20150403

播磨を巡って 1: 赤穂を訪ねて



< 1. 赤穂御崎 >

2回に分けて、3月30日の日帰り旅行を紹介します。
今日は、赤穂です。

< 2. 赤穂御崎からの眺め 
下の写真2枚には家島が写っています。
春霞で遠望出来ませんが、その向こうに淡路島があります。


< 3. 赤穂城跡、本丸 >
すべての写真に本丸門が見える。
モクレンの白さが、300年前、雪の中を討ち入りした志士を忍ばせる。
この本丸御殿で家老の大石と家臣らが苦悶したのだろう。

赤穂城について
江戸時代、この地に転封された浅野家が海岸にこの平城を作った。
そして入浜塩田による製塩を発展させ、塩は日本各地に出荷された。
しかし三代目藩主が刃傷沙汰を起こし、藩主は切腹、御家は改易となった。
これが赤穂浪士の討ち入り事件です。


< 4. 焼き牡蠣とモクレン >
今回の旅行は、牡蠣を食べるのと花見が目的でした。
牡蠣料理が3月一杯で終了なのでぎりぎり間に合った。
牡蠣料理、特に初めての焼き牡蠣は旨かった。
残念ながら赤穂御崎の崖を埋めている桜は咲き始めたばかりでした。
満開は4月10日頃だそうです。

< 5. 浅野家、赤穂浪士ゆかりの地 >
A: 大石神社。これは城内の大石良雄宅跡に造られた。
B、C: 花岳寺。浅野家の菩提寺で赤穂浪士47士の墓がある。
D、E: 伊和都比売神社。これは航海安全の神で、海に面して建っている。

次回は、加古川の方を紹介します。



20150402

淡路島 国営明石海峡公園 3: 丘陵部



< 1. 「ポプラの丘」のチューリップ >

今回は、公園中央部にある丘と森を紹介します。
日本の自然景観が巧みに造形され、特に高台からの見晴らしが素晴らしいです。
主に「せせらぎ広場」、「空のテラス」、「月のテラス」、「水の岩戸」などを巡りました。
写真は3月28日撮影分です。

< 2. 丘陵部の地図、ピンクの星印が主な撮影地点 >

< 3. 「せせらぎ広場」など >
一番上の写真: せせらぎ広場。左上部に「空のテラス」が見える。
上から二番目の写真: 「空のテラス」から「せせらぎ広場」を見下ろす。
左側にチューリップが綺麗な「風の丘」、その向こうが「移ろいの庭」、大阪湾が見えます。

< 4. 満開の桜 >
この公園では「春一番の丘」で100本の河津桜が3月に一番初めに咲きます。
後は、色々な桜が順番に咲いていきます。
今が最盛期です。

< 5.「月のテラス」と「ポプラの丘」 >
今、チューリップが日増しに咲き誇るようになってきました。
最盛期は4月5日~10日ですが、既に見応えがあります。
色とりどりに咲くチューリップ、ムスカリ、水仙が、山と海が迫る斜面に咲いています。日射しが暖かくても潮風が吹いて爽やかな散策が楽しめます。

次回に続きます。




20150401

淡路島 国営明石海峡公園 2: バーベキュー広場



バーベキューを楽しむ人々

< 1. バーベキューを楽しむ人々  >

今日は、明石海峡公園付属のバーベキュー広場を紹介します。
ここは海峡公園の海側にあり、すぐ海峡公園にも入場出来ます。
写真は3月28日撮影分です。


バーベキューサイト 

< 2. バーベキューサイト >

バーベキュー広場の施設
この広場は海峡公園に隣接しており、無料で使用出来ます。
       レンガ敷きのバーベキューサイト(15ヵ所)。
・利用者が多い場合は敷地内であれば可能です。
       調理、バーベキューが出来る棟とトイレ。
   ・施設内で食材等を販売していません。
       日除けのターフの無料貸出。
       有料駐車場(隣接の海峡公園と共用)。
   ・利用期間と時間は公園と異なりますので確認ください。



