

ここからまた戻る。

 

 

 

< 5. 対馬藩家老(氏江家)屋敷跡 >

 

馬場筋通りの西側に面して立派な石壁と門がある。

家老屋敷跡に、今は長崎県対馬支庁や対馬振興局がある。

 

上: 長屋門

 

下: 長屋門に掲げられていた地図。

これは江戸後期の厳原の地図で、赤矢印が家老氏江家の屋敷でひときわ大きい。

馬場筋通り沿いに武家屋敷が並んでいる様子がわかる。

 

 

 

< 6. 高麗門と氏江家屋敷の石塀 >

 

上: 高麗門は馬場筋通りの東側にあります

これは桟原城の高麗門を復元移転したもので、市立厳原幼稚園の前に建っています。

 

下: 氏江家屋敷の石塀

場所は、先に紹介した家老屋敷跡、長屋門の北側にあり、西に延びています。

風情があります。

 

 

 

< 7.旧日新館門 >

 

ここは散策ルートから外れているのですが、観光バスから撮影しました。

馬場筋通りの西側に面しています。

ここは対馬藩主宗氏の中屋敷門でしたが、幕末には藩校日新館に用いられた。

江戸末期の大名家の格式を備えた武家屋敷門としては、長崎県唯一のもので、立派でした。

この日新館は幕末、勤王党の拠点になり、内紛で多くの藩士が命を無くした。

 

 

 

< 8. 地図の黒線に沿って歩く >

 

上: 川沿いを南下

 

下: カレイの日干し。

かつて対馬はイカが大量に取れて、大量に干されていたが、今は減ったそうです。

 

 

 

< 9.国分寺の山門 >

 

ここが朝鮮通信使の客館があった寺です。

1807年、徳川家斉の将軍襲職を賀す朝鮮通信使が来ることになり、ここに客館と山門が建立された。

その後、国分寺は焼失したが山門は免れ、客館は明治時代に解体された。

 

 

< 10.国分寺の境内 >

 

山の麓に墓地が広がり、山門との間には広い敷地がある。

かつては大きな寺や客館があったのだろう。

何せ江戸時代の通信使は、500人ほどが朝鮮半島から渡海して来たのだから。

 

 

 

< 11. 朝鮮通信使 >

 

私が、朝鮮通信使に興味を持ったのは滋賀県の近江八幡を訪れた時でした。

近江八幡の狭い道を散策していると、此処を朝鮮通信使が通ったと記されていた。

朝鮮通信使は対馬藩1500名を加えて、2千名近い人数で大阪から江戸、あるいは日光まで陸路を行ったのでした。

遠路はるばると大行列が海路と陸路を行ったのです。

しかも1回に100万両を費やした(100万石大名の1年分)。

 

朝鮮通信使は室町時代に始まり、途中中断はあったが、江戸時代には主に将軍の代替わりに計12回来ている。

江戸時代、日本は鎖国し、中国とヨーロッパの4ヵ国とは貿易をしていたが、国交を持ったのは琉球と李氏朝鮮だけでした。

 

徳川幕府にとっては、通信使は将軍の権威を誇示する儀礼として、あたかも朝貢使のように見せようとした。

一方、朝鮮にとってはかつての倭寇や秀吉の朝鮮侵略の経験から日本を監視する意図があった。

また朝鮮半島の大陸側では異民族の脅威があり、日本と友好を保つことに価値があった。

それでは小さな一藩に過ぎない対馬にどんな意義があったのか?

