20121211

何か変ですよ 13 : 政局混乱に対処する


 政党乱立

< 政党乱立 >

政局混乱がなぜ起き、何を招くかを見ます。

ヒトラーが活躍した時代にヒントがある。


今の政局は、短命内閣、小党分裂、タカ派台頭、甘言が特徴です。

この現象は1930年前後のヒトラーが頭角を現す時期に酷似しているのです。


増税拒否から独裁が始まった

当時ドイツは前の大戦で疲弊しながらも議員内閣制をかろうじて維持していた。

1928年、社会民主党は保革大連合を果たし政権に返り咲いた。

当時、少数政党が乱立し主要政党だけでも4つあった。この年に始めてナチスが国会議席を得た。

また内閣は1年と保たない状況が5年続いていた。

次の年、世界大恐慌が起こり、失業者が巷に溢れ、内閣は失業保険支払いに応じるために労使への拠出金増額を提案した。

前回は資本家側の猛反対で廃案になり、今度は自陣営の労働組合側からの猛反対に合い内閣は退陣した。


 ヒトラー首相と大統領

< ヒトラー首相と大統領 >

この後、決められない内閣が嫌われ、元将軍の大統領が権限を握ることになる。

これを元参謀とヒトラーが虚々実々の駆け引きで操り、最後はヒトラーの大芝居で決着がついた。

この間にも歴代内閣は財政悪化を外債発行で乗り切ろうとするが反対に遭い挫折した。

ナチスの活躍は外国資本の逃避を招き景気を悪化させるが、打開策の増税案はナチスに反対され頓挫する。

1933年、第一党となったナチスは国会放火事件で過半数を得て憲法改正し、独裁を開始することになった。第三帝国の誕生である。

こうして経済悪化が財政悪化、打つ手なし、政局混乱を招き、一発逆転が声高に叫ばれるようになった。

さらに夢のような起死回生策、強い指導者が望まれ、独裁者の誕生を招いたのです。

皆さん、何か嫌な予感がしませんか・・・・


今私達は何をすべきなのか、すべきでないのか

        景気浮揚策 : インフレ率1~2%を目指す政策に転換する。 極端な政策変更は危険。ここ数年の海外の様子から察すると、インフレターゲットが必ずしも成功し続けるとは言えない。日本のGDP増加は人口が減少しているので難しい。

        財政悪化 : ここ数年以内に確固たる財政赤字縮小策に転換すべき。 確かに無駄を省ければ良いのだが、総論賛成各論反対で立ち往生している間に手遅れになる。

増税分を特定財源化(直接家計消費に回るよう)すれば景気にプラスになる。並行して無駄を省くべきである。


        無駄を省く : 無駄を省くには、硬直化を招いている官僚・議員・産業界・組合の癒着を断ち切ることが必要であるが、ダム建設中止、原発、農業保護で見たように、既定路線が完全に浸透している。大都市の市民はある意味一様であるが、国政では産業や利権が地域で異なり国民はバラバラで了解を得るの困難である。

その困難な改革をどの政党が出来るか、出来ないかは、その政党の体質を見るべきである。既得権益や地縁にどっぷり浸かっている政党は、いくら甘言を弄しても不可能だろう。


官僚の責任 

< 官僚の責任 >

次いで、優秀なリーダーとそれを支える党組織(固定の支援者)である。いくら優秀な数人がんばっても、2万人のキャリア官僚相手に改革を実行出来るだろうか。その先例は、ドンキホーテのように始めて官僚に挑んだ民主党が見せてくれた。


        打つ手無し : 財政悪化が進めば進むほど、打つ手が無くなってくる。今のうちに根本的な打開策を少しずつ試みるのが重要です。

        政局混乱 : 今はまさにその兆候が出ています。現在の日本経済は最悪状況ではないが、失望が失望を生んでいる。

重要なことは、日本の体質を徐々に変えることで、そのためには次ぎの時代を担える政党を育てることです。2~3大政党が望ましい。その為には4~8年の間、政権担当能力が育つのを見守る姿勢が必要です。

        してはならないこと : 何があっても議会制民主主義を守り、短絡的に憲法や二院制の改革を行うべきではない。どさくさに紛れてやられないように。議員やマスコミに乗せられて首相をコロコロ変えるべきではない。

