20260925

短縮版 迫る多難な危機  第三章 3-3,3-4

 



「一時の自己満足の為に人類を破滅させては、神も悲しむだろう」

 

この短縮版は、既に投稿済みの「迫る多難な危機」を、少し内容を割愛、分割して連載します。

 

まえがき

 現在、深刻な危機が同時多発的に地球と人類に迫っています。特に、この20年あまり、一部の大国が身勝手に振舞って来たことでより加速しています。今、私達が立ち上がらないと、子孫に顔向け出来なくなる。家族と世界を再び幸福にしましょう。Make the world and people happy again!

 

 

--- 目次  ---

第3章 我々が直面している危機

 3-3 現在の経済格差、最悪になった米国と大幅に改善された世界

 米国を見ます            

 それでは世界全体はどうなったのか? 

  まとめ

 3-4 これから起きる金融危機に備えて

 金融危機のからくり

 

   


第3章 我々が直面している危機

 

 我々に幾多の大きな危機が迫りつつある。それらには歴史上繰り返され来た危機や、まったく未知の恐ろしさ秘める危機もある。これらの危機を見極め対処しなければ、一国の疲弊や破綻に留まらず、遂には人類と地球に大きな損害を与えることになるだろう。数多くの危機の中から、最重要なものを選んだ。

 

3-3 現在の経済格差、最悪になった米国と大幅に改善された世界

 

米国を見ます

 米国は先進国中、経済格差最悪を更新中です。これは米国が新自由主義を最も信奉し牽引して来たからで、今後も止むことは無いでしょう。米国は、産業・経済・軍事・外交で世界を牽引しているが、政治と社会の内実は悲惨です。

 

経済格差: 最低所得から人口80%の年収層は50年近くで1.6~1.8倍に伸びた、しかし上位5%の高年収層はさらに2倍伸びた。その結果、上位5%の所得は下位20%の約10倍になった。上位1%の資産保有者による国内総資産の保有割合は、1989年の22.8%から2025年の31%に上昇。これに比べて、下位50%の保有割合は、1989年の3.5%から2024年には2.8%にまで減少した。

 

 

貧困: 上図の棒グラフが貧困人口を示す。レーガン政権の前後で、貧困人口は凡そ2500万人から3500万人に急上昇し、その後、定着している。

 

世界幸福度ランキング: 2013年、米国の幸福度は17位でしたが、2025年には過去最低の24位に落ち、先進国中でも低い方に定着しつつある。政府の信頼性も米国はOECDの平均よりも低く、30位前後に低迷している。

 

自殺率: 2000年の年齢調整済み自殺率は人口10万人あたり10.4人でしたが、2018年には14.2人まで上昇した(35.2%増)。特に高齢男性や若年層での増加が顕著で、富裕国の中でも高い。ちなみに自殺率が高い日本は、2024年で16.3人でした。

 

米国の状況はかなり悪くなってしまった。だからポピュリズムが沸き立つようになった。

 

 

 

それでは世界全体はどうなっているのか? 

 

 国際分業による生産性向上・価格低下が起こった。これは新興国(中国・ASEAN等)の急速な輸出産業の拡大と工業化を生み、その結果、世界全体の貧困人口が大幅に減少した。例えば、世界の極度の貧困率(1日2.15ドル未満で生活者/全人口の割合)は1970年の約60% から2020年代には約9%へと大幅に低下した。これは世界の貿易額/GDP比率が1970年の27%から2008年の61%への急上昇に現れている。これに伴って技術・資本・知識・人材の国境移動が加速した。この10年間で世界の最下層は70%も所得を増やし、富裕国では40~15%の増加に留まった。重要な事は、グローバリズムは発展途上国などの経済力を高め、国民所得を急速に上昇させたが、一方で、先進国の中間層以下の所得の伸びを低下させたことです。新興・途上国の経済シェアが20から40%へと拡大している。経済背長は先進国よりも新興・途上国の遥かに高いのです。世界全体で経済格差縮小と豊かさが訪れた原因のすべてが、グローバリズムのお陰とは言えないが、欠かせないものだった。世界GDPに占める世界貿易シェアが約25%から60%へと拡大し、グローバリズムの影響の大きさが伺える。米国では資産が30~60兆円の超富者が生まれた反面、多くの人は30年ほど所得は横這いに近かった。

