20190430

平成の哀しみ26: 深まる亀裂 24: なぜ馬鹿をやるのか 2






大戦に突き進んだ日本の首脳の愚行をみます。





戦争を始めると深入りする一方で、日本だけではないが途中の撤退はほぼ不可能です。
戦争が始まると犠牲者が増え、国内の憎しみが沸き立ちます。
また軍事費を借金する為に勝ち続けなければならない。

軍首脳は中国戦線で失った20万英霊に申し訳ないからと、さらに太平洋戦争へと進み200万を失う。
本土決戦を前にして、ある大将は日本を焦土にして一兵卒まで戦うと息巻いた。

この間、軍は敗戦と失敗を隠し通し、国民を鼓舞する為に報道を統制し、嘘を流し続けた。
こうなると海外の情報が入らない国民は敗戦まで勝利を疑わなかった。

問題の一つは、超エリートの軍首脳や参謀達が、なぜ無謀な戦争計画を立案し続けたかです。
一言で云えば、軍と己の保身の為であり、その為には都合の悪い情報を無視し隠蔽、捏造もした。
当然、国民に真実を告げ判断を仰ぐことはなかった。

日本にはヒトラーのように独裁者はいなかったが、関東軍、陸軍、海軍が競い合い、天皇を担ぎながら戦争を進めた。
終わってみれば誰の責任かは分からない、「みんなで渡ろう赤信号」状態だった。

これは今の政府・官僚にも受け継がれている病根です。


次回に続く









20190429

平成の哀しみ25: 深まる亀裂 23: なぜ馬鹿をやるのか 1







戦争には愚行が目につく


 


ドイツと日本の国民はヒトラーの本質を見抜けず、世界大戦へと突き進んだ

両国民は戦争を望んだわけではなく、天才的な嘘つきのヒトラーに騙された被害者に過ぎないのか。
両国民は今も昔も平和を愛する民族だったのか。

第一次大戦後、ドイツは過大な戦後賠償と経済失策、日本は二度の金融恐慌と東北の飢饉に苦しんでいた。
さらに29年に世界恐慌が襲った。
両社会は一気に疲弊し不満が充満した。
そして指導者が現れ、隣国への領土拡大こそが生き残る道だと自尊心と敵愾心を煽った。

ドイツにはかつての帝政ドイツの領土、日本には半世紀に亘り拡大した東アジアの領土があった。
ドイツの敵は共産主義とユダヤ、日本の敵は遅れた文明に甘んじる大陸民族だった。

こうして両国は国内で追い込まれ、隣国に活路を見出した。
この思想を支えたのは保守的な人々だった。
これは既に得た富なり地位を失いたく無いために、社会改革よりは外部に解決策を求めた結果でした。
特にドイツはこの傾向が顕著だった。

こうして両国は侵略されたわけではないが、世界を相手に無謀な侵略戦争を始め、世界は無残な廃墟と化した。

これが愚行でないとしたら。


次回に続く







20190427

北欧3ヵ国を訪ねて 64: 古都ロスキレ 3






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今回は、ヴァイキング博物館の野外展示場を紹介します。
ヴァイキングの船造りが良くわかる楽しい所です。






< 2. 博物館を後にして >

上: 博物館の外観。
前の敷地で子供達が木材を投げる素朴な遊びをしていた。
これと似た遊びをストックホルムのヴァーサ号博物館の裏手で大人がやっているのを見ました。

中: 野外展示場に向かう。
多くの小型木造船が見える。

下: 内陸側を見ている。



< 3. 橋を渡る >

上: 内陸側を望む。
森に包まれたなだらかな丘の上に大聖堂が見える。

下: どうやら最近作ったばかりの船が並んでいる。



< 4. 木造船の建造 >


屋外と室内の両方で、小型の木造船、ヴァイキング船を作っていた。
古来の建造方法を保存し、再現しているようです。


上: 屋外では古いタイプの道具で造っていた。
斧を持っているのが見える。





< 5. 鉄製の道具作り >


上: この炉とふいごで釘や斧、ナイフなどを造っているようです。

中: 作っている様子などを紹介している。

下: 丸太から船材を作る実演と紹介の展示。




< 6. ロープ作り >

上: 休憩所。
家族や学生のグループが多かった。

下: 船で使うロープを昔ながらの製法で作っている。



< 7.帆船の模型を楽しむ >

上: 家族で簡単な帆船模型を作っている。
下: それを小さなプ―ルで浮かべていた。

北欧の観光を調べていると、ヴァイキングのテーマーパークや体験村が各地にある。
若い人や家族連れで賑わっているようです。
今回、博物館と合わせて数ヵ所訪れたが、訪問者は海外からの観光客だけではなかった。
国民は自国のヴァイキングを学ぼうとしており、誇りに思っているようです。