バーベキュー広場の受付 

< 3. バーベキュー広場の受付 >
上の写真: 手前にバーベキューの施設棟とその奥に海岸口ゲートが見えます。
下の写真: 明石海峡公園の海岸口ゲート。
バーベキュー広場には行くには、海峡公園の海岸南駐車場に車を停めて下さい。
駐車場の突き当たりに進み、写真の塔の前を右に入って下さい。
ここが海峡公園の海岸口ゲートで、ここでバーベキュー利用の受付を行います。


バーベキュー広場の全景 

< 4. バーベキュー広場の全景 >
上の写真: 北側を見ている。海岸口ゲートとバーベキューの施設棟。
下の写真: 南側を見ている。海峡公園付属の「翼港」が見える。
海岸には降りることが出来ません。

あとがき
山と海に挟まれた芝生の広場で、皆さんはバーベキューをのんびりと楽しまれています。
今の時期、利用者は少ないですが、これから夏場に向かって来訪者が増えていきます。
ここから海峡公園の利用も便利です。

次回は、海峡公園内の丘陵部を紹介します。


20150330

淡路島 国営明石海峡公園 1: 花のフェアが始まりました



< 1.花火鳥 >

今、淡路花博2015が淡路島全域で行われています。
その内の国営明石海峡公園の様子を、これから2ヶ月間に渡ってお知らせします。
今日は、その最初で、写真は3月26日撮影分です。



< 2.「大地の虹」から撮影、右手に「花火鳥」が見える > 
「花火鳥」は淡路島大震災からの復活を願って花で作られた不死鳥です。


みどころ
期間中、頻繁に色々な催事が行われており皆で楽しめます。
今、花では桜、アカシア、水仙、チューリップ、ムスカリが綺麗に咲いています。
この期間中、最大の見応えは60万株300種類のチューリップで、次ぎから次ぎへと咲いて行きます。
今は早咲きのチューリップが咲き、最も咲き誇るのは4月5日から10日頃でしょう。

淡路島国営明石海峡公園について
ここは淡路島の北端にあり、明石海峡大橋を渡って直ぐの所にあります。
この公園は海と山に抱かれた雄大な日本庭園と花園です。
長さ1.3kmの中に花壇、池、丘、林、芝生公園、遊園地が配されています。
また隣接して淡路夢舞台(ホテル、レストラン、ショッピング街、温室など)があります。

淡路花博2015、花みどりフェアについて
期間   3月21日~5月31日
開催場所 淡路島国営明石海峡公園と夢舞台、淡路ファームパークとイングランドの丘、他3箇所。


< 3. 写真撮影地点はピンクの星印「大地の虹」 >
地図右側が北方向です。



< 4.同じ場所から三方向を見た >
上から北、西、南側を撮影した写真です。
一番下の写真に、ホテルと夢舞台の施設が写っている。



< 5.「花の中海」とその奥に「ポプラの丘」 >

ここはチューリップ花壇を一望出来るスポットの一つです。
チューリップはここ以外にもレイアウトを凝らした花壇で見られます。

この日は朝夕涼しく、昼間は快晴でそよ風が吹き、気持ちの良い日でした。

次回は、海岸沿いのバーベキュー広場を紹介します。





20150329

False rumor, prejudice, and blind spots 17: What does the satire aim at? 3

デマ・偏見・盲点 17: 風刺が目指したもの 3




< 1.  Movie "Harakiri" , this is honorable punishment for samurai. >
< 1. 映画「切腹」、切腹は侍にとって名誉ある処罰 >

This time, I consider honor and think about how there should be satire.
今回は、名誉を考察し、風刺は如何にあるべきかを考えます。



< 2.  Fight a duel for honor >
< 2. 名誉をかけた決闘 >

The most troublesome one is "honor".
There is society that esteems "honor" extremely, and if disgrace was brought, it may become a bloodshed incident.
In a memoir “The Sad Tropics” by Levi-Strauss, there was an incident when Brazilian hunter-gatherer bartered.
They made a night attack to protect the honor because the value of the barters was different.
In the past, if disgrace was brought, it is usual for them to behave violently or to fight a duel.

