20190508

北欧3ヵ国を訪ねて 66: コペンハーゲンで運河クルーズ 1





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これから2回にわけて、コペンハーゲンの運河クルーズを紹介します。
快晴の下、心地よい川風を受けて首都中心部を一巡しました。


 
< 2. ボートの航路 >

上: 私が乗ったボート運行会社の航路図。
黄、青、赤、緑の航路があり、私が乗ったのは黄線です。
乗船位置は赤星印S表記で、乗船時間は1時間です。

運河クルーズは何種類もあり複雑で、私は予定と違ってこのボートに乗ってしまったが失敗ではありませんでした。
他に青星印のボート発着場所が二ヵ所あるので注意してください。
それぞれ運行会社が異なったり、航路やコペンハーゲンカード利用の有無が異なります。

下: 今回紹介する航路を黄線で示し、緑線は次回の紹介になります。
赤い矢印がボート発着場所Ved Strandenです。
ピンク線は地下鉄駅Kongens Nytorvからの徒歩コースです。
ここはロスキレから電車でNørreport駅まで来て、地下鉄に乗り換えて一駅目です。


 
< 3. いよいよ乗船 >

上: 発着場所にあるチケット販売所。
ここでコペンハーゲンカードを見せると無料で乗車出来る。

下: 私は撮影の為に、ボート最後尾に座った。
一つ注意があります。
このボート上でのガイド説明は英語やデンマーク語だけのようで、私は理解できませんでした。
発着場所が異なる別会社Netto Boatsのガイド説明も同じようです。

しかしこのVed Strandenから出るHop On - Hop Off Boatは日本語(イヤホーンだろう)もあるようです。
こちらの方が途中7ヶ所自由に乗り降り出来るので良いのですが、コペンハーゲンカードが使えません。


 
< 4. 出航直前 >

上: すぐ近くにあるクリスチャンスボー城。
後日訪問します。

下: 午後の一時、運河沿いで日光浴を楽しむ人々。
乗船したのは2018年6月7日(木)、16:30~
17:30です。


 
< 5. いよいよ出航 >

上: 右に旧証券取引所、左にホルメン教会が見えます。

下: 本流に出た所で、振り返った。
左から旧証券取引所、クリスチャンスボー城、ホルメン教会が見える。



 
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上: 本流から、進行方向の海側を望む。



 
< 7. Nyhavn 、ニューハウン >

下: コペンハーゲンで最も有名な運河沿いの街並みニューハウン。
ボートはここに入りませんでしたが、後に訪問します。



 
< 8. デンマーク王立劇場 >

私が北欧を訪れて一番驚いたのは、「市民はいつ働いているのか?」でした。
ストックホルム、カールスタッド、オスロ、コペンハーゲン、皆同じでした。
平日午後、早々に市民は湖畔、河畔、海岸に出て日向ぼっこ、泳いだり、家族や友達と飲食を楽しんでいた。
それも凄い人出でした。

羨ましいことに、こんな仕事ぶりで一人当たりの国内総生産高は日本の2倍近いのです。
何が違うのか、深刻に悩んでしまいます。


 
< 9. オペラハウス >
上: 遠方にオペラハウスが見える。

下: 運河、家族でボートを楽しんでいる風景。


次回に続きます。




20190507

平成の哀しみ32: 深まる亀裂 30: 何が重要なのか 1






これまで隣国との対立や戦争、軍事について見て来ました。
今、私達は何を求められているのか。

戦争を始めるのは非常に簡単で誰にでも始められるが、これを終結させ、さらに再発を防ぐ為に敵対から融和に持ち込むことは甚だ困難です。



 


これを実現できる人物は今の日本に見当たらない。
何故か?