既に紹介したように関ヶ原の戦いの後、生き残るには家康が希望する朝鮮半島との国交と貿易再開が必至だった。

当然、貧しい対馬が生き残るためにも貿易は最重要だった。

 

対馬は幾度も朝鮮半島と日本の紛争の狭間で生き延びて来た。

そして朝鮮半島との国交と貿易では日本で唯一の窓口となり、繫栄することが出来た。

対馬は朝鮮半島に数ヵ所の貿易所を有し、認可を受けた貿易船が対馬と朝鮮を行き来した。

対馬は藩の貿易から重臣らの私的貿易、密貿易、さらには朝鮮王朝から下賜される形で高価な品物を手に入れることが出来た。

朝鮮通信使を介して、漢学、儒教、医学などの知識も入って来た。

 

こうして対馬、特に厳原は江戸時代、朝鮮との橋渡しで重要な役割を果たしていた。

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

20210321

没落を食い止める! 16: 誰がこんな世界にしたのか 2: 始まりは何か

  




*1

 

これから先進国没落の起源を探ります。

皆さんは知って驚くはずです。

巷に流布されている事とは真逆なのですから。

これこそ、この没落の恐ろしさです。

 

 

没落を仕組んだ人々には悪意があったのだろうか?

否、彼らに悪意は無かったと信じたい。

 

当時、結果的に没落を招くとこになる大転換を推進した人々は輝きを放っていた。

それは主に三人の先進国の首脳でした。

彼らは、世界を悪の国から守り、自国の低迷した経済を救う救世主と見なされていた。

ただ、すべての先進国がこれに倣ったわけではなく、自制的であったり拒否する国もあった。

 

当時の私は期待せず、いずれ失敗すると見ていたが、概ね世論は好意的であり、今も突き進んでいる。

しかし、じわじわと経済と社会を疲弊させ、今頃になって取返しがつかない状況に至ったと一部の人は気付き始めた。

 

彼ら首脳は当時、何を変革しようとしたのか?

 

一言でいうと、国家による福祉・公共サービスを縮小し、大幅な規制緩和を行う事でした。

彼らは、新自由主義と呼ばれた経済思想=小さな政府と自由市場こそが経済を復活させると信じた。

実は、これはそれまでの半世紀間の先進国の流れを全否定し、大転換を図るものでした。

 

その三人とは米英日のレーガン、サッチャー、中曽根で、起源は1980年代の政権誕生に行き着く。

政権期間は、中曽根1982/11-1987/11、サッチャー1979/5-1990/11、レーガン1981/1-1989/1でした。

 

 

 

< 2.三ヵ国のGDPの推移、1870-2008年 >

https://www.nippon.com/en/in-depth/a04003/

三本の横線は各国の政権期間を示す。

GDPの推移からは大転換の必要性が特にないことがわかる。

 

 

 

< 3.三ヵ国のGDPの推移 1980-2012年 >

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-87.html

三本の横線は各国の政権期間を示す。

このグラフからは、大転換に特別な成果があったように見えない。

逆に日本は、1980年台後半にバブルを招き、その後の崩壊が祟って成長を止めてしまった。

 

当時、私が胡散臭いと感じたのは、レーガンの大減税と軍拡、サッチャーの徹底した国営企業と労働組合の解体でした。

中曽根(と読売社主渡辺)は忠実に二人をお手本にした。

 

 

 

 

 

< 4. 財政赤字の推移、GDP比率 >

http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-87.html

 

結局、三ヵ国の財政はどうなったのか?

米国と日本は財政赤字を増やし始め、英国は財政赤字を減らしたが、この間に失業率を増大させた。

当初、結果は三ヵ国で違ったが、リーマンショック後は同じになった。

 

この三人には上述の政策以外に共通するものがあった。

 

それは保守派・右派(軍拡)であり、マネタリズムの重視でした。

マネタリズムは貨幣供給量の増減で経済や物価を制御することであり、政府と中央銀行が管理する事になる。

(米国の経済学者フリードマンが自由市場とマネタリズムを主導した。私には疑念がある。一方で小さな政府を標榜しながら、他方で大規模な政府の介入を必要とし、商品市場は自由だが貨幣市場(発行)を管理する。)

 

実は、このことは当時目立たなかったが、後に最大悪弊の一つになった。

そして国民は、経済を二度と正常に取り戻すことが出来なくなった。

 

