20180831

連載中 何か変ですよ 203: 暴露本「炎と怒り」の紹介 4: トランプタワー 2

 
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今回で、この暴露本の紹介を終わります。
初期の大統領首席補佐官を巡るドタバタを紹介します。








 
< 2.トランプ政権を去った人々 >

多くの人々-マチュア政治家、経済界の成功者、人気のポピュリストがホワイトハウスを賑わしては、早々と去って行った。
去った多くは政権への爆弾発言(トランプを無能呼ばわり)や暴露、非難を繰り返している。
この混乱は今も続いている。


* 初期の大統領首席補佐官を巡るドタバタ

大統領首席補佐官とは何か?
彼はホワイトハウスとその行政部門、軍人130万人を含む約400万人のトップに立ち、この組織の運営を大統領から任されることになる。
特にトランプ政権では。

しかしトランプの直情径行、専門家嫌い、家族重視、政治への無知が災いして、大統領首席補佐官選びは脱線を繰り返しながら、最後には政権内で差し障りのない人物が選ばれた。

そして初代の大統領首席補佐官プリーバスは半年で更迭された。







 

< 3. 相関図 >


* 「炎と怒り」の読後に思うこと

他国のことではあるが、怒りよりも深い絶望感にとらわれた。
それは今、日本も含めて欧米先進国が米国と同様の凋落の道を進んでいると思うからです。

少なくとも米国は1970年代初期までは、ホワイトハウスの暴走-ベトナム戦争やウォーターゲート事件に対して、マスコミは良識を持って立ち向かい、そして国民も遅ればせながら正しい道へと方向転換させることが出来た。

しかし、欧米先進国は80年代以降の経済金融政策の大転換による格差拡大、さらに戦後から始まっていた後進国での紛争拡大による大量の難民発生と移民の受け入れが相俟って、欧米社会は不満のるつぼと化した。

このことが特に米国では、度重なる規制緩和によって報道の自由度を失わさせ、その上、今のインターネット社会ではヘイト情報が世論を左右するようになった。

こうして容易にポピュリズム、今は右翼の煽情によって、不満を抱く人々は否定と排除の論理で強く結びつき、より強固になりつつある。

このことは全ての金融資本主義国家、欧米先進国を蝕みつつある。
北欧すら逃げることは出来ないだろう、災厄の到来は遅れるだろうが。
それは今の日本にも当てはまる。

欧米から離れた島国日本は、その影響が軽微であったが、アベノミクスによって格差拡大の現況である金融資本主義へと大きく舵を切ったことになる。
西欧の優良国であったドイツも経済格差では同様に蝕まれ始めている。

各国で進んでいる国民の政治不信、右翼ポピュリズム政党の台頭、格差拡大はすべて軌を一にする。

それはここ半世紀にわたる戦争と経済がほぼ規制されず放置され、悪弊が拡大し蔓延してきたからです。

このことが、今の惨めで馬鹿げたトランプ政権を生んでしまったのです。

私には、この先行き世界は着くところまで行ってしまうような気がする。

歴史にその例はいくらでもあった。
ドイツ国民が最初からヒトラーにドイツと世界の壊滅を託したのではない。
始め一部の熱烈な国民がヒトラーの人柄、煽情、政策に共感し、期待していた。
そのうち騙されてか、無謀な計画なゆえに行きがかり上、破滅の道を進むことになった。

いつものことだが、日本のファシズム、大陸進出と同様で、マスコミが沈黙し権力の集中が進み、後戻りが不可能になった。

まさに米国、日本、ドイツなでかつての優良な国で政治の劣化が起こっている。
その一つの現れがトランプ現象です。


これで終わります。

20180829

北欧3ヵ国を訪ねて 23: 北方民族博物館へ



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今回は、ストックホルムのユールゴーデン島入口にある北方民族博物館を紹介します。
またストックホルム中央駅でのバス停探しの失敗も紹介します。