But there was also a different part to the honor in Japan and Korean Peninsula.         
A warrior (samurai) did suicide (harakiri) to protect honor of oneself, his family or his belonging group.
There is also society that sacrifices family's woman for family's honor in South Asia.

The response to honor is various and person among different cultures is difficult to understand.
The honor had a function that maintains the footing by maintaining the reputation of individual and his belonging group.
Most society attaches importance to the honor of either individual or group.
For the most part, Europe and America seems to be the former and Japan seems to be the latter.

The culture of the honor still breathes.
The feelings remain still in the competition between nations, races and religions as seen in watching sports.
For exampledo you wish to stare the eyes of gangster, motorcycle gang and Japanese monkey?
We have the feelings that are hard to abandon.


最も厄介なのが「名誉」です。
「名誉」を極端に重んじる社会があり、名誉が傷付けられると流血事件になることがある。

レヴィストロース著「悲しき熱帯」に、ブラジルの狩猟採集民が物々交換で価値が釣り合わず、名誉が傷付けらえたとして夜襲したことがありました。
かつて、名誉を傷付けられると相手に暴力を振るったり決闘を申し込んだりするのが普通でした。

しかし日本や朝鮮半島では異なる部分もありました。
武人(侍)は自分や家系、帰属集団の名誉を守る為に自害(切腹)した。
南アジアには家族の名誉の為に婦女子を犠牲にする社会もあります。

名誉への対応は様々で、異文化の人には理解しがたい。
名誉は個人や集団の評判を守ることにより、その立場を維持する機能がありました。
社会によっては、個人か集団の名誉のどちらかがより重視された。
概ね欧米は前者で、日本は後者と言えそうです。

名誉の文化は今も息づいています。
スポーツ観戦に見られるように国家、民族、宗教間で、その感情は今でも健在です。
例えば、あなたはヤクザ(暴力団員)や暴走族、日本猿と目を合わすことを望みますか?
私たちには捨て難い感情が根付いているのです。



< 3.  Japanese monkey >
< 3. 日本猿 >

What is the problem?
The problem is to hurt the honor of others by satire.
"Freedom of speech" is limited by the range that does not conflict with "Defamation of character".
Furthermore, we should forbid using satire to discriminate against the weak.
In Japan, most media controls discrimination terms voluntarily.

If culture or religion is different, the harm by satire may be beyond imagination.
Frequently, we are easy to accept freedom of speech, separation of government and religion and individualism as holy writ, but should accept different culture.

Most worrying is increasingly to report satirical news with pandering to public as public position "freedom of speech”.

何が問題か
問題は、風刺によって他者の名誉を傷付けることです。
「言論の自由」も「名誉毀損」に抵触しない範囲に制限されている。
さらに弱者を差別する為に風刺を使うことも禁止すべきです。
日本では、マスコミが差別用語を自主規制しています。

文化や宗教が異なると、風刺の弊害は想像を越えることがあります。
私達は、往々にして、自国の文化や価値観―言論の自由や政教分離や個人主義、を絶対視しがちですが、異なる文化を受け入れるべきです。

注意するべきは、マスコミが「言論の自由」を立前に大衆に迎合し風刺的報道を強めることです。



< 4. this cartoon of France shows powers that took aim at the Korean
< 4.フランスのビゴー作「魚釣り遊び」、朝鮮半島を狙っている列強 >

Summary

The satire is necessary as a degassing of society and a countermeasure against power.
But, the satire is easy to appeal to public, if we give a loose rein to it, we make discriminating run out of control.

When satirizing other countries, the media should exercise moderation.
In addition, it is the same kind as about emigrants of different culture or pagan.
Even if all live in the same country, it is not wise policy to let the manners and customs of the country obey the emigrants hastily.
Naturally, there is the range of good sense like the difference in men and women of all ages.

Developed countries that have a superior sense of “democracy and human rights awareness” must give an example for leading the peace.