 

上記の大転換を視点を替えて見ると。

 

福祉・公共サービスの縮小は、大半の労働者、低所得層の国民を切り捨てることになった。

自由市場は切磋琢磨を連想させるが、その結果は強大なものがより強大になるだけでした。

グローバル化の推進も、悪弊を加速させることになった(良い面はあるが、放置すると悪い面が際立つ)。

 

三ヵ国の保守とは自民党、保守党、共和党で、その政策は経済界や富裕層を優遇して来た。

マネタリズムには長短があるが、その結果は金融依存、金融危機誘発、超富裕層の誕生を招き、より格差を拡大させた。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

20210317

没落を食い止める! 15: 誰がこんな世界にしたのか 1: はじめに

  


*1

 

これまで、日本と世界の惨状を見て来ました

これから、なぜこのような惨状が生まれたのかを説明します。

ここで大事なことは、人が歴史(没落)を創って来たという事実です。

少し、確認しておきます。

 

 

* いつもの苦渋

 

様々な人と現状の問題を話し始めると、直ちに絶望的な壁に突き当たる。

例えば、原発、政治腐敗、二大政党制、福祉国家、ジェンダーなど。

 

A. 左右両極に対立し、前提条件が噛み合わない

B. 外国事情や世界史の話が通じない

C. 日本は特別な国で、今のままが良い

 

私が問題点を指摘し始めると、ある人々は頭から否定する。

そこで、私が諸外国や世界史から説明を加えようとすると、

その人は「日本は特別だ、外国の真似は必要ない」と言って話は終わる。

 

このケースは極端だが、多くの人にこの感覚は通じるでしょう。

 

しかしこの感覚は致命傷です。

一つは事実に反するから、より重要なのは、変化を拒む言い逃れになっており、概ね洗脳の結果です。

(感化され易い心性の違いはありますが)

 

 

* 事実とは

 

上記に関連して人類史と生物史から言えることがある。

 

地球上の人類に共通する歴史的メカニズムがある。

(これを否定すると社会科学を否定することになる)

一方で地域毎の個性(文明や国民性)も存在する。

ただこの個性も、前述のメカニズムから逃れることは出来ない。

 

理由は簡単で、歴史を創るのは社会であり人で、結局のところ、進化で生まれた人類に共通する脳の働きによる。

それは40億年かけて、環境との関りで変化した遺伝子が生み出したものです。

心理や社会性に影響を与える遺伝子の変化は数十万年単位以上でしか起きないことは進化学から判明している。

 

そうは言ってもピンと来ないかもしれない。

 

 

* 歴史から幾つかの例を見ます

 

宗教や神話は世界各地で様々です。

 

しかしユダヤ教からキリスト教さらにプロテスタント、バラモン教から仏教さらに大乗仏教への分岐は、希代の改革者と民衆の望みが一致したからでした。

そこには同じ変革の力が働いていました。

 

また日本で今なお持てはやされている王権神授説(現人神は原初的)は、世界各地の古代王国で存在し、王家が創り出したものでした。

 

今、法と憲法は広く世界に受け入れられている。

 

しかし、かつて法(成文法)すらない社会があり、憲法は高々800年前に創られ始めたに過ぎない。

社会の大多数の人々が自ら社会のあり方を決めるようになったのは、2500年前に過ぎない(民主制)。

民主主義の発達は古代ギリシャが有名だが、200年も続かなかった。

初期に造られた憲法は、社会の変化に適応すべく修正が続いている。

怠れば廃れ、改革はいつも必要でした。

 

国民の大多数が選挙に参加できるようになったのは高々150年前からです。

また労働組合のストが合法になり、男女や人種の平等が法に規定されてからまだ百年も経っていない。

 

上記の民主化が遅れた日本の政治文化(三バン主義)は特段優れた特有のものだろうか?

