< 日本地図:古代初期国家と遺跡の位置 >
鉄器を作っていた大規模集落、KAITO(垣内)遺跡について。
未だに日本で最初の古代国家が何処で誕生したかがわかっていないのです。
日本地図の左右の赤い楕円で示される二つの位置に学説が別れているのです。
ところが今回矢印の先、淡路島でAD3世紀頃の遺跡が見つかりました。
これは今後、日本の古代史を塗り替えることになるかもしれません。
< 垣内遺跡全景 >
瀬戸内海と大阪湾を遮るようにして浮かぶ淡路島、その尾根から最大規模の鍛冶工房集落跡が発見された。
ここで製造されていたのは弓矢の穂先、ナイフなどの小型の鉄器でした。
この工房が活躍した時代は、最初の女王・卑弥呼が出現する半世紀前、西日本全体(地図の範囲)が軍事的緊張状態にあった頃です。
従来、地図右側の赤丸に最古の国家があったとする説の弱点は、鉄器製造が北九州(地図左側)に偏っていたことにありました。
しかしここに来て様子は変わりました。
この遺跡で驚くべきことは、23棟中12棟に炉跡(火跡)があったことです。
< 遺跡で作られた鉄器 >
さらに平成24年3月の発表では、懸案の送風用の耐熱筒が見つかりました。
炉の構造はお粗末なのですが、再現実験で送風用の革袋と耐熱筒を使えば、小さな鉄器であれば真っ赤にして鍛造することが出来ました。
またこの遺跡だけは、北淡路島の他の遺跡と比べ、広く周辺地域と交流していたことが、土器の様子で判明しています。地図の緑の大きな円が交流域。
高台にあるこの遺跡から瀬戸内海を見下ろし、卑弥呼が活躍する時代へのうねりを夢想するのも良いものです。
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