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20190716

平成の哀しみ 94: 何が日本を貶めているのか 11: 戦後、何が日本を歪めたのか 3





日本政治の堕落は政府による作為が大きかった
しかし今一つ自戒すべきことがある


それは国民の驕りです。

日本のあらゆる社会・経済・政治の指標が悪化し、伸び悩んでいる。
国際機関の発表する国別ランキングで日本はここ30年間低下し続け、特に安倍政権になってから著しい。
昔は当然のように10番以内もあったが、今は30番より下げているものが多い。

残念ながら日本は島国であり、言語が独特なので海外で発信される情報や警鐘はほとんど届かない。
さらにマスコミ(新聞の半分、テレビ)が御用化してしまったことで、国民に真実がほとんど伝わらない。

例えば、『Yahoo!』の「トップニュース」のカテゴリーの割合に日本の現状が反映されている。
日本では芸能ニュースが世界ニュースの2倍でほぼトップです。
ところが英米の比率は0.5と0.1で逆転し、日本人の視野の狭さは歴然としている。

海外に目を向けると分かるのだが、日本が衰退している間に、発展途上国や後進国は経済・社会(教育・医療)を向上させて来ている。

私達は日本の政治や経済を疑い、世界に目を向けないと、日本の真の姿は見えない。


この茹でガエルの状況は一つに、かつての高度経済成長の心地よい余韻が残っているからです。

どうやら人類は、社会が徐々に悪化している時は気付かないだけでなく、むしろ昔への回帰を望み、守勢になるようです。
歴史を振り返ると、経済や軍事を握る階層が保守的(権益拡大に奔走)になって、さらに国の没落を加速さえしている。

19世紀の英国も同じ状況になり没落を逃れなかった。


この没落から抜け出すには?
一つ面白い事実がヒントになる。


 
< 3.高度経済成長と共に生じた様々な公害:四日市公害 >

 
< 4.急速に拡大した大殺戮:ベトナム戦争 >

日本の70歳代以上の人(団塊の世代)は高度経済成長と共に急激な環境悪化やベトナム戦争が起きたことを知っている。
さらに、そのことを身をもって政府や世論に訴え(デモなど)、公害対策を推し進め、世界が一緒になってベトナム戦争終結に尽力し、成果を残した。

一方、若者が政治に無関心になったのは、この老人世代が仕事にかまけて、政府の監視を置き去りにしたことが災いしているとも言える。

私はこの老人世代に望む。
あなた方の子供や孫の為に、今一度立ち上がり、社会の没落と暴走を止めて頂きたいと・・・

日本を救えるのは老人と女性とだけかもしれないと・・・


次から最終章になります。


20190715

平成の哀しみ 92: 何が日本を貶めているのか 9: 戦後、何が日本を歪めたのか 1





< 1. 傀儡化の起源 >


前回まで、日本のお粗末な政治文化をみました
しかしこれは本来の姿ではない



< 2.自由放任主義経済の始まり >


世界銀行発表の政治民主化度が日本の実態を明らかにしている。
これは市民の参政権・政府選択権の可否、報道の自由、表現の自由、結社・組合の自由を評価している。
このランキングで北欧4ヵ国は8位以内、イタリア36位、日本は41位です。

多くの方は、三バンに象徴される因習を素晴らしい日本文化の一部だと思っているようです。

しかし明治維新や自由民権運動を思い出して欲しい。
当時は民衆が改革の主役になっていた。

今の人々は自覚を持てず悪化に晒されている。



< 3.安保闘争の反動で政府は教育を後退させた >

何が政治を歪めたのか?

