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最初に先進国の現状を見ます。
まさに衰退しつつある文明と言えるかも。
今の日本は、例えれば先進国を押し流す濁流に、舵も櫂も無く沈むに任せている状況です。
* 世界の現状
ある時期から、先進国のほとんどで経済成長が鈍化し、貧富の差が拡大し、巨大な金融危機がほぼ10年毎に繰り返すようになった。
それに連れて米英日を筆頭に、社会の分裂が進み、右翼化し、煽情が得意なトップが歓迎され、国家間の協調体制に亀裂が入り、やがて抗争へと進む恐れが高まった。
先進国が低迷する一方で、北欧4ヵ国、ベネルクス3ヵ国、スイス、カナダなどは幸福度や所得など、多くのランキングで常に最上位を占めている。
また多くの発展途上国では生活や衛生状態、治安等が向上し、人口増加も落ち着きつつある。
中国の経済力と技術力が高まり、覇権国家間の均衡が崩れつつある。
要約すると、かつて繁栄した欧米先進国は、今や停滞し病んでいる。
その一方で、幾つかの先進国と多くの発展途上国は順調に発展を続けている。
* データーで確認します
< 2。主要国の格差の推移 >
1980年代から上位10%の富裕層の所得が米英日で急激に増えている。
ここで知って頂きたいことがある。
格差はけっして自然では無く、特に人類はここ1世紀の間、政治的に解決を図り、また敗れもしているのです。
例えば、フランスとスウェーデンは格差拡大を抑え込んでいる。
19世紀までは格差の大きい時代が続いたが20世前半、米独等は格差を縮小させた。
しかし二つの大戦で世界的に格差は拡大した。
だが大戦後、先進国政府は以前よりもまして格差を抑え、成長をも手に入れる偉業を成し遂げた。
しかしやがて逆襲が始まった。
< 3. 米国の年収推移 >
年収層別に年収の推移を見たグラフ。
年収が多い層ほど年収は急伸しているが、最低年収層では40年間上昇していない。
別の資料で、上位年収層を見ると、上位5%よりは1%、さらに0.1%になるほど増加は著しい。
2008年のリ―マンショックで、すべての層の年収が低下したが、1991年の落ち込み後も上位年収層ほど急回復しているように、現在も同じことが起きている。
< 4. 世界の経済成長率 >
このグラフはインフレ分を除いた一人当たりGDPを示しているので、もっとも実態を反映している。
主要先進国OECD37ヵ国の経済成長率が1970年頃から低下し続けている。
一方、中所得国や低所得国は経済を伸ばしている。
(CRB指数、商品先物の価格は世界の景気やインフレを反映する)
ポイントは、先進国は格差が拡大するにつれて経済が低迷していることです。
先進国は、1950と60年代、格差も少なく素晴らしい成長を遂げていたにも関わらず。
これは単なる偶然ではありません。
* わかったこと
私達日本人は、いつの間にか30年以上のデフレや景気低迷に慣れてしまって、幾ら日本政府が頑張っても良くならないと諦めている。
しかし、見てきたように1970~80年代に何かが先進国で起きた。
これが今の状況を招いていることは明白だ。
きっと脱出の糸口があるはずです。
次回に続きます。