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今回はストックホルム近郊の自然歴史博物館とストックホルム大学を紹介します。
ここを訪れたのは北欧の自然と大学環境を知りたかったからです。
訪問したのは2018年6月1日(金)、12:40~14;10です。
< 2.利用した交通機関と徒歩コース、上が北 >
上の地図: 地下鉄線T14に乗って、ストックホルム中央駅のT-Centralen駅からUniversitetet駅まで行きました。
下の地図: 赤線は地下鉄駅から博物館への徒歩コース、黄線は大学構内への徒歩コースです。
< 3. Universitetet駅 >
上の写真: 駅の出口は半地下の小さな建物です。
この若者達は自然歴史博物館などを見学した学生だと思われます。
この改札内の右側に小さなコンビニがあります。
今回の訪れた三ヵ国の鉄道駅には必ずコンビニがあったように思います。
必ずロッカーがあるとは限らないようですが。
今回の旅行で私は飲料と軽食の多くを駅のコンビニに買いました。
実は北欧に来て二番目に驚いたことがありました。
それはMÄRSTの駅舎、内部はコンビニで、ここでアイスクリームとコカ・コーラを買った時でした。
その金額は50SEKで、640円ほどです。
おそらく付加価値税が25%が含まれているのでしょうが、物価は
日本の2倍ほどでしょう。
この後、旅行して実感することになるのですが、他の飲食代も同様に高かったが人々の暮らしは苦しそうに見えなかった。
それはこれらの国々の所得が高く、また行き届いた福祉政策のおかげなのかもしれない。
ちなみに2017年の三か国の一人当たりGDPは日本のSで1.4、Dで1.5、Nで2.0倍でした。
この現象は私にとっては日本の円安が災いしていると言えるのですが、見方を変えれば、自国が通貨高でも高い経済競争力を維持している国は世界にあるのです。
もっともスウェーデンは、ここ1世紀の間に金融危機などの煽りを受け景気後退と通貨安を招き、これを梃にして輸出産業からの景気回復を成し遂げたことはありますが。
下の写真: 駅を外から見ています。
< 4. 自然歴史博物館に向かう >
上の写真: 地下鉄駅を出た左側にバスターミナルがあります。
ここを抜けて地図の赤線に沿って進みます。
下の写真: 堂々とした建物の自然歴史博物館。
右手中央が入り口です。
< 5.Naturhistoriska riksmuseet自然歴史博物館のフロアと展示 >
上の写真: 各階の展示。
私が訪れたのは2階(upper level)の左側、A:スウェーデンの自然、
とB:水の生き物、だけです。
この館内には、他に恐竜や人類進化の展示やIMAK(映像)もあります。
下の写真: スカンディナヴィア半島の氷河期の終わりを示している。
この絵に従って半島の変化を追います。
一番左の絵のように氷床は16000年前まで半島を完全に覆っていたが、やがて気温の上昇により氷床は縮小し、7000年前には消えていた。
この間、地球全体の海面上昇が起こり、また氷床の重みから解放され半島の地盤は上昇し続けた。
このことにより、13000年前には大きな湖が生まれ、やがてバルト海となり、11000から7000年前の間に半島は大陸から完全に分離した。
またスウェーデン中央部には、かっての海が現在、湖になっているところもある。
氷床の後退に連れて、いくつかの植生が大陸から北上し、また人類も大陸側から流入して来た。
氷河期のヨーロッパ大陸の氷床はこのスカンディナヴィア半島とアルプス山脈、ピレーネ山脈を中心に前進後退していた。
新人類はこの氷床が後退する境目に、新天地を見出し移動したのだろうか?
彼らは新たに開けた広大な平原で、群れなす大型の動物を仲間と狩り、そこでは食料の長期の冷凍保存が可能だった。
この北方の氷床の境目、ユーラシア大陸を東西に延びる帯状地帯に多くのビーナス像(3~2万年前)が生まれたように思える。
< 6. スウェーデンの自然、展示室 >
展示室はかなり照明を落としている。
剥製の展示が多く、それらは自然の中で生きている1コマを再現している。
左上の写真: ヘラジカでしょうか。
その大きさに驚いた。
右上の写真: 狼。
下の写真: 全体。
入館しているのは小さなお子さんを連れた父親や、小学生から中学生の課外授業の小規模のグループが目立った。
< 7. 水の生物展示室 >
上の写真: 湖の巨大魚。
驚きの大きさです。
最大3.6m、重量180kgのものが見つかったそうです。
下の写真: スウェーデン南部、ストックホルムよりも南部の範囲。
見にくいですが白いLED群が三か所ありますが、ここに生息しているとの意味のようです。
このような寒冷地だからこそ巨大な生物が生き残れるのでしょうか、氷河期のように。
< 8. Stockholms universitetストックホルム大学の構内 1 >
地下鉄の駅を出たところから黄線に沿って歩く。
< 9. ストックホルム大学の構内 2 >
下の写真: Allhuset, 有名な建築物らしい。
私にはその価値がわからない。
ここは学生食堂らしい。
< 10. ストックホルム大学の構内 3 >
構内を歩いて感じたことは、いわゆる大学世代(20歳前後)の姿が少ないことです。
むしろそれよりも年配の人が多く、様々な年齢層の男女が座り、歓談し、また歩いていた。
これは北欧特有の教育制度、高校時代から大学入学までに数年の社会経験や海外経験を経て、進学の目標が決まってから大学に学ぶことが認められていることの現れでしょうか。
北欧では大学の学費が無料だけでなく、さらに生活費が国から支給されます。
大学への入学は一回限りの試験でなく単位制で、高校時代の成績で決まります。
この単位は休学しても失われないので、このようなことが出来るのです。
但し、成績により入学可能な大学は限定され、大学に入学すると猛烈な勉強が必要になります。
こうして彼らは目的意識を持ち勉学に励み、広い視野を持った学生となるのでしょう。
日本と大きく異なるこの教育制度が、北欧の科学技術や国際力、産業競争力を生み出し続けているのでしょう。
後に紹介しますが、他にも進んだ教育への取り組みが随所に見られ、学生は社会意識や政治意識の高い国民となり、社会は好循環を生み続けているのです。
次回に続きます。