* バス停探しの失敗

ユールゴーデン島に行くためにバス停を探す必要がありました。
事前にグーグルマップで調べていたのですが、どうしてもこのバス停の位置が不明瞭でした。
今回、旅行で使う他のバス停はほぼグーグルマップで確認できましたが、ここだけは別でした。
乗るバスの路線は69番で、バス停はCentralen から Djurgårdsbronまでです。

非常に分かり難いので、以下の地図と写真を使って説明します。





 
< 2. 地図、上が北 >

上の衛星写真: ストックホルム中央駅でバス停を探して歩き回った経路。

朝、エルブシェ駅から電車でセントラルシティまで行き、地上に出ました。
黄色の直線の破線が電車、オレンジの破線が地上に出る経路です。

そして駅前の大通りVasagatanが高架道路と交差している所に向かいました(写真3)。
高架下にバス停はあったのですが、No.69の表示はありませんでした。

通りがかりの老婦人に尋ねたところ、高架道路上にあるだろと教えてくれ、さらに途中まで一緒に行きました。
オレンジ色の実線を進んだ。
しかし、道路は工事中でバス停は無くなっていました(写真4と5)。

そこでまた別の夫人に聞くと、中央駅まで戻りなさいと言われた。
そして中央駅に入って、北側のシティターミナル(長距離バス用)の方に向かった。
オレンジ色の破線を進んだ。
しかし、そこにも無かったので、諦めて高架道路の上に出た(写真6)。

この道路沿いにバス停があり、東行きが目的のバス停(中央駅寄り)でした(写真7)。

写真3の地上に出てから、バス停に辿り着くまで35分かかりました。


下の地図: 赤線が69番のバスで、白丸で乗り、黒丸で降りた。
黒の矢印が北方民族博物館です。
路面電車に乗り換えて、さらに近くまで行くことは出来ます。


 
< 3.バス停探し 1 >

上の写真: セントラルシティから地上に出た所。
Vasagatan通り沿いのビルから出た。

下の写真: 高架の右手奥が中央駅。

 
< 4.バス停探し 2 >

上の写真: 高架下のバス停。

下の写真: 右手の階段を昇って高架道路に出た(西向き)。
西側を見ている。


 
< 5.バス停探し 3 >

上の写真: 高架道路上の工事でバス停が無くなっていた(東向き)。

下の写真: 中央駅に戻る。



 
< 6.バス停探し 4 >

高架道路の上から撮影。


 
< 7. 目的のバス停 >

左下の写真: バス停内の上部に3路線の運行状況が表示されている。
バス路線69、バスの行き先Blockhusuddeen、到着時刻の表示が見える。
これに乗ります。

右下の写真: バス停内にバスの時刻表が貼られている。

あまり待つことなく目的のバスに乗れた。


私はバス停の探し方を間違っていた。
私はグーグルマップでバスが東に向かって走るのがわかっていたので、この高架道路上を中央駅の近くから探すべきだった。

ストックホルム中央駅周辺の市内向けバスの停留所は分散しており、非常に探し辛いので、皆さん気を付けてください。
私はバス停のマップを見つけることが出来なかった。



* 北方民族博物館へ

 
< 8. 降車したバス停Djurgårdsbron >

ここまでのバスの乗車時間は9分です。

上の写真: ユールゴーデン島に掛かる橋と北方民族博物館が見える。

下の写真: 今、バスが走って来た道(西側)。


 
< 9. 橋の上から 1 >
上の写真: 西側を見ている。

下の写真: 東側を見ている。


 
< 10. 橋の上から 1 >

下の写真: 橋の東南側、ユールゴーデン島の入り口にあるビジターセンターが見える。


 
< 11. ユールゴーデン島に入った >

上の写真: 今渡って来た橋を振り返る。

下の写真: この道を進むとユールゴーデン島に入っていく。


 
< 12. ビジターセンターと北方民族博物館 >

上の写真: ビジターセンターは最近出来たらしい。

ここでストックホルムパスがやっと購入できる。
前日、訪れた二つの博物館は無料だったので、このパスは不要だった。
しかし今日から訪れる博物館は有料なので、このパスを使います。
このパスで、多くの博物館、クルーズ、Hop on Hop offバスを追加料金なしで利用します。

