20141009

私達の戦争 49: 未来に向かって 3

     

前回、起きるかもしれない戦争を想定しました。
今回は、その予防策を検討します。


    

対処法
前回、戦争毎に日本が取るべき対処案A,B,Cを記しました。
Aは自国の軍備増強で、Bは日米同盟強化で、共に既定路線の強化策です。
Cは、それぞれに応じた理想的な策ですが既定路線から外れています。

従来の対処法の是非
Aの軍備増強案 : 即、防衛と抑止効果を実感出来るのだが万全ではない。むしろ遅れて軍拡競争と敵意(警戒感)を生み、紛争の起爆剤になりやすい。

説明
如何なる敵と核兵器をも撃退する軍事力を所有することは無理です。
世界1位の米国の軍事費70兆円に対して6位の日本は5兆円で到底追い越すことは出来ないし、また軍拡競争に陥ります。
既に見てきたように、軍事力強化と仮想敵国想定自体が互いに疑心暗鬼に走らせ、多くの敵意を生みだしました。
また不用意な境界線などの作戦配備は、中ソ国境のダマンスキー島事件のように紛争勃発の引き金になりやすい。

軍事力は必要ですが、歴史が示すように軍事依存体質は紛争の火種を大きくしていきます。

    

Bの日米同盟強化: 軍事同盟は一国の軍事力不足を補え、抑止力を高めるのだが、これも問題を含み、個別の日米同盟には別の問題がある。

説明
集団的自衛権で見たように、通常、仮想敵国を含む同盟と対立することなり、これもまた軍拡競争と敵意(警戒感)を生むことになる。
大規模な同盟対決は、冷戦下のように頻発する代理戦争と、開戦の頻度こそ低いが、一度起きれば途方もない大きな戦争に発展することになる。

同盟を何処と結ぶかは、戦史が示すように国の命運を分けます。
中立の選択肢もあるが、これは戦争を避ける妙手ではあるが、孤立に繋がるのでグローバル化時代には合わない。
米国と結ぶのは、いざ戦争になっても軍事援助が期待出来、これが抑止力になると言う立場です。
この可能性を否定しませんが、所詮、米国が主で日本は脇役であり、米国にとって日本は防波堤に過ぎず、始まればベトナム戦争やイラク戦争の二の舞になるでしょう。
既に見てきましたが、抑止力は不確実なだけでなく、災いの種にもなりました。

同盟が目指すべきは、第一に紛争や戦争を予防することにあります。
その為には、最も紛争が起きやすい、国境を接し過去の怨念がくすぶっている隣国と融和を目指すべきです。
少なくとも、隣国と対立する国(米国など)との同盟強化は火に油を注ぐようなものです。
但し、現時点での隣国との軍事同盟は時期尚早でしょう。
第一次世界大戦前、英国は戦争を回避するために急膨張するドイツと同盟を結ぼうとしたがうまくいかず、結果的にドイツ包囲網(英仏露)で対立する結果になった。

また覇権国家=軍事大国はやがて気ままで横暴な政策を取り始めるようになり、これがまた紛争の原因にもなります。
中近東やアフリカ、中南米の内戦の原因は、かつての植民地政策の後遺症が大きいのですが、後に米国が強引な介入(裏でも)したことも大きく関わっています。
米国は両大戦までは孤立主義で、外国に干渉しない立前だったのですが、今や、軍事派遣では世界をリードしています、すべてが悪いわけではないが。
さらに米国はそのこともあり、武器生産では世界トップであり、紛争を熾烈にする武器輸出が重要な産業になっています。

    

予防策の基本とは
それでは戦争を根本的に予防するには、何が重要なのでしょうか。

暴挙に出ないように各国の軍縮
銃社会で考察したように、軍事増強は抑止力よりも戦争の可能性を高めます。
かつて世界は軍縮会議を幾度も行った実績があり、核兵器では二ヵ国間で合意が進んでいます。
一国だけよりも、各国の合意のもとで全体に漸次軍縮を図ることです。
そして通常兵器と核兵器の生産と流通量を減らし、全体で兵器を管理することです。

紛争調停と違法軍事行動の制圧
当事者間での紛争調停や一国だけの防衛・撃退では限界があり、放置すれば軍拡競争、泥沼に入り込みます。
これを防ぐには、周辺国や中立的な国(紛争当事国から信頼されている国)が参加して、紛争調停や違法軍事行動への制圧を行うことです。
現在、これは米英主体か希に国連が主導して行うこともあるが、恣意的か不完全です。
恣意的な軍事行動は反発を蓄積させます。
現在、NATOやアフリカ連合、ASEANなどが機能しています。
出来るだけ近隣から広域で、多宗教と多民族が参加して合意形成を行うべきです。

    

周辺国との融和を図る
いつの時代も紛争と犯罪の種は尽きません。
ましてこれからはその要因は深刻で大きな広がりを持つようになっています。
一番重要なのは、紛争の要因を積極的に取り払うことです。

軍事力は警察と同じで不可欠ですが、軍事力使用には歴史上繰り替えされている大きな問題があります。
紛争解決の戦争の結果、多くの血の代償としてオール・オア・ナッシングになり易く、これが次の紛争の種を宿すことになります。

紛争を予防するには、先ず隣国から、過去の軋轢を無くしていく努力と工夫、歩み寄りが最も大事です。

これらは常識的な範疇の予防策で言い古された感がありますが、これしかないように思います。

ここでまた、おそらく次の厳しい一言が返ってくるでしょう。
「最低で、たかり罵るしか能のない隣国をどうして信頼出来るのか、現実離れも甚だしい・・」

次回は、この問題を検討します。




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