20121202

何か変ですよ6 : おかしな選挙の争点 1


 消費増税

< 消費増税のアンケート >

現在、日本では、各党首が口角沫を飛ばし夢のような政策を訴えています。

どうせ守れないなら何を言っても良いかもしれませんが。

国民は正しく理解していないと将来後悔することになります。


増税について

良く聞く、胸に突き刺さる警句があります。

「消費増税は景気を後退させる。1997年の消費増税がその例だ。」

これは応えます。これが真実なら、誰でも躊躇しますよね。

これを確認します。増税は必至なので触れません。



経済学の基本から

1.      国が支出(公共投資等)を2兆円増額すると、GDP5倍の10兆円増になります。

2.      国が2兆円減税を行うと、GDP4倍の8兆円増になります。

3.     国が2兆円増税し、その2兆円を支出すると、GDPは2兆円増になります。

この計算式は正しいものですが、係数の限界消費性向C(0<C<1)は0.8を使いました。

教科書的には、Cが変わっても3番の増税と支出増の組合せによるGDP増額は変化しません。

1980~2008年の家計の限界消費性向は0.7~0.8で、一方、公共投資の2001~2005年の限界消費性向は0.33でした(内閣府資料より)。

実はこの二つの値を使って、2兆円増税して公共投資を行った場合を計算すると、GDPはマイナス5兆円になるのです。通常、限界消費性向は同一値を使います。


公共投資の乗数

< 公共投資のGDP乗数、GDPは約500兆円 >

得られる結論はこうです。

        増税分を国民の消費に使うと景気にプラスになる。3番の計算例。

        ただ使い道を誤ると、マイナスになる。例えば借金返済や経済効果の劣る公共投資などです。

国の支出増は明確に景気増大をもたらします。しかし限られた財源で効果の薄い公共投資では借金を増やすだけです。それは過去30年の実績から明白です。なぜそのような見え透いた間違いをするのか、それは既得権益を維持する為だけとしか考えらえません。


 アジア通貨危機

< アジア通貨危機 >

1997年の消費増税は悪の元凶か。

この年の景気を悪くした真犯人は別にいるのでしょうか?

4月に消費税が3%から5%に上昇したが、この年に何が起きたかを見れば分かります。

        この年は巨大倒産が頻発した: 4月から始まる日産生命と三洋証券の倒産は、それぞれの業界で戦後初。北海道拓殖銀行、山一証券の巨額の破綻。

        7月に起きたアジア通貨暴落が経済危機を招いた : 10月には2日間で20円も円高になった。アジア各国の景気後退は、やがて日本の輸出に悪影響を与えた。

これら大型倒産は90年代のバブル崩壊の後遺症でした。アジア通貨危機は米国ヘッジファンドの利食い目的の空売りが始まりでした。

つまり消費増税が景気悪化を招いたのではないのです。

政府が緊縮財政(支出減)と増税を行い、大型倒産と後から通貨危機が襲った不運と言えます。


これで消費増税反対と公共投資復活の問題点が見えたと思います。

御用学者や権益擁護の議員達は、国民を平気で欺きます。

真実を隠し、利用できる些細で都合の良い事実を針小棒大にあげつらいます。

原発事故前後の、東電、原子力学者(ほとんど)や経産省・保安院の言説を思い出してください。

それら学者の著作や言説を鵜呑みにした人々も多くいたはずです。

なぜか彼らは反省や謝罪とは無縁な高貴な人々のようです。

同じ間違いを繰り返すのは止めたいものです。











No comments:

Post a Comment

どうぞご意見をお書き下さい。Please write an opinion.