次回は、国防と平和を考えます。











20121210

何か変ですよ 12 : 日本病


 震災当日の宮城県のスーパーで並ぶ人々

< 震災当日の宮城県のスーパーで並ぶ人々 >

硬直化を阻止出来ない最大の理由は、日本文化にあります。

それは村意識や内集団ひいきの悪い面が出ているのです。


私達は属している集団や企業に強い愛着と安心感を持ち、時には忠誠心も持ちます。

これが震災後の市民の落ち着いた振る舞いや、一致団結し企業を支えて高度成長を可能にもしたのです。

しかし一方で、公害や原発の危険を企業内から告発する人は少なく、むしろ彼らは組織の裏切り者と見られがちです。

また属している集団の目を気にするが、見られていなければ傍若無人です。これは日本や世界の共通認識に無頓着か無視することになります。

属している集団に強く肩入れすることは、部外者冷遇や隣国蔑視にもつながります。ここ百年間の外交史や世論の流れは極端に膨張主義であったかと思えば、現在は孤立主義(米国依存を除いて、国粋主義)に向かっています。両極端に振れ易いのです。

この内集団ひいきは対立感情や安心感を生み、選挙行動にも現れます。政策よりも地縁や縁故との関わりで投票を決めます。また少しの違いで多数の小党に分裂しますが、これを許すのも、ここらに理由があるように思えます。


残念なことに、これは2千年に及ぶ歴史と東アジアの一列島であったことに起因し、良い面もあるだけに、一朝一夕に改めることは困難です。


具体的な事例を幾つか見てみましょう。

        私は悪いとは思うが、皆がやろうと言うので反対出来ない。逆らうと場をしらけさすし、自分が浮いてしまう。職場を任されたが、前任者のやり方から逸脱してまで改革すると、彼を傷つけるし混乱を招くだけだ。

    よくある話です。これは人類共通なのですが、東アジア、特に日本が強いようです。


 内部告発者の苦闘

< 内部告発者の苦闘 >

        会社が違反行為を続けているが、これを訴えることは得策ではない。会社の名誉を傷つけ、告発者だとわかれば自分は大損害を受ける。

    社会規範の遵守に乏しい。日本には内部機密の漏洩者を罰する法律はあっても、米国のように告発者保護の制度(新聞社への密告)が貧弱なことも災いしている。

        上司が、トップの贈収賄事件に絡んで、飛び降り自殺した。彼は悪くないのに犠牲になったのでかわいそうだ。

    これは集団内の名誉意識に呪縛されていると思われる。本来なら自殺せずに真実を訴える方が良かったと思えるのだが。


 世襲

< 世襲 >

        先代の先生(国会議員)には御世話になっており、今度は息子さんが立候補するので投票する。これは地元の為に良いはずだ。

    国政とは次元が異なるはずだが地縁最優先になっている。これが欧米先進国の世襲議員5%なのに、日本の二大政党は40と20%になる理由でしょう。

        「私は官僚や政治家に有力な情報提供者がいる。」と自慢しているコメンテーターがいる。この人の解説は信用出来、頼もしい限りである。

    ニュースソースを明かすのなら信用して良いでしょう。結局、匿名のはずで、官僚や政府の都合の良い情報を掴まされるだけです。米国では信用されない。

        新聞社の社主が主筆でもあることは経営的に良いことで、何ら問題はないはずだ。

    経営的には良いのですが、記事が政府や資金、または聴衆迎合に陥り易い。米国市民は編集長が経営者から独立しているから信頼をおく(コミックのスーパーマンが新聞社を止めたように、米国も現在劣化中)。


このような状況を一つ一つ改善していかないと日本は良くならないのです。

次回は、日本の進むべきヒントを歴史から得ます。



















20121209

何か変ですよ 11 : その根源は何か


 保安院と東京電力

< 保安院と東電 >

前回は社会の硬直化を確認しました。

今回はなぜ硬直化が進行し、改革出来ないかを見ます。


硬直化の始まり

政府が産業を牽引することは、戦後日本のお家芸で、世界から羨望の眼差しで見られた。通産省の長期プロジェクト、農林水産省の保護政策、大蔵省の護送船団方式等はその典型です。

復興期に大いに役立った、この手法も経済発展と国際化で陰りを見せます。護送船団方式などは早々と瓦解しました。過保護が改革のチャンスを奪い、向上意欲を失わせ、結果的に産業を弱体させた。

