20190523

平成の哀しみ 43: 日本経済に何が起きているのか 9: 気になる兆候 9







麻薬で景気が良くなった


 

麻薬はいつか使用を止めるべきで、副作用があり、止めればさらに悪化する。
だが知らずに使用されているとハッピーです。

今の日本経済でこれが多用されています。
知らぬが仏が無数にあります。

赤字国債発行、日銀の国債引き受けによる景気刺激策、円安、最低賃金、非正規雇用などが大きい。

世界の常識は日本の借金がGDPの数百%にもなって危険だから減らせと忠告する。
しかし、このお陰で政府も私達も贅沢が出来ます。
まだ副作用は出ていないが金利が上がると税収のすべてが利払いで消えることにもなる。

日銀の国債引き受けも、同じ御利益と甚大な被害がある。

バブル崩壊後の景気刺激策がより大きなバブルを生み、繰り返され、その傷は深まるばかり。

円安は輸出企業を一時潤しても、上がった物価で輸入業者と国民は苦しみ、
再び円高になれば輸出企業の夢は潰える。
先進国は通貨高になる宿命にあり、日本は産業の高付加価値化と高生産性への転換が必要なのです。

最低賃金が低いことは競争力の低い企業を存続させ、また国民の所得と消費が増えないので、いつまでもデフレが続く。

非正規は企業には優しいが同じ弊害がある。

実に馬鹿げている。


次回に続く




20190522

北欧3ヵ国を訪ねて 68: ストロイエからニューハウンへ 






*1


今回は、運河クルーズ後に訪れたストロイエからニューハウン、そして救世主教会を紹介します。
観光したのは2018年6月7日木曜日、17:30~18:30です。


 
< 2.散策ルート、上が北 >

黄色線が徒歩、赤線が地下鉄で、星印が観光地です。
No.1が目抜き通りストロイエの端にあるボート発着桟橋、No.2がニューハウン、No.1が救世主教会です。


 
< 3. ストロイエ 1 >

上: 通りの端、桟橋の近くに建つ司教アブロサンの像。
軍人としても活躍したが、キリスト教や教育の普及に貢献した。

下: 像の横を通り、北に進むとコウノトリの噴水に突き当たる。


 
< 4. ストロイエ 2 >

下: コウノトリの噴水が見えた。
この十字路の左右と真直ぐの通りが、歩行者天国で賑やかな通りストロイエです。



 
<  5. ストロイエ 3 >

上: 桟橋の方を振り返った。
クリスチャンスボ―城が奥に見える。

下: 右に曲がり、コンゲンス・ニュートー広場(王様の新広場)に向かう。
広場は大工事中で囲いで覆われていた。


 
< 6. ニューハウン 1 >

上: 広場を迂回してニューハウンに到着。

下: ここから運河クルーズのボートが発着する。



  
< 7. ニューハウン 2 >

実にデンマークらしい眺め!
かつては長い航海を終えた船乗りたちが羽を伸ばす居酒屋街で、カラフルな木造家屋が並んでいる。
今は、有名観光地で観光客が一杯だ!




 

< 8. 地下鉄駅へ向かう >

王様の新広場沿いに地下鉄駅がある。

下: 広場の南はずれのこの建物の手前に地下鉄駅がある。
このKongens Nytorv駅から、一駅先のChristianshavn St. 駅に行った。

200mほど歩くと教会に着いた。



 

< 9. 救世主教会 >

この教会は1696年の建設で、螺旋状の尖塔は50年後に付け加えられた。
中に入り螺旋階段を上り尖塔のてっぺんまで行くつもりいたが、疲れて登る気は失せていた。




 
< 10. 付近の光景 >

上: 救世主教会の庭で。
ここには観光客の姿はなく、近所の人が小さな庭にある数台のベンチに腰掛けて寛いでいた。
お母さんに連れられ来た可愛い娘さんが印象的でした。

下: Christianshavn St. 駅の前の通り。
この辺りはもう下町の雰囲気が漂っていました。

こうしてコペンハーゲンの1日目が終わりました。


次回に続きます。



20190520

平成の哀しみ 40: 日本経済に何が起きているのか 6: 気になる兆候 6

 すみませんでした。
連載の1話が抜けていましたので追加します。

 


