「一時の自己満足の為に人類を破滅させては、神も悲しむだろう」
この短縮版は、既に投稿済みの「迫る多難な危機」を、少し内容を割愛、分割して連載します。
まえがき
現在、深刻な危機が同時多発的に地球と人類に迫っています。特に、この20年あまり、一部の大国が身勝手に振舞って来たことでより加速しています。今、私達が立ち上がらないと、子孫に顔向け出来なくなる。家族と世界を再び幸福にしましょう。Make the world and people happy again!
--- 目次 ---
第3章 我々が直面している危機
3-1 進む独裁
最恐の独裁者プーチン
悪運の強いプーチン
まとめ
3-2 ウクライナ戦争
まとめ
第3章 我々が直面している危機
我々に幾多の大きな危機が迫りつつある。それらには歴史上繰り返され来た危機や、まったく未知の恐ろしさ秘める危機もある。これらの危機を見極め対処しなければ、一国の疲弊や破綻に留まらず、遂には人類と地球に大きな損害を与えることになるだろう。数多くの危機の中から、最重要なものを選んだ。
3-1 進む独裁
最恐の独裁者プーチン
現在、私が最も恐れる一つは世界大戦の勃発で、この鍵を握っているのはプーチンであり、独裁傾向が強まるトランプです。プーチンが恐ろしいのは、狂暴で冷酷な独裁者であり、最大の核兵器・軍事力・経済力をも併せ持つからです。注目すべき点は、彼が暴力と戦争によって彼の権力基盤を強固にして来た事実です。ヒトラーが、初期の領土拡大で絶大な人気を博したように。
プーチンが大統領になった経緯から彼の恐ろしさが見える。プーチンは、91~96年、サンクトペテルブルクの副市長になり外国企業誘致を牽引した。彼と仲間のKGBは外国企業誘致の必要性を誰よりも感じていた。この事が、後のソ連国内の国有企業(地下資源や銀行)などのオリガルヒ独占を生むことになった。彼らはロシアを守る為に、彼らKGBの息のかかった者で買い占る事だった。このロシア第二都市であり最大級の港湾都市はKGBと地元マフィアに牛耳られていた。彼は、マフィアと折り合いを付け、秘密警察・税務所を操り官僚や民間等の権力者の悪事を掴んで脅迫して、従わせる常套手段を完璧に身に着けることになった。サンクトペテルブルクは彼に牛耳られるようになり、彼は影の実力者と見做されるまでになった。プーチンの汚れ仕事の引受人プリゴジンとの付き合いはこの時代に始まった。
96年、プーチンはロシア大統領府内に抜擢され、98年大統領府第一副長官とロシア連邦保安庁(FSB)の長官に就任したが、これ以降、彼はこのFSBの力を遺憾なく発揮し、頂点に登ることになる。エリツィン大統領は、人気に陰りが見えて来ていたが、その裏で家族も含め賄賂で肥え太っていた。これを検事総長が暴こうとしたが、逆にプーチンは、検事総長のセックススキャンダルをTVに公開し、彼の追い落としに成功した。この功績によりプーチンはエリツィンの信頼を得るようになり、エリツィンによって首相に任命された。彼はこれまで二人のトップの側近として暗躍し、選挙を経ずに頂点の手前迄上り詰めた。しかし、彼は、暗い性格もあり、国民からの人気は今一つだった。ところがこの年、彼が一躍脚光を浴びる大事件が起きた。それは300名の死者を出したロシア高層アパート連続爆破事件でした。プーチンは記者会見において、「テロリストはどこまでも追跡する。たとえ便所に隠れていてもやつらをぶち殺す」と言い放った。彼は、爆破のテロ犯をチェチェン独立派とみなし、即刻、チェチェンを爆撃・侵攻し、民間人への残虐行為で国際社会から批判された。プーチンはチェチェン独立派を瓦解させ、親露派の大統領を誕生させた。ロシア国民は、異教徒であるチェチェンには悪感情を抱いていたので、これでプーチンは一気に人気を高めた。そしてプーチンは、引退を宣言したエリツィンによって大統領代行に指名された。プーチンが最初に行ったのは、エリツィンとその一族のその後の生活を保障するという大統領令に署名することだった。この手打ちは独裁がスムーズに移行するには欠かせない。2002年、イギリスに亡命していた元FSBのリトビネンコは、自著のなかで、「この事件はチェチェン侵攻の口実を得ようとしていたプーチンを権力の座に押し上げるため、FSBが仕組んだ偽装テロだった」と証言している。この後、リトビネンコは何者かに放射性物質を盛られて暗殺された。英国は、放射性毒物が特殊でロシアのみが使う事などから、この暗殺はおそらくプーチンの承認によるとした。