保護を請うために、政府との癒着を求める力は常に働き、規模が大きいほど強力になります。


なぜ巨大な無駄を生みだす硬直化を止めることが出来ないのか

放置すれば破局がやがて訪れることは帝国崩壊や企業倒産が示しています。
結果が見えているのになぜ行き着くところまで行くのでしょうか。

 東京電力の広告費

< 東京電力の広告費 >

三つの理由 戦後日本について

        巨大化する利権グループ : 巨額の資金と票田がその保持を可能にします。原発で言えば、電気事業連合会は広告宣伝費に毎年800億円を使い、原発世論を誘導することが出来ました。また経産省も外郭団体に教宣を依頼しました。これは国民の電気代や税金からです。農業保護を訴える農協の会員数は1200万人、人口の9%です。経済規模は日本の15%以下です。過去、農村部の一票の価値は大都市の約3~5倍あったので、議員には最重要な票田であった。選挙、議員、官僚、産業・組合、これが循環する形で利権は強固になっていく。

 
        浄化作用が効かない  本来、マスコミが問題を追及し、国民の批判が起こり、政府や議員が動き出すのだが、それが作用していない。この百年間の戦争と原発の推進に関わった新聞は、同じ過ちを繰り返している。

戦後の問題は記者クラブです。これは官僚と報道の談合を意味します。官僚が望むコメントを流すことにより、記者は官僚に取り入り、個別に情報を早く取ることに心血を注ぐことになる。これが匿名報道中心、調査報道でなく速報重視になる理由です。


 検察の暴走

< 検察の暴走 >

例えば今回の小沢氏逮捕、郵政不正事件の村木氏勾留において、検察側の情報で世論を煽り、検察の暴挙を曝けなかった。こうしてマスコミは、官僚や政治家の仲間割れや追落とし、世論操作に利用されている。さらに新聞収入の半分は広告費で、原発のように大手の企業団体から圧力がかかると、原発反対から賛成に回ってしまったのです。

こうして社会問題の真相をスパ抜くことが出来なくなってしまった。

日本のマスコミは官僚・政府に近くなり、一匹狼的な記者や外国報道は蚊帳の外に置かれているのです。

この欠点は世界の報道マンから批判され続け、先進国(特に米国)では排除されています。


原発差し止め裁判のほとんどが敗訴になったことでもわかるように、原告側に立つ有力学者はなく、政府方針に逆らってまで踏み込んだ判決を出す裁判官もいなかった。これも社会の公器の役割を果たしていない。

参考図書 : 「官報複合体」牧野洋著、「ジャーナリズム崩壊」上杉隆著、「検察が危ない」郷原信廊著


次回は、三つ目の理由を見ます。

実はこれが一番曲者です。


















20121208

何か変ですよ 10 : 社会の硬直化


 元保安院の答弁

< 元安全保安院の答弁 >

今回の選挙には色々な争点、TPP、領土、原発、子供、社会保障、経済活性化、赤字財政などがあります。

個々の問題もさることながら、そこには幾つかの根本的な問題が潜んでいます。


一つの根本問題は日本の硬直化です。

社会の硬直化とは不明瞭なものです。

硬直化とは、大きく成長し固定化した組織や制度などが、社会や経済の変化に適応出来なくなった状態を指します。


原発問題に硬直化は端的に現れています。詳しくは「原発問題の深層」にあります。

1.        60年前、原発産業は零から始まり、今やGDPの1%(注1)を占める産業に育った。

2.        高度な技術と莫大な資本が必要で、大企業と政府が牽引する必要がありました。

3.        やがて継続と保護が優先され、自由化や安全、責任などは内輪でもみ消されます。

4.        利権を守る為に産官学と議員達は、自らの言動や教育、マスコミによって世論操作を行います。

5.        国民は、知らずに現状を追認するようになります。

注1、   業界の大きさを、売上げ/GDPで表すのは厳密には正しくない。付加価値が正しい。


この結果、何が起きたのでしょうか?

災害が起きて、実にずさんな安全体制、捏造、隠蔽、癒着が発覚した。

これは一部の利権グループが、他者に犠牲や無駄を押し付けることを意味します。

この非効率さと慣行が日本社会の停滞を推し進めているのです。

 農業保護とTPP反対

< 農業保護とTPP反対 >

ここで重要なことは、この硬直化が社会全体に広がっていることです。

この硬直化が生む弊害とはどのようなものかを農業で見てみましょう。

農業の国内生産高8兆円 GDP比率1.5%、注1)、輸入額7兆円で、農業就業者で46%(内65歳以上61%、兼業農家込み8%)です。ここで国民が農業保護に費やしている額を見ます。直接税金で3.3兆円の農家保障、輸入障壁により2.8兆円(OECD発表、この内関税5000億円)高く買っており、合計61兆円になる。さらに国内生産分も考慮すると、最大合計7.5兆円になるかもしれない、これが毎年の食料自給率向上の代償になります。