まとめ
風刺は社会のガス抜きや権力への対抗手段として必要です。
しかし風刺は大衆受けし易く、野放しすると名誉を傷付け、差別へと暴走させます。

他国を風刺する場合、マスコミは節度を守るべきです。
また国内の異文化、異教徒の移民についても同様です。
同じ国内であっても、移民の習俗を性急に従わせることは得策ではありません。
自ずと、老若男女の違いのように良識の範囲があります。

このことは「民主主義と人権意識」の発達した先進国が範を示し、平和を率先する意味で重要です。


20150327

False rumor, prejudice, and blind spots 16: What does the satire aim at? 2


デマ・偏見・盲点 16: 風刺が目指したもの 2




< 1. Comic drama >
< 1. 狂言 >

I look at Asian satire culture and negative aspect of satire this time.

今回は、アジアの風刺文化と風刺のマイナス面を見ます。

Asian satire

The satire of classic public entertainment (comic drama, comic monologue, etc.) poked fun at the stupidity of person, and admonished.
Occasionally, samurai and Buddhist monk were satirized with caricature.
However, the culture to bitingly satirize the power like Europe and America did not grow up in Japan.

アジアの風刺
日本の古典大衆芸能(狂言、落語など)の風刺は、多くが人の愚かさを揶揄し諭している。
風刺画では、侍や僧侶が風刺されることもあった。
しかし日本では欧米のように権力を辛辣に風刺する文化は育たなかったようです。



< 2.  Asian satire
< 2. アジアの風刺 >
E :  Picture scroll “Choju-Jinbutsu-giga” in about the 12th century.
This caricature described by frolicking animals and humans satirizes the society.
The scene shows a rabbit carries the appropriate gift to a bishop of monkey who had finished a Buddhist memorial service.

F :  A caricature "Intractable disease treatment" of the end of the Edo era in the middle the 19th century.
The scene shows some samurais who suffered from intractable disease are visiting a skilled physician.
These diseases are “all talk and no action”,” unprincipled” andcowardice”, etc.
It says samurai is flaccid.

G :  Comic monologue.
It is an entertainment of common people from the Edo era, and also popular even now.
The laugh is mainly to satirize common people’s stupid act.

H :  A masque of Hahoe Folk Village in Korea.
The scene satirizes Buddhist monk that is courting woman.
And it also satirizes Yangban (noble) living in same village.

E 絵巻物「鳥獣人物戯画」。12世紀頃。
動物を擬人化して社会を風刺。
この絵は法要を終えた猿の僧正に兎が御礼の品を運んでいるシーン。

F: 幕末の風刺画「難病療治」。19世紀中頃。
難病奇病を患った侍が名医を訪れているシーン。
この病は「口ばかりの病」「うちまたこうやく」「うしろをみせる病」などで、侍を軟弱と皮肉っている。

G: 落語。
江戸時代より庶民の娯楽として定着し、今も人気がある演芸。
庶民の愚かな行為を風刺する笑いが主。

H: 韓国の安東河回村の祭りで行われる仮面劇。
これは女性を口説く僧侶を風刺しているシーン。
村で共存している両班(貴族)をも風刺する。



< 3.  impromptu comedy play of Hakata >
< 3.博多にわか、ブログ「ヨレヨレライダーのどたばた日記」より >

Negative aspect of satire

It is to laugh at and to look down others.
Frequently, the satire was preoccupied with poking fun at others and enjoying, and sometimes was used for social sanctions and discrimination.
Aristotle assumed the origin of Greek comedy had been to poke fun at nomadic tribe who were driven from the town.

In the Middle Ages of Japan, Satirical sanction was carried out in villages.
For example, when there was a theft, village people identified someone with the criminal.
Then, the village people putted a large rock on front of his house at midnight, and did not remove it until he confessed.

In other village, people satirized a delinquency of the villager with impromptu comedy play.
The satirical sanction had functioned as social sanction, but became outdated when legal system and human rights awareness advanced.

Main problem is satire used to despise and discriminate subordinate person and an outlander (immigration).

