20180620

北欧3ヵ国を訪ねて 4: 北欧の三つの首都





< 1. ノルウェーの首都オスロ >


今日は、北欧三国の首都を対比させながら簡単に紹介します。
首都はストックホルム、オスロ、コペンハーゲンです。


*スウェーデンの首都ストックホルム
この首都の人口は94万で、国の人口1000万人の約1割弱が住んでいる。
首都の位置は国土の中央南寄りにあり、バルト海に近い湖沼地帯にある。


 

< 2. ストックホルム 

上の衛星写真: 首都の中心部を示す。
上が北です。
物差しの長さは8kmで、1目盛りは1kmです。
赤矢印は中央駅を示す。
旧市街ガムラ・スタンは矢印の右下の小さな島で、ここがこの首都の発祥の地です。
この港から東に進み島々を抜けるとバルト海、フィンランド湾、ボスニア湾に出ることが出来る。
矢印の周辺から上部左右が首都の中心地です。

下の写真: Strandvägen通りの古都をイメージさせる瀟洒な建物群。
この海岸通りからの川や島々の景色が素晴らしい。
喜々として歩く観光客達、待ちわびた陽射しを浴びる市民達、川面を行きかう多数の白い遊覧船が青空と紺碧の川面に映えている。


 

< 3. ストックホルム中央駅 >

上の写真: 左手の白い建物が中央駅。
この駅には泣かされました。
地上部分は大きくない建物で単純に見えるのですが、地下6階まで蟻の巣のように複雑に各種交通機関の駅が張り巡らされている。
この駅が都市交通網の中心となっている。

下の写真: 同じ駅前の通り。
右手奥が中央駅になる。


 

< 4. メラーレン川 >

上の写真: 左手に市庁舎、中央にガムラ・スタン、右手はセーデルマルム島です。
上流側の船から見ており、川は中央の島によって左右に分かれる。

下の写真: ユールゴーデン島に掛かる橋より下流を望む。
右がユールゴーデン島、左がノーベル公園です。


*ノルウェーの首都オスロ
この首都の人口は67万で、国の人口530万人の約1割強が住んでいる。
首都の位置は国土のほぼ南端、オスロフィヨルドの奥まった所にあり、北海に面している。


 

< 5. オスロ >

上の衛星写真: 首都の中心部を示す。
上が北です。
物差しの長さは4.5kmで、1目盛りは1kmです。
赤矢印は中央駅を示す。
特に旧市街はなく、王宮や大聖堂が中央駅の西側にあり、このエリアが中心です。
この湾のウオーターフロントがどんどん開発されており、勢いを感じた。

下の写真: 中央駅の海側にあるオペラハウスの前から撮った。
斬新な設計の白い建物と紺碧の海が目に眩しい。


 
< 6. 中央駅前 >

上の写真: 白い建物が中央駅の駅舎。
都市の中心部や観光地は小さくまとまっており、地下鉄はこの地下の駅を中心に延びており分かり易い。

下の写真: 駅前の北側にあるショッピングビル群を望む。


 

< 7. カール・ヨハン通り >

上の写真: 王宮から中央駅まで真っすぐ延びるカール・ヨハン通り。
王宮側から撮影。

下の写真: オスロ湾の船上から、オスロの中心部を望む。
左が最近完成したショッピングセンターやレストラン街、中央の二つの塔が市庁舎、右にアーケシュフース城が見える。



*デンマークの首都コペンハーゲン
この首都の人口は60万で、国の人口580万人の約1割が住んでいる。
首都は大陸に繋がるユラン半島ではなく、東側の最大の島のさらに東端にある。
この地はバルト海と北海を結ぶ海峡に面し、スカンジナビア半島に近い。
この首都の位置は小国デンマークが隣接する大国ドイツとの距離を取り、かつバルト海交易を重視した為なのだろう。
この首都にも王宮はあっても俗に言う旧市街はない。



 

< 8. コペンハーゲン >

上の衛星写真: 首都の中心部を示す。
上が北です。
物差しの長さは7kmで、1目盛りは1kmです。
赤矢印は中央駅を示す。
王宮や大聖堂は中央駅の北東にあり、このエリアが中心です。
運河が発達しており、かつての交易都市を彷彿とさせる。

下の写真: 王宮の一つクリスチャンスボー城が右手に見える。



 
< 9. 中央駅 >

上の写真: 左手の赤い建物が中央駅で、右手にチボリ公園が見える。
下の写真: Nørreport 駅。
コペンハーゲンの二本の地下鉄は中央駅から電車で二駅行ったNørreport 駅を通っている。
この周辺に観光ポイントが多数あり、ウオーターフロントに出るのも便利です。



