ラベル dictatorship の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル dictatorship の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

20261014

Series: The Responsibility of the People, Part 1: Who Is to Blame for the Deterioration?

 


 When a country goes to war, I’d like to consider the question, “Do the people bear any responsibility?” in the context of Japan and the United States.

What Is the Responsibility of the People?

Observing the current situation in the United States, I’ve come to keenly feel the weight of “the people’s responsibility.”

If Trump were to complete his rise to dictatorship and plunge not only the United States but the entire world into a dire situation, whose responsibility would that be?

Trump’s current path is still incomplete, but if left unchecked, he will undoubtedly become a dictator.

While it is certainly true that the responsibility lies with those who propelled him to power, I believe that “the people who elected him also bear some responsibility.”

 

Why is that?

If Trump’s war eventually escalates into a large-scale conflict, causing massive damage and casualties both at home and abroad, who will bear the responsibility?

The United States has waged numerous wars since World War II, and the likelihood of it launching an even larger and more reckless war increases with the rise of a dictator.

If we liken Trump to a demagogue or a con artist, one might think that the American people who were deceived are merely victims and bear no responsibility.

Even in this case, however, the American people would likely bear “responsibility for causing harm to others through negligence.”

While those who voted for Trump should bear the greater share of responsibility, those who allowed this to happen also bear some degree of responsibility.

 

A Delicate Issue

Were the German people, who brought the Nazis and Hitler to power, or the Japanese people, who started the Sino-Japanese War, to blame?

Germany at the time was a democratic nation, and although the Nazis were elected, the establishment of a dictatorship would have been impossible without Hitler’s conspiracy (the Reichstag fire and the exclusion of the Communist Party through the declaration of a state of emergency).

At the very least, it seems that the approximately 30 percent of the population who voted for the Nazis at the time were at fault.

 

At the time the Manchurian Incident began, Japan’s Diet was run by the two major political parties elected through the ballot box.

However, politics was dominated by the military, which sought war, and the will of the people was not reflected in the political process.

It was extremely difficult for the people to rein in the military’s reckless actions (Public Order Maintenance Act, National General Mobilization Act).

Given this, it may be unreasonable to hold the people of that time responsible for any negligence.

 

Nevertheless, subsequently, the people of both nations harbored expectations for and even became enthusiastic about foreign invasions.

 

What about the United States today?

As life has become increasingly difficult for Americans, they were told, “I’ll easily get rid of the people who are making things worse,” and entrusted the solution to that demagogue (Trump).

What made this possible was the long-standing concealment of the truth—including “post-truth” narratives and “alternative facts”—by the entrenched interests.

The true causes of this deterioration lie in half a century of political practices, as I explained in Chapter 4 of the series “An Imminent and Severe Crisis.”

Over the past decade or so, online incitement and fake news have entered the picture.

To make matters worse, religious beliefs have been exploited, leading about one-quarter of Americans to stubbornly believe the agitators.

Even so, nearly half of the population is aware of the agitators’ lies and the danger they pose.

 

Looking at this situation, it seems that about half of the public—including religious people—bears some responsibility for being deceived and incited, but questions remain.

 

Are people who were deceived, incited, and led to make the wrong choice really to blame?

Aren’t they in the same boat as those who were deceived by con artists?

If we’re going to say that, then the German people who were swayed by Hitler’s demagoguery and voted for the Nazis are no different from the Japanese people who, under censorship, were unable to resist military dictatorship.

 

So what about the responsibility of those who tolerate dictatorship in exchange for the realization of religious beliefs—such as “a ban on abortion, opposition to same-sex marriage, and attacks on Palestine linked to the resurrection of Jesus”?

These people praise the authoritarian methods that made such beliefs a reality, yet they do not understand the true horror of dictatorship.

Ahead of the Fuehrer election, Hitler also secured the support of the German Center Party (a Catholic-affiliated party) by promising to protect the Church in exchange for their votes.

Shouldn’t politicians who exploit religious organizations for political gain in this manner be the ones held accountable?

 

When a country heads in the wrong direction, its citizens—though their individual power may be limited—are constantly faced with important choices.

Let’s take a closer look at this issue.

 

 

---Table of Contents---

 

Part 1: Who Is to Blame for the Deterioration?       Japanese and English

Part 2: The Path Chosen by the Imperial Army           Japanese only

Part 3: People Fascinated by Dictatorship               Japanese only

Part 4: What Is the Military Spirit of the Imperial Army?   Japanese only

Part 5: Looking Back on Japan’s Wars                  Japanese only

Part 6: Military Build-up and the Enemy                Japanese only

Part 7: Confronting War                             Japanese only

Part 8: A Request to the American People           Japanese and English

 

 

To be continued in the next episode.