やはり強い村意識が働いているのは今も昔も変わらない。

それ以上に以下の作為が災いしている。

戦後の税制で地方は独自性を失い、中央集権化を生んだ。

70年代以降、学校教育において生徒から政治への関心を奪った。

GHQ以降の米国の傀儡化と80年代以降の自由主義の隆盛で自民党の一強が確定した。

近年、自民党の裏工作もあってマスコミの御用化が一気に進んだ。


結局、今の茹でガエルのような国民の政治感覚は、けっして日本本来の姿ではなく、戦後以降の作為によるものなのです。

今、正に毒が全身に回ってしまった状況です。


次に続く





20190714

平成の哀しみ 91: 何が日本を貶めているのか 8: パトロネージュ 3








日本の政治文化は悲惨




 


止まない汚職、多い世襲議員、少ない女性議員、深刻な少子化はなぜか?

汚職が止まないのは議員が利権漁りに奔走するからだが、そもそも初めから政治家を目指す動機が不純です。

ほとんどの議員は地元の三バン(後援組織、知名度、選挙資金)に支えられている。
当然、親からの世襲議員であれば三バンをそっくり引き継ぎ楽勝です。
後援側も手堅く利権を維持拡大出来ます。

こうして今なお汚職と世襲は続く。

この欠点は人格や能力で劣る人物が地元しか見ず、社会の公正や国家の未来を意識せず議員になることです。
さらに金がかかり、人気が左右する選挙になってしまう。

歴史を振り返ると、文明や国が亡ぶ時は、いつもこのように利権が国政を預かる者に集中することから起こっています。


それではなぜ女性議員が少なく、深刻な少子化を放置することになるのか?

安倍首相は国会で「当時、子供手当は馬鹿げた政策と考え、野党の法案を否決した」と述べた。
これは先進国では効果のあった政策でしたが。

理由は簡単です。
地元に利権(公共事業など)を取ってくることでしか生き残れない議員は、それを当てにする後援者達や地元民の保守的な嗜好に合わせるしかない。
これが社会の守勢、後退の悪循環を生む。

つまり、時代遅れの女性軽視が未だに罷り通るのです。

北欧では全てが異なる。


次に続く





平成の哀しみ 90: 何が日本を貶めているのか 7: パトロネージュ 2






*1


日本では汚職と世襲は当たり前ですが、
先進国では異常です。


 
< 2. 内閣の女性の割合 >

私が去年、デンマークを旅行中に会った女性の言葉が示唆的です。
日本人の彼女はデンマーク人と結婚しコペンハーゲンに暮らしている。

政治談議になった時、彼女は開口一番
「日本では政治腐敗が止みませんね!
デンマークでは議員が汚職をするなど考えられません」

私も覚悟していたが、そんなに違うものかとショックを受けた。

国際機関による政治腐敗のランキングで、腐敗が少ない方から北欧4ヵ国が5位までを占め、日本は18~21位です。

日本の国会議員年収は約3000万円を越えるが、北欧では手弁当と聞きます。
つまり収入が少ないから汚職に手を出すわけではない。

北欧の世襲議員率は不明ですが、参考に米連邦議会で5%、日本の自民党では70%です。
ちなみに世襲議員が多いイタリアは少子化でも日本と同じ状況です。
合計特殊出生率を見ると、先進国で高いのはフランスと北欧です。
女性の国会議員比率の多さはスウェーデン5位、イタリア30位、日本165位です。

不思議な事に、汚職が後を絶たず、世襲議員が多い日本では女性議員が非常に少なく少子化も深刻で、北欧はすべて真逆です。

これはなぜか?


次に続く




20190713

平成の哀しみ 89: 何が日本を貶めているのか 6: パトロネージュ 1






*1

政治家と後援者の癒着について
海外の事例を見ます

 

 
< 2.植民地支配がもたらした悲劇 >

アフリカで政治腐敗から抜け出せず、内戦が頻発している国の多くは、実はこのパトロネージュの罠にはまっています。

日本と異なり政党(自民党)ではなく、部族対立に起因しているがメカニズムはまったく同じです。

ある部族の代表が選挙で勝っと、自分の部族を優遇し他部族を冷遇する政策を露骨に始めます。
そうしないと同じ部族民が次の選挙で強力に支援してくれないからです。
こうして大概、対立はエスカレートし内戦まで進みます。