風刺のマイナス面
それは他者を愚弄し、貶めることです。
往々にして、風刺は他人を揶揄し愉しむだけに終始し、時には社会的制裁や差別にも使われた。
アリストテレスはギリシャ喜劇の起源を、町を追われた流浪の民を揶揄したのが始まりとしている。

中世の日本の村では風刺的制裁が行われていた。
例えば、盗難があり、犯人の目星がつくと、夜中に村人が大石をその家の前に置き、当人が白状するまで取り除かない。
また村人の非行を村人がにわか狂言(滑稽な即興の寸劇)で風刺することも行われた。
風刺的制裁は村八分(社会的制裁)として機能していたが、法制度や人権意識が進むと廃れた。

主な問題は劣位の人やよそ者(移民)を蔑視し差別することに使われる風刺です。

To satirize different culture
Satire will be common in identical cultural sphere, but in different cultural sphere, there is a possibility that a harmful influence beyond each other’s understandings arises.
I look at two examples about differences in culture, and consider what become problems.


異文化を風刺すること
風刺は同一文化圏では共有可能でしょうが、異文化では理解を越える弊害が生じる可能性があります。
文化の違いを二例ほど見て、何が問題となるかを見ます。



< 4. Honor and laughter >
< 4. 名誉と笑い >

I :  A scene of charging in drama "Chushingura"  
This is a Japanese true story of the early 18th century, and if many Japanese see this drama, they still shed tears.
It shows a samurai’s honor that they took revenge for their lord and suicided by disembowelment.

J :  Folktale ”Khoja”
It is a funny story that a Turkish saint is central character in.

I: ドラマ「忠臣蔵」の討ち入りシーン。
18世紀初めの日本の実話で、多くの国民は今でもこれを見ると涙する。
これは主君の仇を討ち、後に全員切腹する武士の名誉を描いている。

J: 民話「ホジャ」。
トルコの聖者が主人公の笑い話、頓知話。

Honor and laughter

These are in common in the world, but the reaction greatly varies according to the culture.
In my trip of Turkey, I heard the funny story ”Khoja”, but it was not laughable.
The local guide said Japanese never laugh, but I asked to speak forcibly.
After all the difference of culture was big.

On the next time, I look at honor.

名誉と笑い
これは世界共通なのですが、文化によって反応が大きく異なります。
トルコ旅行中、笑い話「ホジャ」を聞いたが、笑えなかった。
現地ガイドは、日本人は笑わないと言ったが、無理にお願いした。
やはり文化の違いは大きかった。

次回は、名誉について見ます。




20150325

False rumor, prejudice, and blind spots 15: What does the satire aim at?


デマ・偏見・盲点 15: 風刺が目指したもの 1




< 1. A overseas caricature, by blog "SKY NOTE"  >
< 1.海外の風刺画、ブログ「SKY NOTE」より  >

On January 7 in this year, French satirical weekly newspaper was attacked and many people were killed.
May their soul rest in peace.
This time, I think about the satire culture that led to this incident.

今年1月7日、フランスの風刺週刊誌が襲撃され、尊い命がなくなりました。
ご冥福をお祈りします。
今回は、事件の切っ掛けになった風刺文化について考えます。

  


 2.  covers of Charlie Hebdo 
< 2. シャルリーエブド紙の表紙 >

Preface

Recently, for continuing terrorism threat, I become a dark mood.
It is legitimate to deal terrorism, but about the destruction, there are two consciousnesses.
The one is to exterminate the stronghold by air strikes at one sweep.
Another one is to prevent the recurrence and the increase by snuffing out hotbeds of terrorism.
This time, I don’t examine the pros and cons of the two, and I look back on the satire culture that caused this terrorism.

はじめに
近頃、続くテロの脅威には、暗澹たる気持ちにさせられます。
テロを処断するのは当然ですが、その撲滅について、大きく二つの考えがあります。
一つは、一挙に空爆などで本拠地を殲滅することです。
今一つは、テロの温床を無くすことで、再発や増殖を阻止することです。
この是非の考察は後に譲って、今回は、テロを誘発した風刺文化を振り返ります。

The threshold of the incident
This weekly newspaper (Charlie Hebdo) was famous with the bitter caricature, and was caricaturing prophet Muhammad from before.
Furthermore, on the day of the incident, a caricature (weekly newspaper) that made a mock of the face of a jihadist having an automatic rifle was released.
There, too, “There was not yet an attack at all in France”, and “ Wait!  It will be still in time for a greeting of the New Year” were trumpeted in the headlines.