 

まとめ

 二つのことが明確になった。一つは先進国(特に新自由主義を1980年代から積極的に取り入れた国々で、代表は日英米)で格差が急拡大した。一方、世界全体は豊かになった。ここで注意が必要なのは、米国などの国内の経済格差を起こしている真の原因は何かと言う事と、米国民はそれを誤解せずに知っているかと言う事です。

 結論から言うと、真の原因は、新自由主義政策で、レーガンとサッチャー政権以降に、米英の格差が拡大傾向になっていることから明らかです。

 

幾つかの悪化の原因について要約:米国を念頭に

 

A 国内の産業空洞化; 大戦後、多くの製造業が海外に移転するようになりました。しかし、世界の経済発展は国内にあらたな産業を生み出し、米国も含めて総就業人口は増え続け、失業率も長期的に低下傾向にある。

 

B IT革命; 1990年代中頃から始まったこの影響で、事務職等で失業が発生したが、これまた新しい職業が増え、全体として、総就業人口の低下はなかった。しかしグローバル化とIT革命の相互作用により、賃金は二極化し、賃金格差は広がった。

 

C 自由化と規制撤廃; 80年以降の金融市場拡大と多くの規制撤廃は、一人勝ちを生み出し、富が富を生むようになった。この現象は複雑だが、例えば80年代の全企業の利益に占める金融セクターの利益は10~15%でしたが、2000年代半ばにはこれが40%に達し、現在は20~25%で推移している。金融セクターのGDPに占めるシェアは7%前後に過ぎないのだが。金融資産残高で見ると、80年代はGDPの4.5倍だったが、現在はGDPの10倍に迫る。つまり金融資産で投資を繰り返すことが出来る人は幾何級数的に富を増やせる。所詮、金融資産は国がいくらでも発行出来る貨幣(価値)に過ぎないが、これに便乗できる者は濡れ手に泡である。

 

 

 

 

D 福祉と労働政策の後退; 80年代以降に国民を苦しめる施策が始まった。累進課税の縮小、企業や富裕層への優遇措置、タックスヘイブンへの資金や税金の海外逃避がより富裕者を富ませ、税収が大幅に減少し福祉予算に廻せる余裕は無くなった。また労働組合の弱体化は賃金上昇を阻んだ。失業と転職対策の不備は、グローバル化とIT革命に対応できない労働者を苦境に追い込んだ。また福祉政策の交代は、差別されている人々や失業した家庭が再起する機会を奪った。これらは低所得者に厳しい施策です。現実にアメリカンドリームが廃れていっているのが確認されている。

 

E 移民労働者; 移民労働者が80年代から2020年半ばまでに5000万人が米国に流入し、総人口比は14.5%になり、増加傾向にある。これが経済に与える影響は概ねプラスです。労働力と消費、さらに納税が増え、経済は上昇し、財政赤字が減る。また高齢化を是正する事にもなる。しかし不安材料もある。一部の低技能作業で仕事の奪い合いになり賃金低下が起こり、また地方自治体の公共サービスや行政費が上がる可能性があるが短期的な影響に留まるとされている(移民の子供が税を負担する)。

 

 これら5つの要因が、米国の格差拡大を生み出している。一言でいうと、金持ちはより金持ちになり、弱者と貧しい者は取り残される社会を政治が作り出したといえる。一番分かり易いのは、産業構造が変化するのなら失業者は当然生まれる、そこで転職と教育で労働者を援助すれば、これほど大きな問題にはならなかった。北欧はこの問題を解決してきたからこそ、幸福度と一人当たりGDPを共に勝ち得ているのです。少なくともグローバル化だけが悪いのでは無い。移民問題も同様に、経済や格差に大きな影響を与えていない。問題の本質は、多くの米国民が真実から眼を逸らされていることにある。

