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これから先進国没落の起源を探ります。
皆さんは知って驚くはずです。
巷に流布されている事とは真逆なのですから。
これこそ、この没落の恐ろしさです。
没落を仕組んだ人々には悪意があったのだろうか?
否、彼らに悪意は無かったと信じたい。
当時、結果的に没落を招くとこになる大転換を推進した人々は輝きを放っていた。
それは主に三人の先進国の首脳でした。
彼らは、世界を悪の国から守り、自国の低迷した経済を救う救世主と見なされていた。
ただ、すべての先進国がこれに倣ったわけではなく、自制的であったり拒否する国もあった。
当時の私は期待せず、いずれ失敗すると見ていたが、概ね世論は好意的であり、今も突き進んでいる。
しかし、じわじわと経済と社会を疲弊させ、今頃になって取返しがつかない状況に至ったと一部の人は気付き始めた。
彼ら首脳は当時、何を変革しようとしたのか?
一言でいうと、国家による福祉・公共サービスを縮小し、大幅な規制緩和を行う事でした。
彼らは、新自由主義と呼ばれた経済思想=小さな政府と自由市場こそが経済を復活させると信じた。
実は、これはそれまでの半世紀間の先進国の流れを全否定し、大転換を図るものでした。
その三人とは米英日のレーガン、サッチャー、中曽根で、起源は1980年代の政権誕生に行き着く。
政権期間は、中曽根1982/11-1987/11、サッチャー1979/5-1990/11、レーガン1981/1-1989/1でした。
< 2.三ヵ国のGDPの推移、1870-2008年 >
https://www.nippon.com/en/in-depth/a04003/
三本の横線は各国の政権期間を示す。
GDPの推移からは大転換の必要性が特にないことがわかる。
< 3.三ヵ国のGDPの推移 1980-2012年 >
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-87.html
三本の横線は各国の政権期間を示す。
このグラフからは、大転換に特別な成果があったように見えない。
逆に日本は、1980年台後半にバブルを招き、その後の崩壊が祟って成長を止めてしまった。
当時、私が胡散臭いと感じたのは、レーガンの大減税と軍拡、サッチャーの徹底した国営企業と労働組合の解体でした。
中曽根(と読売社主渡辺)は忠実に二人をお手本にした。
< 4. 財政赤字の推移、GDP比率 >
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-87.html
結局、三ヵ国の財政はどうなったのか?
米国と日本は財政赤字を増やし始め、英国は財政赤字を減らしたが、この間に失業率を増大させた。
当初、結果は三ヵ国で違ったが、リーマンショック後は同じになった。
この三人には上述の政策以外に共通するものがあった。
それは保守派・右派(軍拡)であり、マネタリズムの重視でした。
マネタリズムは貨幣供給量の増減で経済や物価を制御することであり、政府と中央銀行が管理する事になる。
(米国の経済学者フリードマンが自由市場とマネタリズムを主導した。私には疑念がある。一方で小さな政府を標榜しながら、他方で大規模な政府の介入を必要とし、商品市場は自由だが貨幣市場(発行)を管理する。)
実は、このことは当時目立たなかったが、後に最大悪弊の一つになった。
そして国民は、経済を二度と正常に取り戻すことが出来なくなった。
上記の大転換を視点を替えて見ると。
福祉・公共サービスの縮小は、大半の労働者、低所得層の国民を切り捨てることになった。
自由市場は切磋琢磨を連想させるが、その結果は強大なものがより強大になるだけでした。
グローバル化の推進も、悪弊を加速させることになった(良い面はあるが、放置すると悪い面が際立つ)。
三ヵ国の保守とは自民党、保守党、共和党で、その政策は経済界や富裕層を優遇して来た。
マネタリズムには長短があるが、その結果は金融依存、金融危機誘発、超富裕層の誕生を招き、より格差を拡大させた。
次回に続きます。
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