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これまで、先進国が衰退する要因を見て来ました。
これからは没落を早める日本固有の要因を見て行きます。
私達はこの二つの悪弊を取り除かなければならない。
道のりは厳しいが、家族や人々に豊かな日本を残したい。
* 日本固有の問題とは?
現在、多くの欧米先進国が一様に衰退しているのは、新自由主義による経済政策と金融偏重と(放任主義のグローバル化)、そして蘇り肥大化した富裕者による金権政治と言えます。
しかし日本だけがさらに没落を早めているのは、日本固有の要因があるからです。
ここで日本と他の先進国を簡単に比べます。
日本の格差は先進国でもっとも酷い米英に次いで悪く、近年猛追しています。
日本は失業率こそ低いが、経済成長率は長年最低、累積債務は最悪です。
国民の大半の所得は減り続け、多い自殺者が不景気時にさらに増える。
良いのは治安と長寿命でしょうか。
かつて先進国の評価基準である多くの経済・社会指標ランキングで日本は20位以内もあったが、とうの昔に多くが30位を越え150位以下もある(幸福度、ジェンダー、政治腐敗、報道の自由度など)
日本固有の悪化要因は、政治・経済だけでなく文化まで多岐にわたります。
なぜこんな国になってしまったのか?
それは大陸に近い島国と最古層の農耕文化(エマニュエル・トッドが指摘)、さらには敗戦後に米軍に占領されたことが大きい。
もっとも現在、悪化を押し進めているのは自民党と鉄のトライアングル(政官財)ですが。
口惜しいのは、敗戦後は国民の努力が実った時代であったにも関わらず、国民自ら没落の道を選んでしまったことです。
* ここで日本の没落を実感してもらいます。
私が推測するに、日本固有の問題に起因する経済損失は年間10~20兆円だろう(直感)。
「大したことないじゃないか!」
高々、GDP550兆円の1.8~3.6%に過ぎないと思われるかもしれない。
それでは下のグラフを見て頂きたい。
https://toyokeizai.net/articles/-/269822?page=3
このグラフは両国を1990年時点で100として重ねたものです。
もし日本が1990年以降もアメリカと同じだけ成長していれば、2018年で今よりGDPは1.55倍、550兆円が850兆円になっていたことになる。
この差は28年間、日本の成長率が米国より1.6%低いだけで生じていた。
つまり、年1%強(10兆円強)でも恒常的に経済を悪化せる要因があれば、致命傷なのです。
* ここで質問です。
経済成長を左右する最も重要な要因は何だと思いますか?
l 国民や企業の意欲
l 政府の政策(国の経済システム)
l 世界の状況
答えは簡単ではありませんが、多くの文明や国が衰退する時、ある共通のパターンがありました。
それは経済システムが機能不全に陥っていたことです。
これは同じ文化を持つ民族でありながら分割された国(米国アリゾナ州とメキシコに分割された都市ノガレス、朝鮮半島など)を比較することで明確になっている(「国家はなぜ衰退するのか上・下」参考)。
要は、主に政治腐敗などにより、通常の製造や販売以外の違法な行為で暴利を貪ることが横行し、やがて人々は経済活動への意欲を無くしてしまったからです。
例を挙げれば、賄賂で国から専売権を得て、暴利を貪るようなことです(歴史上限りない)。
また企業団体が、自らの生産性向上を放棄し、議会を動かし他国の最新技術の国内流入を阻止するなどです(19世紀の英国)。
要は金・軍事・政治力を持つ者が、互いの利の為に権力者と結託して、社会経済を歪め、腐敗させていくのです。
当然、人々はまともな創意工夫などしなくなり、悪事と格差が蔓延し、遂には没落します。
つまり、今の日本の没落は、腐敗した政府の政策が悪く、国民や企業が意欲を無くした状態と言えます。
敗戦後の一時期は互いに好影響を与えあったのですが。
さらに世界の状況も悪いと言えます。
次回に続きます。
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