新自由主義(放任経済)と金融偏重が、
国・国民・世界に犠牲を強いている状況をまとめます。
格差、賃金低下、失業、治安悪化も当たり前になり、
日本だけでなく多くの国で金権政治が進んだ。
しかし、この悪夢は始まったばかりです。
* 新自由主義国の哀れ
現状の経済を批判すると、必ず出て来る指摘がある。
「あなたは資本主義、自由主義、さらには民主主義を否定するのか」
もちろんそんなつもりはありません。
この指摘は洗脳によるか、短絡思考による勘違いに過ぎない。
例えば、19世紀後半に帝国主義に走った英国、20世紀前半に世界大戦の口火を切った日独伊、20世紀後半に世界中で紛争を拡大した米国、これらは紛れも無く資本主義国家で、しかも概ね民主主義国家でした。
至極当然なのですが、資本主義は完全無欠ではないのです。
更にこう指摘されるかもしれない。
「最新経済学による優れた経済制度に問題があるはずはない」
それを言うなら、1960から70年代の経済の方が、国民にとって良かったことをどう説明するのか?(当時、日本は希望に溢れていた)
また、強大化する金融危機に毎回悪戦苦闘し、財政赤字を増やし続け、経済成長率鈍化や失業率の増大、加えて格差拡大や社会の分断が進む現状を、政府や経済学者はどう説明し、さらには是正案を提示しているのか?
新自由主義国の政府は、いずれ良くなるはずだと毎回政策をぶち上げるが、この30年間、国民の生活はほとんど良くなっていない。
残念ながら主流である御用学者も言い訳し逃げているだけです(高橋や岩田が好例)。
せいぜい一部の反骨のエコノミスト、スティグリッツ、ジェフ・マドリック、ピケティ、藤井聡らが的確に現行の経済を批判しているに過ぎない。
綜合的に対案を提示しているのはMMT現代貨幣理論のグループぐらいではないでしょうか。
*2
バブルの度に国民は夢を膨らませたが、いずれも必ず悪夢が訪れた。
それでも国民は夢を繋いで生きている。
この現状に、私は人間社会の悲しい性を見る思いがする。
英国が世界最大の帝国から没落し始めた頃、国民はまだかつての栄華の余韻に浸っていた。
当時の英国ではグルメ、温泉、旅行、健康番組が大流行し、没落とは無縁だった。
覇権国を誇示できた英国、帝国主義国家の内実は、赤字続きで多くの若い兵士の血を砂漠に流しただけでした(植民地に投資した資本家だけは儲けた)。
自国の没落さえ気付かない見たくない人間が、共に多くの国も没落している状況で没落を自覚することは、至難の業と言わざるを得ない。
だが世界に目をやれば光明はある。
幸いな事に北欧4ヵ国は、20世紀後半から新自由主義国とは別の道を歩んでいた。
そして、新自由主義国が抱える数多くの問題点から、それこそ自由であり続けている。
また、あれほど絶望視されていた共産主義の中国が、予想を裏切って経済の大躍進を続けている。
コロナの対応を見ても一流国、少なくとも日本よりは格上の国である事を示した。
つまり現在の新自由主義国だけが進むべき道では無いことが証明されている。
次回に続きます。
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