選挙の票の見返りに、利益誘導と身びいきの互恵関係は、南欧やアフリカ部族社会で広く見られたものでした。

 

地域による違いは、優れたものとは限らず、むしろ遅れているかもしれないと疑うべきです。

地域毎の特徴は、長短を併せ持つものであり、自覚して事に当たることが必要です。

例えば高い帰属意識(村意識)を持つ国は、強国になり得るが、独裁化し暴走し易い(日独)。

 

古くは王権神授説に始まり、太平洋戦争やベトナム戦争のように、為政者は隙あらば国民を洗脳しようとするものです。

 

 

* まとめ

 

私達が社会を造って来た。

しかし、その維持を怠ると、社会の崩壊や衰退を招きます。

また人類社会には共通点が多く、謙虚になって学び、反省と改革を進めるべきです。

 

 

次回に続きます。

 

 

20210313

没落を食い止める! 14: 世界はなぜ悪化しているのか? 6

  








*1

 

今回は、経済に害悪をもたらす投機の横行について考えます。

 

 

* 投機が横行すると何が問題なのか?

 

株などの金融商品や先物商品への投機がなぜ経済発展を妨げるのか?

最大の問題は二つです。

 

* 一つは、資金が産業育成に向かわないからです。

 

金融商品には、商品価格の乱高下を補うヘッジや資金調達、保険など企業活動に必要なものもあります。

しかし高利回りを生む莫大な金融市場が存在する中で、事業家は資金を倒産覚悟で利益率の低い実業への投資に向けるでしょうか。

金融業界はバブル崩壊の危険はあるが、資金力の大きい銀行や投資会社は必ず政府によって助けられる。

バブル崩壊で実業(製造販売)も被害を受けるが、政府援助は届かない(金融は心臓血管、製造は手足でしょうか)。

 

 

< 2.如何に金融は肥大化したか >

37年間の増加率は、GDPで先進国5.8倍(年率5%)、株価は31.9倍でした。

つまり、資金を実業より株に注ぎ込む方が6倍(年率10%)多く増えるのです。

 

実は、このケースは19世紀後半英国を衰退させた原因でもありました。

英国は製造業が衰退すると、国内資本を発展途上国(主に米国)への融資しに集中させた。

そしてロンドンシティは活況を呈し、英国は頻繁する欧州恐慌の震源地となって行った。

 

中央銀行による貨幣供給量が年々増加し、富(通貨)が増えるので、借金してでも投資に便乗する方が得策です(個人投資家には難しい)。

さらに悪い事に、金融取引はタックスヘイブン(租税回避地、ケイマン諸島など)を介して行え、まったく無税で資金を増やすことが可能です(合法であり富裕層には天国)。

 

これでは真面目にやる人は馬鹿を見るだけです。

言い換えれば、現代は大資本家(投資家?)が中央銀行と政府の協力を得て、金融市場を通じて、ほとんど無料・無税で莫大な富を貰い続けている。

 

例えばこんな理不尽なことも日常茶飯事になった。

悪辣なファンドは、為替や株の先物の仕手買いで数千億円を瞬時に儲ける。

その一方、仕手を仕掛けられた国や企業は数年に亘り甚大な被害を受ける。

 

 

< 3. アジア通貨危機の被害国とGNP下落率 >

 

1997年のアジア通貨危機で5ヵ国は急激な景気後退(GDP40%減)に見舞われ、死者(緊縮による疾病や失業による自殺)が10万人?を越え、救援に3兆円の国際援助が必要になった。

しかし仕掛けたファンドは罰せられない。

 

黒田日銀総裁は著書「通貨の興亡」で、このアジア通貨危機に触れていた。

彼は、単にタイの通貨政策の甘さを指摘するだけで、ファンドの非や被害の甚大さには一言も触れていない。

こんな人物が日本経済を世界初の金融緩和に晒している。

出口戦略を批判されても意に介さない、おそらく失敗しても平気だろう。

 