 

< 10. ウオーターフロント >

上の写真: 右手の近代的な建物は今年出来た多目的スペースBLOXで、運河の対岸は南側になる。
王立図書館側から撮影。

下の写真: 隘路のような運河。
両脇には瀟洒な住宅が並び、市民は日光浴を楽しんでいた。


*三都に想うこと
同じ北欧、ヴァイキングの国とは言え、かなり地理的条件が異なり、三都の景観や雰囲気は異なる。

ストックホルムは湖沼地帯から発展したが大きい。
島には緑が多いが、陸地には大きな岩がある為か、起伏が多い。
この地は戦火を免れて来た為か旧市街が残っている。

オスロの中心部は狭い地にある為、こじんまりしており、少し行くと海か深い森林に出会う。
住宅街は湾を囲むように馬蹄形に伸びており、首都とは言え、自然と一体になった職住環境が魅力に思えた。

コペンハーゲンは湖沼地帯に出来たので最も平らな普通の都市景観と言える。
驚いたのは首都の人工的な運河が市民の憩いの場になっている事でした。
ストックホルムでは中心から外れた自然の河岸が憩いの場の中心になっていた。
この地には多くの要塞の護岸が目に付くが、幾度も戦火に遭い、旧市街は破壊されてしまった。

しかし違いはありながらも、三都は豊かな緑と清らかな水と共にある都市で共通している。
また自動車や人の密度が低く、その一方で自転車が使い易い都市となっており、エコが定着している。
三都市は古都のイメージを生かしながらも、斬新なデザインの建築を取り入れ、再生と増殖を繰り返しており、力強いエネルギーを感じた。


次回に続きます。


20180618

北欧3ヵ国を訪ねて 3: 北欧の歴史的建築物






< 1.ガムラ・スタン >
ストックホルムの旧市街に向かって坂を上がる。
王宮が右手に見える。


今日は、北欧3ヵ国の歴史的な建築を紹介します。
各地の王宮、旧市街、教会、城塞や役所などです。


*スウェーデン

 
< 2. ガムラ・スタン >

上の写真: 王宮、13世紀に建築されたが火災に会い、18世紀中頃完成。
下の写真: 大広場、左に大聖堂の鐘楼が見える。


 
< 3. ガムラ・スタンのドイツ教会 >

17世紀半ばに建築された。
旧市街にドイツ教会があることが、北欧の歴史のドイツとの深い繋がりを物語っている。


 
< 4. 郊外の建築 >

共にメーラレン湖に面して建っている。
上の写真: スカンジナビアで最も小さいシグツーナの市庁舎。

下の写真: ドロットニングホルム宮殿。
16世紀初め、すでに城はあったが、現在の姿になったのは18世紀半ばです。


*ノルウェー


 
< 5. スターヴ教会(樽板教会) >

この種の木造教会は、かつて北ヨーロッパに多く存在していたが石造りに建て替えられてしまい、今は30棟ほどがノルウェーに残っているだけになった。
これは13世紀に建てられたが、ノルウェー民族博物館に移築されたものです。
以前はフィヨルドの奥の丘の上に立っていた。


 
< 6. オスロ市内 >

上の写真: 現在も国王が暮らしている王宮。
19世紀半ばに完成。

下の写真: アーケシュフース城。
オスロ湾を見下ろす岬の岩の上に立っている。
建築は13世紀に始まり、幾度も戦火をくぐり抜けて来た。


*デンマーク

 
< 7. コペンハーゲン中心部 >

上の写真: ローゼンボ―離宮。
17世紀初頭に完成した。

下の写真: クリスチャンスボー城。
この地が12世紀半ばに始まるコペンハーゲン発祥の地。
現在の建物は20世紀初頭のものです。


 
< 8. 救世主教会 >

鐘楼の螺旋階段がユニーク。
17世紀末の完成。


 
< 9.古都ロスキレの教会 >

12世紀にデンマーク初の大聖堂として建立された。


 
< 10. コペンハーゲン郊外の城 >

上の写真: フレデリクスボー城。
湖に浮かぶ島に建つこの城はかつて王城でした。
16世紀には建築されていたが、17世紀初頭に現在の形になった。

下の写真: クロンボー城。
この城はスウェーデンとの間の海峡に睨みを利かすように海岸に建っている。
この城はバルト海交易で幾度も係争の種になり、シェイクスピアの「ハムレット」の舞台にもなっている。