 

 
< 3.止められない自民党の口利き >

日本はここまで酷くはないが、やっていることは五十歩百歩です。
要は、帰属する集団を一義的に考え、社会全体の公正さを軽視する社会で起こります。
つまり日本の政治社会は、口利き(賄賂)がまかり通り、ダブルスタンダードに違和感を持たない、親分子分の世界、村意識の強い社会なのです。

この手の社会は南欧にもあり、多くは政治腐敗が深刻で経済も停滞している。


しかしこの対立は古い文化によるとは限らない。

アフリカや中東には部族や宗派によるパトロネージュから未だに抜け出せない地域が多い。
これは1世紀前、宗主国が植民地支配の為に恣意的な国境策定と部族の分断を強化したことも一因になっている。

実は敗戦後の日本も同じことが起きた。
後に語ります。


次に続く


平成の哀しみ 88: 何が日本を貶めているのか 5: 政治が劣化する理由 



*1


今の政治の劣化は主に政治家に非がある
しかし国民にもその一端はある


 
*2

何が政治を劣化させたのか

パトロネージュ    ― 政治が金権化、腐敗し世襲が多くなる
教育とマスコミの支配 ― 国民は政治を語らず真実を知らされず
占領の爪後      ― 米国の傀儡となり一党優位が定着した
村意識        ― 集団や組織に自浄作用が働かず暴走し易い
繁栄後の驕り     ― 多くの国は守勢になって衰退した

劣化は複合的だが、これらが最も罪深い。

問題点を明らかにします。


 
*3


パトロネージュ

これはよくある後援者との関係を指すが、日本のように政治家と後援者の利益誘導の癒着が問題です。

日本には三バンと言う選挙にまつわる時代遅れの政治文化がある。
これは地盤=後援組織、看板=知名度、鞄=選挙資金を指し、自民党の代名詞と言える。

このパトロネージュを指摘しても、多くの国民は当然であって悪弊だとは思っていない。

例えば、議員が地元に新幹線の駅を誘致する、地方交付金を多く回してくれる。
さらには地元業者に公共事業を回し、交通違反切符の取消し、選挙時の金品贈与は当然と受け止めていることなどです。

人々は、これらは議員に投票(後援)した見返りであり、当然と捉えるようです。

この悪弊の深刻さはどっぷり浸かっている人には分からない。


次に続く




20190712

平成の哀しみ 87: 何が日本を貶めているのか 4: 栄光は過去のものか


 
*1



我々は明治維新と自由民権運動を成し遂げた




 
*2


明治維新

主役は世襲の家老や殿様ではなかった。

徳川慶喜や島津斉彬は重要ではあったがステップに過ぎなかった。
下級武士の西郷、大久保、龍馬、木戸、勝は優秀さと意気込みによって、藩や幕府などの力を利用し大業を成した。
極論すれば天皇は衆目が一致する体制転換の象徴だったと言える。

結局、攘夷はせず内戦の泥沼に陥ることなく、討幕・尊王を実に巧みにやり遂げた。

注視すべきは、国政や藩政の素人が気概と貪欲な吸収力によって、体制転換後の明治新政府を形作ったことです。


民権運動

民衆が世論を武器に政治を改革した。

新聞は高価だったが、街角に掲示されており、民衆はこれを読み、また講演会に参加し世論を共有した。
これを可能にしたのが高い識字率、ジャーナリズム(新聞)、進歩的知識人の活躍でした。
民衆は弾圧を乗り越え議事堂を囲むデモを度々行った。