 

 

 

3-4 これから起きる金融危機に備えて

 

 米国の株価は絶好調です。もし、あなたが1993年にS&P500を買っていれば2026現在の評価額は18倍になっている。配当金を含めると32倍で、年利11%にもなる。これでは投資しない方が愚かに思える。ところが富裕層以外にとっては困難な問題が付き纏う。

 

 

 普通、年金や保険の資金の何割かは株式で運用される。しかし株は乱高下し、世界大恐慌で89%、ITバブルで83%、リーマンショックで57%下落した。つまり、高値で買うと1/10~1/2に資産を減らす。何時が買い時なのか? このグラフを見ると、うかつに手を出すのが怖くなる。基本は余裕資金での長期運用です。

 しかし金融危機の怖さは、株による損だけでは無い、中間層以下が長期にわたり困窮する羽目になることです。リーマンショック時、米国で起きたこと。8兆ドルの家計資産が消滅、600万件の住宅が差し押さえられ、800万人の失業(失業率は10%)、数百万人が医療保険を失い、自殺者は5千人増えた。米国で無保険は病院に行けず、場合によっては死の宣告に等しい。

 


 ところが、富裕層にとってはバブル崩壊後の景色は異なるのです。左のグラフは米国の所得階層毎の所得の推移を示しています。2000年のITバブル後に注目します。上位トップ1%は飛び切り増やし、上位10~20%も増やしています。下位80%では所得が戻るか、低い層ほどさらに減り、30年ほどで、ダラダラ下がり続けている。

 

 政府は金融産業の規制を避け、投機が旺盛になり、バブル崩壊が続く為に、格差が拡大している一面もあるのです。バブル崩壊時に、富裕層が素早く所得を挽回出来る大きな理由は、政府が大企業を潰さないために、リーマンショックでは救済金100兆円程をつぎ込み、景気回復に巨額資金を金融企業等に重点的に注入するためです。



 こうして米国は群を抜いて、経済格差が大きいのです。つまり、格差は人為的なものです。同じ資本主義ながら、経済システムを適正に行えている北欧で格差が少ないのは当然なのです。如何に金融危機が恐ろしいかが分かっていただけたでしょうか。

 

 

 

 

---全体の目次---

第一章、世界に迫っている危機の要約。

第二章、人類はこれまでに危機に対してどう対処して来たか。 

第三章、我々が直面している重大危機。

第四章、米国の衰退と世界の危機回避能力喪失は一体。

第五章、如何にあるべきか。

第六章、成功している北欧は資本主義のもう一つ道。

 

20260924

Summary: An Imminent and Severe Crisis

 


“If some people have been to bring about the destruction of humanity just for a moment's self-satisfaction, God would be saddened.”

 

Foreword

  We are currently facing a serious crisis. Furthermore, the arrogance of major powers has become increasingly intolerable, making the situation even more dangerous. If we and the American people do not take action now, it will be too late for the world.

“Make the world and people happy again!”

 

 

 

The World is in Crisis   Summary of Chapter 1

 


  We are facing more than 10 global crises. These include an increase in wars and conflicts, the rise of authoritarian states, widening economic inequality, the recurrence of massive financial crises, the covert activities of speculative capital, the growing severity of global warming, the threat of the AI revolution following the IT revolution, intensifying domestic divisions (right-wing populism), and the fragmentation of the global cooperative framework.

 

However, the most pressing issue is the rise of authoritarianism in the United States; if this process is allowed to run its course, it will lead to the ruin not only of the United States but of the entire world.

 

 

 

Humanity Has Overcome Crises in the Past    Summary of Chapter 2

 

 Looking at the United States today, it may seem as if there is no hope, but humanity has overcome various crises time and time again. Countless nations that have signed peace treaties to end wars; people who have nonviolently won their independence from dictators and the aggression of major powers; reformers who have sought to bridge the widening gap between rich and poor; painful responses to recurring financial crises; multilateral cooperation to address pollution and environmental destruction; workers who overcame conflicts during the Industrial Revolution to continue building democratic societies; outstanding leaders who prevented social division before it arose; and the establishment of international organizations that continue to contribute to world peace and happiness—these are all examples.

