20201223

平成イソップ物語 19: 狐と狸と鼠

  


*1

 

 

昔々、ある野に気高き一匹のボス狐がいました。

その狐は多くの狸を引き連れ、さらに多くの鼠を養っていました。

そこは一見、活気に満ちていました。

 

 

一匹の鼠がボス狐に訴えました。

「最近、我々の仲間が一匹、一匹と姿を消していきます」

 

ボス狐

「私が責任を持って調べよう」

 

それから1年の歳月が過ぎました。

 

別の鼠がボス狐に問いました。

「益々、仲間が姿を消しているが、あなたの周りで血の付いた鼠の毛が見つかることがあります」

 

ボス狐

「それは隣の群れの鼠のものだろう。私はまったく関りが無い。」

 

 

 

*2

 

周囲の狸も声を揃えて罵りました。

「立派な狐様に無礼だぞ! 疑いだけで非難するな!」

 

鼠たち

「我々は気高きボスを信じ、従うしかないのだろうな。」

 

それからまた1年が経ちました。

 

ボス狐

「犯人が分かったぞ。私の部下の狸がすべて一存でやった事だから、私が処分しておいた。これで安心だ!」

 

それから数年もすると、その野には鼠と狸の白骨が無数に散らばっていました。

 

 

 

*3

 

このようなことは人類史に幾度も起こりましたとさ!

これは決して今の日本を揶揄したものではありませんので、

非難のほどはご容赦を・・・

 

終わります

 

 

 

 

No comments:

Post a Comment

どうぞご意見をお書き下さい。Please write an opinion.