 

 

20261013

連載 国民の責任 8; 米国民へのお願い

   


国が戦争を始めた時、「国民に責任があるのか」、日本と米国について考えます。

 

今回は、米国について考えます。

 

既に連載「迫る多難な危機」の第4章で米国の混乱した状況を説明しました。

ここでは、米国民へのお願いと注意点を述べます。

 

米国民へのお願い

 

私が見る限り、世界は危機的な状況に突入している。

そして、これを止めるどころか増幅させているのがトランプ政権です。

ここ数年、プーチンのウクライナ戦争、AI革命、地球温暖化、米中対立等が加速している。

ここ1年半のトランプの采配で事態は悪化を深めているだけです。

トランプには、世界と米国を良い方向に導く意思と能力が無いのは明らかです。

一番の問題は、彼の独裁志向であり、虚言と悪事を厭わないことから見て、他国の独裁者と手を握る可能性が高い。

トランプ政権が倒れない限り、世界はより悪化する。

 

是非とも、良識ある米国民は、この中間選挙において圧倒的な勢いで民主党の議席を増やして欲しい。

これにより良識ある共和党穏健派の力を借りてトランプを弾劾して欲しい。

これが叶わなければ、トランプの独裁が完成し、世界から平和や民主主義は消えるだろう。

こうなれば米国は世界史に汚点を残すことになるかもしれない。

 

かつて米国は大戦への参戦以降、世界を救い、日本の再生にも尽力してくれた。

米国は素晴らしい発展を遂げ、アメリカンドリームは私たちの憧れの的でした。

しかし、今は変わってしまった。

 

 

注意していただきたいこと

 

米国の政治現状は、明らかに異常です。

これは半世紀の間、蝕まれて来たのを放置したからです。

この原因は複雑に絡まっているが、一言でいうと「驕りによる栄枯盛衰」でしょう。

米国社会の分断は致命的なまでに進んでいる。

これは放置された所得格差もあるが、差別と憎しみ合うように仕向けられた結果です。

ここ2年の間、私は米国の東西南北8州を1ヵ月以上かけて旅行して来ました。

町や人々は穏やかで、ホームレスにさえも親切な場面を幾度も見てきました。

私には、一部の米国民が煽られ、ヒステリックになり、政治利用されているように見えました。

 

そして、この分断は深刻なだけに、私は数か月前まで、米国が立ち直る事はないだろうと予測していた。

ちなみにエマニュエル・トッドは米国の再起は不可能と見ている。

しかし、9月中旬ぐらいから私の絶望は期待に変わり始めました。

だが今回、無党派層が反トランプに傾いても、共和党・トランプ支持層の支持率低下はあまり期待出来ないから、よくて上院下院の逆転止まりかもしれない。

 

そうなると中間選挙後に、次の苦難が待ち受けているように思う。

米国が再起するには、政治・社会・経済システムの一部改良ぐらいでは済まない。

根本的な改革―新自由主義からの脱却(金権政治・金融偏重・逆累進課税からの転換、労働権・福祉等公共の保護と規制の復活)が必要です。

これを実施するには、共和党との長く苦しい議会闘争が必要になり、目に見える成果の出現は10~20年後になるかもしれない。

経済格差が酷くなるのに、同じ年月を必要としたのですから、当然かもしれませんが。

米国民が、これを理解し耐えれるでしょうか?

なぜなら半世紀もの間、新自由主義が正しいと信じ込まされてきたのですから。

 

どうか、米国民に立ち直って欲しいと心から願います。

 


今一つ問題がある

 

それはMAGA派、福音派の問題です。

極論すれば、気の良い人々と信仰心の篤い人々が、半世紀をかけて大きなうねりを生んだ。

残念なことに、その方向は科学的な時代に逆行するものだった。

米国のクリスチャン白人層は、ヨーロッパと同じ出自であるにも関わらず、ヨーロッパに比べ世俗化が遅れている。

これは、彼らの想いと異なり、富裕層(既得権益層)とユダヤ人(イスラエル支援)に極上の恩恵をもたらした。

世俗化が遅れた経緯には、様々な理由があったでしょうが、結果だけを見れば、気の良い純粋な人々が煽られ利用されているとしか見えない。

 

これは非常に憂慮すべき状態であり、けして宗教だけの問題に済ませてはいけない。

中世ヨーロッパの魔女狩りと同様なことが大戦後に米国で起きました。

それは「赤狩り」の興奮が覚めても、その悪魔への敵意はベトナム戦争へに向かわせた。

かつて日本もドイツも、ファシズムの熱に浮かされ、すべての国民が飲み込まれ、破局まで突き進んだのですから。

 

私には、このMAGA派と福音派が持つ信念や熱量を、良い方向に向ける方法が思いつかない。

しかし、これらに対して危機意識を持つことは、社会をよくするために必要な事です。

 