この数年の政治の流れは、ヒトラーが首相そして総統になる流れと酷似している。高齢のヒンデンブルグ大統領と弱り目のパーペン首相を操りながら、国会議事堂炎上事件を利用して、伸し上がって行く陰謀の政治ドラマを見るようです。
プーチンの軍事侵攻とテロ対策の歴史は、彼を「剛腕なリーダー」として人気を不動のものにしていくことになる。1999年~、第二次チェチェン紛争。2008年、ジョージア(グルジア)紛争。2014年、クリミア併合とウクライナ東部紛争。2015年、シリア内戦への軍事介入。2022年、ウクライナ侵攻は現在、進行中。
プーチンの警察・軍部の暴力に頼る経歴を見ていると、軍事侵攻は独裁の為の手段にしか見えない。サンクトペテルブルクから現在に至る、様々な暗殺や裏での陰謀は底知れない恐ろしさがある。2022年以降、ロシアの政治家、軍高官、新興財閥(オリガルヒ)など75名以上の著名人が不審な死を遂げている。プーチンの資産は20兆円に達するとされている。これだから独裁者は辞められない。この収入は、忠実なオルガルヒや様々な企業の上納金による。ロシアの腐敗は酷く、企業等の許認可や運営には、裏金の提供無くして出来ない。逆らえば、潰されるか、殺される。選挙はかなりインチキで、総ての報道機関はプーチンに牛耳られ、プーチン賛美のニュースばかり、治安警察や諜報部門は手ぐすね引いて、反抗する者を捉え、始末する。
悪運の強いプーチン
プーチン大統領就任以降、ロシアのGDPが急激に上昇し4~8倍になっているが、これは原油価格が4~8倍のなっていることに呼応していたからです。ロシアの連邦予算の歳入の約半分は、原油、石油製品、天然ガスの輸出によるもので、彼の経済政策とは無縁でした。強いて言えば、オルガルヒから実権を奪ったのが幸いしている。
またプーチンは、国内の最右翼の歴史観を取り入れ、暴発を抑える一方、共産主義時代には不遇だったロシア正教を、国民統合の支柱とみなし支援した。その返礼に、ロシア正教の総主教はウクライナ侵攻を「聖戦」と位置づけ、プーチン大統領の統治が神の意志によるものだと讃えた。さらに敵対するはずの民主大国の交渉相手は扱いやすいトランプなので、プーチンの天国はまだ続くことになる。
まとめ
世界が、ウクライナ側に立ち、ロシアをさらに牽制し、経済封鎖等の一層の強化で、ロシア経済を追い込むことは重要だと思う。軍事支援も行うべきです。
ロシアが難なくウクライナを手に入れると、プーチンは次の侵略を行う可能性もあり、さらには北朝鮮、中国、イスラエル等も、力で国境を変更しようとするでしょう。これはヒトラーの領土拡大時の欧米の初期対応の間違いを思い出せば、予想できるでしょう。19世紀半ば、西欧各国が競争するように帝国主義に没入し、遂には第一次世界大戦に繋がった事も、領土の奪い合いを放置する危険性を教えてくれる。米国は、トランプがいる限り、信頼できないので、米国頼りから脱する事も不可欠です。
私は、日本が戦争を抑止する為の選択肢は、プーチンのロシアではなく習近平の中国にあると考える。ロシアと中国は共に独裁国で、従来の共産主義からは異なる体制です。しかしプーチンと習近平がトップに躍り出る経緯には大きな違いがありました。既に見たようにプーチンは、長期の腐敗・混乱・疲弊した社会から、秘密警察KGBとマフィアの力でのし上がった。一方、習近平は成長と自由化が進みつつある社会から、権威の後裔と政治手腕によって成りあがった。また両国を比べると、明らかに経済の基礎力が違う、天然ガス・石油産業の独占か自由市場と開発独占(AI・IT)か。両国が独裁国家である事には変わりはないが、ユーラシア大陸の東端で孤立状態にある日本にとって、複数の軍事大国を相手にするよりも、ロシアと中国の分断を図り、中国とは戦わない戦略を取るべきです。
