*1
前回、国政の恐ろしい腐敗を確認しました。
しかし内閣、与党、御用新聞、ウヨは無視と言っている。
どちらを信じれば良いのでしょうか?
*2
* 事件矮小化の果てに
前回見たように、主要官庁は軒並み腐敗していました。
今の状況が放置されれば、国民は正しい情報を知らされず、内閣によって政治が私物化されても手の付けようがなくなる。
国民が苦しむ悪政を国が流す嘘の情報で正当化し、さらに御用新聞が世論を誘導し、政権は選挙で連戦連勝を続けることになる。
これはかつてのファシストの策でした。
アベ政権存続を望む人々は今回の事件をどう扱っているのでしょうか。
概ね、彼らは事件を矮小化し、アベ首相の代役はいないとしています。
矮小化の極地は、佐川前長官一人の思いつきでアベ首相への忖度すらないと言う。
これは論外です。
それでは佐川らが忖度し財務省だけで犯罪に走ったとしましょう。
この場合、佐川らの処分だけで表面的な腐敗防止で終わる。
忖度自体は文化であり、罪に問えるのは犯罪行為(虚偽発言と公文書改ざん)だけです。
まして忖度された側(アベ首相)を罰することは出来ません。
ここで考慮しなければならないことがあります。
日本では、忖度が組織の上層で常態化しているのは自明で、さらに忖度せざるを得ないシステムが存在します。
それは日本流の必勝必罰があるからです。
部下は忖度することで上司の面目がたてば昇進に浴し、忖度せず無視することで上司の面目が無くなれば左遷や昇進の道は閉ざされます(不当労働行為)。
実際、加計や森友問題で内閣の面子を保った人物は昇進栄転し、損なった人物は左遷されています。
この結果、「君、たのむよ」だけで、部下は露見しないことを願いながら犯罪に手を染めることもある(日本の組織を守る文化)。
後に露見すると、犯罪に手を染めた人物は組織の目と良心との板挟みで、自殺に追い込まれることもある。
このような状況で、上層部(首相など)が自分に都合の良い嘘を公言してしまえば、部下はどうするでしょうか。
今回のように財務省は完全対応(改ざん)を行い、厚労省は完全ではなかった(後に露見させた)。
上層部は虚偽の可能性を感じながらも、むしろ事実を確認せず公言することで、望みの結果が得られ、たとえ後にバレても過失で済むのです。
一度、諸官庁が嘘をカバーするようになると、内閣は何も確認せず、先ず嘘と否定で乗り切るようになります。
これが今の現状でしょう。
このような場合、腐敗の放置を単なる過失と言えるでしょうか、管理責任が問われるのは当然です。
一方、内閣からの指示の証拠が無い限り法で内閣を罰することは出来ません。
(もし取り締まる法(厳格な文書管理規定)や第三者期間や労働組合による監視システムが整備されていれば防げる)
また、既に述べた不正行為の忖度に対して報酬や報復人事を行った証拠を掴むのは甚だ困難なので、この摘発もさらに難しい。
こうして内閣と官僚はバレるはずがないと高をくくって今まで押し通して来た。
これはあまりにも国民を愚弄している。
今、続々と明らかになる官庁で起きている事件や日本の組織文化に照らせば、森友事件の矮小化が間違っていることは明白です。
これを断ち切らないと内閣と官庁の健全化は不可能です。
*3
* アベ首相の代役について
一番重要なのはウヨが唱える、アベ首相の代わりがいないと言う論です。
アベ首相の人気が無くなれば与党自民党は彼と心中する気はさらさらないので、頃合いを見て彼をあっさり切るでしょうが。
ウヨがアベ首相に抱いているイメージを挙げます。
A: 敵国?に強面。
B: 強引な経済の舵取り。
C: 右翼的な憲法改正。
これらが日本の将来を大きく損なうことは別に詳しく語っています。
ここでは簡単に要点を見ておきます。
Aは、今回の米朝会談の急転回に見られるように、当分、強面だけの外交は不必要になった。
Bは、確かに歴代の首相で、これだけの金融政策の大転換をやった人物はいなかったし、今後も出ないかもしれない。
だからと言って素晴らしいと言うわけではない。