* 大国に従属するだけで隣国と融和を図った経験がない。

* 閉鎖的な国民は融和よりも敵視する世論に傾きやすい。

* 社会が混乱すると国民は指導者に身を委ねやすい。

* 指導者は民主的よりも強権的なやり方を望むが、国民はこれを許す。

* 指導者は失敗や不都合を隠蔽し、全情報を統制し始める。

こうして明治以降、戦争は繰り返されて来た。


さらにここ半世紀、特に平成になってからの変化が追い打ちをかけている。

* 欧米先進国で経済成長鈍化と経済格差が進行中。

* 冷戦の後遺症と難民流入で、欧米先進国は宗教と民族間の対立が激化した。

* 日本は平成以降、欧米以上に経済が失速し貧困率が増加した。

つまり日本の政治文化の悪弊に先進国に共通する経済的ダメージと対立が重なり、益々日本は危うくなっている。

日本の歴史と現状をよく見れば、この指摘は間違っていないはずです。



次回に続く






20190506

平成の哀しみ31: 深まる亀裂 29: 敵対と融和 3

 






人はなぜ攻撃的になるのか?

これは厄介だが避けられない。

人類は進化の過程で、未来に不安と希望と言う相対する情動を持つようになり、失敗の少ない発展を手に入れるようになった。

しかし、一方が強く働くと問題が生じる。
例えば、異なる集団に不安を感じると、やがて強い憎悪を抱き、予防的な敵対行動に出ることがある。
初めは些細なもめごとでも互いにエスカレートする。
この過程で内集団の共感が高まり愛国心の高揚が起き、大規模な抗争に発展する。

逆に不安を感じないのも問題で、大きな失敗をし易くなる。


つまり人類はまだまだ敵対し易い。

実は敵対と融和感情はノルアドレナリンやドーパミンなど幾多の脳内ホルモンが関わっている。
極論すればホルモンの分泌、遺伝と生得による脳の特性が敵対と融和を決めることになる。

共感度が低く攻撃的な性格を持つ人は社会にいつも一定数存在する。
時に社会が不安定化すると、人々はこのタイプの指導者を担ぎ出すことになる。
例えば、企業で云えばリストラを貫徹出来るトップ、戦争で云えば犠牲を
気にしないで大攻勢をかけるトップを皆が欲するからです。





こうして社会は敵意を増大させ、争いを加速させることになる。


次回につづく




20190505

平成の哀しみ30: 深まる亀裂 28: 敵対と融和 2




人は戦う宿命から脱せないのか?

一つの光明がある。

アフリカでは戦うチンパンジーは融和を得意とするボノボを凌ぎ森の王となった。
しかし人類はこれを凌ぎ地球の王となった。

これは言葉や知能の発達もあるが、社会性の発達と共に愛情や共感が強く働くようになった事が大きい。

高等動物ほど家族に強い絆を抱き、かつ集団内の弱者をいたわる。
共感は哺乳類に広く見られ、親が命を賭して子を守る姿は感動を呼ぶ。
類人猿や旧石器人には障害者や病弱者への援助行動が考古学的に確認されている。
最も共感が発達したのが人類です。
さらに最高度の抽象能力が共感の範囲を無限に広めることを可能にした。

こうして人類は数十万年かけて生活範囲を数十km四方から地球規模へと広げ、かつ協力するようになった。
これが今の世界の姿です。

けっして戦いや征服だけで世界が拡大したのではない。


 

人類は法の制定を、初期には部族から都市、次いで各都市間、やがて国家間で結ぶようになった。
この間、約4千年かかり、やっと1世紀ほど前から地球上の大半の国が一つの法を制定するようになった。

確かに戦争は繰り返されているが、徐々に人類は新たなステージに進んでいるのです。


次回につづく




20190504

平成の哀しみ29: 深まる亀裂 27: 敵対と融和 1









昔から人は敵対か融和かの選択をして来た







動物は元来敵対するものなのか?

弱肉強食は自然の理ですが、同種間では擬闘が行われます。
肉食獣などが縄張りを争う場合、徹底した殺し合いをせず、共に生存率を下げないように進化しました。

しかし人に近いチンパンジーでは、隣接するオス集団を壊滅させことがあります。
彼らは他集団のオスを非常に恐怖し、メス以外とは接触しません。

人類は大戦争をしますが、一方で世界を駆け巡り、商売や旅行をします。
人類は徹底的に敵を憎悪する一方で、仲良くすることも出来る非常に柔軟な動物です。


歴史を振り返ると二つの進歩に気付く。

社会が争いで荒廃していた時代、各地で画期的な解決策を説き始めた人がいた。
インドの釈迦、中国の孔子、ユダヤのイエス、アラブのマホメッドなどです。
彼らは憎悪でなく愛と自制により平和と幸福を促した。
この教えは今も広く人々の心を捉えている。