3-2 ウクライナ戦争
ロシアは、ウクライナ侵攻の理由として、NATO拡大による安全保障上の脅威、ロシア語話者の保護、「非ナチ化」をあげているが、私は、プーチンの行動パータンから、この戦争はプーチンの野望を果たす一環だと考える。これまでの欧米とロシアのやり取りからも、ウクライナやNATOに非があるようには思えない。
元ウクライナ特命全権大使の角茂樹氏の2025年朝日講座での意見の一部を紹介します。
『ウクライナは欧州最大級の国土を持ち、人口は4千万人。肥沃な穀倉地帯と工業地帯を抱え、首都キーウは千年の歴史を持つ古都です。ロシアの影響を受けたのは近世以降で、それ以前はむしろ西欧文化に近い歴史を歩んで来ました。言語もロシア語とは大きく異なり、ポーランド語に近いです。第一次世界大戦後に独立を宣言したものの、ソ連に組み込まれ、農産物の強制徴発と大飢饉を経験しました。1991年に独立を果しますが、プーチンはウクライナこそがソ連崩壊の引き金であると考えました。こうした状況にあってウクライナは、NATO志向を強め、国民的合意に近い形で西側との結びつきを選びました。これを阻止しようと始められたのが今回の侵略です。しかしプーチンの誤算は、ウクライナ国民の強い意志でした。「ロシアの支配には戻らない」という決意が、徹底抗戦へとつながりました。私自身4年半ウクライナに駐在しましたが、人々の誇りや自立心を肌で感じていました。緊張は高まっていましたが、まさかこれほどの暴挙に出るとは、多くの国と同じく私も予想していませんでした。戦争はしばしば非合理に始まり、リーダーの誤った期待が惨禍を招きます。その中でゼレンスキー大統領が首都に踏みとどまったことは国民に大いに勇気づけ、NATOやG7の支援を呼び込む結果になりました。』
この発言が最も真実に近いと思います。
この戦争で注意すべき点がもう一つあり、トランプの存在です。トランプはプーチンと繋がっており、またウクライナを利用することしか眼中にない。著書「プーチン ロシアを乗っ取ったKGBたち 下」に、詳細が記されている。要点は、プーチンの方から、遥か昔よりトランプが有効な政治カードに使えると見て、資金援助と情報提供を行っており、大統領選ではSNSによる攪乱で応援していた。トランプはこれを知っており、弱みも握られていると見る。
まとめ
ウクライナ戦争が危険なのは、ロシアの極右勢力の思想「大ロシア帝国の復活と、西欧リベラリズム(自由主義)への徹底的な宣戦布告」があって、プーチンはこれを取り入れることで権力基盤をより強固にしているからです。つまりプーチンは、少なくとも大ロシア帝国の復活までは戦線を拡大せざるを得ない。ところが戦争とは、途中で簡単に止めることが出来ず、往々にして戦域は類焼するように広がるものです。したがってウクライナには酷だが、類焼する前に、ロシアを休戦に追い込む必要があるのです。そのために、世界はウクライナを支援すべきです。これにより、北朝鮮や中国による他国への侵略を思いとどまらせることになる。ヨーロッパが日独伊の軍事独裁国の侵略を初期に傍観した代償は、あまりにも甚大でした。
----全体の目次-----
第一章、世界に迫っている危機の要約。
第二章、人類はこれまでに危機に対してどう対処して来たか。
第三章、我々が直面している重大危機。
第四章、米国の衰退と世界の危機回避能力喪失は一体。
第五章、如何にあるべきか。
第六章、成功している北欧は資本主義のもう一つ道。
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