 

 For thousands of years, we, as humanity, have overcome crises, hardships, and conflicts between societies and nations to achieve greater peace and happiness. If we act with wisdom, a path will surely open up.

 

 

 

The Crisis We Face   Summary of Chapter 3

 

However, since the beginning of the 21st century, the world has been rapidly deteriorating.

 


  Let’s address the most pressing issues. First is Putin and the invasion of Ukraine. This is typical of dictators, and if left unchecked, it will lead to a repeat of the world war caused by Hitler. What we must be wary of is the high likelihood that Trump has ties to Putin (this becomes clear when the facts are pieced together).

 

In many countries, the rampant excesses of speculative capital and tax evasion—which are gaining momentum—are fueling growing inequality and inflation, while cuts to social welfare programs are compounding the hardship faced by citizens.

 

Global warming is already on the verge of reaching a point of no return. Although this will be a long-term battle, we must make up for lost time in implementing preventive measures starting now.

 

The AI revolution that has just begun will likely make a significant contribution to humanity if it is properly controlled. However, AI that surpasses human understanding is highly likely to become humanity’s greatest threat, and this fear has already begun to materialize. If left unchecked, it will become unmanageable.

 

 To make matters worse, as the American Dream crumbled in the United States—the nation the world relied on most—and poverty and deaths from despair increased, a storm of division raged, ultimately leading to the emergence of Trump’s dictatorship. The root cause of this American tragedy is deeply entrenched in the economies of many developed nations; right-wing populism is sweeping through these countries, and the world is becoming increasingly divided.

 

 

 

Crises That Require Immediate Action   Summary of Chapter 4

 


 By unraveling the mystery of “Why have Americans continued down such a tragic path?” we can see a way out from it.

 

There are three key points.

 

 The reason the vast majority of the public lost hope and found life increasingly difficult stems from neoliberalism, which began in the 1980s (initiated by Republican President Reagan). Over many years, an unregulated free market—which abandons workers (including through cuts to welfare policies), the abolition of progressive taxation, and a focus on the financial sector—has allowed the wealthy and large corporations to prosper and grow out of proportion. This fueled inflation, led to policies being controlled by the wealthy and large corporations, and ultimately resulted in wages for the majority of the population failing to rise. This problem is common to developed nations such as Japan and Europe, and will eventually become a major issue.

 

Although globalization and the IT revolution have also played a role, the number of employed people continued to grow steadily even during this period. The problem was that workers were unable to successfully transition to higher-paying jobs. The Nordic countries have handled this situation effectively. The U.S. Republican Party took no action whatsoever. The Democratic Party promoted higher education as a response to the knowledge-based society, but the results were limited. While immigration has led to somewhat lower wages in low-skilled jobs, it has undoubtedly contributed to the U.S. economy and addressed the challenges of an aging population. The deterioration of public safety in some areas is more attributable to the failure to address economic disparities caused by discrimination.

 

Unchecked freedom led to corruption and monopolies, resulting in an irreparable tragedy for the people.

 

 

 The second reason is that various smokescreens have been used to conceal these facts. There has been a flood of “alternative facts” that the Republican Party and big corporations (including FOX) have been spreading for years, and Trump brought it to its culmination. The establishment (laughter) concocted a simplistic conspiracy theory—the “Deep State”—to brainwash the public, but society had become so deeply divided that people actually believed it, allowing right-wing populism to gain a foothold.The Trump phenomenon was an inevitable outcome. This history of “alternative facts” began with efforts to discredit the New Deal, and is symbolized by claims that Freon gas and tobacco are harmless, as well as persistent denials that climate change is occurring. Furthermore, since the 21st century, with the advent of the internet and social media, people have become more susceptible to being incited by fake news and anger, leading to the manipulation of elections.

