20181216

北欧3ヵ国を訪ねて 42: オスロ 1


  

*1

これから二つ目の北欧の国、ノルウェーを紹介します。
初めて訪れたオスロは輝く海と深い森に囲まれた美しい都市でした。
私はこの小さな首都を2日間見て回りました。



< 2. ノルウェーとオスロの地図、上が北 >

上の地図: 赤丸がオスロ、黒四角がカールスタッド、オレンジ線が乗って来た国際列車の路線、黄色線がこれから乗るコペンハーゲン行きのフェリーの航路です。

下の地図: この範囲(南北約2km)が首都オスロの中心部です。
赤丸が宿泊したホテル、茶色四角がオスロ中央駅、青色四角がフェリー乗り場です。



< 3. 私が観光したオスロ、上が北 >

私がオスロを観光したのは2018年6月5日(火)と6日(水)です。
赤枠は私が訪れた所です。
地図の南北の長さは約14kmです。

今日紹介するのは、一番上の、湖がある自然公園Songnsvannです。
主な訪問地を示します。
Aは様々な博物館があるビィグドイ半島です。
Bは観光地ではないが、海沿いの暮らしが見たいと訪れたUlvøya islandです。
Cは中心部で、王宮、博物館、中央駅周辺、発展が著しいウオーターフロント、オスロ湾を望む古城などがあります。
Dは彫刻の公園と巨大な墓地があります。

以下の写真は撮影順に並んでいます。
撮影は5日の7:45~8:35です。



< 4. ホテルからいざ出発 >

先ず、地下鉄に乗るために国立劇場駅まで歩きます
上の写真は駅の方向、下の写真は振り返った所。

素晴らしい朝、綺麗な青空が広がっています。
身が引き締まる冷気と温かい陽射しが気持ち良い。



< 5. 王宮とカールヨハン通り >

上の写真: 広大な庭園の奥に王宮が見える。

下の写真: 反対方向を見ると、中央駅に向かうカールヨハン通りが見える。



< 6. 国立劇場駅と国立劇場 >

上の写真: 交差点の向かい、写真中央に国立劇場駅が見える。
この駅には鉄道と地下鉄が通っている。
右手は王宮庭園です。

下の写真: 進行方向、左手に国立劇場が見える。
至る所、街路で花が咲き誇り、清々しい気分になる。



< 7. 国立劇場駅 >

上の写真: 交差点から東側(進行方向左)、中央駅側を望む。
今回、幾度もこの手のトラムにお世話になりました。

下の写真: 右側が国立劇場駅。



< 8. 国立劇場駅内部  >

上の写真: 中に入ると構内は意外に大きくて、また朝の通勤ラッシュで、多くの人が足早に通り過ぎて行った。
私がどちらに行くべきか思案していると、一人の女性が寄って来て、どうしたのですかと尋ねてくれた。
行先を伝えると、どのホームに行くべきか詳しく教えてくれた。
今回の旅行では、本当に多くの人に助けて頂いた。
特に北欧の年配女性の心遣いがうれしい。
一方で、なぜか若い女性は、道を聞いても知らない場合が多々あった。



< 9. 地下鉄に乗って >

短い乗車時間だったが、貴重な体験をした。
途中の駅から乗って来たベビーカーを押している男性が、私に何やら親しげな表情を見せる。
やがて私の前の席が空くと、彼は子供(次男)を抱き上げ座った。
彼から声を掛けて来た。

彼の話では、数年前、奥さんと長男の三人で日本を1~2ヵ月旅行したとのことでした。
そして富士山登山もやり、日本の食べ物も気に入り、どうやら日本の大ファンのようです。
私は、これが二度目の北欧旅行で、前回、オスロに行っていないので、今回の訪問を楽しみにしていますと伝えた。
その後も話を続けたが、彼は急に今日の私の予定を聞いて来たので、私は今日の日程表を見せた。
そこには、朝8時から夕方7時まで、12ヵ所の訪問予定がびっしりと書き込まれていた。
彼はそれを見て残念そうに別れの挨拶をして途中の駅で下車した。

