20190620

平成の哀しみ 63: 日本経済に何が起きているのか 26: 凋落の深層 7 Posting



*1

政府は経営者を甘やかして来た
これが日本が凋落した理由です


平成になってから政府は、国民によく自己責任を訴えるようになった。
しかし他では恐ろしい程身びいきしていた。

振り返れば、日本が大陸侵攻へと暴走したのは軍人を甘やかしたからでした(関東軍とクーデター首謀者)。
日本の金融が腐ってしまったのは大蔵省による護送船団方式でした。
今また経済界を労働規制の緩和で甘やかし続けている。

日本政府は労働者、ほとんどの国民に実に冷淡。
労働者には甘えるなと叱咤する一方で、経営者には不憫だと便宜を図る。
本当に日本は懲りない、反省しない政府と気付かない国民。

所得も幸福度も高い先進国ほど最低賃金は高い。
北欧は、一括の最低賃金を設けていないが各産業毎に設けている。
さらに見事なことに、条件はあるが移民労働者にもこれを適用し、賃金の低下を防いでいる(日本などはこの真逆)。

しかし最低賃金を一気に上げると、韓国のように混乱が起きるでしょう。
要は改革を促しながら世界水準まで持って行くことです。

日本の労働者の質は世界でトップクラスです。注1

欠けているのは経営者のチャレンジ精神―高付加価値開発と生産性向上の意欲です。注2


次に続く


注1.
日本の「人材の質ランキング」は「World Economic Forum2016」によるとOECD諸国中で第4位。

注2.
日本の「有能な経営者ランキング」は「IMP world Talent Ranking2017」によると世界58位。


20190619

平成の哀しみ 62: 日本経済に何が起きているのか 25: 凋落の深層 6



*1

解決策は賃金を上げることから
しかし困難

ちなみに北欧並みの雇用にしようとするならば、年間120兆円以上の賃金上乗せと50%の労働時間短縮が必要。
これでは日本企業は全滅です。


逆に、年間120兆円の賃金をカットすれば労働者への支払いは半分になり、企業は安泰。

経営者は一時喜ぶが、やがて売り上げが3割程減り、倒産と不景気の悪循環が起こり、やがて発展途上国並みになる。
実は自民党と安倍政権がやって来たことは、これなのです。

よく考えてください。

政府に頼んで低賃金で労働者を使うことが出来るとすれば、経営者はどうするでしょうか?

真剣に国際競争力向上を念頭に経営刷新に挑戦する。

それとも自民党への集票に強力して陳情に力を尽くす。


あなたの周辺に如何に多くのパートタイマーが最低賃金で働いていることでしょう。
当然、その職場の他の労働者の賃金も高いはずはありません。

先進国最低の賃金水準で内部留保が溜まり、法人税も不要の大企業、さらに円安が加われば輸出企業も危機感を持つはずがない。

こうして経営者のチャレンジ精神は年々低下するのは当然。

結論は、最低賃金の上昇は経営刷新の起爆剤であり、福祉政策にもなるのです。


次に続く





20190618

平成の哀しみ 61: 日本経済に何が起きているのか 24: 凋落の深層 5



*1


一番の問題は労働者の賃金が下がり続けていること
しかし政権は無視


なぜか

アベノミクスの規制緩和と日銀の金融緩和で景気は良くなり、賃金は上がるはず?

雇用の規制緩和によって企業の競争力が高まり、最終的に労働者の賃金は上がる

失業率が下がり求人が増えているので、いずれ賃金は上がる。

いずれインフレが起こり消費が上向き、最終的に賃金は上がる。


実体は

既に見て来ましたが、円安・株高は世界的な好景気につられているだけ。

もうすぐ起こるバブル崩壊でインフレは起こらず、大規模な金融緩和に頼った分だけ反動が大きい。
また日本はトランプの気まぐれな貿易戦争に加担し、最大貿易国である中国の市場を減らすので最速で景気減速に至る。

一連の働き改革―首切り容易化、残業代不払い化、は企業の出費を減らす。
しかしその利益は国内の設備投資ではなく海外金融資産に向かうだけ。
結局、賃金はさらに下がり国内投資も増えずGDPは下がり続ける。


