20210404

没落を食い止める! 26: この先、世界はどうなるのか? 2: 危機の正体 1

  




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前回、世界は地球規模の危機に突入すること見ました。

今回、かつての危機は突然、それとも起こるべくして起こったのかを振り返ります。

歴史が私達に心構えを示してくれるでしょう。

 

 

結論から言うと、危機を招く下地が国や社会にあって、何らかの切っ掛けによって一気に破局に向かうと言える。

 

 

* 古代ギリシャはなぜ滅びたのか?

 

ギリシャ諸国はアレクサンダー大王の一撃で軍門に下り、歴史の表舞台から消えてしまった。

 

しかし遡ること150年前、大国ペルシアすら撃退していた。

古代ギリシャは千を越える都市国家の集合体で、この大勝利後、内部抗争を繰り返し、ほぼ毎年どこかで戦争をしていた。

この戦争は過酷さと残虐さを増していき、衰退を招いた。

致命的なのは、ついぞ大連合が叶わなかったことです。

 

もう既に外部からの侵攻になす術はなかった。

 

 

* 西ローマ帝国と中国の宋王朝はなぜ滅びたのか?

 

共に軽蔑していた異民族の侵攻によって崩れ去った。

 

この東西を代表する両大帝国は、かつて素晴らしい芸術や制度を生み出し、政治・経済・文化で他を圧倒していた。

ローマは巨大軍事国家であり、宋は優れた官僚国家でした。

 

両帝国は豊かにはなっていたが、富と権力は一部の層に握られ、政治経済は彼らの特権維持に費やされた(腐敗)。

こうしてローマは軍隊を傭兵に、宋は異民族に貢納することで平和をかろうじて維持していた。

 

もう既に自力で異民族に対抗する力はなかった。

こうして帝国は共に2百年ほどで盛衰を終えた。

 

 

* 三つの文明の衰退に共通することは?

 

民衆が意気軒昂で大きな力を発揮出来た時代は、文明や帝国を築くことになった。

しかしやがて中枢、経済と政治を握る層が腐敗し怠惰になると、自らの保身には躍起にはなるが、国や民衆を守る事を放棄するようになる。

(宋では、有力士大夫が自身の資産保全と引き換えに異民族に寝返った)

分断や内部抗争が頻発するのも同じ理由からです。

 

それでは身近な危機について見ます。

 

 

< 2.福島原発事故を描いた映画 >

映画「フクシマフィフティ」は原発の現場を活写し、「太陽の蓋」は混乱の全体像を描いている。)

 

 

* 福島原発事故は天災か?

 

大地震が予兆も無く突然襲い、大きな津波が大災害をもたらした。

 

しかし各地の港には古くからの津波の伝聞(石柱碑)が残っている。

まして原発事故は、以前から一部の研究者らによって大津波や電源喪失の可能性が指摘されていたが、電力会社側と政府によって握り潰され、対策は講じられなかった。

 

注意すべきは、当時の内閣や原発オペレーターの奮闘だけでは大事故が防げなかった事です。

結局、原子炉格納容器に偶然に穴が開き圧力が低下し、大爆発が起こらなかったからこそ半径200kmを越える大災害にならなかった(映画「フクシマフィフティ」でも一言セリフがあった)。

 

 

< 3.日本列島は巨大地震地帯 >

 

つまり事前の対策、むしろ原発不採用こそが必要です。

10年経った今でも多くの避難者を出している原発事故は、多くが手抜きによる人災と言えます。

 

 

 

< 4.アジアのコロナ感染者数 >

緑線が日本でインドに次いで2位(縦線目盛りは対数)

 

 

* 日本のコロナ禍は天災か?

 

コロナウイルスがなければこんなことにはならなかった。

 

しかし以前から疫学者は地球温暖化とグローバル化で巨大なパンデミックが人類を脅かすだろうと指摘していた。

 

一方、同じような発症率が予想される東アジア諸国に比べ、日本は人的・経済的な被害が大き過ぎる。

感染が確認されてからの医療体制の拡充、マスク手配、PCR検査拡大、ワクチン接種など、あらゆる政府の対応が他国より遅れに遅れている。

しかもオリンピックを控えて、他国より適切な対処が必要にも関わらず首脳は精神論を唱えるばかり。

 

 

< 5. 日本のコロナワクチン接種の遅れ >

1月14日時点で米国は1千万回、日本は3月26日で80万回、しかも停滞している。

 

結局、政府と官僚の日頃からの危機管理能力低下が災いを大きくしている。

 

 

* 1980年後半、日本は久々の好景気到来と浮かれていたが

 

当時余裕のある人で、これはやがて崩壊するかもしれないと用心し投機や浪費に走らなかった人は稀だったろう。

 

しかしバブルは弾け、周囲で羽振りの良かった人が株や土地転がしで大損し、ついには夜逃げする人も出た(半年ほどで数百兆円が消えた)。

バブルは麻薬と一緒で、人類は中毒症状(金融危機)を恐れながらも麻薬(バブル)を手放せないでいる。

なにせ著名なFRB議長すらバブルの火消し時期を見誤り続けている。

バブル崩壊の甚大な被害と、これを生み出しているのが金融・経済政策だと言うことは既に明白です。

 

つまり、これは人類が自ら生み出し、自らを害する典型的な現代危機の代表です。

 

 

* 原発事故、コロナ禍、金融危機に共通することは?

 

前の二つは、天災を切っ掛けにして怠惰な政治が災いを大きくしているケースです。

他国にも同じ状況があるにも関わらず、日本だけが酷い結果を招くのですから明白です。

(原発は世界にありますが、これだけ地震や津波に襲われる所はない)

 

バブルと金融危機は、正に人間社会が作り出した災厄です。

 

つまり、どれも私達、政府のあり方で危機の発生と回避が決まるのです。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

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