次回に続きます。


20180616

北欧3ヵ国を訪ねて 2: 北欧の自然



No.1 Sigtuna(シグツーナ)の湖。6/01900



今日は、北欧の雄大な自然と暮らしと共にある自然景観をハイライトで紹介します。
北欧の街、特に郊外の街では緑濃い木々は家々や憩いの場と一体です。


 
< 2. 写真撮影の位置 >

写真下の番号は地図内の番号を示す。


 

No.2 ストックホルムアーランダー空港近くで。6/01730
ホテルからバス停までを歩いているところ。
周囲は深い森林に覆われている。

No.3 シグツーナに向かうバスの車窓から。6/01830
シグツーナ直前の湖の眺め。


 

No.4 ストックホルムからドロットニングホルム宮殿に向かう遊覧船からの眺め。6/031040.
片道1時間ほどの遊覧で眺めるメーラレン湖は最高でした(往復します)。
色とりどりの住宅、ボート、水辺で遊ぶ人々の姿が印象的でした。

No.5 郊外の街Älvsjöの住宅街。6/04, 800.
この駅前のホテルに3連泊し、朝、周辺を散策しました。
住宅街は緑で囲まれていました。



 

No.6 カールスタードに向かう列車から。6/041345
車窓から見る森の様子はサンクトペテルブルクやバルト三国と変わらないが、幾分緑が濃いようでした。
10月初旬と今回の6月初旬との季節の違いかもしれないが。
ストックホルム近郊だけは大きな岩盤が多く露出していました。

No.7 カールスタードの街。6/041645.
この町は普通、観光で訪れる所ではないようです。
天気が良かったので、美しい川の流れと、それを囲む公園の緑が光輝き素晴らしかった。


 

No.8 オスロに向かう列車から。6/0421:50
この日の列車はオスロ到着が予定より4時間半も遅れたので、車窓から白夜の原野を眺めることになりました。
遠くの原生林と水平線近くの夜空は赤味を帯び、他は薄黒くなって行きます。
この状況は24時頃近くまで続いた後、真っ暗になりました。
やがて朝3時頃には陽が昇り始めます。

No.9 オスロ郊外の湖Sognsvann6/058:40.
オスロ中心部からの地下鉄の終点駅で、この景観を味わえます。
昼は最高気温24℃にもなるのですが、早朝は8℃で身が引き締まる実に清々しい朝でした。
ここも観光地ではなく、地元の人が湖畔で朝からジョギングしていました。


 

No.10 フェリーから眺めたオスロ湾中央の西側を望む。6/061700.
船が出航してから30分ほど経過しています。

No.11 フェリーからスカンジナビア半島に昇る朝陽を望む。6/074:30.
遠くに見えているのがスカンジナビア半島(スウェーデン)の大地です。



 

No.12 古都ロスキレの湾を眺める。6/071300.
湾の最深部から湾の開口部を眺めている。
かつてヴァイキングがここから旅立った。

No.13 湾を臨むロスキレの公園にて。6/071310.
なぜか平日なのに市民や学生が公園内でくつろいでいた。


 
No.14 郊外の都市LyngbyThe Open Air MuseumFrilandsmuseet)横の公園にて。
6/089:30.
大きな公園の一角にある池を撮影。


次回に続きます。




20180614

北欧3ヵ国を訪ねて 1: はじめに





< 1. ストックホルム空港に到着 >


私はスカンジナビア3ヵ国を12日間旅行して来ました。
今回はまったく旅行会社に頼らず、初めて一人で海外旅行をしました。
旅行の概要を紹介します。


旅行の概要
期間: 2018年5月31日(木)~6月11日(月)
訪問先: スウェーデン、ノルウェー、デンマークの首都を中心に。
移動手段: 空路は北京経由のエアチャイナで往復、首都間の移動は列車とフェリー、観光はパス(公共交通機関乗り放題)と徒歩。
ホテル: 交通が便利でほぼ最安値のホテルに連泊した。
観光地: 主だったものは一通り見ました。


旅行を終えた感想
詳しい見聞や感想は今後紹介していきます。

・ 以前に比べ移民が非常に多くなり、また食文化や服装などに大きな変化があった。

・ スマホなどのIT技術による省力化が進み、また都市の再開発が進行中。

・ やはり経済と幸福度で優れていると感じた。但し、物価は高い。

・ 毎日のようにアクシデントがあり、毎日10時間の徒歩観光で疲れた。

・ 事前の予約と調査が役に立ち、拙い旅行用の英会話でも役に立った。

・ 毎日快晴で日が長いので良い旅行季節だった。

・ フリーならではのハプニングや人々の出会いを経験し、郊外や住宅街を散策し、人々の暮らしを直に知ることが出来た。




< 2.旅行ルート、上が北、地図の縦の距離600km >

図の表示: 赤枠が観光範囲。黒線は鉄道。茶色線はフェリー。

空路でスウェーデンに入り、4泊した。
次いで、鉄道でオスロに向かう途中、カールスタートで下車し、1時間半ほど散策。
オスロで2連泊後、オスロ港から一泊するフェリーでコペンハーゲン港に着いた。
コペンハーゲンでは3連泊し、空路で帰国。



