*1
ある所に、秋になると鮭がたくさん遡上してくる川がありました。
そこでは熊と狐と多くの動物が仲良く暮らしていました。
しかし鮭の量が減り始めていました。
*2
熊以外の動物達が鮭の漁について話し合っています。
「皆、熊だけに鮭の漁を任しておいて良いのだろうか?」
「しかし、我々は熊が採ってくれた残り物を貰って暮らしている。」
「我々が鮭を漁することは難しいし、第一、熊が我々の漁を許さないだろう。」
「しかし、このままでは鮭が減っていくのは確実だ。」
*3
狐と他の動物達は熊の所に話しに行きました。
すると熊は皆を威嚇しながら言いました。
「お前たちは、これから鮭が遡上してくる川に近づいてはならない。」
皆は仕方なく引き下がりました。
*4
やがて月日は流れました。
熊の数が増え、また密漁する動物も増えて鮭の数はどんどん減っていました。
皆は危機感を持ち、対策を話し合いました。
「やはり、我々がこの川を守るべく鮭の漁を規制すべきだ。」
「皆を集めて、熊の所へ行こう!」
*5
この時、狐のリーダーが言いました。
「今、熊を怒らすのはまずい。ここはやはり熊に従うべきです。」
この狐は熊とこっそり話をしました。
「どうか我々狐にだけは鮭の残り物を確保して下さい。」
それを聞いた狐達はリーダーに大変感謝しました。
一方、足並みの乱れた他の動物達は規制を諦めざるを得ませんでした。
そして、また月日が流れました。
とうとうこの川に鮭が遡上しなくなり、熊も狐も、他の動物も死に絶えてしまった。
追記
これは核兵器禁止条約と核拡散防止条約における日米の姿勢を揶揄したものではありません。
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