長らく失業率の低下が続いているが、一向に見合った賃金上昇が起こらない。
御用エコノミストは首をかしげるだけ。

理由は簡単、低賃金の介護従事者と高齢者、非正規の増加、そして低い最低賃金が足を引っ張っている。


次に続く


20190617

平成の哀しみ 60: 日本経済に何が起きているのか 23: 凋落の深層 4




 
*1

日本経済はなぜ凋落するのか
国内総生産の内訳の変化が教えてくれる


・ 労働者の賃金が下がっている
・ 企業が設備投資をしない


 
*2

黄色の雇用者報酬、7千万人労働者の所得が伸びていない。
11年間の日本の賃金の伸びはOECD35ヵ国中最下位で、しかも唯一7.3%減です。

この最大部分が伸びないのでGDPが増えないのは当然。


 
*3

ピンクの総固定資本形成―企業の設備投資と家計の耐久財購入など、が減っている。
東北震災復費やオリンピック建設費もここに含まれているにもかかわらず。

これはなぜか?


 
*4

1990年を境にして、それまでの積極的な設備投資が無くなり、2008以降は老朽化する設備を更新するだけになった(黒線が0で釣り合う)。

なぜか?



 
*5

このグラフは国内の設備投資(青)を減らす一方で、海外への直接投資(黄)に血道をあげていることを示している。
この対外直接投資の主なものは民間企業が株・債権などの金融資産を海外で取得することです。
円安は海外資産を膨張させるので、さらに勢い付く。

政府はかつての英国病の二の舞を避けるどころか助長さえしている。
自民党、さらに安倍政権はこれを加速させ、企業家と労働者の所得差は広がるばかり。

凋落とその原因は明確

次に続く

グラフはすべてhttp://3rdworldman.jugem.jp/?eid=210から借用


20190616

北欧3ヵ国を訪ねて 72: シェラン島北東部を巡る 4: 野外博物館 2





*1


今回は野外博物館の後半です。
三ヵ国の民俗家屋の野外博物館を見た感想も記します。




 
< 2.No.54の建物 1 >

上: 建物の説明書き。
この建物は、スカンジナヴィア半島南西部の海峡に面した所(現在スウェーデン)に17世紀建てられた。
この地域は数世紀にわたり、デンマーク領でした。
右上に示されているように住人は8人で多くの家畜がいた。
この農家はforest farmと書かれており、森林を利用して家畜を育て、穀物は家庭用に栽培された。
18世紀、この地域の木材は対岸のデンマークに小型ボートで輸出され、ユトランド半島東部の穀物と交換された。

下: 外側から見た。
中央に入り口が見える。


 
< 3.No.54 の建物 2 >

外観は古くてみすぼらしいが、中庭を囲むように四方に家屋が建っている。
二枚とも、中庭から見た写真。


 
< 4.No.54 の建物 3 >

古いが貧しい暮らしとは言えないようです。
内壁の板が縦方向で、外壁は横方向に並んでいるので、間に断熱の工夫がされているのだろう。


 
< 5.No.55 の建物 >

上: 建物の説明書き。
この建物も、スカンジナヴィア半島の最南端の(現在スウェーデン)に17世紀後期に建てられた。
この地域も数世紀にわたり、デンマーク領でした。
右上に示されているように住人は8人と7人の2家族です。
彼らは穀物栽培農家でした。
大きな家で、中庭を囲むように四方に家屋が建っている。



 
< 6.No.37-40 の建物 >

ここにはユトランド半島東側、デンマークの南端にあった4棟が集めらている。
皆、17から18世紀の農家です。


 
< 7.No.40 の建物 1 >

6人家族の農家で、豊かな暮らしをしていたようです。
外壁と竈兼暖炉はレンガ造りです。



 
< 8.No.40 の建物 2 >

多くの建具や家具は幅の広い板材が使用され、塗装もされている。




 
< 9. No.34の建物 >

上: 建物の説明書き。
ユトランド半島西側、ワッデ海のレモ島に1750年に建てられた建物。
この島は砂地で荒地です。
この島の多くの少年は水夫になり、大人になってオランダ捕鯨船のキャップテンになる者もいる。
この地では農業より漁業と航海が重要で、18~19世紀に繁栄をもたらした。

