20261006

連載 国民の責任 1; 悪化の責任は誰に

  


 

国が戦争を始めた時、「国民に責任はあるのか」、日本と米国について考えます。

 

 

国民の責任とは何か

私は、米国の現状を見ていて「国民の責任」を痛感するようになった。

もしトランプが独裁を完成させ、米国のみならず世界をも悲惨な状況に陥れたとしたら、誰の責任なのか?

現状のトランプはまだ未完ですが、放置すれば確実に独裁者になるでしょう。

その責任は、彼を担いだ人々にあるのは確かだが、「彼を選んだ国民にも責任はある」と考える。

 

 

それはなぜか

もしトランプの戦争がやがて大規模になり、国内外に甚大な被害や死者をもたらすようになれば、誰が責任を負うのか?

米国は、大戦後、数々の戦争を行って来たが、さらに大規模で無謀な戦争を始める可能性は、独裁者登場でより高まる。

トランプを煽情家・詐欺師に例えると、騙された米国民は被害者であって責任は無いと思うかもしれない。

この場合でも「過失により他人に損害を与えた責任」は米国民にあるだろう。

トランプに票を投じた人がより責任を追うべきだが、これを放置した人にも幾分の責任がある。

 

 

微妙な問題

ナチス・ヒトラーを生んだドイツ国民や日中戦争を始めた日本国民に責任はあったのか?

当時のドイツは民主主義国家であり、ナチスは選挙で選ばれていたが、独裁の完成はヒトラーの陰謀無くしては不可能だった(国会放火事件と非常事態宣言による共産党排除)。

少なくとも、当時、ナチスに票を入れた約3割の国民には過失があったように思える。

 

満州事変を始めた当時の日本の国会は、選挙で選ばれた二大政党によって運営されていた。

しかし、政治は戦争を望む軍部に牛耳られており、民意が反映される状況にはなかった。

国民が軍部の暴走を押しとどめることは極めて困難でした(治安維持法、年国家総動員法)。

これからすると、当時の国民に過失責任を問うことには無理があるかもしれない。

 

しかし、その後、両国民は対外侵攻に期待もし熱狂もした。

 

 

今の米国はどうだろうか?

米国民は、益々生活が暮らし難くなる中にあって、「悪化させている奴らを簡単に排除してやる」と言われ、その煽情者(トランプ)に解決を託してしまった。

これを可能にしたのが、長年続いていた既得権益層によるポストトゥルース、オルタネイティブ・ファクト(代替的事実)等の真実隠しでした。

真の悪化要因は半世紀に及ぶ政治にあり、連載「迫る多難な危機」の第四章で説明しました。

ここ10年ほどは、インターネット上の煽りやフェイクが加わった。

さらに悪いことに、宗教的信念が利用されて約1/4の米国民が煽情者を頑なに信じてしまった。

それでも煽情者の嘘と恐ろしさに気づいている人々は半数近くいる。

 

この状況を見るなら、宗教的な人々も含め、騙され煽情されている国民の約半数には責任があるように思えるが、疑問も残る。

 

騙され煽情されて誤って選択した人々に責任はあるのだろうか?

彼らは詐欺師に騙されたのと同様ではないか?

これを言うなら、ヒトラーの煽情に乗せられナチスに投票したドイツ国民も、言論統制下で軍部独裁に抵抗出来なかった日本国民も同じです。

 

それでは、「堕胎禁止、同性婚反対、イエス復活に繋がるパレスチナ攻撃」等の宗教的信念実現との交換条件で独裁を許容する人々の責任はどうなるのか。

この人々は、実現を可能にした独裁的な手法を賞賛しているが、独裁の本当の恐ろしさを知らない。

ヒトラーも総裁選を前にして、議席確保のため、教会を保護する約束と引き換えにドイツ中央党(カトリック系政党)を味方に引き入れた。

このような手口で宗教団体を政治に利用した政治家こそ責められるべきではないのか?

 

国が間違った方向に進む時、国民は微力かもしれないが、重要な選択を迫られ続けるものです。

この問題を紐解いていきます。

 

 

---目次---

 

1話;悪化の責任は誰に

2話;皇軍が選んだ道

3話;独裁に魅了された人々

4話;皇軍の軍人魂とは

5話;日本の戦争を振り返る

6話;軍備と敵について

7話;戦争に向き合う

8話;米国民へのお願い

 

 

次回に続きます。

 

 

 

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