20210206

国境の島、対馬を訪ねて 4: 対馬のフェイクニュース

  


*1

 

今回は、対馬を貶めたフェイクニュースについて。

以前、対馬は韓国人に荒らされていると報道されていた。

私は多くの島民にお話を聞き、予想もしなかった事実に出会いました。

 

 

 

*2

 

私は対馬に強い歴史的な関心を持っていました。

しかし、一部マスコミは対馬が韓国人観光客に荒らされていると報道しており、私も不安になっていました。

この手の煽られた恐怖心を韓国旅行の前にも感じたことがあったのですが、行ってみて、まったくの嘘だと知った経験がありました。

 

そこで今回、コロナ騒動で韓国人が減っていると知って、事実を確認すべしと考えた。

 

 

*3

 

* 街角でのインタビューを紹介します。

 

A 厳原のショッピングモール内で

二人の女性店員の感想です。

 

韓国人観光客は、日本茶やコーヒーをよく買ってくれた。

彼らにまったく嫌な感じを持ったことがない。

やはり彼らが来なくなったのは辛い、また来て欲しい。

 

店員さん達は、私が感じていて不安を吹き飛ばしてくれた。

 

 

B 厳原の観光情報館にて

対馬の観光事情に詳しい担当者と話した。

私は韓国人の来日客が無くなったことについて聞いた。

 

彼は問題がないと断言した。

なぜなら対馬を訪れる人の多くは日本国内からで、韓国人はその内の数割に過ぎないとのことでした。

私がネットで調べた訪問者数や、他の情報を勘案すると、やはり経済的影響は少なくないはずです。

 

私は、彼が韓国人観光客をことさら問題にすることに苛立っているように思えた。

 

 

C 厳原の街を散策中に

通りすがりの女性に道を聞いたついでに、韓国の旅行者で気になる事はありますかと質問した。

 

彼女は、すぐに答えることが出来ず、私が幾らか誘導するように聞くと。

彼らが道路脇に座って、食べている姿が気になると答えた。

 

日頃は韓国人旅行者を気にしていないようでした。

 

 

D 厳原のホテルのフロント係に聞いた

 

このホテルに、以前はかなりの韓国人観光客が宿泊したそうです。

特にマナーの点で気になることはなかったとのことです。

 

韓国人観光客に戻って来て欲しいようでした。

 

 

E 男性の観光ガイドから多くの事を学びました。

初老の彼は対馬の歴史と観光のガイドについては第一人者でしょう。

 

ここでは韓国人の観光について紹介します。

 

韓国人観光客は1泊か日帰りで、対馬での楽しみは海釣りと登山が多いそうです。

彼らの中には、たくさんの釣果を持ち帰り、釜山で販売する人もいるそうです。

彼の口から韓国人の悪口はまったく聞けなかった。

後で、分かるのですが彼は韓国人にまったく偏見を持っていない。

 

 

結局、5人に聞いた話を総合すると、韓国人観光客は対馬にとって迷惑どころか、賑わいをもたらす客でした。

 

 

*4

 

* 厳原や比田勝の街や港を見て

 

比田勝は釜山との間に幾つもの高速船が往来してる玄関口、厳原は観光の拠点です。

両方の街を見ましたが、韓国語の看板や、韓国人相手の店は少なかった。

報道のような、占拠され荒らされている雰囲気はない。

 

壱岐行きのフェリー乗り場に、釣り客に撒き餌を注意する掲示物がありました。

ことによるとこれに韓国人が関わっているかもしれませんが不明です。

 

 

* 私の目を開いてくれた情報

 

もう一台の観光バスの女性ガイドは韓国人名で、少したどたどしい日本語を喋っていた。

 

最後に、例の初老の観光ガイドが教えてくれたこと。

 

元々対馬には戦前から朝鮮半島の人々が多く住んでおり、まったく普通に近所付き合いをしていたそうです。

私は大戦時、朝鮮人への差別が起きた事を予想して質問したら、共に戦った仲間同志だから疑いの余地はなかったと、私をたしなめるように答えた。

(大戦時、沖縄戦で本土の軍人が沖縄人をスパイと疑った過去があった)

 

 

* まとめ

 

マスコミは不安を煽り、関心を呼んで視聴率を上げたいのか、右翼的な意図で韓国を悪しざまに罵りたいのか。

対馬にまったく問題が無い上に、さらに国内からの旅客を減らす事にもなり、踏んだり蹴ったりです。

偏向したマスコミ報道に腹が立ちます。

 

国境の島は、このような事でも災いを受けてしまう。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

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