これでは、汗水流して物づくりに励む実業家は報われない。

 

これらのことが実業家の生産性や付加価値上昇への意欲を減退させ、周り回って労働者の賃金を低下させ、苦しめることになる。

 

 

* もう一つは、益々酷くなる金融危機を招いているからです。

 

現代の金融危機は、単純に中央銀行の過剰な通貨供給が続いた後で起こっている(遅れることもあるが)。

 

かつて各国は恐慌の再来を防ぐ為に、国の通貨供給量を一元的に管理(抑制)する中央銀行を設け、かつ政府から独立する形にした(赤字国債の引き受けが常態化しないように)。

ところが最近の中央銀行は政府の下請けになり、積極的に金融危機を育てている(安倍やトランプで酷くなった)。

 

このことが災いし、ここ半世紀、金融危機はほぼ10年以内に繰り返すようになり、その被害は益々甚大になっている。

 

 

< 4. 金融危機と失業率 >

 

上のグラフ:

失業率(青破線)は金融危機で乱高下し、日本とユーロ圏で長期に悪化している。

賃金インフレ率はすべて低下傾向にあり、賃金は下落か横這いになった。

 

下のグラフ:

米国の72年間を見ると、金融危機を繰り返す度に失業率は増加傾向にある。

 

 

金融危機は、それまでのバブル時の好景気を、倒産と失業の増大で帳消しにしてしまう。

さらに悪い事に、実業家は金融危機の再来に備えて、固定費を抑え、人件費と投資を抑える(賃金下方硬直性、日本で顕著)。

そしてせっせっと内部留保に回し、金融商品や海外投資に精を出すことになる。

さらに成熟した国(高賃金国)は以前から工場を海外に移し、産業の空洞化が進んでいたので、なおさら被害は大きい。

また国民の預金・保険・年金は銀行・保険会社などで運用されているが、低金利を避け、以前よりリスクのある金融商品で運用するようになっている(株価暴落でGPIFはいずれ大損)。

 

こうなれば国内の産業発展や賃金上昇は望むべくもない。

 

さらに馬鹿げていることに、アベノミクスでは、60兆円もの海外投資を奨励し、企業減税を繰り返し、株の購入で衰退に拍車をかけて来た。

この60兆円は日本の年間設備投資額に匹敵し、政府がわざわざ大資本には海外で利益を、国内企業には衰退を奨励しているようなものです。

しかも、御目出度いことに国民は久々の国際援助で、首相は世界から賞賛されていると大歓迎、これでは良くなるはずがない。

 

もっとも、国が衰退し始めると、海外に触手を伸ばすのはこれまで大国の常套手段だったのですが(英仏の帝国主義)。

 

 

次回に続きます。

 

 

20210310

没落を食い止める! 13: 世界はなぜ悪化しているのか? 5

  

 

*1

 

今回は、良くならない経済について考察します。

 

 

* なぜ経済は良くならないのか?

 

この答えが分かれば、日本も世界も救われるのですが。

取り敢えず、経済と社会を悪くしている先進国共通の問題をみます。

 

端的に言うと、最大の問題は次の三つです。

 

賃金が上昇しない

投機が横行している

超富裕層が国を動かしている

 

これを排除出来れば、世界経済は順風満帆になり、国民生活と社会は良くなります。

 

早い段階での路線切り替えであれば良かったのですが、今となっては既成勢力が圧倒的な力を持っいているので不可能にすら感じる。

しかし放置すると、再度トランプ現象(脈絡なく窮鼠猫を噛む事態)を招き、遂にはヒトラーの再来になって滅亡するかもしれません。

 

残念ながら日本にはさらに上記以外に根深い問題が加わります。

 

 

* なぜ賃金が上昇しないことが問題なのか?

