20191228

人はなぜ愚行を繰り返すのか? 9: そんな馬鹿な



< 綺羅星のごとく・・・ >


首相がパトロン達に絶大な恩恵を与えても、
片手落ちであれば、他の人は納得しないはず。
しかし日本は違います。

三つの事が自浄作用を奪っている。

A 地元
首相や議員への盲目的な支持。
与党支持者は次に恩恵があると期待して組する。

B 保守
首相側に組する層(与党、官僚、経財界、右派マスコミ)は存続をかけて守る。

C 右傾化
首相が強権的である限り熱狂。


A これは選挙をギブアンドテイクとみなす発展途上国並みの政治風土による。
日本の政治が良くならない根本的な理由。

B ここ半世紀、既得権益層が根を張り巨大になり、庇護してくれる権力の為に彼らは富とネットワークを惜しみなく差し出す。
本来、保守思想とは別もの。

C 右傾化は世界と日本で大きな潮流になった。
これを一早く捉え、煽った者が国を動かすようになった。
今の首相は、北朝鮮拉致問題でタカ派ぶりをアピールして以来、人気が上昇した。
熱狂者達は、首相が非難されればされるほど陰謀から守るべしと燃え上がる。
実に厄介です。

これらの影響度はABCでしょうか。
こうして積極的に支持する人と、煽られて同調する人が多数を占めることになる。


次回に続きます。



人はなぜ愚行を繰り返すのか? 8: それにしても




< どこを切っても同じ・・ >

政治家が悪いとしても、
国民が選び直し、監視し、改善すれば良いはずだが。

今の首相は絶大な人気がある、
熱烈なファンはどんな汚点にも目をつぶる。
それはないでしょう!

実は、そんな単純ではない。
日本人は長年、政治家を不正で自己利益追求の輩と見なしている。
政治家の信頼度は40ヵ国中、悪い方から5位です(International Social Survey Programより)。

国民は、国のトップとはそんな程度だと諦めている。
むしろ国民が清濁併せ呑んでいる。

いくらパフォーマンスが優れ見栄えが良くても、私達は嘘つきで素行が悪く、法を無視し責任を取らない人間を嫌い遠ざけるのが普通です。
まして彼を重要な役には就けない。

しかし、ある人々にとって首相は別格です。

首相側に着くか票を入れると、トップから絶大な見返りがある。
加計・森友問題、伊藤詩織事件、桜を見る会がそれを示している。
巨額資金を得る、無罪放免になる、知名度が向上し、無料で御馳走にありつける。
逆に議員なら異論を唱えると選挙で干される。
(これは選挙制度云々よりも成熟度の問題)

次回に続きます。


人はなぜ愚行を繰り返すのか? 7: 騙され続けたら・・・



< 猛烈に慕われる人々 >

もし政府に危なげな兆候があったら、
国民はどうするでしょうか?


A 信じて吉報を待つ。

B 他に手が無いので無視する。

C 放置すると危険が増すから、早急に改善を図る。

現状はABが大勢を占める。

それでは太平洋戦争と原発ラッシュの時代、そして幾度も訪れたバブルと消費税増税をやり過ごしたらどうなったか。

いずれも不幸な結果を招いた。
その時、多くの人は放置したことを後悔し、二度と起こらないことを願っただろう。

しかし残念ながら繰り返している。
甚大な被害に無頓着で、露見するまで騙し続ける政府も悪いが、幾度も騙され続ける国民にも非があるように思うのだが。

少なくとも、そんな政府を選ぶ時点で間違っているとは言えるのだが。

これを半世紀も続ける国民は・・・


次回に続きます。



20191227

人はなぜ愚行を繰り返すのか? 6: 誰が危機を隠蔽するのか




< 分断する人々 >

あなたが政府に全幅の信頼を置いていたとしても、
政府に怪しげな振る舞いが無いか、
一度、確認するのも無駄ではないでしょう。


簡単なチェック

*些細な失策でも徹底して隠蔽する。
 証人を私人や海外主張中として証言させない。
 証拠をすべて破棄するか機密扱いにして見せない。

*都合が悪いとカモフラジュする。
 悪い結果を示すデーターは改竄し、露見するまで白を切る。
 追及されるとセクハラ・反社会勢力の定義を閣議決定で変更する。
 イメージダウンの報告は閣議決定で無いものにする。
  