私の購入したパスは、2日間で845クローナ(10745円)でした。
結構高いのですが、利用したドロットニングホルム宮殿への往復クルーズと入館料だけで340クローナしますので、十分元がとれます。
ただ貪欲に観光せざるを得なくなることが問題と言えました。

またトラベルカードは72時間で240クローナ(3058円)でした。
これも全ての交通機関(地下鉄、路面電車、バス、電車)が使えるので非常に便利です。
渡し舟やフェリーも使えるのですが、使う機会はなかった。

この二つのカードの開始時間は私の使用開始からスタートするので、これも使い勝手が良かった。
ここではスムーズに購入出来たが、他の二ヵ国のカードは開始時間の設定が異なり、少し手こずることになった。

購入する時、担当者が「このパスは交通手段に使えない」との注意があったので、私は「72時間用のトラベルカードを持っている」と答え、納得してくれた。
このようなパスを買う時でも、いくらかの英語が必要になりました。


下の写真: 北方民族博物館Nordiska museet
外観は宮殿のような建物ですが、中は大きな吹き抜けのフロアが占めており、その周囲を囲むように細長い展示室が続いている。
したがって展示規模はそれほど大きくはない。
確か3階建てだったと思う。


 
< 13. いよいよ博物館に入館 >

ここでは荷物をロッカーに入れなければならなかったと思います。
今回の旅行で、入館時のロッカーは全て無料で、コインが必要な場合は館員が貸してくれました。


上の写真: 入館すると巨大な座像が目に入る。
これはスウェーデンがデンマークから独立を果たした時のグスタブ・ヴァーサ王です。

ここでは16世紀以降の北欧の生活様式―室内、衣服、農工具、陶器
などと現代の照明器具、ラップ地方(サーミ人)の暮らしが紹介されている。



< 14. 衣服と家具 >

上の写真: 1860年代の衣服。



 
< 15. 農家と照明具 >


 
< 16. サーミ人 >

上の地図: サーミ人の居住地。


* 感想
この博物館の展示も照明が暗く、さらにセンサーで観客を感知して展示用照明が点くようになっており観客が少なかった為、本当にひっそりとしていた。
おかげでじっくり見れましたが。

何かもう一つ得るものが無かったように思う。
海外から来た人間には、数百年前からの風俗を見ても、北欧を理解することが難しいのかもしれない。

全体の印象は、北欧の文化は西欧とキリスト教の影響を強く受けているらしいことでした。
現代北欧の政治経済社会は素晴らしいので、何か西欧との違いを発見したかったのだが見つけることが出来なかった。

照明器具や椅子などの家具のデザインには北欧らしさ―シンプル、機能性、そして木質を生かした特徴、があるように感じた。

今回、北欧を歩き回って不思議な感覚に囚われたのは、異なる人種(顔)が予想以上に多い事でした。
東欧や中東からの移民が多いこともあるのだろうが、他に理由がありそうです。
北欧三ヵ国の多くは紀元後に移って来たゲルマン人だが、スラブ圏と接しており、また先住民族のサーミ人、隣国のフィンランド人はモンゴロイドなので、元々、人種の交配が進んでいたのだろう。

この博物館の100年前の風俗を見て感じた貧しさは、スウェーデンの自然景観や多くの移民を出した歴史に繋がっている。


次回に続きます。


20180827

連載中 何か変ですよ 202: 暴露本「炎と怒り」の紹介 3: トランプタワー 1





< 1.トランプタワーのロゴ「トランプ」を隠すアイデア >


今回は「炎と怒り」から「トランプタワー」p44-p55を紹介します。
トランプ周辺の人物がトランプをどう評価していたかを見ます。


 
< 2. スキャンダルと内紛 >

上の写真: トランプとの不倫を暴露した女性が脅迫された。
この手の脅迫は不動産の立ち退きによく使われる手段(決して足がつかないので)。

下の写真: 更迭された女性補佐官がホワイトハウスの暴露本を出版予定。
毎日のように噴出するトラブルとスキャンダルがあっても平然と否定し、笑顔を作り、決してめげないトランプ。
そして見捨てないトランプ支持者達が大勢いる。