 In addition, with the Supreme Court dominated by conservatives, money-driven elections have become the norm, further it has become increasingly favorable to the vested interest groups.

 

In this way, the American people lost sight of the truth and became manipulated.

 

 The third is Christian fundamentalism (restorationism and nostalgia), which is unique to the United States. While Christianity in Europe has become increasingly secularized, this denomination in the U.S.—a remnant of the Western frontier era—places great emphasis on conversion (a passion so intense it overwhelms reason), and has repeatedly shaken American society, spurred by fervor. This was fueled by a sense of crisis stemming from the massive influx of non-white immigrants and the liberal human rights movement—as symbolized by the post-war Red Scare (Communism). Their extreme fear and hostility have fueled many overseas invasions. Furthermore, given the large number of wealthy Jews in the United States, the belief in Armageddon—which leads to support for Israel—has likely gained momentum as well.

 

 By co-opting this sect into the electoral process, the Republican Party expanded its influence and gained greater freedom, as its policies no longer had to be based on scientific or logical conclusions. In fact, this tactic is employed in many beleaguered nations, where vested interests seeking to regain power have succeeded by co-opting fundamentalist religious sects. Islamic fundamentalism in Saudi Arabia, Putin’s Russian Orthodox Church, and similar movements in Israel, Iran and India are all examples of this. While this alliance offers many benefits to those in power and to religious sects, it will undoubtedly be a tragedy for the people. This religious issue is likely to continue causing serious problems in the future.

 

Religion brings peace to communities and people, but it often blinds them.

 

 

 

If Left Unchecked, It Will Become the Greatest Crisis: How Should We Confront It? 

Summary of Chapter 4 and 5

 

 If the American people fail to restore political normalcy in these midterm elections, they will likely never be able to recover through nonviolent means again.I sincerely hope that the United States will demonstrate its conscience to the world. If it fails to do so, the possibility that Putin, Trump, Israel, China, and North Korea will plunge the world into a cauldron of war will become a very real threat. Furthermore, it will become impossible to prevent numerous other major crises.

 

I implore all sensible Americans to respect science and the truth, to reject this utterly immoral individual, and to restore the free and democratic society that once held so much hope and success. Young people in the United States are currently facing ongoing hardships, and while securing their daily bread may take priority over saving the world or preventing dictatorship, Trump will only make things worse. The reason is clear. Whether it’s his grandstanding and lies, his unscientific and illogical views, his lack of understanding of policy, or his egotism and self-righteousness—no matter which aspect you consider, it’s obvious that he is unfit to lead in the difficult times ahead.

 

Hitler captivated the nation with his speeches, but he was, after all, just an art student and a private soldier—a complete amateur when it came to policy. In the early days, In the early days, there were talented individuals around him, and they were able to implement policies effectively, but later they were purged by Hitler. Trump’s business career has been marked by a string of bankruptcies and the frequent use of SLAPP lawsuits, and he has managed to get by in part because of that. You should avoid people who are not trustworthy.

 

 

 

In Conclusion

  It will not be easy for the United States to recover, but looking at the world and at history, it is by no means impossible. Unfortunately, the bureaucrats at the heart of Japan’s government are inward-looking, so they are of no help in the face of a crisis like this. I apologize for that. However, there is hope, as the social systems of the Nordic welfare states serve as a useful model.

 

Thank you for reading my work for so long.

 

 

20260923

 


「一時の自己満足の為に人類を破滅させては、神も悲しむだろう」

 

この短縮版は、既に投稿済みの「迫る多難な危機」を、少し内容を割愛、分割して連載します。

 

まえがき

 現在、深刻な危機が同時多発的に地球と人類に迫っています。特に、この20年あまり、一部の大国が身勝手に振舞って来たことでより加速しています。今、私達が立ち上がらないと、子孫に顔向け出来なくなる。家族と世界を再び幸福にしましょう。Make the world and people happy again!