*危機を問われても無頓着。
 かつて少子化や待機児童の問題について取り合わなかった。
 原発の電源損失を問われると、起きるはずがないと言い切った安倍さん。
 
このような対応で、より大きな危機に責任を持って対処すると思いますか?
ミスをしても知らぬ存ぜぬで逃げることが出来るのに、真剣に取り組むでしょうか?


次回に続きます。

人はなぜ愚行を繰り返すのか? 5: もし危機を自覚出来ていたら



< 日本を押し、倒す人 >

知らずに危険に遭うことはあっても
甚大な被害を知って、わざわざ危険を選ぶ人はいない

結局、愚行とは予測できる危機を無視し、自滅することだろう。

なぜ人は社会の危機に無頓着なのか?

A 危機が隠されている
B 危機から目をそらされている
C 指導者自身が危機に気付いていない

これが主な理由です。

歴史を振り返れば幾らでも事例はあります。

A 太平洋戦争で、敗北を隠し勝利を発表し続けた大本営。
隠蔽と虚言は与党の体質と言うより、それを生み出す日本の体質。

B 原発はクリーンエネルギーと喧伝した政府機関と企業。
世論誘導は他国でも起こり得るが日本では容易に起こる。

C 日中戦争で、中国は簡単に敗北し泥沼にならないと考えた軍指導部。
悪い状況を愛国心鼓舞で乗り切れる為、現実を無視しがちなのが日本。

この事例からわかるように、一部の人が警鐘を鳴らしていたにも関わらず、
国民は災厄が訪れるまでまったく気が付かなかった。

こうしてみると危機を自覚できないのは、国民側だけの問題でないことがわかる。


次回に続きます。


20191226

人はなぜ愚行を繰り返すのか? 4: 危機を無視する不思議




< 経世済民の人、それとも傾城傾国の人 >

明日、巨大台風が来るとしたら・・・
3年後に失業率が倍に、15年後に年金が3割カットになるとしたら、

人は「そんなこと誰にも分からない」と言う。

もし原子力発電所が隣にあっても無視出来ますか?
なにせ政府や学者が絶対安全と言っていたのに事故が起きたのだから。

そうは言っても原子力村では今も稼働が続いている。

彼らは巨額の見返りと引き換えに安全を売ったのではない。
彼らは政府の言う安全と恵みを信じたのだ。
今さら捨てろと言うのは酷だろう。

しかし、こうも言える。

今、あなたの町に原発建設が持ち上がったら。

福井県高浜町のフィクサー(助役から事業家へ)と関電の癒着が暴露された。
つまり原子力村の住民の恩恵は二の次だった。
また皆は既に原発事故の恐ろしさも知っている。

つまり事前に真相を知っていたら、別の選択をしたはずです。


次回に続きます。


晩秋の北関東をドライブしました 8: 中禅寺湖から鬼怒川温泉へ





*1


今回は、中禅寺湖と華厳の滝、
一泊してからの鬼怒川温泉の朝と日光への途中の景色を紹介します。


 
< 2.中禅寺湖 >

素晴らしい青空でした。
しかし日が陰り始め、湖面を渡る風は冷たく、少し晩秋のわびしさを感じました。

写真は中禅寺湖の東側、歌ヶ浜第一駐車場から撮影しました。
この駐車場は無料で広いです。



 
< 3. 中禅寺 >

上: 中禅寺が見えます。
同じ場所から写す。

下: 県営華厳の滝第1駐車場にて。
華厳の滝を見に行く為に停めました。


 
< 4. 華厳の滝 >

華厳の滝エレベーターに乗って、滝つぼ近くの展望台に行きました。
写真はすべてこの展望台からです。




 
*5


 
*6

華厳の滝を見終えて、いろは坂を下ったのですが、完全に紅葉は終わっていました。