後で気付いたのだが、私は他の訪問を減らして、彼と共に下車して話し合いを続けるべきだったと悔やんだ。


彼との会話で感じたことがある。
彼は、スウェーデンのストックホルムよりもデンマークのコペンハーゲンに親しみを持っているようでした。
ノルウェーとスウェーデンは同じ自然風土を持ち、隣国同士なのになぜなのか?
この感情が、1世紀前までの長いスウェーデン支配とノルウェー王家がデンマーク王家の血筋によるものかどうかはわからない。
後にノーベル平和センターを訪問して、これへの理解が少し深まることになる。

彼の日本旅行とベビーカーから言えることがある。
それは育児と休暇の制度が日本より遥かに進んでいることです。
彼だけでなく男性がベビーカーを押している光景を北欧でよく見かけた。
これは男性が1年ほど女性に替わって育児を行うことが普及していることを示す。
当然前半の1年は女性が育休を取得するのだろうが。
また彼らは本当に長期休暇を楽しみ海外旅行に出かけているようだ。
年に1ヵ月は休暇を取らなければならない制度になっている(分割も可能だろうが)。

まことに羨ましい。
明らかに日本は遅れている。
北欧は生活エンジョイの先進国、日本は働き放題の後進国だと感じた。



< 10. Songnsvann駅 >

この終着駅に降りて驚いたのは、改札も垣根も何にも無いことでした。
粗末なバス停と何ら変わらない。
車掌が改札をするわけでもない。
省人化が進んでおり、交通システムのコンセプトがまったく日本と異なる。
私はこれの方が良いと感じた。



< 11. 湖が見えて来た >



< 12. ノルウェーの森と湖 >

朝の8時半頃、学生の課外授業のようだ。
北欧を旅すると、このように自然の中での課外授業によく出くわした。

多くの水鳥が羽を休めていた。



< 13. 湖 >

これまで見て来たスウェーデンの湖とはまた一味違う。
一つには山に囲まれていることと砂浜があることでしょうか。
木々は寒冷地特有の背の高いものが多いように思う。
正にこれがノルウェーの森かもしれない。


次回に続きます。




20181211

北欧3ヵ国を訪ねて 41: カールスタッド 2




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今回はカールスタッド紹介の後半です。
パレードを見終わり、公園を散策し、次の列車に乗るために駅に戻りました。
私はここで大きなトラブルを経験することになりました。



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パレードを見終わって公園内を散策し始めたのは17:00頃でした。
掲載写真は撮影順に並んでいます。
次に乗る列車は18:30発なので、18:00までに駅に戻らなければならない。
*3

公園の至る所で卒業生と両親らが集い、記念写真を撮っていました。


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この公園は両側を川に挟まれた広い芝生で、所々に木々が植えられている。
人はまばらで、カップルがのんびりと日光浴を楽しむ姿が印象的でした。

下の写真: 若い女性グループが水着姿になり、川にせり出したウッドデッキで日光浴を楽しみ始めた。

スウェーデンでは飲酒が抑制されているらしく、パリで見たような多くの人がアルコール(シャンパン)片手に談笑する姿はほとんど見なかった。



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上の写真: 中央に見える橋は私が渡って来た橋です。


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先ほどの橋のたもとにある小さな公園。


*7

駅に向かって、大通りを戻る。
多くの市民が歩行者天国に出ていた。
この時刻は17:40です。

< 8. 駅に戻る >

駅に戻ったのは17:45分頃でした。
待合室のロッカー(クレジットカード払い)から荷物を出し、駅舎のコンビニでサンドイッチとドリンクを買い、夕食とした。

後は、列車が来るのを待つだけです。
18:00になると、駅舎の切符窓口は閉まり、駅員は帰った。
私は特に用事が無いのだが、少し不安になった。



< 9。 ホームに立つ >

この駅のホームは一つだが、番線は4ヶ所あり、長手方向で左右に分かれていた。



< 10. やがて不安が現実のものになった >


到着予定の時間になっても列車が来ない。
周囲の旅行客が落ち着きをなくし始めた。
放送はあるが、私にはまったく理解できないし、駅員も居ないので確認も出来ない。

上の写真: 上に電光掲示板が見えます。
やがて電光掲示板に乗るべき列車の到着予定時刻が表示されているのが分かった。
しかし、その時刻が時と共に遅れて行く。
予定通りに行ってもオスロ駅到着は21:23で、この調子では日付が変わるだろう。

