20201118

中国の外縁を一周して 56: 中国と北欧、そして日本 1

  




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これから数回に分けて、テーマ毎に中国と北欧を見比べます。

今回は、余生と余暇の過ごし方を紹介します。

そこには日本では考えられない光景がありました。

 

 

 

 

< 2. 北欧と中国と日本 >

 

上: 黄色枠が北欧三ヵ国(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク)。

赤枠が中国、ピンクの矢印が日本です。

フィンランドも北欧ですが、旅をしていないので省きます。

上記三ヵ国はスカンジナビア三国と呼ばれ、同じ民族、ヴァイキング、国の成り立ちで共通することが多い。

フィンランドは民族が異なる。

 

下: 今回紹介する北欧三ヵ国の撮影地

ABはスウェーデン、Cはノルウェー、DEFはデンマークです。

 

今回紹介しているのは2018年5月31日~6月10日の旅行時のものです。

また1984年11月中旬にも、デンマークとスウェーデンの首都観光と近郊の会社視察に行ったことがありました。

この時は厚い雲と雪の季節だったので、まったく印象が異なります。

 

 

 

< 3. 中国の撮影地 >

 

Gは廈門、Hは開封、Iは麗江、Jは昆明です。

 

今回紹介しているのは2019年10月16日~29日の旅行分です。

これ以前、30年間ほどの間に幾度も中国を訪れています。

 

 

 

< 4. 北欧と中国の楽しみ方 >

 

上: A スウェーデンの首都ストックホルム近くのメーラレン湖にて

2018年6月3日、日曜日、午前10時頃撮影。

 

クルーズボートでストックホルムから20分ほど行くと、市民が岸で日光浴していた。

この辺りは住宅地で、個人宅やマンションが丘の上に並んでいた。

メーラレン湖を行くと、多くの家族や恋人、友人達が岸辺や湖で日光浴やボート、ヨットを楽しんでいた。

 

下: J 昆明の翠湖公园にて

2019年10月17日、木曜日、午後4時台、公園を散策。

 

大きな公園は市民で溢れ、老若男女問わず家族や一人で、また様々なグループらがのんびり行き来していた。

 

目立ったのは、広場で大きな集団の輪を幾重にも作り、民謡に合わせて踊っていたことです。

幾つもの少数民族に別れて集団を作り、民族衣装を着ていない人も参加していた。

そこ一帯には、温かみと一体感による高揚感が満ちていた。

ただ踊りに参加している人はほとんど高齢者(50歳以上?)でした。

若い女性も稀に見たが。

 

 

この二枚の写真には北欧と中国の特徴がよく現れている。

 

季節のせいで水辺のシーンが目立つのですが、写っている人々の年齢層が違います。

共通するのは、平日の日中でも多く人が公園や水辺で過ごしていることです。

これは日本と大きく異なる点です。

おそらくほとんどの日本人は平日、日中は仕事、その後は残業、さらに休日も出勤していることでしょう。

 

 

 

< 5. カールスタッドとオスロにて >

 

これから北欧を見て行きます。

 

上2枚: B スウェーデンのカールスタッドにて

ここはノルウェーのオスロに向かう国際列車の中間点で、地方都市も見たいので途中下車しました。

2018年6月4日、月曜日、午後4時半から5時半頃まで町を散策した。

 

上: 駅前から伸びる大通りにて

まだ4時過ぎなのに、テラス席で様々な年齢層の市民が寛いでいるのが目に入り、奇異に思った。

会社勤めはどうしたのか?

しかし、歩を進めるうちに、若い人から高齢者まで、続々と通りに溢れ、見る見るうちに広場の芝生やレストランのテラス席は人で一杯になっていた。

  

中央: 5時を過ぎていましたが、若い女性のグループが川辺のテラスで水着姿で日光浴を初めた。

 

ここに来る途中の列車の車窓から、郊外の森林に囲まれた湖岸で日光浴をしている人々を見た。

 

この6月初めは、厚い雲に覆われた長い冬からやっと解き放たれ、太陽の光を存分に浴びることが出来る夏の始まりだった。

観光季節の始まりでもある。

 

 

下: C ノルウェーの首都オスロにて

2018年6月5日、火曜日、午後1時、遊覧ボート上からハーバタウンを撮影。

左にクルーズ船が見え、右1kmにオスロ市庁舎がある。

 

平日の昼、首都中心部で水着姿で日光浴を楽しんでいる。

オスロ市庁舎の辺りは観光地なので観光客は多いだろうが、この人々は市民だろう。

私はここでも驚いたが、コペンハーゲンに行って更に驚くことになった。

 

 

 

< 6. デンマークにて >

 