選挙は一部の富裕層に制限されていたが、彼らも改革を支持した。

注視すべきは、健全なジャーナリズムと民衆が協同して立ち上がったことです。


 
*3

しかし政府は隙あらば弾圧を企み、ジャーナリズムが抜け殻になってしまえば、過去の暴走が再来するだろう。

今の日本に、かつての栄光を成し遂げる力があって欲しいと願う。


次に続く



平成の哀しみ 86: 何が日本を貶めているのか 3: 維新後の民衆運動



*1


維新後、政治を変えた原動力は何か



 
*2

明治10年(78年)も過ぎると、民衆が政治への参加を求めた自由民権運動が盛んになります。

最初はあぶれた士族が中心でしたが、やがて各地の豪農・豪商、都市部では知識人が民衆に訴えるようになった。
この時、民衆に思想を鼓舞したのは演説会と新聞でした。

新聞は1870年代に創刊が相次ぎ、その後部数は急増していきます。
新聞は瓦版から政治論議や政策批判に重きを置くようになり、ジャーナリズムが開花した。
当初、新聞を奨励した政府であったが、ここに来て民権運動と新聞を弾圧し、国会開設の約束もあって、89年には運動は消沈した。

しかし、この運動から初の政党が結成され、政党政治が動き始めた。
残念ながら政党政治は盤石な薩長閥に対抗できず、1918年まで待たなければならなかった。

この突破口となったのが、新聞による政府の不正追求と怒れる民衆のデモでした。
こうして数度にわたり旧体制の内閣が倒れた。
この時代、どの御用新聞も人気を得ることはなかった。



 
*3

だがこの後、ジャーナリズムは急速に衰退し政府は暴走を始めた。

弾圧は熾烈を極め、数年後には御用新聞の読売は新風俗と戦争の報道で急伸し、遅れて朝日、毎日も戦争に加担していった。

次に続く


20190711

平成の哀しみ 85: 何が日本を貶めているのか 2: 明治維新の教訓







*1

今の国民は屋台骨が腐っていても、その下で暮らすことを望む
しかし、かつて江戸時代の人々は屋台骨を打ち壊し、
前に進んだ


同じ日本人が高々150年ほど前、大改革の偉業を成し遂げた。


 
*2

幕末の日本は、政治麻痺、経済停滞、技術・産業の遅れが際立っていた。
百年続いた江戸幕府はまだ強固ではあったが、その旧態依然とした体制はあらゆるものに適応能力を失っていた。
各地でおかげ参りや一揆が頻発していた。

そして日本の遅れに一早く気付いた西国諸藩は、外敵の圧力を切っ掛けに、幕府の体制刷新の声を上げた。
これに対して幕府はトップの人事移動でお茶を濁し、反乱の目を武力で潰そうとした(いつも光景)。

これは逆効果となった。
失望した下級武士は武力闘争に走った。
やがて西国諸藩が団結し、幕府に抜本的な体制転換を迫った。

15年間の混乱を経て、武力衝突を避け幕府の統治能力を生かす大政奉還へと辿り着いた。
しかし、直ぐにこれは旧体制維持(徳川慶喜)に過ぎないことが露呈した。


 
*3

結局、西国諸藩(西郷と桂)は腐った屋台骨を壊すべしと討幕を決した。
しかし幕府側(勝)の対応に救われ大きな戦火に至らず明治維新が成った。


ここで重要な教訓は、敵対するものが大同団結し、全てをリセットした事、さらに、この時点で詳細な青写真が無かった事です。


次に続く


平成の哀しみ 84: 何が日本を貶めているのか 1: はじめに




*1


今後、経済衰退によって社会は悪化を早める



 
*2

日本の未来は

安全は

労働力を補うために移民を増やすが低賃金で酷使することになる。
また教育などの社会保障の低下が彼らを社会の底辺に追い込む。
さらに日本の閉鎖性が彼らを囲い込む、現在の朝鮮半島出身者への差別のように。

