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今回は、かつて私が中国広州を訪れて驚き、悪い噂がデマだったと知った経緯を紹介します。
よく似た例として、長崎県対馬の体験も紹介します。
< 2.当時の広州 >
上: 広州と北京、香港との距離を示す
下の写真: 1980年代の広州のものらしく、借用しました。
広州駅も、通りを往く人々の姿も、このようでした。
* 1980年代後半に広東省広州を訪れて
私は以前から中国の歴史に惹かれ、また共産主義国家の行く末に関心がありました。
当時、中国経済と社会について幾らか本を読んでいました。
多くは中国を不安・危険視するものでした。
恐ろしい監視社会・独裁国家、悪い治安、低い文化水準など・・・
私は会社の慰安旅行で、当時珍しかった広州を1日観光することが出来ました。
そこで私は観光では物足り無くなり探索に出かけました。
広州の中心街を、夜の9時頃から一人で歩き始め、ホテルに戻ったのは朝の2時になりました。
夜が更けると、驚いたことに市民が家族総出で家やアパートから続々と出て来るのです。
この日はたまたま週末だった。
見る見るうちに広い通りは人波で溢れ、公園はアベックで一杯になり、行き交うバスからは人がはみ出しそうでした。
通りに面した料理店や、小さな飲食店の前にはみ出したテーブルは、飲み食いし談笑する市民で一杯になりました。
賑わいは深夜まで続きました。
公園の近くでは、一組の若い男女が街灯に照らされた陸橋の上でキスをしていました。
近くに警察官が居ましたが、彼らは気にしていない様でした。
信号のない大きな交差点を渡ろうとしたら車と自転車が接触事故を起こしました(当時、道路は自転車で埋め尽くされていました)。
多数の市民が、野次馬も含めて、その車を囲み何人かが口論を始めた。
その集団に紛れ込み、様子を見ていると、皆が裁定を下そうとしているようでした(暴力沙汰にはならなかった)。
数時間の町歩きで、私は市民が活力を漲らせ、自由を享受していることに感動し、これなら中国は必ず経済発展すると確信した。
< 3. 開放政策と大躍進 >
上: 鄧小平の視察(南巡)
下: 現在の広州
今の大躍進の画期となった鄧小平の開放政策は、彼が広東省広州などを視察したことで自信を得たと後で知った(1992年の南巡講話)。
この広州の活力は、ひとえに自由貿易の香港に隣接し、北京の監視から遠い事にあると、現地の通訳から聞いて納得した。
これはベルリンの壁崩壊以前から、東ドイツ市民がラジオで西ドイツの状況を熟知していたことに似ている。
そういえば清朝を倒す立役者となった孫文は、この広東の出身です。
結局、日本に閉じ籠って、偏向したメディアや論客の話を鵜呑みにしていると、間違いを犯すことになる。
< 4. 対馬の位置 >
上: 対馬は南北に細長い島で、韓国に非常に近い
赤印は中心都市の厳原、黒印は韓国との行き来が便利な比田勝港です。
下: 島の全体図
* 2020年秋、対馬を訪れて
対馬は、大陸文化の中継地として古代日本、朝鮮半島との交流、元寇、倭寇と密接に関わっています。
やっと念願の長崎県対馬の旅行に、この10月に行ってきました。
後に詳しく紹介しますが、一つだけ上記に関連したことを紹介します。
数年前、対馬は韓国の観光客に荒らされていると報じられていた。
それで現地の商店や案内所、さまざな人に様子を聞きました。
その答えは意外なものでした。
概ね、商店やホテルの人は、韓国人に対して悪いイメージはなく、むしろコロナなどによる訪問客の減少を嘆いていた。
観光案内所に聞くと、対馬を訪れる韓国人の割合は、ピーク時でも国内の訪問者より少なく、影響は大きくないとのことでした。
一般の人に「何か問題はありますか?」と聞くと、韓国人が道端で立ち食いするのが目に付くぐらいだと漏らした。
< 5. 対馬のメインストリート >
上2枚: 厳原
下 : 比田勝
ハングル語を見たのは厳原では稀だったが、比田勝では若干見ることが出来た。
対馬を2日かけてバスで移動してわかったのですが、商店街がハングルの看板で溢れていることはなかった(中心都市の厳原でさえ)。
現地ガイドの一人は韓国人(名前と訛りから)のようでした。
さらに70歳ぐらいのベテランガイドに聞くと、さらに予想外の答えが返って来た。
元々、対馬には戦前から朝鮮半島の人々が多く住んでおり、社会に溶け込み、仲良くしていたそうです。
つまり韓国人の突然の大挙訪問が、対馬を混乱させることはなかったのです。
ただ、釣りを目当てに来る韓国人が、大量の撒き餌で海で荒らしたようです。
「韓国で迷惑している」は、明らかにメディアの煽りだった。
この手の話は、北欧でも沖縄でも経験しました。
このように流布しているデマは、現地を訪れて自ら確認しないと、虚実が分からない。
日本ではメディアが意図的に他国を貶める煽情を行い、また国民も洗脳され易い(日本の体制に反する社会を否定する)。
実に残念です。
次回に続きます。
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