20201112

徳島の吉野川、剣山、祖谷渓を巡る 11: 二重かずら橋

  


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これから数回に分けて祖谷を紹介します。

祖谷には深い渓谷美と日本の原風景が残っています。

この旅では、平家の落人伝説と山村の風景を中心に見て回ります。

今回は、二重かずら橋を紹介します。

 

 

 

< 2. 祖谷の全景 >

 

上: 見越から祖谷を見下ろす

剣山の登山リフトを降りた見越から、西側を見ている。

これから、この祖谷川沿いに下って走る。

 

下: 剣山と奥祖谷(一部)の全景、上が東側です

赤矢印が剣山山頂、白矢印が見越から上の写真の撮影方向、白四角が二重かずら橋の位置です。

ピンク枠は、平家落人伝説が点在する地域です。

剣山山頂付近の草原は平家の馬場として使われたと伝えられている。

他は渓谷の急斜面に張り付くように遺跡が点在する。

 

徳島県三好市の奥祖谷は、写真の下側、祖谷川の下流へと更に続きます。

 

 

 

< 3. 祖谷の位置と平家の落人伝説 >

 

上: 四国の旧街道と奥祖谷

黒矢印が二重かずら橋、赤枠が奥祖谷、上部の赤矢印が屋島です。

奥祖谷は、北は香川県の瀬戸内海岸、東は徳島県の紀伊水道や太平洋岸(海陽町)、南は高知県の太平洋岸の中間点に当たる。

この地は奥深く険しいが故に、行者や山林を生業とする人だけが行き交った。

このことが、源平合戦の後、平家の落人が祖谷川を遡り、この地に住み着いた理由だろう。

 

下: 平家物語で語られている安徳天皇入水のシーン

平家は屋島(香川)、次いで壇之浦(下関)で源平合戦に敗れ、没落する。

安徳天皇は8歳で、壇之浦で清盛の妻に抱かれて入水したとされる。

 

しかし安徳天皇は入水せず、落ち延びたとする伝説が各地に残っている。

東は青森県から、西は九州まで十数カ所知られている。

長崎県対馬にもあり、逃れた安徳帝が対馬の大名、宗氏の祖になったとされている。

四国には二つあり、一つがこの祖谷です。

 

さらに平家の落人伝説は全国に80件ほど知られている。

当然、平家一門の子孫が各地に逃れて住み着いたはずです。

ただ当時は存在が知れると、源氏の追捕が来るので極秘にしたはずです。

 

これら伝説には、集団や家系などの正統性を高める狙いでつくられたものもあるだろう。

それにしても、この祖谷には安徳天皇ら一行が暮らしていたとしても不思議ではない、そんな趣がある。

 

 

 

< 4. かずら橋に到着 >

 

渓谷沿いの細い道に、並行して駐車場がある。

 

上: 上流側を望む

右に料金徴収の小屋、その左にかずら橋に降りる階段が見える。

 

下: かずら橋に降りる階段

 

 

 

< 5. 一番目のかずら橋 >

 

ここにはかずら橋が二つあり、また野猿(やえん)もある。

今から渡ります。

 

 

 

< 6. 一番目のかずら橋を渡る >

 

下: 橋の中央から望む

ここの看板の説明によると

祖谷にはかつてかずら橋が13あり、生活道として使われたが、現在はここの二つ以外、西祖谷の一つしか残っていない。

このかずら橋は約800年前、平家一族がこの地に逃れ、剣山の草原(頂上付近?)を馬場とし、軍馬の調練に、また木こりや漁師などが利用した。

 

 

 

 

< 7. 一番目のかずら橋から下を見る >

 

古くは「シラクチカズラ」と呼ばれるつる植物で造られていたが、今は目立たないようにスチールワイヤーで補強されている。

それでも下を見ると、木材の隙間から十数メートル下の川が迫って来る。

やはり緊張する。

 

 

 

< 8.渡り終えて >

 

川に沿って上流に向かう。

 

 

 

< 9. 野猿(やえん) >

 

左上: 川幅の中央に野猿が見えた

 

右上: 野猿のロープを手繰り寄せ、野猿に乗り、川の中央から二つ目のかずら橋を写した。

 

下: 野猿の内部から反対側の乗り口を見ている。

現在は二本のワイヤーロープで野猿を吊っているが、昔はどうしたのだろうか?

恐らくはこの川を渡る装置は近代に始まったのだろう。

 

 

 

< 10. 二つ目のかずら橋 >

 

 

 

< 11. 二つ目のかずら橋と桟道 >

 

後に、西祖谷のかずら橋も紹介しますが、こちらの方が周囲に人工的な建造物が少なく、趣があります。

見たことはありませんが秋の紅葉は素晴らしいでしょう。

ただここに来るのが不便な事と小さい駐車場(30台ほど)が欠点です。

 

次回に続きます。

 

 

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