今回は、デンマークの国立博物館を紹介します。
デンマークの歴史と文化が広範囲に深く紹介されています。
日本も含む世界の展示もあります。
< 2. 国立博物館について >
正式名称: Nationalmuseet, National Museum of Denmark
上: 上が北。黒い屋根の建物が東西に延びているのが国立博物館。
矢印が入り口で、運河を隔てた右にクリスチャンスボー城が見えます。
長さ170m、幅80mほどあり、大きくて2時間で全てを見ることは出来ませんでした。
下: 入り口は簡素です。
< 3. ルーン石碑とオーロックス >
上: ルーン石碑はヴァイキング時代9~11世紀に造られ立てられた。
多くはルーン文字で死者を称える文が書かれ、独特の装飾もされている。
下: 紀元前8600年、氷河期のデンマーク、シェラン島北部で鏃が刺さったオーロックスの骨が見つかっている。
おそらくスカンジナビア半島で最も古い大型獣の狩猟の痕跡でしょう。
絵はヨーロッパ大陸の洞窟壁画でしょう。
< 4. 琥珀と葬祭 >
上: 琥珀は石器時代を通じてユトランド半島北部の海岸で取集され、宝石として使われた。
思っていたより古くから使われていた。
下: 紀元前4000年以前、石器時代の祭式小屋と石組みの墓。
左上部が祭式小屋遺跡の平面図と再現図。
中央から下が墓の遺跡。
これらはユトランド半島のものらしい。
< 5.横穴式石室と大規模な祭式場 >
上: 紀元前3200年頃の横穴式墓室、デンマークのロラン島。
下: 紀元前3400年の大規模な葬祭場、墓や祭壇が連なっている、デンマークのフュン島。
< 6. 青銅剣とフリント製短剣 >
上: 青銅製の曲がった剣。
青銅器時代は紀元前1700~500年。
下: フリント製の短剣。
この短剣の普及のピークは金属時代の始まりまで達した。
地図によるとこれはユトランド半島から大陸とスカンジナビア半島に広がった。
< 7. 青銅器時代の絵と神聖なもの >
上: 石刻の絵。
剣を腰に差して踊っている。
この絵はスウェーデン南西部、氷河期末期には海岸であった巨石に彫られた絵でしょう。
今は陸地です。
下: サン・ホルダーと呼ばれる神聖な道具。
左は神聖な道具と祭式を行う様子が描かれている。
右の青銅製のホルダーに赤い琥珀が嵌められている。
サン・ホルダーを見た時は、遥か昔のミステリアスな場所に来たように感じた。
発掘場所は不明。
< 8. 青銅器時代の遺物 >
上: 太陽の馬車(サン・チャリオト)。
全長60cmの青銅像に金箔が張られていた。
シェラン島西部で紀元前1350年頃のもの。
この地では馬が飼育されていたのでしょう。
下: 青銅製のヘルメット。
ヘルメットに角に似たものが見えるが、ヴァイキング時代より遥か昔のもです。
これもシェラン島のもの。
< 9. 青銅器時代と鉄器時代の遺物 >
上: 青銅器時代、手前の物は盾に思えたのですが、そうではないようです。
後の展示ケースに治まっている曲がった物は青銅器のホルンです。
下: 代表的な展示品の一つ、グンデストルップの大釜。
ユトランド島北部で発見された直径70cmの銀器で紀元前1世紀のものです。
ヨーロッパの鉄器時代の銀器としては最大で、彫像が素晴らしい。
< 10. 鉄器時代からヴァイキング時代 >
上: 2世紀末から3世紀のかけて新しい部族がスカンジナビアとドイツ北部に勢力を持った。
彼らはローマ人と同盟を図り、ローマの道具を使用した。
この後、ゲルマン民族の大移動に伴って、デンマークの祖先となるデーン人がスウェーデン南部からデンマークに南下して来た。
下: 9世紀から11世紀のヴァイキング時代の航海ルートと定住地。
< 11. 世界各地の紹介 >
エジプト文明に始まり、東南アジア、中国、日本まで紹介されている。
ここでも他の北欧の博物館と同様に北方民族のサミー、イヌイット、アイヌなどが紹介されていた。
< 12. 興味を惹いた展示 >
上: 型で造形された煉瓦や瓦など。
私が北欧を歩いて驚いたのは、屋根瓦が日本とよく似ていることでした。
フランスとはかなり違いました。
この博物館でまじかに見ると、益々その意を強くした。
左下: デンマークが一時、世界中に植民地を持っていた事を知りませんでした。
< 13. その他 >
上: 博物館内から東側を望む。
クリスチャンスボー城が見える。
中央: おそらく百年程前の暮らしを紹介しているのでしょう。
下: わざわざ一室を設けて、日本のコスプレとプリクラが展示されていました。
何か誇らしくもあり嬉しいものです。
次回に続きます。