経済を見る国民の眼力は大丈夫か







巨大金融緩和と財政出動、そしてバブル崩壊が繰り返された。
円安と株高の波が来て、去ってしまえば経済はさらに弱体化していた。
これがここ半世紀の日本の姿です。

まだ景気刺激が手緩い、更なる強硬策を唱える政府と日銀。
これを弁護する御用学者。

やがて衰退し破綻すると警鐘を鳴らす国際機関と学者。
政府は無視を決め込む。

そして大半の国民は成り行きを傍観するだけ。


日本は幾度失敗しても反省しない民族だと、つくづく思う。

福島の原発事故が起こる前、電源喪失や事故の危険性を訴えた人々は嘲笑された。
御用学者は、原発は絶対安全で水素爆発が起きないと言った。
この権威は裁判や反対派をねじ伏せる盾になった。

だが一介の機械技術者からみて原発の安全は不完全でした。
それは部品寿命と故障の確率を考慮していたが、人災や天災はほぼ考慮外でした。
だから耐震基準は震災の度に数倍づつ上げざるを得なかった。


それでも国民は政府を信じ、そして事故後も変わらない。

経済問題も同様で、致命傷を被る政策には慎重になるべきなのですが、国民は気にも止めない。

社会保障の資金が無くなってから、想定外では済まない。

茫然自失!


次回につづく






平成の哀しみ 42: 日本経済に何が起きているのか 8: 気になる兆候 8








現政策の実体は



 

一、従来のやり方の踏襲

公共投資や金融緩和(中央銀行の国債買い、リフレ策など)は欧米で行われた政策の踏襲。
だが日本の公共投資額はGDP比で先進国中群を抜いており、しかも欧米が減らしても続けた。



 

二、多くが富裕層や企業優先

これも欧米の踏襲で半世紀の間、各国で繰り返すバブル、累積債務の増大が定着した。
大多数の国民、特に低所得層の所得ほど伸びず、格差が拡大し、トリクルダウンは起こらなかった。
北欧やドイツ、フランスなどは是正しているが日本は突き進んだ。


三、米国一辺倒

政府(外交、軍事)だけでなく経済界と経済学までが米国中心。
米国の押しつけによる経済政策で幾度もダメージを受けながら、まだ手本は米国流です。
米国で成功したとしても日本の現状にそぐわないもが多々ある。
他の国には素晴らしい手本と実績が幾らでもある。


そして重大な少子高齢化と人口減少を放置し、既存産業やシステムからの脱却を行わなかった。
こうして日本経済が衰退し、累積債務は先進国で群を抜いて最大となり、他では起きていない賃金低下が続いている。

政府は新機軸を打ち出したとしているが、実体は抜本的な改革を怠り重病にしただけだ。


次回につづく

20190519

平成の哀しみ 41: 日本経済に何が起きているのか 7: 気になる兆候 7




致命傷とは何か?
区別することは重要です。


 

例を挙げます

交通事故死者数は毎年4千人ほどです。
これは車の欠陥(部品の寿命や故障)が原因でしょうか。
いな、ほとんど人災です。
(原発事故を起こしたチェルノブイリは手順ミス、福島は指摘されていた装備を行わなかったミスです)


毎年多くの人が死亡し障害を負っているが、自動車が禁止されることはない。

もし自動車の原動力が小型原発だったらどうでしょうか?
衝突事故の度に放射能汚染が広がり汚染を除去できない。

当然、製造だけでは安全を確保できないので国民は禁止を願うでしょう。
国民は便益と危険を勘案して即断出来るはずです。


 

しかし大型原発になれば違う。

残念なことに構造が複雑で、身近に見ることもない(危険で)。
さらに放射線の危険性、体内の細胞や遺伝子が破壊される恐ろしさを理解出来ない。
特に確率的に侵され、時間をかけて発症することが見え難くしている。

ここでも国民は理解する努力を惜しみ、政府や代弁者(産学官)の喧伝を鵜呑みにし、判断を委ねてしまう。

こうして災厄は繰り返される。

重要な事は致命傷を負うと感じたら他人任せでなく、少なくとも拒否の表明(投票)が必要です。


次につづく




20190517

平成の哀しみ 39: 日本経済に何が起きているのか 5: 気になる兆候 5






問題視されている経済政策が強引に進められている


いくつか見ます。

日本の累積債務残高は増え続け去年1100兆円になった。

一派はすべて日銀で買い続ければ、幾ら国債を発行しても問題ないと言う。
これなら課税は不要になり、夢のような世界が訪れる。
現状の金融政策はまだ不十分だからもっと加速させろと言う。