 

既に見たように、賃金が下降すれば、消費と住宅建設が減り、経済が落ち込むのは経済の基本で、この解決が絶対条件です。

 

単純に、昔と同じように働いているのに、貧しくなり学校に行けず、充分な衣食住が手に入れられず、結婚も出来ないことは異常です。

(発展途上国が追い上げても、変動為替相場制なので、日本の生産性が大きく落ち込まない限り現状維持は可能でしょう。だが一部の産業を守るために為替や経済を歪めると無理です)

普通に考えて、文明が発展し、国力が増しているのに多くの国民の生活が良くならない事に、国民は疑いを持つべきです。

 

 

* 三つの根深い勘違い

 

人類は充分豊かになったので、これ以上は望むべくもない。

これは間違いです。

 

心身や自然を酷使する必要はないが、効率よく働き、文明の発展に相応した生活を手に入れることは当然です(医療・介護・教育の向上、労働時間を短くして暮らしを愉しむなど)。

事実、一部の富裕層は加速度的に富を増やし、望む限りの贅沢が出来る。

また福祉国家を目指した北欧では、国民全体の生活向上が続いている。

 

 

企業や経営者・富裕者を優遇すれば、やがて国民におこぼれが回ってくる(トリクルダウン)。

これは洗脳で間違いです。

 

 

 

< 図2. 所得と消費の関係 >

これは日本の10分割された所得階層の中間と上位(右側)の所得推移を示す。

 

右側の赤線(可処分所得)が増えても、黄線(消費支出)は横這い。

上位所得層は所得が増えても消費を増やさない。

むしろ左側の中間所得層は赤線が横這いでも、黄線は増えている。

つまり上位所得層を減税しても消費が増えないので、トリクルダウンは起きない(給付や減税など方法によって効果は異なる)。

通常、所得が低い程、消費せざるを得ないので、消費税減税は効果がある。

 

現在、上位所得層を規制緩和、高給、減税などで幾ら優遇しても現実の経済は悪化の一途なので間違っているのは明白です。

しかし徹底的に刷り込まれて来たので、国民は疑わない。

 

こんな例がある。

日本では30年以上、電気事業連合会が総額2兆4000億円の広告費を投じ、この結果、世論は原発忌避から賛成へと変わった苦い過去がある。

さらに政官学に財界・裁判所・マスコミが一致団結し、市民の原発反対を無力化した。

 

本来、企業が従業員の賃金を上げて消費を増やし、企業が投資することにより競争力と付加価値を上げてこそ、経済が好循環する。

しかし今の日本の経済界は18世紀の英国と同じ轍を踏んでいる。

 

国民がこのプロバガンダに気付き反対しない限り、企業と政府は国際競争力を盾に賃金を下げ続けることになる。

 

 

賃金は自由市場で決まるべきで、賃金の高い安いは当然。

これも深刻な嘘です。

 

経営者の高給は、自然淘汰と言うより、経営や資本を掌握する人々による謀議の結果です(日産の元ゴーン会長、関電のトップの給与など)。

 

知って頂きたい事は、自由市場は多くの場合、機能していないのです。

多くは資金力と、政府との癒着による保護と寡占です。

現在、各国政府は大企業の更なる寡占や独占を促しています。

 

また、ここ1世紀の歴史を見ても、労働者の賃金上昇は政府による労働者の権利擁護が契機になっています。

例えば、最低賃金制や同一労働同一賃金制、組合結成の奨励などです。

 

残念ながら米国主流の経済学は、金融で稼ぐ為のもので、現状(国民)を救う気はありません。

反骨の経済学者や現代貨幣理論の学者は違うようですが。

 

 

次回に続きます。

 

 

20210305

没落を食い止める! 12: 世界はなぜ悪化しているのか? 4

  

 



*1

 

今回は、累積債務が増える理由を考えます。

 

 

* 身の回りで起きている怪奇現象

 

1. なぜ株価は乱高下するのか? 済

2. なぜ賃金は上がらないのか? 済

3. なぜ物価は上がらないのか? 前回

4. なぜ政府の累積債務は増え続けるのか? 今回

5. なぜ経済は良くならないのか? 次回

 

 

* なぜ政府の累積債務は増え続けるのか?

