20190505

平成の哀しみ30: 深まる亀裂 28: 敵対と融和 2




人は戦う宿命から脱せないのか?

一つの光明がある。

アフリカでは戦うチンパンジーは融和を得意とするボノボを凌ぎ森の王となった。
しかし人類はこれを凌ぎ地球の王となった。

これは言葉や知能の発達もあるが、社会性の発達と共に愛情や共感が強く働くようになった事が大きい。

高等動物ほど家族に強い絆を抱き、かつ集団内の弱者をいたわる。
共感は哺乳類に広く見られ、親が命を賭して子を守る姿は感動を呼ぶ。
類人猿や旧石器人には障害者や病弱者への援助行動が考古学的に確認されている。
最も共感が発達したのが人類です。
さらに最高度の抽象能力が共感の範囲を無限に広めることを可能にした。

こうして人類は数十万年かけて生活範囲を数十km四方から地球規模へと広げ、かつ協力するようになった。
これが今の世界の姿です。

けっして戦いや征服だけで世界が拡大したのではない。


 

人類は法の制定を、初期には部族から都市、次いで各都市間、やがて国家間で結ぶようになった。
この間、約4千年かかり、やっと1世紀ほど前から地球上の大半の国が一つの法を制定するようになった。

確かに戦争は繰り返されているが、徐々に人類は新たなステージに進んでいるのです。


次回につづく




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