別派は「中央銀行による国債の引受け」は財政法で禁止されており、歴史的に繰り替えされた自滅策であると言う。
これなら増税もやむなしか(他に方法はあるが)。
日銀は失敗を認めて欧米のように出口戦略に転換しないと危険だと言う。

さらに国が購入した株は下落すればおそらく40兆円が灰になる。


他にもある。

最低賃金を上げると中小企業が潰れて失業者が増えるから出来ない!
賃金が上がってこそ国内消費が増えて景気が良くなるはずだ!

労働者の首切りを容易にして産業転換を進めるべきだ!
それでは首切りが横行し非正規と低賃金化が益々進み、デフレは深まるぞ!


 


法人や富裕者を減税しないと企業や資産家が国外に逃避し経済が停滞するぞ!
それでは税収不足を消費税で補わなければならず格差拡大が益々進み、国民は苦しくなるぞ!


衰退へ突き進む日本。


次回に続く


20190516

北欧3ヵ国を訪ねて 67: コペンハーゲンで運河クルーズ 2





*1

今回は、コペンハーゲン運河クルーズの後半です。


 
< 2. 運河クルーズの航路、上が北 >

黄線が航路で、Nが前回からの続き、Sが終点(発着桟橋)。
右手(東側)が海側です。
写真は撮影順に並んでいます。





 

< 3.運河で泳ぐ子供達、午後4:40頃 >

水は綺麗だと思うのですが、ここは首都コペンハーゲンです。
本当に信じられない光景です。

もっともストックホルムでも中心部からメ-ラレン湖を上流に船で5分も行けば市民は泳いでいた。
カールスタッドでも中心部、メインストリートの端を流れる川で泳いでいました。
オスロでは市役所のあるオスロ湾のウオーターフロントで市民は泳いでいた。

人口密度が低いのも一因だろうが、北欧は持続可能な自然環境を本当に大切していることを痛感した。






 
< 4. 軍港 >

下: 正面は軍港のようです。
数隻の軍艦、潜水艦が見えました。



 
< 5. 一番海に近づいた >

上: クルーズ船か大型フェリーが見える。

下: 河口の中央に要塞島Trekroner Fortが見える。




 
< 6. カステレット要塞 >

上: カステレット要塞。
右手に人だかりが見えるのは、人魚の像です。

下: 中央に、石の上に腰掛ける人魚の像が見える。
これがアンデルセンの有名な像です。

私は30年以上前に、陸側からこの像を見たことがあります。
その時は、有名なわりに小さく、寂しげな像だと落胆したものです。
当時、訪れた季節は11月で、空が厚い雲で覆われていたので見栄えが悪かったのかもしれない。

やはり今でも一大観光スポットのようです。


 
< 7. フレデリクス教会 >

上: アメリエンボー宮殿の奥に見えるドーム屋根がフレデリクス教会です。

下: また脇の運河に入って行きます。


 
< 8.昔ながらの街並み >

多くのレジャー用のボートがあります。


 

< 9.救世主教会 >

上: 螺旋状の尖塔が美しい救世主教会。
後に訪れます。

下: 多くの市民が運河で寛いでいる。
北欧の短い夏は始まったばかりです。
恋を語らうカップル、上半身裸で船腹を塗装する青年たち、水着になって船上で日光浴する乙女たち、水着でボートを操る若者たち。
ここには暮らしを楽しむ北欧人の姿が集約されている。




 
< 10. 憩い楽しむ市民 >



 
< 11. 王立図書館 >

下: ガラス張りの建物が王立図書館。
後に訪れます。

 
< 12. いよいよ終わりです >

上: 左がクリスチャンスボー城(宮殿)の城壁です。
カヌーを楽しむ人がいる。

下: この運河の奥を右に曲がると発着桟橋です。
中央に見えるのがニコライ教会の尖塔です。


北欧では、どこにいっても日々暮らしを楽しむ人々に出会う。
自然を大切にし、家族や友人と自然に親しむ人々がそこにいる。


次回に続きます。