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20161229

東京裁判とパール判事 1: 例え話

 
*1

連載を始めるにあたり、このテーマの全体像を例え話にしてみました。


題名 「大泥棒とコソ泥と神様」


 
*2


或る所に大泥棒とコソ泥が競って人々に乱暴を働いていました。
とうとう、大泥棒はコソ泥を捕まえ、珍しく裁判にかけることにしました。

大泥棒  
「お前達コソ泥は多くの人を殺し、物を奪い、人々を不幸のどん底に陥れた。
これは死罪に値する。」

コソ泥 
「私達は大泥棒から身を守る為にコソ泥になった。
私達の残忍な殺し方が罪になるのなら、大泥棒の落とした爆弾の罪はもっと大きいはずです。
あなたがた大泥棒が数百年間行って来た事と比べれば、私達コソ泥のしたことなど屁でもない。」

大泥棒
「しかし、今回の大惨事はお前らコソ泥が始めたことで起きたことは明白である。
この裁判では、お前らに今回の大惨事の責任を問うものであり、過去のことは問題外である。」

コソ泥
「そりゃ片手落ちと言うものですよ。
ましてや泥棒同士の殺しや盗みを罰する法律はありやしません。
法律も無いのに、罰するなど泥棒の風上にも置きやしません。」

大泥棒
「却下する。証言を聞きなさい。」

被害者
「私達はこのコソ泥達に口では言えないほどの残虐な仕打ちを受けました。」

コソ泥の仲間A
「私は彼らにやり過ぎだと言ったのですが、逆に殺すぞと脅されました。」

大泥棒
「コソ泥の罪は明白であり、頭目は即刻、死刑とする。」







 
*3

ここで、一人の神様が現れ、大泥棒を諭しました。
「この裁判は間違っている。
コソ泥は大泥棒を真似たに過ぎない。
また、あなたがた泥棒は全員で泥棒間の争いを裁く法を作っていないではないか。」

一方、コソ泥にも諭しました。
「あなたがたはほんとうに酷いことをした。
法が無い以上、頭目の死刑は問題だが、あなた方は大いに反省しなければならない。
当然、残虐なことをした人は裁きを逃れない。」


コソ泥の仲間B
「さすが神様だ! 我々、コソ泥の汚名はそそがれた。
私達の仲間は悪くはなかったのだから、被害者に謝罪する必要はない。」

神様はコソ泥の家族たちにこう言い残しました。
「私がなぜ無罪と言ったのか、その真意を汲み取って欲しい。
このまま大泥棒の身勝手を許すと、益々増長し、人々はより大きな悲惨な目にあうだろう。
あなた方こそが、この試練を教訓とし泥棒稼業から足を洗うのです。
決して大泥棒と組せず、率先して世界から泥棒を無くすようにしなさい。
その為に、私は「日本は無罪」と言ったのです。」

今、この神様は雲間から悲しそうな目で下界を見ていることでしょう。

終わり。

この連載をいずれ始めます。



注釈
大泥棒は連合国、コソ泥は日本です。
大泥棒の数百年の行為とは帝国主義や植民地政策のことです。
大泥棒の爆弾とは原子爆弾のことです。
今回の大惨事とは第二次世界大戦、日中戦争、太平洋戦争です。

泥棒同士の争いとは国家間の戦争で、これを裁く国際法はまだない。
神様とはパール判事です。


大泥棒の身勝手とは、自衛と称して軍事介入し、冷戦下で代理戦争をやらせ、ベトナム戦争を行い、中東に介入し戦火を拡大させていることなどです。