下の写真: 21:22の撮影です。
この列車は別の列車でした。


< 11. 夜は更けていく >

上の写真: 9:26撮影。
空はまだ明るいが、夕陽が迫っている。

下の写真: 時計の針は既に私のオスロ到着時刻を過ぎていることを示していた。
昼はあれほど温かったのだが、夜は冷え込んで来た。

中央に乗客らが集まり情報交換をし始めたようです。
その内の一組の老夫婦のご主人が私に温かく声を掛けてくれたのだが、私は言葉が分からずその場を離れた。
言葉の通じないのが無性に悲しくなった。

オスロのホテルに、到着時間が大幅に遅れることを連絡しようとしたが、これまたなぜか電話を掛けることが出来なかった。
ホテルの電話番号の前に付ける国別などの番号に誤りがあったようだ。
私はなす術がなく、ただ時間の過ぎるのを待つばかりでした。

やっと4時間以上遅れて列車が到着した。
乗客は皆、急いで車両に駆け寄った。
一人の若い乗客がタラップで私に乗車と譲ってくれた。
非常にうれしかった。

この時、どこにも駅員や係員は一切居なかった。
省人化が進み、ボデイや荷物、チケットの確認が無く気楽なのだが、海外からの旅行客の私には少し不安だ。


< 12. 白夜。車窓から21:52撮影 >

この光景はご褒美かもしれない。

列車内は満席でした。
ほっと一息付いたのですが、今度は列車の速度が非常に遅く、時折、途中で停車する始末で焦るばかりでした。
皆、疲れた様子ですが、不平で騒ぎ立てる人もいなかった。
もっとも文句を言いたい車掌も巡回に来ないのですが。

けっこうなお年寄りが一人で乗車しているのが見られた。
日本と違って、北欧のお年寄りは自立が当然で、国際列車での移動も一人で行うようです。
これは福祉政策の発展とは別の、ヴァイキング精神の名残り、個人の尊厳を大事にすることの現れかもしれません。

数時間かけてオスロ中央駅に着いたのですが、夜中の2時を過ぎていた。

真夜中に放送が大きな駅舎に鳴り響き、乗客にタクシーの利用を薦めているようでした。
駅員をほとんど見かけることもなく、最終駅から乗客は蜘蛛の子を散らすように出て行った。
私は駅から少し歩き、途中、真っ暗な大通りでタクシーを拾い、ホテルに無事着いた。

ホテルが24時間フロント対応であることを事前に確認しておいたが、若干不安はあった。
フロントの対応は良く、手短に手続きを終え、朝食予約とオスロパス購入を済ませた。
後は寝るだけ・・・・


次回に続きます。






20181206

北欧3ヵ国を訪ねて 40: カールスタッド 1






*1

これから2回に分けて、スウェーデンの湖畔の都市カールスタッドを紹介します。
訪れたのは2018年6月4日(火)の午後で、快晴の中をしばし散策しました。
アクシデントが歓喜溢れるパレードに巡り合わせてくれました。


  カールスタッドに向かう
この都市を訪問すると決めたのはまったくの偶然でした。
それは列車の手配ミスが始まりでした。

当初、ストックホルムからオスロまで国際列車1本で行くつもりでしたが、5ヵ月前、予約する段になって、予定(正午前)の出発便が満席だとわかりました。
そこで私は慌ててしまい、列車を何処かで乗り継ぐことにした。
先ず地方鉄道のカールスタッド行きを予約し、次いでカールスタッドからオスロ行きの国際列車を予約した。
後で直ぐ気が付いたのですが、ストックホルムを午前早く出発する便か、この乗り継ぎの列車を始発から予約しておけば安く短い時間でオスロまで行けたのです。

もっともスウェーデンの別の都市をもう一つ訪問したい気持ちもありましたので、これで良かったのですが、オスロ訪問が短くなった。

カールスタッドはスウェーデン一の大湖ヴェーネルン湖北岸のデルタ地帯にある小島の上に建設された人口9万人ほどの都市です。
この都市はストックホルムとオスロの中間に位置し、その名は歴史的に幾度か出て来ます。
最近では、ある女性大臣が子供の養育の為に週の半分をこちらで執務し、残りをストックホルムに行くそうで、日本では考えられないことです。