< 8.湾を見渡す >

湖面を覗くと水は澄んでおり、揺れる海藻がはっきり見えて、遠浅が何処までも続いていた。
これでヴァイキング船の喫水が浅くなくてはならないことが納得できた。




< 9. 大聖堂に向かう >

道路を横切り、住宅街の横を通り、緩い丘を進む。



< 10.公園に入った >


次回に続きます。



20190426

平成の哀しみ24: 深まる亀裂 22: 敵か味方か




同盟を組む時、敵と味方を間違うことがある。


古代ギリシャの国々が戦乱に明け暮れていた時、よりによって一方がペルシャに加勢を求めた。

第二次世界大戦前夜、軍拡を進めるドイツに対して英仏米はソ連への防御壁になることを期待し穏便に済まそうとした(敵の敵は味方)。
この間違いに気付いたのは侵攻が始まって4年も経ってからでした。


 


もっと奇妙なことがある。
ソ連を味方に引き入れ日独伊三国同盟を結ぶことで、米英仏を牽制できると読んだのが日本陸軍でした。
ところがドイツが裏切りソ連に侵攻し、また同盟は米国に日本への石油禁輸を決断させることになり逆効果になった。

なぜ日本と米欧はドイツを読み間違えたのか?

ヒトラーの嘘と裏工作が巧だった。
欧州は前回の大戦の復興に手一杯で、米国は世論が他国の戦争に巻き込まれるのに反対だったことが大きい。

当時、半世紀ほど遅れて侵略を始めた日独伊は世界から非難され、国連を脱退した同類でした。
この仲間同士で東アジアの領土を奪う合うことはない。
さらにドイツはすぐにも欧州を掌中にする勢いだった。

こうして日本陸軍は大吉を引いたと喜んだが、とんだ貧乏くじになった。
海軍は危惧していたのだが。



次回に続く




20190425

湖北の桜を訪ねて 3: 長浜の豊公園


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今回は、湖北を回って長浜の豊公園の桜を紹介します。
今回で、桜巡りは終わりです。


 
< 2. 長浜 >

マキノから余呉湖、長浜にかけてバスの車窓から田園地帯を眺めていると、村々や道路沿い、川の堤の至る所に桜が見えた。
この地域は、桜を大事にしているのが良く分かった。

下: 姉川でしょうか、右手奥に伊吹山が見えます。


 
< 3. 長浜城 >

この城は羽柴秀吉が最初に築いた居城です。
この城は天正地震で全壊し、1983年に模擬復元されたものです。
この城を中心に広がるのが豊公園で、園内には約600本のソメイヨシノが咲いています。


 
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私が気に入っている風情の一つは湖岸に面していることです。


 
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この4月8日は天気が少し不安定との予想だったのですが、何とかもってくれました。
午後になると雲で覆われるようになったが、桜がここ数日の暖かさで満開になり、ラッキーでした。

このブログにご訪問頂きありがとうございました。


20190424

平成の哀しみ23: 深まる亀裂 21: 軍事同盟(集団安全保障) 




軍事同盟にも危険性がある


軍事同盟は戦争を招き被害を大きする。
これを避ける為に中立があるのですが。

同盟の危険性とは

同盟に参加することで敗北の危機感が減じ無謀になる。

他国の紛争への加勢により、対立する同盟間の大戦に発展する。

同盟内の覇権国が軍事力を恣意的に使い大戦に突入する。

境界にある国は対立する同盟国から攪乱され攻撃され易い。

これらは戦史の常識です。

国連憲章で集団安全保障は容認されたのですが、実は協議の過程で上記の反省から反対意見も多かったのです。
しかし米国の押しで決まった。

重要なのは軍事同盟の組み方です。

端的に言えば信頼できる国と対等に組めるかです。



 



例えばNATOは参加国の全員一致で決議します。
即応性に欠けるが、戦争の予防的措置や抑止力としては効果を持ちます。
国連は拒否権の問題はあるが、これに近い。

しかし米国一国への従属は、数々の危険がある。

ここ半世紀、米国が牽引した戦争には問題や失敗が多い。
現時点で、日本側から抑制出来るとは思えない。
日本の位置がアジア側にあることも問題です。

これから世界のパワーバランスが大きく変わり、新旧の対立から暴発が起きる可能性が高い。
見極めが重要です。


次回に続く







20190423

平成の哀しみ22: 深まる亀裂 20: 軍拡のジレンマ 3






軍拡が怖いからと言って軍を放棄すべきか


世界の中立国は防衛軍を持っている。
小国が軍を持たないこともあるが他国に依存している。
不穏な軍事大国やテロに走る国家や集団は存在する。

つまり防衛軍は必要です。

世界に安全保障のヒントがあり、大国と対等な軍備を持てない小国が参考になる。




ロシアに近い北欧やバルト三国を見ます。

対処は大別して三つある。
A 中立政策
B 集団安全保障
C ロシアに敵対しない

A スウェーデンは中立政策により第二次大戦の被害を軽微に出来た。
しかし1992年より中立政策を捨て、まだNATOに加盟していないが、この方向に進むだろう。

B ノルウェーとエストニアはNATOに加盟している。

C フィンランドはNATOに加盟せず、北欧理事会に参加しながらソ連に近い外交を行っている。

ちなみにこの4ヵ国の各人口はロシアの百分の2~7に過ぎない。
すべて軍を持っており、北欧の二ヵ国は国連などの派遣軍に積極的に参加している。

これらNATO加盟国はすべてロシアと国境を接している。
ウクライナ情勢が不安を駆り立ているようです。

これらは自国の軍備だけに頼ることをせず、中立政策も含めた外交と集団安全保障を重視している。


次回、集団安全保障についてみます。







20190422

湖北の桜を訪ねて 2: 風車街道から海津大崎









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今回は湖西から湖北に向かい、海津大崎を訪れます。
途中風車街道の桜並木を通過します。
天気と桜は素晴らしかった。


