20200417

世界が崩壊しない前に 19: コロナは我々日本の弱点を教えてくれた 4




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今回は、コロナ危機で感じた悲哀について記します。


 
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* クラスター班の活躍と苦悩 *

先日、NHKのドキュメンタリーで、日本の新型コロナウイルスのクラスター対策班の奮闘を見ました。

2ヵ月が経ち、これからも続く疲労困憊の中での東北大学押谷教授と北大西浦教授らの熱意と誠意には感動を覚え、感謝してもし切れない。

西浦氏は感染の第一波をクラスター分析と隔離で抑えたが、第二波を防止出来なかったと言い、言外に我々は絶望の淵に立っていることを示唆していた。
確かに、3月中旬までの少ない感染者数と3密を避ける提案は、この班の業績かもしれない。
一方で彼らは、人形浄瑠璃の黒衣(くろご)のようで目立たず、今は非難もされている。


何点か残念に思ったことがある。

彼は、第二波は空港での検閲と隔離が上手くいっていないからだと言葉すくなく指摘していた。
また人員不足で寝る暇も無いクラスター班への増員が無く、政府の無理解に一言嘆いていた。

さらに不思議なのはドキュメンタリーで、NHKが上部機関(新型コロナ対策本部、厚生省、政府)との連携や対応をほとんど描いていなかったことです。

常識で考えて、感染対策の執行機関の協力なしでは彼ら対策班の苦労は報われず、それこそ孤軍奮闘で終わってしまう。
むしろ私には彼らは人身御供として晒されているように思えた。
それでも彼らは実に謙虚で他者をまったく非難しない。


もう一つは、西浦氏はまだCR検査の制限に拘っていることです。

明らかに状況が変わっているのに手法を変えない事には無理がある。
この件の説明では、急に歯切れが悪くなった。

本来なら、第二波の状況悪化に備えて、政府がPCR検査の拡大や空港の検疫体制の強化を行うべきで、西浦氏がその評価を語ってこそ対策班と言える。
ここでも、何か他者への遠慮が働いているように感じた。

結局、コロナ危機に対して、重要な役割(感染対策の立案)を果たすべき班が、協力も支援もなく孤軍奮闘していることが露呈した。

まさに80年前の日本の再現です。
戦況全体を俯瞰し指揮する最高責任者がおらず、各指揮所(天皇、政府、海軍、陸軍、現地派遣軍)がバラバラに行動し、長期視点が無く、遂には補給が途絶え、玉砕で有終の美を飾ることが国民に求められた。


次回に続きます。





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