 

 

--- 目次  ---

 

第3章 我々が直面している危機

 3-1 進む独裁  

    最恐の独裁者プーチン

      悪運の強いプーチン

    まとめ

 3-2 ウクライナ戦争     

     まとめ

 

 

第3章 我々が直面している危機

 

 我々に幾多の大きな危機が迫りつつある。それらには歴史上繰り返され来た危機や、まったく未知の恐ろしさ秘める危機もある。これらの危機を見極め対処しなければ、一国の疲弊や破綻に留まらず、遂には人類と地球に大きな損害を与えることになるだろう。数多くの危機の中から、最重要なものを選んだ。

 

3-1 進む独裁 

 

 最恐の独裁者プーチン




 現在、私が最も恐れる一つは世界大戦の勃発で、この鍵を握っているのはプーチンであり、独裁傾向が強まるトランプです。プーチンが恐ろしいのは、狂暴で冷酷な独裁者であり、最大の核兵器・軍事力・経済力をも併せ持つからです。注目すべき点は、彼が暴力と戦争によって彼の権力基盤を強固にして来た事実です。ヒトラーが、初期の領土拡大で絶大な人気を博したように。

 

 プーチンが大統領になった経緯から彼の恐ろしさが見える。プーチンは、91~96年、サンクトペテルブルクの副市長になり外国企業誘致を牽引した。彼と仲間のKGBは外国企業誘致の必要性を誰よりも感じていた。この事が、後のソ連国内の国有企業(地下資源や銀行)などのオリガルヒ独占を生むことになった。彼らはロシアを守る為に、彼らKGBの息のかかった者で買い占る事だった。このロシア第二都市であり最大級の港湾都市はKGBと地元マフィアに牛耳られていた。彼は、マフィアと折り合いを付け、秘密警察・税務所を操り官僚や民間等の権力者の悪事を掴んで脅迫して、従わせる常套手段を完璧に身に着けることになった。サンクトペテルブルクは彼に牛耳られるようになり、彼は影の実力者と見做されるまでになった。プーチンの汚れ仕事の引受人プリゴジンとの付き合いはこの時代に始まった。

 


 96年、プーチンはロシア大統領府内に抜擢され、98年大統領府第一副長官とロシア連邦保安庁(FSB)の長官に就任したが、これ以降、彼はこのFSBの力を遺憾なく発揮し、頂点に登ることになる。エリツィン大統領は、人気に陰りが見えて来ていたが、その裏で家族も含め賄賂で肥え太っていた。これを検事総長が暴こうとしたが、逆にプーチンは、検事総長のセックススキャンダルをTVに公開し、彼の追い落としに成功した。この功績によりプーチンはエリツィンの信頼を得るようになり、エリツィンによって首相に任命された。彼はこれまで二人のトップの側近として暗躍し、選挙を経ずに頂点の手前迄上り詰めた。しかし、彼は、暗い性格もあり、国民からの人気は今一つだった。ところがこの年、彼が一躍脚光を浴びる大事件が起きた。それは300名の死者を出したロシア高層アパート連続爆破事件でした。プーチンは記者会見において、「テロリストはどこまでも追跡する。たとえ便所に隠れていてもやつらをぶち殺す」と言い放った。彼は、爆破のテロ犯をチェチェン独立派とみなし、即刻、チェチェンを爆撃・侵攻し、民間人への残虐行為で国際社会から批判された。プーチンはチェチェン独立派を瓦解させ、親露派の大統領を誕生させた。ロシア国民は、異教徒であるチェチェンには悪感情を抱いていたので、これでプーチンは一気に人気を高めた。そしてプーチンは、引退を宣言したエリツィンによって大統領代行に指名された。プーチンが最初に行ったのは、エリツィンとその一族のその後の生活を保障するという大統領令に署名することだった。この手打ちは独裁がスムーズに移行するには欠かせない。2002年、イギリスに亡命していた元FSBのリトビネンコは、自著のなかで、「この事件はチェチェン侵攻の口実を得ようとしていたプーチンを権力の座に押し上げるため、FSBが仕組んだ偽装テロだった」と証言している。この後、リトビネンコは何者かに放射性物質を盛られて暗殺された。英国は、放射性毒物が特殊でロシアのみが使う事などから、この暗殺はおそらくプーチンの承認によるとした。