 

 

< 2. 世界の政府の累積債務、GDPに対する% >

https://www.weforum.org/agenda/2015/11/how-should-the-world-deal-with-sovereign-debt-crises/

赤線は先進国、オレンジ線は世界全体、緑線は発展途上国。

 

かつて欧米は戦争によって巨大債務を背負うことがありましたが、その後減らすことに努めました。

しかし今は違い、先進国だけが急激に債務を増やし、大戦期に近づいています。

発展途上国は、これに比べると穏やかです。

 

単純に、債務の増大は年々の税収よりも出費が多いからですが、国によって状況は若干異なります。

 

 

 

< 3. 日本の各年の国債発行額 >

https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00714/

 

累積債務がGDPの270%に達して先進国最悪を突き進む日本について見ます。

 

グラフから、91年バブル崩壊とリーマンショックが二大要因だとわかる。

しかし日本は他の要因も抱えており、長年のバラマキ公共事業、二度の震災復興、経済低迷による税収減、法人や富裕層への大幅減税、高齢化で増加する社会保障、コロナ禍対策(160兆円増?)などです。

これらは政府の危機管理の未熟、贔屓の業界や富裕層・法人の優遇が招いたものです。

残念ながら現行の政府であれば、グラフのように悪化するのは必然です。

 

 

しかし世界が同じように悪化しているからには共通の理由があるはずです。

 

 

 

 

< 4. 米国政府の累積債務、GDPに対する% >

https://zfacts.com/national-debt/

赤線は共和党政権、青線は民主党政権時を示す。

ピンク矢印は米国で起こった金融危機、1987年、2000年、2008年を示す。

 

傾向として、大幅減税(富裕層)を実施し景気を煽った共和党で債務が増える。

一方、景気過熱後のバブル崩壊で財政出動しなければならない民主党でも債務は増える。

トランプ政権は大幅減税とコロナ対策失敗(300兆円?)。

 

グラフから1980年代に始まるレーガン政権が、現在の債務増大の先鞭をつけたことがわかる。

世界の債務(グラフ2)もこの時期から急増した。

 

この急増時期にこそ、現在の先進国衰退の秘密がある。

 

それは政府が税収ではなく、中央銀行に大量の貨幣供給を行わせ、借金(国債)で政府支出を賄うようになったからです。

加えて大量の貨幣供給がバブルを引き起こし、崩壊の後始末にさらなる膨大な貨幣供給を行わざるを得ない悪循環に陥ったからです。

 

 

* 今、世界は?

 

コロナ禍で日本の累積債務は1500兆円を越えるでしょう。

もし金利が5%になれば、年間の金利返済額だけでも75兆円になり、日本の税収65兆円を越えてしまう。

今は、不景気で金利が零なので助かっていますが、これは世界も同様の爆弾を抱えている。

 

膨大な金融緩和の結果、世界中の政府や企業、家計の債務残高は過去最大の約28000兆円に上っている。

(各国政府の債務以外では米国の学生ローン返済、オーストラリアの住宅ローン返済など)

これは世界全体のGDPの約3倍の規模で、地球上の全人口74億で割ると1人当たりほぼ380万円に相当する(一日1.9ドル以下で暮らす人は7億人)。

 

 

 

< 5. ピケティ『21世紀の資本』図表より >

https://cruel.org/books/piketty/capital21c/pdf/F5.8.pdf

 

ところが上記グラフを見ると、世界の資本はGDPの4.5倍に達している(参考)。

つまり巨大な借金があると言うことは、それに匹敵する資産を持つ人々がいるのです(当然)。

さらに残念な事に、一般国民はこの資本の一部しか持てず、その割合は減りつつある。

 

極論すれば、政府は国民に莫大な借金(国債)をする一方で、超富裕層は莫大な富を増加させる時代になったのです。

 

