20150731

何か変ですよ 39: 今を忘れないでください


*1

今の政権運営は実に巧みで、実行力もあります。
安定感があり頼りがいがありそうです。
安部首相の手腕には、さすが政治家の家系だと感心させられます。
一方で長いスパンで見ると気になることがあります


安保法案を巡る議論
議論が枝葉末節過ぎるように思えます。

野党の指摘は間違っていないが現実の防衛に不安を感じる。
事実かは別にして、予想される脅威への対策が聞こえて来ない。
これを無視していると、些細な武力衝突で少しの人的被害が起きても、世論はパニックになり一気に好戦的になる可能性がある。
これが一つの懸念材料です。

国を軍事的な脅威から守り、また紛争拡大を防ぐには軍隊が必要であり、軍人の犠牲も伴います。
国として中立の選択肢もありますが同盟が必要な場合もあります。
確かに軍隊と同盟は運用次第でより大きな危険を招きますが、避けて済む問題ではない。


    

与党の主張は現実の不安に答えているが、将来に大きな禍根を残すかもしれない。
一つは、米国との同盟強化により中国との対立が鮮明になることです。
かつて歴史的遺恨や敵意を煽るに任せて戦争を回避した国がどれだけあったでしょうか。
残念ながら日本列島はユーラシアの二大国と米国の緩衝帯に位置しおり、ベトナムや朝鮮半島の二の舞になる可能性が非常に高い。

今一つは、憲法を軽視していることです。
憲法解釈の変更が絶対不可とは言わないが、憲法裁判が機能していない日本では拡大解釈がまかり通る危険性が大です。
拡大適用は明治から太平洋戦争にかけて起きたことであり、法を重視しない体質は今でも変わらない。

与野党は惰性(権益)とドグマに囚われて賛否の大合唱に終始している。
おそらく10年後には結果が出て、国民は後悔するかもしれない。


    

経済運営について
久々に景気が良くなる期待はあるが、どうだろうか?

日銀による大量の国債引き受けによるリフレ策は進んでいる。
このところ「何々減税」と色目の変わった経済振興策が数多く打ち出されている。

景気が良くなっている情報が増えて来た。
株高や大企業の好決算、就職率の上昇など。
一方で逆の情報もある。
消費財の値上がりや、不安定な雇用形態と賃金格差の拡大など。

ここ30年ほど、与党は同じ経済政策の繰り返しで景気は良くなるどころか、日増しに経済と財政は悪化した。
欧米が既に止めた公共投資と国債への依存を続ける与党にあって、今回、大胆にリフレ策を実施したことに驚かされる。
欧米にはリフレ策を実施している国は多いが、長期に行った結果が今の経済状況です。

良ければ株高と好景気が来るかもしれないが、必ずバブルが弾けてより深い経済低迷に陥るでしょう。
ここ半世紀の欧米の経済動向を知る人なら、また株投資に関心ある人なら実感出来るでしょう。
それでも莫大な累積債務がインフレで目減りしてくれれば少しはメリットがある。
しかし国債金利が高騰すれば財政破綻は現実のものになるでしょう。

根本にある懸念は一つです。
それは日本が米国流の貨幣供給重視に大きく方向転換したことです。
この結末がどうなるかについて断言出来ないが、おそらく今欧米で起きている経済の悪弊がより深まる結果になるでしょう。
それは景気不景気のより深い乱高下、貧富の差、失業の増大です。

早ければ、1年以内に潮目の変化が現れ、5年後に国民は後悔するかもしれない。


*4

どうか皆さん、今の分岐点を忘れないでください
国が衰退を深め、激動に巻き込まれる切っ掛けは些細な一歩の積み重ねでした。
過去を振り返れば、法や条約の発効・破棄、憲法の恣意的な解釈が戦争への分岐点になりました。
同様に金兌換や日銀券発行、国債発行の扱いは国の経済を大きく左右しました。
これは世界の歴史に共通しています。

皆さんにお願いしたいこと
この分岐点を覚えておいて頂き、数年から10年後の変化を比べていただきたい。
今の舵取りの成否を判断出来なくても、その時に、誤りに気がつけば方向転換出来るかもしれません。
ただ過去の日本では方向転換の努力は水泡に帰しました。





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