この果てに移民、宗教、人種間で欧米より酷い憎悪の応酬が起きる。
少ない銃は救いだが、治安の悪化は必至。

さらにこの移民労働者の低賃金が日本全体の賃金水準を下げる。


健康で長寿は

先ずは健康保険や年金などの社会保障給付が低下し続け、個人負担が増える。
さらに現在、貯蓄出来ない人々や貧困層が増加しているが、今後所得格差が米国並みになるので、この比率は5割を越えて行く

現状、過去の社会資本の蓄積で凌いでいるが、税収減と累積債務増大により、上下水道設備などの維持更新が困難になるだろう。

増大する低所得層の健康寿命は、医療費の負担増と環境悪化で低下するだろう。


 
*3

老後は

低賃金で70歳まで働いて、やっと年金が貰えたとしよう。
退職金は低下し続けており、非正規で零の人も増える。
さらに退職時までに自宅を持てないか、ローン返済を続けるざる得ない人が多くなる。
老朽化した低質の借家は増えているだろうが。

これで退職時に老後の不足分を補う貯蓄2000~3000万を手にする人がどれだけいるだろうか?

今の体制では9割の国民の所得が下がり続けるか、よくて米国のように横這なるのは確実です。


次に続く


20190710

平成の哀しみ 83: 改革を妨げるもの 18: 腐敗する政治 3








こんなに悪い政治になぜ未練があるのか



 

悪い理由

・ 経済
自由放任主義と金融重視の経済、米国盲従、現状の悪化を放置で悲惨な結末が迫っている。
今はバブル途上で、いつ破裂するかは時間の問題。

・ 政治
国会運営が傲慢で陰険、富裕層や企業家を優遇、労働者と社会保障を冷遇。

・ 外交と社会
虚勢と軍拡と日米同盟依存で紛争に引き込まれる、報道抑圧と情報隠蔽で真実が見えない、懐古趣味が意識改革を妨げ社会改革を遅らす。

これらは自民党長期支配で徐々に悪化していたが、
安倍政権になってから、官僚との癒着や傲慢さは極大化し、暴走し始めた。
放置すると取り返しがつかなくなる。


これだけの危機的状況で、なぜ国民は動かないのか

幾つかの理由

A 自民党に代わて任せられる野党がいない

B よく言えば夢にすがる、悪く言えば惰性から抜けらず、無視を決め込む

C 悪化と変革の必要性を認めても、次の政治経済の青写真が見えない

D 単に何にも考えない


実は、自民党や安倍首相、自由放任主義経済、少子高齢化は表層的な問題に過ぎない。

政府が社会・経済の悪化に不適応を起こしているが、国民がこれを修復できない事こそが最大の問題なのです。

つまり、この国の適応力を失わせしめた日本社会こそが元凶なのです。


次回からこの問題を扱います。





平成の哀しみ 82: 改革を妨げるもの 17: 腐敗する政治 2







*1


自民党の劣化は進んでいたが
今や腐敗と暴走は極致に達した


 
*2





確かに自民党の政治手腕は野党と比べ物にならない。
議員の団結力、経済界と米国との連携、各分科会・族議員と業界・官僚・地元との連携が力の源泉。

しかし一方でタガが外れている。
選挙に勝つためなら手段を選ばず信義もない、金と利権。
それこそ頼りは広範囲な国民よりも金と力を持つもの、そして人気取り。
行政の現場では口利きと賄賂・献金で事が決まる。