 

 この数年の政治の流れは、ヒトラーが首相そして総統になる流れと酷似している。高齢のヒンデンブルグ大統領と弱り目のパーペン首相を操りながら、国会議事堂炎上事件を利用して、伸し上がって行く陰謀の政治ドラマを見るようです。

 

 プーチンの軍事侵攻とテロ対策の歴史は、彼を「剛腕なリーダー」として人気を不動のものにしていくことになる。1999年~、第二次チェチェン紛争。2008年、ジョージア(グルジア)紛争。2014年、クリミア併合とウクライナ東部紛争。2015年、シリア内戦への軍事介入。2022年、ウクライナ侵攻は現在、進行中。

 

 プーチンの警察・軍部の暴力に頼る経歴を見ていると、軍事侵攻は独裁の為の手段にしか見えない。サンクトペテルブルクから現在に至る、様々な暗殺や裏での陰謀は底知れない恐ろしさがある。2022年以降、ロシアの政治家、軍高官、新興財閥(オリガルヒ)など75名以上の著名人が不審な死を遂げている。プーチンの資産は20兆円に達するとされている。これだから独裁者は辞められない。この収入は、忠実なオルガルヒや様々な企業の上納金による。ロシアの腐敗は酷く、企業等の許認可や運営には、裏金の提供無くして出来ない。逆らえば、潰されるか、殺される。選挙はかなりインチキで、総ての報道機関はプーチンに牛耳られ、プーチン賛美のニュースばかり、治安警察や諜報部門は手ぐすね引いて、反抗する者を捉え、始末する。

 

 

悪運の強いプーチン

 プーチン大統領就任以降、ロシアのGDPが急激に上昇し4~8倍になっているが、これは原油価格が4~8倍のなっていることに呼応していたからです。ロシアの連邦予算の歳入の約半分は、原油、石油製品、天然ガスの輸出によるもので、彼の経済政策とは無縁でした。強いて言えば、オルガルヒから実権を奪ったのが幸いしている。

 またプーチンは、国内の最右翼の歴史観を取り入れ、暴発を抑える一方、共産主義時代には不遇だったロシア正教を、国民統合の支柱とみなし支援した。その返礼に、ロシア正教の総主教はウクライナ侵攻を「聖戦」と位置づけ、プーチン大統領の統治が神の意志によるものだと讃えた。さらに敵対するはずの民主大国の交渉相手は扱いやすいトランプなので、プーチンの天国はまだ続くことになる。

 

まとめ

 世界が、ウクライナ側に立ち、ロシアをさらに牽制し、経済封鎖等の一層の強化で、ロシア経済を追い込むことは重要だと思う。軍事支援も行うべきです。

 ロシアが難なくウクライナを手に入れると、プーチンは次の侵略を行う可能性もあり、さらには北朝鮮、中国、イスラエル等も、力で国境を変更しようとするでしょう。これはヒトラーの領土拡大時の欧米の初期対応の間違いを思い出せば、予想できるでしょう。19世紀半ば、西欧各国が競争するように帝国主義に没入し、遂には第一次世界大戦に繋がった事も、領土の奪い合いを放置する危険性を教えてくれる。米国は、トランプがいる限り、信頼できないので、米国頼りから脱する事も不可欠です。

 

 私は、日本が戦争を抑止する為の選択肢は、プーチンのロシアではなく習近平の中国にあると考える。ロシアと中国は共に独裁国で、従来の共産主義からは異なる体制です。しかしプーチンと習近平がトップに躍り出る経緯には大きな違いがありました。既に見たようにプーチンは、長期の腐敗・混乱・疲弊した社会から、秘密警察KGBとマフィアの力でのし上がった。一方、習近平は成長と自由化が進みつつある社会から、権威の後裔と政治手腕によって成りあがった。また両国を比べると、明らかに経済の基礎力が違う、天然ガス・石油産業の独占か自由市場と開発独占(AI・IT)か。両国が独裁国家である事には変わりはないが、ユーラシア大陸の東端で孤立状態にある日本にとって、複数の軍事大国を相手にするよりも、ロシアと中国の分断を図り、中国とは戦わない戦略を取るべきです。