下: 左側の建物。



 
< 10. No.31の建物 >


上: 建物の説明書き。
ユトランド半島西側の南端に17世紀に建てられた建物。
此の農家は、最初オランダ商人が建て、賃貸されていた。

下: 特異な形をしている。
大きく高い屋根、小さな扉と窓が目立ちます。
中は暗いが大きな居間、納屋、家畜小屋がありました。


三ヵ国の野外博物館を見て

多くの農家は、木材が多用されていた。
ノルウェーは巨木が生かされていたが、他の建築材料に乏しい。
デンマークは木材に乏しく、豊富な土や草が補っている。
スウェーデンは両者の中間と言ったところでしょうか。

三ヵ国共に寒冷地なので、居間や寝室には大きな造り付けの大型の暖炉兼竈があった。
デンマークのように外壁レンガと内部は木張りにし、間に断熱効果を持たせれば、暖房効果は上がるでしょう。
その点、他の二ヵ国ではログハウスのような造りが見られるが、暖房に難点があるように思えた。

三ヵ国共に展示家屋の家族構成を見ていると、数世代にわたる大家族はなかった。
使用人や親族とは限らないような住人が共に暮らすことがあるようです。
デンマークでは家畜が多い。

これら野外博物館では農家の畑の様子、特に大きさと水源管理が分からない。
農地は穀物栽培の畑を柵で囲うだけのもので、東アジアの水田のような手間暇のかかるものではない。
また家畜も森林で飼育するようなので、人口密度の低いこれらの国では放牧地の維持に気をあまり使わないのではと感じた。


日本と比べて


氷河後退地の為、土壌が貧弱でさらに寒冷地なので、農業、特に集約農業が発展しなかった。
農業は麦などの穀物栽培なので、水管理も重要ではなかったようです。
生業としては日本のように農業中心ではなく林業、漁業、水運による交易などに多様化した。

これが東アジアとの家族制度の違いを生んだのだろう。
生業を多くの子供達に助けてもらう必要もなく、土地はどこにもあるので土地の相続でもめることもなく、親の権威が強化されることがなかったのだろう。

この結果として、貧弱な土地への執着がなく、水運を利用した移動と交易が相俟って、人々は外界への転出に抵抗がなかった。
むしろ発展と捉えたのだろう。
これは中国南部の山地に暮らす客家等の人々が、東南アジアや海外に進出することが飛躍だと考えているのに似ている。
古代ギリシャの植民にも似たところがある。

以下は、まったく私の感想です。
おそらく、親の権威が高まらなかった家族観、外界への転出意欲、土地への低い執着が、ヴァイキングを生み出した。
さらに千年の後の北欧の福祉国家の成功、短期間で貧しい国からの飛躍を可能にしたのだろう。

一方、日本の現状を見ると、山腹や小さな渓谷沿いの狭い土地を先祖伝来の地として守る姿が痛ましい。
美しい日本の原風景ではあるが、社会の変革を妨げる頑な姿に思えてしまう。


次回に続きます。


20190614

平成の哀しみ 59: 日本経済に何が起きているのか 22: 凋落の深層 3






*1



一人当たりGDPが伸びないのは問題か?



 
*2


三つの回答

1.国債発行で不足分を補っていくので大丈夫

経済紙、シンクタンク、世界的な経済学者は国債への過度な依存は危険と指摘。
世界でデフォルトにより困窮に陥る国は多い。

政府と民間に充分な資産があるので大丈夫との意見がある。
しかし政府資産の売却の話は起きず、民間の金融資産も所詮国民のもの。

最悪の事態は国債の金利が暴騰することで、1000兆円の年利5%で税収を越える年50兆円の利払いになる。
この危険性を零だと言い切ることは出来ない、為替レートやバブル崩壊が予測出来ないように。


2.経済成長に拘らず心豊かに暮らすべき

GDPは便宜的なものに過ぎず、幸福が最重要だが。
このままでは先進国並みの生活水準を維持出来ないので、幸福を優先しながらそれに見合った成長が必要です。

ちなみに北欧では人生をエンジョイし、かつ日本の1.5倍以上の所得を得ている。

*3


3.経済成長なくして少子高齢化を乗り切れない

少子高齢化で40年には医療介護費・年金の負担はこれまでの2倍以上にに膨れ上がる。
所得減少が止まらないので、これからの高齢者はとても負担増に耐えらえない。
質を落とせば別だが。

つまり道はこれしかない


次に続く