さらに安倍政権になってからは露骨かつ傲慢になった。

国会での言い訳は一昔前のアフリカ社会を思わせる。


 
*3


「証人は職場が変わったので無関係となり出席出来ない」
「証人は海外転勤になったので出席出来ない」
「私人なので証人喚問できない」

これらはいままで幾度も難局を乗り切った手だ。

「省庁からの資料を受理しないので、無いものは審議出来ない」
新たに、この手の馬鹿げたもみ消しを頻繁に閣議決定するようになった。

危ない資料、議事録、面談録等は始めこそ隠蔽と黒塗りで済ましたが、遂には捏造から即破棄するようになった。


政府や官僚の答弁に酷いものが増えたが、特に安倍首相は酷い。
まともに答えられない(ご飯論法)、長々と自説を語り逆上する。
座れば口を尖らして野次を飛ばす。

残念ながら、一部の人はこの姿勢に頼りがいがあると見做す。


次に続く



20190709

平成の哀しみ 81: 改革を妨げるもの 16: 腐敗する政治 1





*1


改革の最大の障害である日本の政治を見て行きます


安倍政権は改革に積極的に見える。
しかし国民の為ではない。

確かに安倍首相は様々な規制緩和と史上最大の金融緩和、また軍備拡張と情報規制(裏で抑圧)を矢継ぎ早に実施して来た。

日本の経済・金融に関する政策は、ここ半世紀、欧米に蔓延った自由放任主義と金融重視の踏襲にしか過ぎず、近年はむしろ突出している。

つまり欧米が陥っている負の連鎖―巨大化するバブル崩壊と累積債務の増大、格差拡大による社会の停滞と不満の増大、が更に日本を追い込むことになる。

アベノミクスでバブルを煽り、円安で延命した企業は利益を海外投資に振り向けるだけ。
所詮、一時栄華を享受する企業と富裕層も国内経済の衰退のあおりを受けることになる(英国の二の舞)。

言い換えれば、糖尿病患者がインシュリンを投与しながら暴飲暴食を続けるようなもの。
このまま行けば、取り返しのつかない体になる。

日本は出来るだけ早く、官僚を含めた行政と経済・産業を改革するために政府の刷新すべきです。

 
< 2. 飛んでる世襲王国 >

 
< 3. 汚職のデパート >

政治の何が悪いのか?

・ 傲慢で国民目線の無い世襲の政治屋
・ 利権と金権で止まない腐敗
・ 米国追従の経済・軍拡路線
・ 懐古趣味と強権志向
・ 自民党と官僚の癒着
・ 野党の弱体化


次に続く

20190708

平成の哀しみ 79: 改革を妨げるもの 14: 欲望の経済政策 6



< 1. FOXニュース >


自由放任主義と金融重視は亡国の末期症状


最悪の病状は繰り返すバブルと所得格差の拡大でしたが、むしろ癌化の進行こそが恐ろしい。

米国を例に挙げます。

大統領選挙では数千億円が動き、候補者側の資金の多寡がテレビのネガティヴキャンペーンなどの宣伝を左右する。

バノンとFOXニュースはトランプ大統領誕生の立役者です。
バノンのニュースサイトは保守の資産家に支えられている。
FOXは、ニュースを娯楽化した保守のメディア王が所有。
また共和党の躍進を担うティーパーティー運動も保守の資産家の資金が不可欠です。

つまり選挙と政治は資産家の意向が左右する。

当然、資産家は現状の経済政策を断固維持する。
この理由は下記グラフから一目瞭然です。



< 2. 米国資産家の所得増加と株価の推移、対数目盛 >

80年代以降、株価(金融商品)の上昇と共に資産家は急激に資産を増やしている。

しかしもっと恐ろしいのは、この状況が癌細胞の増殖と同じだからです。



< 3. 世界を支配する超富豪家達 >
https://www.newscientist.com/article/mg21228354-500-revealed-the-capitalist-network-that-runs-the-world/#bx283545B1
金融機関147社が世界の多国籍企業43000社の富の40%を支配している、2011年時点で。


企業統合や資本集中が進み、少数の資本家が共同で世界中の大半の企業を所有するようになった。
独占が進み、国だけでなく世界経済、さらに政治すら動かように成って来ている。
ホワイトハウスの財務金融のポストは金融会社ゴールドマン・サックス出身者が多い。