2019年11月18日のことでした。



 
< 7. 鬼怒川温泉のホテルから >

一夜明けた朝6時半頃、部屋から川の上流、北側を望む。
この方向、直線距離70kmほどで猪苗代湖に至ります。
北関東の端に来た思いがした。


 
*8

奥の山が朝陽に輝き始めました。


 
< 9. 鬼怒川温泉から日光東照宮に行く途中 >

おそらく広域農道の原宿辺りです。

上: 来た道を振り返っている。


 
< 10. 日光東照宮を目指す >

遠方、左の山は恐らく男体山でしょう。
手前の小山を越し右に折れ、川を少し遡上すると日光東照宮に出会える。

次回に続きます。



人はなぜ愚行を繰り返すのか? 3: 「見ざる」で安心できるのか?




< 飛んでいる人々 >

普段から私達は危険を予知しています。
海で泳ぐ時、家を買う時など、
注意し未来を予測します。


それなのに、なぜか経済の悪い兆候を無視するのか。
今が良ければOK、どうせ分からない、分かっても打つ手がないと諦める。

何かがおかしい。
初めての海岸で子供と泳ぐ時、少しは危険を予想するはず。

以下の心理が邪魔している。

経済学は面倒、悪化した経済を知らない、政治と無縁。

現状を放置すれば、より大きな金融危機と緊縮財政を招き、極端に生活が苦しくなる可能性は高まる。
「見ざる」で危機がより大きくなったことは過去に幾度もあった。

経済に疎くても株の購入ぐらいは出来るし、バブル崩壊(金融危機)はほぼ10年毎に起きている。
また政策変更を訴える選挙にも参加できる。

理解し危機を避ける手立ては幾らでもあるのだが。


次回に続きます。

20191225

人はなぜ愚行を繰り返すのか? 2: 「見ざる」を決め込む不思議




< 稀に見る清廉な人々 >


今の日本の経済はどうだろうか?
良い? 悪い? 飛躍前? 衰退中?

どう思いますか?

多くは「わからない、悪くない」
ひょっとしたら「良い、飛躍前」と感じているかも。
実際、就業率と株価は上昇している。

何処の国の人も、景気が良ければ後は気にしないものですが。

??????

それでは、家計の所得と貯蓄が30年以上低下し続け、有名企業が外国に買収され、海外に資本が流失し、新しい産業が生まれない、この状況を衰退でないと言えますか?
これが日本だけの現象だとしたら。

「日本経済は大丈夫なのか?」と不安になるかも。

株価は日銀と年金基金、就業率は人口変動とバブル、景気は世界経済の活況によるとしたら。

「早晩、反動がある」と思い当たるかも。

もし愚かでないなら、「 ????? 」以降を無視しないだろう。


次回に続きます。


20191224

人はなぜ愚行を繰り返すのか? 1: はじめに



< 完璧な布陣 >


列車はこのまま進めば断崖へ突っ込むことになる。
しかしなぜか乗客は気にも留めない。


誰でも崖が見えれば急ブレーキを踏むだろう。
ところが平気でぶっ飛ばしている。
下り坂なのに闇夜だからと言って全力で疾走する機関士。

まったく理解出来ない。

ほとんどの先進国で、低成長と格差拡大、そして内部対立と軍拡競争の勢いが増している。
それに加え日本だけ、30年を越える経済衰退と少子高齢化、そしてあらゆる社会指標の低下が示すように衰退途上国の道を突き進んでいる。

この状況は最近とみに目立つようになった。

なぜ人々は、少し目を凝らせば分かる数多くの危険な兆候を見ないのだろうか?

愚行にも色々あるが、先ずは「見ざる」から・・・


次回に続きます。