< 3. ストックホルムと郊外 >



< 4. ストックホルムの郊外 >



< 5. カールスタート >



< 6. ストックホルムの観光、上が北、地図の縦の距離50km >

図の表示: 赤枠が観光範囲。黒線は鉄道。緑線はバス。茶色線は船。黒四角はホテル、Aで1泊、Bで3連泊。ピンク四角は空港。

主な訪問地
1 シグツーナ : バイキング時代からの古い町、湖に面した景勝地。
2 ストックホルム大学と自然史博物館
3 ドロットニングホルム宮殿: 大きな庭園と湖に囲まれた宮殿。
4 スクーグシェルコゴーデン: 世界遺産「森の墓地」。間違って隣の墓地を見学した。
5 ストックホルム中心: ガムラ・スタン(旧市街)、ユールゴーデン島(スカンセン、博物館2か所)、歴史博物館など。
6 Nynäshamn: サイクリングとシーフードを楽しみにしていた南端の漁港に向かったが、鉄道が不通の為行けなかった。



< 7. オスロの郊外 >




< 8. オスロ湾 >



< 9. オスロの観光、上が北、地図の縦の距離15km >

図の表示: 赤枠が観光範囲。黒線は鉄道。緑線はバス。茶色線は船。黒四角のホテルで2連泊。茶色四角はフェリー港。

主な訪問地
1 Sognsvann: 美しい湖。
2 ヴィーゲラン公園: 広い公園にユーモラスな人体彫刻群が並んでいる。
3 ビィグドイ地区: ノルウェー民族博物館、ヴァイキング船博物館、他の博物館2か所。
4 Ulvøya: 郊外にある二つの島を路線バスに乗ったまま訪ねた。
5 オスロ中心: ノーベル平和センター、オスロ市庁舎、アーケシュフース城、ノルウェー抵抗運動博物館、陸軍博物館、歴史博物館、国立美術館、王宮庭園など。



< 10.コペンハーゲンの郊外 >


< 11. コペンハーゲン >




< 12. コペンハーゲンの観光、上が北、地図の縦の距離65km >

図の表示: 赤枠が観光範囲。黒線は鉄道。茶色線はフェリー。黒四角のホテルで3連泊。茶色四角はフェリー港。ピンク四角は空港。

主な訪問地
1 クロンボー城: ハムレットの舞台。
2 フレデリクスボー城: 湖に面した美しい城。
3 野外博物館: 広大な敷地にデンマークの古民家を移築。ノルウェー民族博物館、スカンセンと同種。
4 ロスキレ: 古都。大聖堂とヴァイキング博物館
5 コペンハーゲン中心: 国立博物館、クリスチャンボー城、骨董市、王立図書館、救世主教会、ローゼンボー離宮、国立美術館、植物園、運河クルーズ、労働者博物館、トーベヘルネ(マーケット)など。



この旅行で目指したもの
1984年に一度、スウェーデンとデンマークを訪問し、この時、この国の企業の経営姿勢、福祉政策、人々のライフスタイルに感銘を受けていた。
現在も、北欧5ヵ国(アイスランド、フィンランドも)は経済や国民の幸福度などで世界をリードし続けている。
自分の目で確認し、日本の現状の打開策を探りたかった。



この旅行記でお伝えしたいこと
・ フリーの旅行者に役立つ、実際に経験した役立ち情報、トラブル、観光情報を紹介します。

・ 北欧の人々の暮らしを写真で紹介します。

・ 北欧の社会・経済と歴史、ヴァイキングなどを解説予定。

・ 現地で出会った人々やアンケ―ト結果を紹介します。

どうか皆さん、特に若い人は北欧を旅して欲しい。
幸福で豊かな暮らしを手に入れている国があることを知って頂きたい。
そこでは日本と何が違うかを肌で感じることが出来るはずです。

国民全員が政治を担い、常に教育改革を行い、労働環境を整え、国際競争力を高めることにより良い生活を手に入れている姿がそこにはある。


次回に続きます。