 

 

 

3-2 ウクライナ戦争


 ロシアは、ウクライナ侵攻の理由として、NATO拡大による安全保障上の脅威、ロシア語話者の保護、「非ナチ化」をあげているが、私は、プーチンの行動パータンから、この戦争はプーチンの野望を果たす一環だと考える。これまでの欧米とロシアのやり取りからも、ウクライナやNATOに非があるようには思えない。

 

元ウクライナ特命全権大使の角茂樹氏の2025年朝日講座での意見の一部を紹介します。

 『ウクライナは欧州最大級の国土を持ち、人口は4千万人。肥沃な穀倉地帯と工業地帯を抱え、首都キーウは千年の歴史を持つ古都です。ロシアの影響を受けたのは近世以降で、それ以前はむしろ西欧文化に近い歴史を歩んで来ました。言語もロシア語とは大きく異なり、ポーランド語に近いです。第一次世界大戦後に独立を宣言したものの、ソ連に組み込まれ、農産物の強制徴発と大飢饉を経験しました。1991年に独立を果しますが、プーチンはウクライナこそがソ連崩壊の引き金であると考えました。こうした状況にあってウクライナは、NATO志向を強め、国民的合意に近い形で西側との結びつきを選びました。これを阻止しようと始められたのが今回の侵略です。しかしプーチンの誤算は、ウクライナ国民の強い意志でした。「ロシアの支配には戻らない」という決意が、徹底抗戦へとつながりました。私自身4年半ウクライナに駐在しましたが、人々の誇りや自立心を肌で感じていました。緊張は高まっていましたが、まさかこれほどの暴挙に出るとは、多くの国と同じく私も予想していませんでした。戦争はしばしば非合理に始まり、リーダーの誤った期待が惨禍を招きます。その中でゼレンスキー大統領が首都に踏みとどまったことは国民に大いに勇気づけ、NATOやG7の支援を呼び込む結果になりました。』 

 この発言が最も真実に近いと思います。

 

 この戦争で注意すべき点がもう一つあり、トランプの存在です。トランプはプーチンと繋がっており、またウクライナを利用することしか眼中にない。著書「プーチン ロシアを乗っ取ったKGBたち 下」に、詳細が記されている。要点は、プーチンの方から、遥か昔よりトランプが有効な政治カードに使えると見て、資金援助と情報提供を行っており、大統領選ではSNSによる攪乱で応援していた。トランプはこれを知っており、弱みも握られていると見る。

 

まとめ

 ウクライナ戦争が危険なのは、ロシアの極右勢力の思想「大ロシア帝国の復活と、西欧リベラリズム(自由主義)への徹底的な宣戦布告」があって、プーチンはこれを取り入れることで権力基盤をより強固にしているからです。つまりプーチンは、少なくとも大ロシア帝国の復活までは戦線を拡大せざるを得ない。ところが戦争とは、途中で簡単に止めることが出来ず、往々にして戦域は類焼するように広がるものです。したがってウクライナには酷だが、類焼する前に、ロシアを休戦に追い込む必要があるのです。そのために、世界はウクライナを支援すべきです。これにより、北朝鮮や中国による他国への侵略を思いとどまらせることになる。ヨーロッパが日独伊の軍事独裁国の侵略を初期に傍観した代償は、あまりにも甚大でした。

 

 

----全体の目次-----

第一章、世界に迫っている危機の要約。

第二章、人類はこれまでに危機に対してどう対処して来たか。 

第三章、我々が直面している重大危機。

第四章、米国の衰退と世界の危機回避能力喪失は一体。

第五章、如何にあるべきか。

第六章、成功している北欧は資本主義のもう一つ道。