米国経済は成長しているが、実体は1%の超資産家の所得が増えるだけで、ここ40年間ほど90%の国民の所得は横ばいに過ぎない。

こうして米国民は政治経済を牛耳るエスタブリッシュメントに失望した。
そこでトランプが彼らを排除すると豪語し大統領になった。

しかしホワイトハウスの主要ポストはより怪しいエスタブリッシュメント(共和党と実業家)で占められた。

まさに民主主義が根元から蝕まれている。



次に続く


平成の哀しみ 78: 改革を妨げるもの 13: 欲望の経済政策 5



*1


政策転換には裏があった


 
*2


80年代の経済政策転換は米国の戦争と経済の陰りが引き金でした。

米国はベトナム戦争出費などによる財政赤字と製造業衰退による貿易赤字の重なる増大に耐え切れなかった。
米国は71年に金兌換を中止し、また為替の変動相場制に移行した。

古くから世界は金本位制によって貨幣の自由な発行を抑制して来た。
だが戦費が嵩むようになると、国は金との兌換を保証しないで貨幣の増発を行い、その結果、インフレと恐慌を招いた。
この反省から金本位制に戻る努力が幾度も繰り返されて来た。

さらに米国はイスラエルに肩入れし中東戦争が拡大していた。
これに対して市場を支配する中東産油国は団結し、イスラエルを支援する欧米に対して石油減産で対抗した。
これにより70年代に石油価格はそれまでの10倍へと一気に暴騰し、インフレが世界を襲った。


 

< 3. 1970年代のインフレと石油価格高騰 >


そこで各国労働者は賃上げのストを頻発させた。
また英米は経済成長著しい日独に押され気味で打開策を模索していた。

そこで英米政府と経済界は協力して、「労働者の賃上げと怠惰がインフレと不景気の元凶である」との一大キャンペーンをはった。

この英米の論理には飛躍があるのですが、富裕層や保守層(米国共和党など)にとって半世紀ぶりの天国奪還の好機だった。

つまり「金持ちはより金持ちになれる」チャンスを得たのです。
そして、これ幸いと規制緩和<ビジネスと言うより金儲け>を連呼するようになった。

日本も右に倣えとなった。


次に続く




20190707

平成の哀しみ 77: 改革を妨げるもの 12: 欲望の経済政策 4



*1

1980年代以降
日欧米経済はどうなったか








< 2.二つの経済政策がもたらしたもの >
赤枠がルーズベルトによるもの、青枠がサッチャー、レーガン、中曽根によるもの。

 

< 3. 80年代以降の経済政策がもたらしたもの >
ピンクの縦線は米国発のバブル崩壊、茶色は日本独自のバブル崩壊。

日米で顕著なのは、バブル崩壊が起こると、せっかくの景気刺激策の効果が帳消しになって失業率が上昇していることです。
これを抑える為に、下のグラフのように累積赤字を増大させてでも更なる景気拡大策を採り続けている。

 

インフレは治まったが低経済成長と高失業率が定着し、バブルが繰り返し、所得格差が拡大した。


なぜこのようになったのか

様々な要因中、最大の理由は自由放任主義と金融重視です。
「自由に金儲けをさせて景気を良くしよう」に尽きる。

先ず、資本・金融関係の規制緩和が一気に進みました。
これにより経営者の大幅な所得アップが可能になり、短期に利益を求める経営が横行するようになった。
投資を促すために金融機関の大幅な規制緩和を行い、膨大な借金を可能にし、また投資実態の把握が困難になりました。

そして政府が財政出動(公共投資など)、さらに中央銀行は貨幣供給量増大(金利操作も)で景気刺激を行うようになった。

この結果、バブルと崩壊が起こり、さらなる景気刺激策が不可欠になり、より巨大なバブルが繰り返すようになった。

自由主義は弱肉強食を良しとし、累進課税を否定します。
法人税と富裕層への減税を繰り返し、不足は低所得者に負担の多い消費税でカバーします。
こうして格差が広がった。

拙いことに、米国がこの策を採るとグローバル化で他国も追従しなけらばならなくなった。

こうして財政赤字と所得格差の拡大が世界に蔓延した。


次に続く