今一つは、敵と味方の境界線が拡大し続けていることです。
人種や言語集団は概ね1万年前後に定まったが、その垣根を越えて通じ合うことが可能になった。

人類は異なる社会を統合する知恵を持ち、広く協力する心を持ったことで、今の繁栄と平和がある。

次回へ






20190503

北欧3ヵ国を訪ねて 65: 古都ロスキレ 4





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今回は、ロスキレの公園を抜け、大聖堂を見て、広場を通り、駅に向かいました。
次いで電車に乗ってコペンハーゲンに戻りました。


 
< 2. 公園内 >

多くの学童達が引率者と共に木々に囲まれた自然を楽しんでいました。
小学生から中学生ぐらいまでがいたようです。
公園内からは水が湧き出ているようで、澄んだ小川が公園を横切っていました。


 
< 3. 大聖堂に向かう小路 >

上: 鬱蒼とした街路樹に囲まれた小路が丘の上に真直ぐ伸びていました。

下: 小路の横から見た畑と住宅です。



 

< 4. ギムナジウム >

上: ギムナジウム、日本の高校のようなのものでしょう。
13:30頃撮影。

下: 小路を行くと大聖堂が見えた。



 
< 5. 大聖堂 1 >




 

< 6. 大聖堂 2 >

上: 大聖堂の入り口から入ろうとしたのですが、丁寧に断られました。
大聖堂横の小さな入り口に二人の黒づくめの男性が見えますが、どうやら結婚式があるようでした。
残念でした。

下: 大聖堂前の住宅。
昔ながらの家並みでした。


 
< 7.広場 1 >


 

< 8.広場 2 >

木曜日、平日の午後2時前でしたが、多くの年配の方々が広場で寛いでいました。


 

< 9. 駅に向かう >

下: ロスキレの駅前に出た。


 

< 10. コペンハーゲンに向かう >


上: ロスキレ駅からコペンハーゲン中央駅を通過し Nørreport駅に向かう電車の中。
これは2階部分です。
北欧の郊外電車はどれもゆったりしている。

下: 地下鉄で Kongens Nytorv駅に向かう。


次回に続く。






20190502

平成の哀しみ28: 深まる亀裂 26: なぜ馬鹿をやるのか 4






合理的に疑うことが出来ない



最近、ある著名人がアウシュヴィッツと南京虐殺は無かったと発言し、世界から馬鹿にされている。
彼は医者でありネットウヨの神でもある。
彼は歴史を疑うことは重要だと言う。

あることを思い出した。
キリスト教分派の熱心な信者と話したことがあった。
彼は「神が数千年前に世界を作ったのだから進化論は嘘だ」と言う。

私は「進化を示す動物の骨格化石が証拠です」

彼は「それは間違いだ。この複雑な世界や美しい生命が神なしで勝手に誕生するずがない」

これ以上は幾ら説明しても無駄だった。


両者とも他者の証拠を受け付けず、自分の論理矛盾への指摘を無視する。

前者で言えば、ナチスによるユダヤ人虐殺はヨーロッパ中で起き、犠牲者は600万人以上なのだから。
日本兵による虐殺も同様です。
全体をみれば一目瞭然です。

後者で言えば、世界の全化石を嘘には出来ない。

なぜ彼らはこのように頑迷なのだろうか?

