20180312

平成イソップ物語 18: 猫とネズミ







*1


昔々、ある川の傍に野ネズミがたくさん暮らしていました。
この川がしばしばが氾濫するので、皆困っていました。
そこに一匹の猫がやって来ました。



 
*2


猫    「 皆さん、困っているなら私が助けましょうか 」

ネズミ達 「 どうするのですか 」

猫    「 私が堤を作ってあげましょう 」

ネズミ達 「 お願いします 」

猫    「 それでは皆さん、土と石を集めて下さい 」
     「 必ず皆さんは私の指示に従って下さい。違反は許しません 」
     


一月ほど経つと、かなりダムが出来てきました。



白ネズミ 「 猫さん、隅の小さな穴から少し水が漏れています 」

猫    「 秘密にして下さい。皆完成に向けて頑張っているのでね 」



 
*3


さらに一月が過ぎました。

ネズミ達 「 猫さんのおかげで素晴らしい堤が出来ました。ありがとう。 」

猫    「 喜んで頂ければ本望です 」

白ネズミ 「 猫さん、隣山で聞いたのですが、あなたが作った堤が決壊し、多くのネズミが死んだそうですね 」


猫    「 それは想定外の洪水と彼らのずさんな工事のせいでした。 」

白ネズミ 「 隣山のネズミが、工事中に問題を指摘していたそうですね 」


その夜、猫はこっそりと逃げ出しました。


ネズミ達は皆で相談し決断しました。

「 皆、雨が降る前にこの地を捨てて他に移り住もう 」


やがて雨が降ると堤は決壊しましたが、ネズミ達は助かりました。









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