どちらかと言うと、経済を知らず、怖い物の知らずの度胸だけかもしれない。
理論的にも怪しく実績の無い政策をここまでやってしまうと、後に何が起きるか予測がつかない(おそらく数年以内に悲惨なことになる)。
Cは、これは彼の辣腕ぶりを示す最大のものでしょう。
自分が右翼団体のトップに名を連ね、大半の国民が考えもしていなかった憲法改正へと機運を盛り上げたのですから。
御用新聞を最大限(露骨)に使い、緊張を巧みに醸成し盛り上げる手腕はヒトラーに負けるとも劣らない。
確かに、上記の点でアベ首相に代わるものはいないが、従来の経済・外交を継承する分には自民党に幾らでもいる。
ただ凋落をゆっくり進めるだけだろうが、アベ政権のように急速な没落や戦火に見舞われる危険性は減るでしょう。
< 4. 幾らでも繰り返す** >
* どの選択がより危険が少ないか
10年ぐらいのスパンで三つのシナリオを考えます。
A: このままアベ首相が続投する場合。
三つの危険が増すでしょう。
政治腐敗がさらに進み、二度と正常に戻らず、破局まで突き進む。
バブル崩壊かハイパーインフレで経済的な破局化を迎えるか、衰退を早める。
周辺諸国との緊張を高め、また米国の戦争に巻き込まれるなりして、戦火はより早く訪れる(特にトランプで)。
B: アベ首相が辞め、自民党の誰かが政権を継ぐ場合。
少しましですが、良策ではない。
おそらく、一度腐敗への歯止めが論じられ、腐敗防止が進むでしょうが、便宜供与の悪習は直ぐ復活するから、結局元の木阿弥になる。
経済と外交政策は、今よりは穏健な路線に舵を切るだろうが、結局は米国の「夕暮れ社会」(注釈1)に突き進むだけです。
C: 解散になり連立野党が政権を掌握した場合。
日本を再生するチャンスではあるが不安もある。
おそらく、腐敗防止はかなり進むでしょう。
しかし、経済と外交政策には不安がつきまとう。
現状では、米国の自由放任主義から脱して次に向かう経済モデルが見えていない。
北欧の社会保障充実がお薦めですが。
外交面で米国追従から脱するのは良いが先が見えない。
近隣重視外交と自衛隊保持の中立政策、世界平和貢献が最良ですが。
野党が不安な大きな理由は、米国が日本の離脱に対して徹底的に妨害することです。
経済や軍事に始まり、CIAによる個人攻撃などが熾烈を極めるでしょう。
また米国と政財界の癒着が進んでいるので、足元からもすくわれるでしょう。
刷新の政策を自民党に期待できないが、さりとて今の野党で主導出来るかは未知数です。
さらに心しなければならないのは、アベ内閣が進めた経済政策のつけが、このバブル崩壊で一気に襲いかかることです。
これを乗り切れる優秀な政策通と国政での団結が最も必要になるかもしれない。
バブル崩壊は既に始まっており、過去最大のものとなる可能性が高い。
*5
* 最後に
一番、皆さんに望むことは、国のトップには最低限度の人徳を有した人物を選んで欲しいと言うことです。
トップにタカ派や辣腕、パフォーマンスだけを求めるのは危険です。
下卑た振る舞いを行う人物が信用できないことは誰も知っているはずです。
今回の腐敗に見られるように、水面下で何が起きていようと笑っていられる人物は凄いのではなく危険なのです。
ヒトラーがそうでした。
ヒトラーは初期に経済復活を成し遂げ、さらに見かけのパフォーマンスで人気を博したが、心中は恐ろしく常軌を逸していた。
トップは人徳がすべてとは言わないが、トランプもいつか米国と世界に災いをもたらすでしょう。
今、日本だけでなく多くの先進国で危険な人物(人徳の欠けた)が選ばれる傾向が強いのです。
少なくとも20年ほど前までは、朝日の昇る日本だったのです。
もう一度、誇れる幸福な日本を取り戻そうではありませんか?
終わります。
注釈1 夕暮れ社会
90%の国民の所得低下が進む一方で、超富裕層が国の富みを牛耳る超格差社会。
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