 
< 2. 車窓からの眺め >

上: のどかな高島市が広がっています。
安曇川でしょうか、堤のところどころに桜並木が見えました。

下: 新旭町の湖周道路に約6kmにわたりソメイヨシノが連なっていました。
ここは下車しませんでした。


 
< 3。 海津大崎に到着 >

私達は神社の駐車場でバスを降りて、岬に向かって約1.3kmほど歩きました。

上: 岬の付け根辺りから桜並木が見え初めました。


 

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小型の遊覧船が頻繁に出入りしていました。
また大型の遊覧船も沖合を航行していました。


 
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ここは湖岸園地で、多くの方が弁当を広げ仲間や夫婦で楽しんでいました。


 
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海津大崎の桜は延べ4kmほどあるのですが、私はマキノ側の入り口から1kmほどしか見ませんでした。
集合時間に合わして折り返し、元の駐車場に戻りました。


 
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下: この写真がマキノ側から見た全景です。

ここは桜の名所で眺めは素晴らしい。
しかし観光バス用の駐車場が遠くて不便なのが欠点でした。
一方マイカーは桜並木の所々にある小さな駐車場に止めることが出来るようです。
また桜並木を楽しむ散策路が、自動車道路の脇に追いやられており、歩き難い。

迫り出した山と湖が桜並木を際立たせ、自然な感じの桜が楽しめます。
しかし楽しみ方に工夫が必要だと思いました。


次回に続きます。








20190421

平成の哀しみ21: 深まる亀裂 19: 軍拡のジレンマ 2



軍備増強の思わぬ落とし穴

A 膨大な軍事費
実は、軍事費に上限が無いのです。

嘘のような話ですが理由は簡単で、軍拡競争で軍事費は上昇し続けます。
冷戦時代、米ソの核弾頭は地球を7回全滅させる量になった。

ここまで来れば、他の産業への投資不足が起こり、経済に悪影響が出ます。

日本は朝鮮戦争とベトナム戦争時、米国が軍需物資を買ってくれたので好況になった。
しかし太平洋戦争時、日本は総生産額は上がっても生活はどん底だった。

 


B 癒着する軍産複合体
軍需産業は成長すると政府と癒着するようになる。

理由は簡単で、政府が大口の発注者で機密を共有することになるからです。
米国の子ブッシュ大統領や明治維新の長州軍閥(陸軍)などが好例でしょう。

開戦は双方に莫大な利益と賄賂をもたらします。


C 拡散する兵器
軍事大国で育った兵器産業は輸出に拍車をかけるようになります。

中東は米国とフランス、ロシアの巨大兵器市場です。
中東戦争の初め、米国は短期間に大量の兵器をイスラエルに提供し、劣勢を優勢に変えた。

大国は覇権争いで、兵器産業は商売で、敵対する双方の国や戦闘集団に兵器を供給し続ける。
こうして世界各地で紛争が悪化し長期化します。


次回に続く




20190420

平成の哀しみ20: 深まる亀裂 18: 軍拡のジレンマ 1







「平和を愛する国民なんていない」と断言する首相もいるが、
皆さんはどうですか

軍備拡大を考えます

歴史を見ると、軍事力を軽視した国と小国は滅び、強大な軍事力が帝国を築いたように思える。

だが強大な軍事力にも問題はある。

A 軍事大国の内部
多くは軍事優先になり戦争を拡大し続け、経済・社会は疲弊し、遂には内部崩壊する。

ローマ帝国、中世スペインとフランス、大英帝国、大日本帝国と今の米国に共通するものがある。
戦費調達の為に、収奪目的の侵略戦争と苛酷な課税が繰り返され、遂には過大な負債が残る。
日本も日露戦争から戦費調達の外債発行で敗戦まで自転車操業に陥った。

B 軍事大国の周辺
侵略競争が常態化し、周辺諸国は軍拡競争と軍事同盟に走り、苦境に陥り、遂には破局を迎える。
この結果が20世紀の大戦でした。

これが軍拡を恐れる理由です。

この反省からパリ不戦条約や国連憲章で、世界は戦争と侵略を違法と見なすようになった。
この60年間、問題はあるが大国間の戦争が無くなり、多くの小国が独立している。





実は、中国の宋王朝は文治主義を採った珍しい王朝で最長の寿命を得た。
軍隊が弱く外圧に苦しんだのだが、文化と商業が非常に発展した。


次回に続く