 畜産物と飼料穀物

< 畜産物と飼料穀物の関係 >

それでは自給率はどれほど深刻なのでしょうか。日本のカロリーベースの自給率が40%と低いのは食肉用の飼料にトウモロコシ、大豆、小麦を大量に輸入しているからです。実際は、米100%、野菜80、鶏肉70と自給率は高い。図からわかるように、直接安い牛肉や豚肉を輸入し、養殖漁業と果樹栽培を推進すれば自給率は上がる。これを妨げているのも保護政策です。

これで日本の農業が良い方向に向かえば良いのですが。一部に兆しはあっても、全体としては高齢者就業者が多いことでわかるように、保護がチャンスを奪い体力を弱らせているのです。このように保護が、自身の衰退に拍車をかけ、さらに経済全体にブレーキをかけることは、ギリシャの果樹栽培のように世界中に見られます。

このような保護政策による国民負担増、組織の維持費(官庁・農協)、輸入障壁の対抗としての輸出障壁は日本経済を大きく圧迫しています。これらの無駄は他の産業を含めると税収40兆の50%に到達する日は近いでしょう(農業で20%、原発で3%ぐらいでしょうか)。

参考図書 : 「日本は世界5位の農業大国」 浅川芳裕著


なぜこのような硬直化が蔓延するのでしょうか。

次回は、社会の硬直化を温存し、改革出来ない理由を見ます。

















20121206

何か変ですよ 9 : 守るか、変えるか1


 福島原発事故

< 福島原発事故 >

生活を守るのか、生活の悪化を予防するのか。

この視点で、少し日本を見てみましょう。


現状が良いと思われる方は現状維持を望まれるでしょう。

日本の素晴らしい点、誇るべき点は多々あります。

一方、現状に不満を抱いている方や将来を不安視する方は、社会を変えたいと望むでしょう。

両者の心情は尊重されるべきです。

今回は、既に問題が生じ、放置すれば深刻度を増す可能性について記します。


 日本列島 原発地図

< 日本列島の原発 >

原子力政策について

日本列島に配された原子炉はあまりにも危険過ぎます。

よりによって崖や海岸に近いのです、断層断裂や津波の危険性大です。

一基の爆発で損害10兆円、数万人の死・疾病者、数十万人の永久退去、農地放棄が起こる可能性があります。

さらに現時点で放射性廃棄物(ドラム缶85万本と高レベル分)の処理があります。

これを現在の科学技術で無害化することは出来ませんし、瓦礫処理でさえあれだけの反対があるのですから、継続すれば大問題となるでしょう。


それではなぜ原発停止に異を唱え、それに同調する人々がいるのでしょうか。

原発停止の問題点について

A.     事故の発生率は非常に低いから過度に反応し過ぎ : 自然災害の発生率は予測困難ですが、古いものを含む50基稼働では、数十年に一度の発生を否定出来ないのではないでしょうか。一番の問題は、安全神話の嘘で塗り固められて建設されて来たことです。また人災による事故発生は日常茶飯事です。現状のままでは危険極まりない。

B.     折角の原子力技術を捨てるのが惜しい : 人類は多くの危険な技術、時代遅れの産業を捨てて来ました。フロンガス、ロボトミー(脳外科手術)、有害薬品、日本の石炭産業、かつての夢の原子力・放射線技術等。不要な物は捨て、転換を図って来た、遅くなるほど傷は深くなる。

C.     代替エネルギーが未成熟 : 事実です。シェルガス掘削による公害対策、代替エネルギーのコスト低減など、解決すべき問題は多々あります。コストが高いことは資源やエネルギーを多く使用しているのです。早急に育てるべきだが、まだ安心出来ない。

D.    電力価格の高騰 : 計算にごまかしもありますが上昇する。莫大な廃炉・廃棄物処理費用と現在でも高い電力料金の上昇は経済負担を増す。電力自由化などにより改善し、幾分は我慢するしかない。

E.    経済にマイナス : 原発の経済規模、電力会社の原発関連電力は約4.8兆円(内原子力産業発注、約1.5兆)で、GDPの約1%に当たる。また政府は毎年、原発の立地と研究開発費に約4500億円を費やしている。原子力村の経済はこれらによっても支えられている。この産業と労働者、原子力村の転換が必要になる。かつて日本は幾度も産業の交代をこなして来た。これが抵抗の根源であり、政治的な調整、緩和策が必要。