上: D 首都コーペンハーゲンに近い古都ロスキルにて

2018年6月7日、木曜日、午後1時半頃、大聖堂近くの広場で撮影。

 

高齢者がほとんどで、夫婦や数人のグループが多く、レストランのテラス席で陽を浴びながら、談笑して寛いでいた。

おそらく周辺の市民だろう。

 

下: E 首都コーペンハーゲンの運河にて

2018年6月7日、木曜日、午後4時半頃、運河を行くクルーズボートから撮影。

 

首都の運河の至る所で、日光浴、ボート、カーヌーに興じ、海に近い方では中高生達が泳いでいた。

若い恋人や友人同士、そして家族で楽しむ姿が印象的でした。

それも平日の午後4時を過ぎたばかりなのですから。

 

 

 

 

< 7. コペンハーゲンとヘルシンゲルにて >

 

上: 首都コーペンハーゲンの運河にて

上記と同じ。

 

下: F クロンボー城のある港湾都市ヘルシンゲルにて

2018年6月8日、金曜日、午後4時半頃、街中にて。

 

この町はクロンボー城と、対岸スウェーデンを結ぶフェリーで人は行き来するのですが、通りは賑やかとは言えない。

それでも通りのテラス席は、談笑する市民でほぼ埋まっていた。

 

 

 

 

< 8. G 廈門の公園にて >

 

これから中国を見て行きます。

 

2019年10月16日、水曜日、午前9時台、市内の公園にて撮影。

この公園は昔ながらの街中にあり、古くからの市民が来るところのようです。

 

上二枚: 広い緑豊かな公園の木陰では、高齢者グルーブが至る所に陣取り、仲間と楽しい時間を過ごしている。

一人の人はほとんど見かけなかった。

男性グループは将棋などの盤ゲームをやり、女性グループはそれぞれに異なった踊りや体操を行っている。

以前に比べれば、太極拳などの伝統的なものは減って来た。

 

下: 中国式の譜面を見て集団で詠じている。

西洋音楽ではない。

 

中国では男女別々に集まり興じる事が多い。

体操や太極拳、詠いは一緒にやることはあるが。

また若い人はほとんど居らず、概ね50歳代以上のようです。

 

後に、公園に付属の小さな動物園を訪れたのですが、そこはお爺さんとお婆さんと孫一人の三人連れで一杯でした。

中国では、若い夫婦は、一人っ子を親に預けて共稼ぎをしている。

孫の保育園への通いも親がやるのでしょう。

親は概ね50~55歳から定年となり、年金生活に入る。

都会では、働かなくてもやって行けるようだ。

 

 

 

< 9. 開封と麗江にて >

 

上: H 開封のメインストリートの夜市にて

2019年10月20日、日曜日、午後7時頃撮影。

 

非常に賑やかだが、子供の姿はほとんど見かけなかった。

若いグループと夫婦、年配のグループが多かった。

 

 

下2枚: I 麗江の黑龙潭公园にて

2019年10月25日、金曜日、午後4時頃撮影。

 

公園で盤ゲームや楽器演奏に興じる人々を数組だけ見かけた。

多くは無かった。

この公園内はほとんど観光客が行き交っていました。

 

中国では有料の公園や神社仏閣でも、60歳以上になると、ほとんどで半額から無料になっているので、市民は利用しやすい。

昔に比べると、趣味の範囲が広がり、伝統的なものから新しいものまで多様になっているようだ。

 

 

* 余生と余暇の過ごし方

 

² 中国と北欧で異なること

北欧では、午後4時を過ぎると、多くの人は職場を退出する。

北欧の労働時間は日本より約3割は短く、育児休暇もかなり長い。

北欧の住居は職住接近で、人は平日でも家族や友人と共に家庭や自然の中で過ごすことが多いようです。

 

中国では、定年を迎えれば50歳代の若さで日々、のんびり暮らし、孫と遊び世話をするのが日課となる(定年は男性が女性よりも遅い)。

だが若い夫婦や独身、学童は忙しいようだ。

また都会で暮らす地方出身者には苦しいかもしれない。

 

 

² 中国と北欧に共通していること

共に定年後はのんびり暮らし、共に広場や自然の中で仲間や家族と過ごしている。

北欧の定年は中国より遅いが、日本や中国よりも豊かに過ごしている。

 

共に福祉制度、年金制度が整っているからで、日本人が連想する重税感や社会主義国の重苦しさとは無縁です。

北欧二ヵ国については34年前にも訪れて、現地の人に話を聞いており、今回の訪問で、高福祉社会の豊かさが更に良くなっていることを実感できた。

中国の福祉制度は年々改善されているようで、経済成長に連れて更に良くなるでしょう。

 

 

 次回に続きます。

 

 

 

 

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