事件の切っ掛け
この週刊誌(シャルリーエブド紙)は辛辣な風刺画が有名で、以前から預言者ムハンマドも風刺していた。
さらに事件当日、自動小銃を持ったジハード戦士の顔を茶化した風刺画(週刊誌)が発売された。
そこには「フランスではいまだに襲撃が全くない」、また「待っていろ! 新年の挨拶ならまだ間に合う」の見出しが躍っていた。

About satire

Satire is always accepted by people in the world and has been welcomed.
The satire had the effect to punish the bad practice of society, or the abused power.
But there is also a pitfall where we don't notice.
We glance at the satire culture of the world and intend to consider what it aimed.

風刺について
風刺は世界中、いつの世も大衆に受け入れられ歓迎されて来ました。
風刺は社会の悪弊や権力の乱用を懲らしめる効果もありました。
しかしそこには気が付かない落とし穴もあります。
少し、世界の風刺文化を一瞥して、その目指したものについて考察します。

The visible side from the satire culture of the world
In a dictionary, “ Satire is to criticize a defect and a sin of society or person indirectly”

世界の風刺文化から見えるもの
風刺とは「遠回しに社会・人物の欠陥や罪悪などを批判すること」と広辞苑にある。



< 3.  Actor statue wears a mask of ancient Greece comedy >
< 3. 古代ギリシャ喜劇の仮面を被った役者像 >

Ancient Greece comedy 
In the 5 – 4 century B.C., it was very popular with citizen as well as the tragedy of the festival.
The actors exchanged words of the barnyard joke and the ridicule in early times.
At its peak, a person of power or Socrates were satirized, moreover the pacifism was treated by work, "Lysistrata".
This presentation expense was paid by rich merchants and the nation, and we can see a democratic aspect that people were tolerant of satire.

古代ギリシャ喜劇
紀元前5~4世紀、祭典の催しの悲劇と並んで市民に絶大な人気がありました。
初期には張りぼてをかぶり卑猥な冗談や揶揄を交わしていた。
往時には、権力者(執政官)やソクラテスなどが風刺され、さらに作品「女の平和」で戦争反対を扱った。
この上演費用は裕福な商人や国家が出しており、風刺に寛容な民主主義の姿を見ることが出来る。

Euramerican satire
It was from the about 17th century that satirists began to play an active part in Europe, and the satire became the weapon of people.
This satire criticized the stupidity and the error of a society or a person of power, and evoked big sympathy in people's mind.
This enlightenment means to people were very strict for a person of power and politicians.
In this sense, it is said that the satire (freedom of speech) toward power is the democratic cornerstone.

欧米の風刺
ヨーロッパで風刺作家が活躍し始めるのは17世紀頃からで、風刺は民衆の武器になった。
この風刺は社会や権力の愚かさや誤りを皮肉って、嘲笑を誘い民衆に大きな共感を呼び起こした。
この民衆への啓蒙手段は権力者や施政者には手痛いものとなった。
この意味で権力の風刺(言論の自由)は民主主義の要と言えます。



< 4. Euramerican satire >
< 4.欧米の風刺 >

A:  Novel "Don Quixote." It satirized Spanish noble society. In the 17th century.
B:  It satirizes Napoleon who failed in the conquest of Russia. A doll would be decapitated is Napoleon. In the 19th century.
C: Novel "Gulliver traveler's diary." It satirized British society. In the 18th century.
D: Movie "dictator."  Chaplin satirized Hitler. In 1940.

On the next time, I look at Japanese satire culture and problems of the satire.

A:小説「ドン・キホーテ」。スペインの貴族社会を風刺。17世紀。
B:ロシア遠征に失敗したナポレオンを風刺。首を切られそうな人形がナポレオン。19世紀。
C:小説「ガリヴァー旅行記」。イギリス社会を風刺。18世紀。
D:映画「独裁者」。チャップリンがヒトラーを風刺。1940年。

次回は、日本の風刺文化と風刺の問題点を見ます。