前者はヒトラーに対して、後者は聖書に対して信仰心が強いからです。

ヒトラーを危険に思うのが普通ですが、ウヨにとって強権的な人物は神にも等しいのです。
当然、虐殺の否定は日本軍の神聖さを守ることにもつながるからです。


次回に続く







20190501

平成の哀しみ27: 深まる亀裂 25: なぜ馬鹿をやるのか 3






軍の愚行を許した国民は


 


日本国民は真実を知らされず、デマに踊らされていた。
また国民は政府を選挙で一応選べたが、天皇直轄の軍部が政治を牛耳っていた、特に2回のクーデター以降は。
つまり国民は騙され、手も足も出なかったので犠牲者に過ぎないのか。

勝者によるニュルンベルク裁判以外に自ら戦争犯罪を裁き、被害国に潔く謝罪したドイツ国民でさえ、終戦後10年まではヒトラーの犠牲者だと考えていた。

日本軍が大陸に侵攻し、治安維持法で言論が締め付けられていても、国会議員や地方紙、経済紙の数人が戦争反対を表明していた。
しかしこの声はかき消えてしまった。

ここ半世紀の戦争で、国民はいとも簡単に愛国心に燃え開戦に賛成して来た。
日本だけでなく米国もベトナム戦争やイラク戦争で、開戦の口実を巧みにでっち上げて来た。

日本の場合、政府や軍部が国民を騙し始めると防ぐ手はないが、英国は違った。
大戦当初、英国は事実報道に拘りドイツの煽情報道に後れを取った。


結論
政府や軍部が嘘をつかないように、文民統制と報道の自由の確保が重要です。

実はこの反省を日本が未だにしていないことが問題です。
同じ間違いを繰り返す可能性があり、危険です。


次回に続く





20190430

平成の哀しみ26: 深まる亀裂 24: なぜ馬鹿をやるのか 2






大戦に突き進んだ日本の首脳の愚行をみます。





戦争を始めると深入りする一方で、日本だけではないが途中の撤退はほぼ不可能です。
戦争が始まると犠牲者が増え、国内の憎しみが沸き立ちます。
また軍事費を借金する為に勝ち続けなければならない。

軍首脳は中国戦線で失った20万英霊に申し訳ないからと、さらに太平洋戦争へと進み200万を失う。
本土決戦を前にして、ある大将は日本を焦土にして一兵卒まで戦うと息巻いた。

この間、軍は敗戦と失敗を隠し通し、国民を鼓舞する為に報道を統制し、嘘を流し続けた。
こうなると海外の情報が入らない国民は敗戦まで勝利を疑わなかった。

問題の一つは、超エリートの軍首脳や参謀達が、なぜ無謀な戦争計画を立案し続けたかです。
一言で云えば、軍と己の保身の為であり、その為には都合の悪い情報を無視し隠蔽、捏造もした。
当然、国民に真実を告げ判断を仰ぐことはなかった。

日本にはヒトラーのように独裁者はいなかったが、関東軍、陸軍、海軍が競い合い、天皇を担ぎながら戦争を進めた。
終わってみれば誰の責任かは分からない、「みんなで渡ろう赤信号」状態だった。

これは今の政府・官僚にも受け継がれている病根です。


次回に続く









20190429

平成の哀しみ25: 深まる亀裂 23: なぜ馬鹿をやるのか 1







戦争には愚行が目につく


 


ドイツと日本の国民はヒトラーの本質を見抜けず、世界大戦へと突き進んだ

両国民は戦争を望んだわけではなく、天才的な嘘つきのヒトラーに騙された被害者に過ぎないのか。
両国民は今も昔も平和を愛する民族だったのか。

第一次大戦後、ドイツは過大な戦後賠償と経済失策、日本は二度の金融恐慌と東北の飢饉に苦しんでいた。
さらに29年に世界恐慌が襲った。
両社会は一気に疲弊し不満が充満した。
そして指導者が現れ、隣国への領土拡大こそが生き残る道だと自尊心と敵愾心を煽った。

ドイツにはかつての帝政ドイツの領土、日本には半世紀に亘り拡大した東アジアの領土があった。
ドイツの敵は共産主義とユダヤ、日本の敵は遅れた文明に甘んじる大陸民族だった。

こうして両国は国内で追い込まれ、隣国に活路を見出した。
この思想を支えたのは保守的な人々だった。
これは既に得た富なり地位を失いたく無いために、社会改革よりは外部に解決策を求めた結果でした。
特にドイツはこの傾向が顕著だった。

こうして両国は侵略されたわけではないが、世界を相手に無謀な侵略戦争を始め、世界は無残な廃墟と化した。

これが愚行でないとしたら。


次回に続く