* 大統領選挙前後における身近な人々によるトランプの評価

民主的な選挙で選ばれた大統領なのだから、さぞかし立派で優秀な逸材だろうと他国の人間としては思ってしまう。

はっきりしているのは彼が類まれなスター、TV番組の人気ホストだったということです。
そして優れた事業手腕(清濁併せ呑む?)で多業種を含む不動産王であることです。

彼の周囲の人間とはたいてい大富豪や有名人、少しは政治家です。
もっとも大富豪に関してはトランプに似て素行や身持ちが良いという保証はない。

そんな人々がトランプをどう見ているかが明らかにされています。

結論として言えることは、トランプは選挙に勝てた人物ではあるが、政治で国をリード出来る人物とは、誰も思っていなかったことです。

しかし彼が大統領になったなら、彼を利用しようとして群がる人々がいる。
例えばこれら人々は自分のキャリアアップや名声の為、または脱税や事業拡大の為、そして政治的に利用で出来ると考えた。

彼らの多くは自分自身をトランプより優れた者と考え、猿回しなら可能だと考えた。
しかし残念ながら多くは気まぐれな猿を使い切れず、後にホワイトハウスを離れていくことになる。

少なくともトランプは、気にくわない猿回しを首にする決断力を持っている。
ホワイトハウスから、今なおトランプの「お前は首だ」(TV番組アプレンティス)と、野心で目がくらんだ人の溜息が毎日のように聞こえて来る。


 
< 3. 相関図 >

次回に続きます。



20180826

沼島を訪ねて 1





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これから数回に分けて、淡路島の南端に浮かぶ小さな島、沼島を紹介します。
この島は海の幸と神話で知られています。
訪れたのは素晴らしい快晴の2018年8月18日(土)でした。



 

< 2.沼島の地図、上が北 >

上の地図: 矢印が沼島です。
紀伊水道の北端にあり、西に行くと鳴門海峡を抜け瀬戸内海、東に行くと大阪湾の入り口、南下すると太平洋に出ます。

中央の地図: 沼島に渡る方法。
淡路島の南端の土生港から沼島港まで1日10便の高速艇が往復しています。
船の所要時間10分、運賃は往復900円です。
紺色の線が船のルートです。
茶色の線が自動車で土生港に至る道の一つです。


下の地図: 沼島全体図。
島は周囲9.5km、最高地点は117mで、北西部の湾にある集落を除いて深い森に覆われ、険しい崖によって囲まれています。

茶色、橙色、赤線が今回散策したルートです。
矢印は沼島の景観を代表する上立神岩(かみたてがみいわ)です。


 
< 3. 沼島が眼下に >

淡路島の南端は淡路島の最高峰、諭鶴羽山が急峻なまま海に落ちており、海岸沿いを一本の道路がへばり付く様に走っている。

上の写真: 沼島と土生港が見えて来た。

下の写真: 西側を向くと四国徳島が見える。


 
< 4. 土生港の高速艇乗り場 >

ここの有料駐車場に車を預ける。


 
< 5. いよいよ乗船 >


 
< 6. いよいよ出港 >


 
< 7. しばしの船旅 >

この船は快適なのですが、オープンデッキがなく、窓ガラス越しの撮影になるのが残念です。

上の写真: 淡路島の稜線が落ちた先、右手遠方に加太、和歌山方面が見えます。

中央の写真: 沼島の端が見えて来ました。
この先端の海岸には、世界的に珍しい同心円構造の鞘型褶曲(さやがたしゅうきょく)の岩石が見られます。

下の写真: 沼島の港が見えて来ました。


 
< 8. 着岸しました >

上の写真: 港に入るところ。
遠景は淡路島、土生港の方です。

下の写真: 多くは海水浴客と鱧料理目当ての旅館客のようです。
結構、船は乗船客で一杯でした。


 
< 9. 高速艇乗り場 >



 
< 10. 漁港へ >

高速艇乗り場から奥に広がる漁港と漁村に向かう。


次回に続きます。