F.     その他もろもろ : エネルギー自給率の低下、地球温暖化防止に逆行、停電による災害、核兵器拡散を招くなども言われています。これらの議論は信憑性に乏しい。


 炭坑争議

< 炭坑争議 >


まとめ

        原発はあまりにも危険なため全停止に向かう : 日本列島は大災害が起こりやすく、狭い国土では起きれば致命症となる。

        但し、転換策を講じる : 代替エネルギーの開発普及に国力を注ぎ、次世代産業を育てる。公害防止器、太陽電池、自動車排ガス防止器などで成功している。産業や労働者、原子力村が転換出来る施策が必要、炭坑廃鉱などで実績あり。移行期間を設ける。






20121205

何か変ですよ8 : 協調か、排他か


 地球

< 地球 >

少し日本と世界の将来を想像してみましょう。

そこから日本の選択すべき道が見えてきます。


将来起こる可能性の高い問題点を幾つか挙げてみます。

        地下資源の枯渇 : 地球全体では、限界が見えて来る一方、新たな埋蔵が発見され微妙にバランスを取っています。
 
        地球温暖化 : 地球全体では30年ほど前からバランスを崩し始めています。気温や大気、森林、天然の水産資源、農耕地は限界に達しました。

        食料不足 : 地球全体では単位面積当たりの収穫量増大で凌いでいます。後は人口増と技術革新とのシーソーゲームです。

        紛争 : 世界は紛争が耐えませんが、上記三つの理由でさらに頻発する可能性が高い。日本は近隣諸国との連携が不首尾な為、いっそう危険です。 

        グローバル化 : ここ半世紀、世界の連携は経済も含めて著しく普及し多様化してきました。その結果、善し悪しがそれぞれ際立って来ました。


 偏在するレアーメタル

< 偏在するレアーメタル >

ここで日本に将来起こる緊急事態を想定してみましょう。

        レアーメタル、小麦、天然ガス、銅等の輸入停止 : 日本は食料の60%、エネルギーの80%、主要金属の100~80%を海外に依存しています。制裁措置などで主要資源国が輸出停止したら、ひとたまりもありません。

        海外で難民、資源価格高騰、紛争が多発 : 地球到る所で、食料・資源・資金・人口が偏在しており、いつそれらを巡って紛争が起き、価格高騰や大量難民が発生するかもしれません。

        武力衝突 : 歴史的には近隣諸国との紛争が繰り返されて来ました。国力の差、憎悪、国内混乱、資源獲得を切っ掛けにして容易に武力衝突へと進みました。


 東アジア

< 東アジア諸国 >

あなたは日本が次のどの道を選択すべきだと考えますか?

A.    自給率100%を目指し、独立自衛を目指す。

B.    広く世界との協調体制を目指す。


Aを選択した場合 : 現実的ではありません。 食料については米食に戻し、贅沢な食材(飼料の高消費)を止め、農業改革と海洋資源開発を行えば、自給率はかなりアップします。しかし他の物は不可能です。現在、穀物の自給可能な国は42ヵ国のみで、陸地の20%以下です。スイスでさえ穀物自給率は51%で、まして地球の資源枯渇が進んでいます。

Bを選択した場合 : 理想的ですが、難門含みです。 ほとんどの低自給率の国は気候と国土の狭さで決まりますので、あらゆる資源を共同で開発し融通していくしかないのです。適切な協力体制と規制を設ければ、市場経済がその役割をある程度担ってくれます。それが貿易協定であり軍事同盟でもあるわけです。

しかし問題もあります。二つの両大戦は軍事同盟の威を借りて起こした側面もあります。また折角築き上げた経済協力体制が急激に崩壊し、戦争を招いたとも言えます。日本もかつて大東亜共栄圏(日本中心の自給自足体制)を掲げ、道を踏み外しました。

確かに経済や軍事の同盟は一朝一夕には行きませんが、いつまでも孤立主義の殻に閉じこもるのは良くない。ただ、一つ言えることは、日本やタイは今から百年以上も前に、大国相手に不平等条約の改正を行った実績があるのです。


最後に

出来るだけ早く近隣諸国との協調体制確立が不可欠です。

人類史を振り返れば、世界や社会はより大きくなっています。