ここを乗り継ぎ駅と決めた最大の理由は、駅にロッカーがあることが事前に分かっていたことと、近くに公園Mariebergsskogenがあることでした。
この公園には家族が楽しめる遊戯施設やネイティブ動物の動物園、そして湿地の動植物の観察所があります。
ここに是非とも行きたくなったからでした。

しかし、ここで1回目のアクシデントに見舞われて予定を変更することになりました。
列車のカールスタッド到着予定16:09が30分ほど遅れ、次の列車の発車予定が18:30なので滞在時間が2時間を切ってしまったからです。
駅からこの公園まで徒歩で往復40分ほどかかり、バスで行く事は切符購入やルート、運行間隔で不便でした。
仕方なく、町の中心部らしい方、北側を散策することにしました。

これが幸運を呼びました。



< 2. カールスタッドの地図、共に上が北 >

上の地図: 地図の南北の範囲は約7km。
茶色マークがカールスタッド駅で、赤線が散策ルートです。
駅の左下に公園Mariebergsskogenがある。

下の地図: 地図の南北の範囲は1・3km。
矢印が駅、黄色線が行きの徒歩ルートで、オレンジ線は折り返して戻るルートです。
赤丸はビジターセンターです。

以下の写真は16:38から17:01に撮影したもので、ほぼ順番に並んでいます。



< 3. カールスタッド駅 >

駅の敷地は広いのですが、駅舎は大きくありません。
しかし外観は伝統らしいものを感じさせます。

下の写真: 駅の北側にある大きい道路の中央分離帯に立ち、東側を望む。


< 4. カールスタッド駅前 >

上の写真: 同じ中央分離帯から西側を望む。

下の写真: 駅前から北側に伸びる大通り。
ここを進むことになります。


< 5。 大通りを進む >

上の写真: 最初に不思議に思ったのが、平日の16時半頃なのにテラス席で多くの人が寛いでいることです。

< 6. やがて大きな川に出合う >

上の写真: 少し橋を渡りかけて西側を望む。
川面も照らす日差しはまるで夏のようでしたが、空気は清々しかった。
それでも歩き続けると汗が出て来ます。

下の写真: 橋を渡らず、少し戻り右に曲がると川沿いに沢山のテラス席が見えました。
レストランのようです。
もう既にお客で一杯でした。
平日のこの時間にレストランにこれだけの人が入っているとは驚きだ!

この時、前を歩く男性二人に声を掛け、「ビジターセンターに行きたいのですか?」と聞くと、彼らは笑顔で、詳しく道を教えてくれた。
その二人は、このレストランに入って行った。





< 7. さらに進む >

上の写真: 来た道を振り返る。

下の写真: 道順を聞いたときに教えてくれた公園の端に来た。
ここで左に曲がる。


< 8. 図書館(ビジターセンター)の前の通りを行く >

下の写真: 通りに面したショップの前で、楽しそうに糸を紡ぐ女性に出会った。
彼女に断って写真を撮らせて頂いた。
ストックホルムでもそうだったが、女性は高齢になってもオシャレを楽しんでいる。



< 9。 何やら騒がしい >

上の写真: 通りの奥の方からボリュームを上げた賑やかな音楽が聞こえて来た。

下の写真: 右手の建物が図書館で、この中にビジターセンターがある。
なぜか多数のクラシックカーが行列を作り、ゆっくり進んでいる。
周囲の観客は嬉々として見ている。

取り敢えず私はビジターセンターに入り、数部の観光パンフレットを貰い、そこを出た。


 
< 10. パレード 1 >

初めはまったく意味が分からなかった。
モデルのように着飾った若い男女が乗ったクラシックカー、そしてラフな格好の年配の運転手。

観客に聞いてみると、これは何と高校生の卒業パレードでした。
これが高校生!
特に女性は大人びて見えた。



< 11. パレード 2 >

やっと理解出来た、運転手は親父なのだと。
それにしてもこのクラシックカーの数には驚かされた。


 
< 12. パレードが終わって >

これから左手に広がる公園を散策します。


次回に続きます。