上記の説明は厳密ではありませんが、世界の全体像が掴めると思います。

 

 

次回に続きます。

 

 

20210301

没落を食い止める! 11: 世界はなぜ悪化しているのか? 3

  


*1

 

今回は、物価が上がらない理由を考えます。

 

 

* 身の回りで起きている怪奇現象

 

1. なぜ株価は乱高下するのか? 済

2. なぜ賃金は上がらないのか? 前回

3. なぜ物価は上がらないのか? 今回

4. なぜ政府の累積債務は増え続けるのか? 次回

5. なぜ経済は良くならないのか? 

 

 

* なぜ物価は上がらないのか?

 

本来、消費者にとって物価上昇は好ましくないのですが、アベノミクスの売りの一つがリフレ策だったので採り上げます。

 

リフレ策は、インフレを無理に起こし、国民が物価上昇前に消費を急ぐようになり、景気が良くなる事を狙った。

しかし御立派な学者が熱弁を振るい、日銀のバズーカ砲(ヘリマネ)が炸裂しても、見事に不発で失敗しました。

普通の人々は、景気が良くなって消費が増えこそインフレになると知っているのだが。

 

この政策の間が抜けているのは、肝心なことを見落としたからです。

日本のGDPに占める個人消費と民間住宅投資が60%もあるのに、80%ほどの国民の所得が下がり続け、さらに増税で財布の口を閉じさせて、消費が増えるはずがない。

これで景気が悪くなったことは、今、誰しも実感している。

つまり、物価が上がらない一番の理由は大多数の国民の所得が上がらないからです。

 

残念ながら、日本を牽引する東大出の経済学者と日銀総裁、私大出の財務大臣にはこれが分からない、今も反省の弁は聞かれない。

もっとも現代貨幣理論MMTは日本の現状を見抜いていますが。

 

実はここが問題なのです。

 

欧米各国も、わかっちゃいるがやめられないのです。

グローバル化で、国内産業が他国との厳しい競争に晒される中で、政府と経済界は労働者の低賃金化が最も手っ取り早いからです。

 

現実には競争に打ち勝つ手は幾つもあります。

国内への設備・開発投資による生産性向上、付加価値の高い新規産業の創出、労働者の転職を支援し旧態依然とした業界の刷新などです。

残念ながら、これは口で言うほどた易くなく、特に日本では旧態依然とした業界と政府の癒着が進んでいるので不可能に近い。

 

結局、経済界が望み政府がとる策は、最も安易な金融(投機)・富裕層の優遇と労働者の賃金低下しかないのです。

前者の言い訳として、安倍元首相は口角泡を飛ばして「トリクルダウンが国民を潤す」と賜っていた。

(ただ安倍は効果が無いと知れると早々と2015年から、白を切り始めたが、もともとご都合主義だったのだろう)

素晴らしいのか、残念なのか日本が最も賃金を下げることが出来た。

 

 

もし先進国の国民が、賃金の伸び悩みとデフレの関係に疑いを持てば、状況は変わるのでしょうが。

 

現実に、労働界は弱く、国民は労働条件の悪化に鬱鬱として従うだけです。

残念な事に、なぜかアングロサクソンの国と日本では政府はやりたい放題だが、フランスやドイツ、北欧4ヵ国では政府が気を使ってくれる。

 

トランプ現象は、国民の鬱積した不満が暴発したと言えるかもしれない。

(うまくガス抜きが出来ないと大爆発するかもしれないが)

 

つまり政府と御用学者は、労働者の賃金低下に白を切らざるを得ないのです。

もし国民が真実を知り賃金上昇を求めると、現代の経済システムを根底から覆すことになるからです。

ここ40年ほど、企業と富裕者に恩恵を与える経済システムを造り上げて来たのですから。

トリクルダウン等は付け足しの言い訳なのです。

 

 

次回に続きます。