20210215

没落を食い止める! 9: 世界はなぜ悪化しているのか? 1

  






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欧米の経済が停滞し、格差が拡大しているのは明白です。

しかし、その元凶はカモフラージュされており見難い。

身近な例から読み解きます。

 

 

* 身の回りで起きている摩訶不思議な現象

 

1. なぜ株価は乱高下するのか? 

2. なぜ賃金は上がらないのか?

3. なぜ物価は上がらないのか?

4. なぜ政府の累積債務は増え続けるのか?

5. なぜ経済は良くならないのか?

 

これらの疑問から経済の問題点が見えて来ます。

 

* なぜ株価は乱高下するのか? 

 

現在、株や土地、金、石油、為替など、あらゆる物が投機対象になっている。

売買に投じられる投機資金は、今や需要に必要な額の10倍を越え、さらに世界の投機資金は年々増加している。

 

現代は製造ではなく、利益率の高い金融で儲ける経済になってしまった。

金融商品には経済活動に必要なものもあり、国民の多くの保険や年金などの運用はこれに頼っている。

経済界や富裕層だけでなく政府も金融依存から抜け出せなくなった。

 

しかし、やがて購入が過熱し暴騰が続いたある日、突如として暴落を始めることになる。

(世界は暴落の予想と予防が出来ない)

暴落が始まると銀行は融資していた投機資金を競うように引き上げる。

この連鎖反応が全経済の資金の流れを止め、瞬く間に世界は金融危機に陥る。

(日本のGDPは540兆円だが、株の時価総額は600兆円、1/3に暴落すれば半年で400兆円が吹き飛ぶ)

これが大量の倒産と失業を生む。

 

政府はこれを食い止めるべく、主に銀行などの金融業に毎回GDPの10%を越える救援資金を注ぎ込む(年々増加)。

もし国が金融危機を放置すれば、大恐慌が起こる事は歴史が示している。

こうして富裕層は投機で所得を増やし、かつ暴落後も政府のお陰で所得を急回復させる。

一方で、投機に縁の無い多くの人は前述の救援資金を税金と赤字国債の形で負担することになる。

 

 

 

< 2.GDPと株式時価総額の推移 >

https://media.moneyforward.com/articles/2519?page=3

上のグラフ:

1980~2017年の世界GDPと株式総額の成長は7.2倍と31.6倍です。

さらに株式総額は1985年以降、増加の一途で、遂にはGDPを越え、今後さらに上昇する。

 

下のグラフ:

1982年から、日本はバブル経済に突入し株式総額は鰻登りの後、急降下し、乱高下を繰り返している。

これを境にGDPは停滞したままで、株式総額に越されてしまった。

実は、格差の酷い国、米英日では既に株価総額はGDPを越えており、格差の少ない国、独仏では越えていない。

 

 

 

< 3. 欧米日の株価推移 >

 

グラフ:

2000年までは日本の株価は、独歩高だったが、それ以降は、欧米と足並みを揃えた値動きになっている。

これは投機資金が世界を駆け巡り、世界の株式が同じように動き、かつ拡大している証左です。

 

 

* なぜこんなことになったのか?

 

一番は、投機家が商品価格の上下だけで莫大な利益を得るようになったからです。

本来、株式は企業資金の調達手段に過ぎないはずが、今や国の経済規模を越えて拡大しつつある。

 

資金量が多ければ多いほど、またコンピューター・情報を駆使出来れば出来るほど、莫大な利益が生まれる。

(先物で仕手: ファンドが恣意的に価格を上下させ、それを売買するだけで数千億円を稼ぎ、その資金は手持ち資金の50倍ほどまで借りることが可能)

こうして投機資金と情報が超富裕層に益々集中し、商品価格の乱高下が大きくなって行く。

 

 

 

それだけではない。

政府と中央銀行は連携し、金融危機後に景気回復の為と称して投機を煽る政策をとる。

当然、腐敗した政府・議員はこの富裕層の資金力に操られることになる。

こうして貨幣供給量の増大に拍車をかけ、企業と富裕層に大幅減税を行い、金融の規制緩和を加速させて来た。

 

こうして株価の乱高下の悪循環を断ち切れなくなった。

このような金融の利殖に群がる状況は異常だと気が付くべきだ。

 

 

次回に続きます。

 

 

 

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