米国民へ、厳しい事を書きましたが、かって日本も過ちを犯しました。

それへの反省の意味も込めて書きました。

どうか頑張ってください。

 

 

 

--目次---

 

1話;悪化の責任は誰に

2話;皇軍が選んだ道

3話;独裁に魅了された人々

4話;皇軍の軍人魂とは

5話;日本の戦争を振り返る

6話;軍備と敵について

7話;戦争に向き合う

8話;米国民へのお願い

 

 

これで、この連載を終えます。

お読み頂きありがとうございました。

 

 

20261012

連載 国民の責任 7; 戦争に向き合う

   


国が戦争を始めた時、「国民に責任があるのか」、日本と米国について考えます。

 

三つの隣り合う独裁国について

 

日本と戦争の可能性が最も高いロシア、北朝鮮、中国について考えます。

ロシアは最大の脅威です。

プーチンは狂気の独裁者で、隣国侵攻を繰り返している。

ウクライナ戦争の結果次第で、日本との戦争が起こるかもしれません。

ウクライナを支援し、ロシアへの用心を怠らないことです。

ロシアと中国がこれ以上他国へ侵攻しなければ、北朝鮮の危険性は低いでしょう。

日本にとって、一番重要なのは中国です。

私は、長年中国を旅行し見て来ましたが、ロシアに比べ暴発の可能性は低いと考えます。

国民は数十年にかけて非常に豊かになり、発展が全土に行きわたっています。

同じ独裁国家でも、ロシアに比べれば民度が向上し、それが経済や技術の発展に表れています。

 

つまり、日本は中国との外交交渉に力を入れるべきで、断絶は絶対に避けるべきです。

中国がロシアから離れ、欧米と敵対しないようになれば、安全保障上ベストでしょう。

ロシアも北朝鮮もさらなる暴挙に出にくくなる。

もしトランプと一緒になり、中国と対立を深めるなら、中国・ロシア・北朝鮮の同盟は強固になり、最悪となります。

米国は、共産主義を敵視し過ぎであり、特にトランプ政権下では身勝手で、独裁者に友好的なので注意が必要です。

トランプが大統領職を退けば、米国は良識を取り戻し、ウクライナと東アジアにとって良くなるはずです。

 

 

 

 

戦争を起こさない為に

 

最後に日本国民について考えます。

 

第5話で「戦争の再発防止策」を提示しました。

これらを達成するには、大きな障害を乗り越えなければなりません。

それは「タテ社会」「村意識」「高い帰属意識」「家父長制」で言い表される日本の基底文化と関りがあります。

これは日本の長所でもあり欠点でもあります。

 


 

 

第4話で「神風特別攻撃隊」について見たように、日本国民は周囲の状況に合わせ、自分を押し殺し、黙々と従う傾向が強い。

この傾向は、今も変わりません。

これは団結力を生むので長所となるのですが、組織全員がトップの方針に従い猪突猛進してしまうことになります。

天皇や社長の命令であれば、善悪は横に置いて、目標達成に一丸となって行動します。

この時、間違いを正すような行為は裏切りとみなされ、内部告発は粛清されます。

したがって他の組織とは、往々にして意見が合いません。

例えは陸軍と海軍、財務省と通産省、それぞれが自分の領分を守るだけで、全体を見ることが出来ない。

このような組織文化にあっては、組織に馴染む人間が、他から見て道を外した行為をしても、組織は彼らを守るようになります(ダブルスタンダード)。

軍の中堅が満州事変、五・一五事件、盧溝橋事件で無法な事をしても軽く済んだ理由が、これです。

 




 

 

当時も今も、日本では組織から国まで、間違ったまま突っ走り易い。

治安維持法や国家総動員令など、国民を統制する法律が安易に制定され、運用がどんどん厳しくなるのも、日本の精神文化のなせる業です。

日本には、民主主義が育ち難い土壌があるのです。

 

私達は、最低でも、この精神文化を理解し反省しながら、社会や国の運営に携わり、チェックする必要があるのです。

実は、この精神文化は、千年に及ぶ東アジアの農耕文化に起因しており、島国の日本が特に古い形で強く受け継がれて来たのです。

このことが、ロシアや中国が共産主義の独裁に、日本がファシズムに馴染んだ理由なのです。

 

 

 

 

 

天皇と日本の独裁

 


 

 

微妙な問題です。

卑近な例ですが、薬中の人が、禁断症状が出た時に、薬物に手を出すのと似ています。

平安末期から明治維新まで、天皇は政権交代時に、次の支配者に祀り上げられ、正当性表明に利用され続けた。

この手は海外でもよく使われるのですが、日本は海外(異民族)からの政府転覆が無かった為に、万世一系を唱え易く、非常に有効だったのです。

この事と、上述の日本の精神文化がうまく適合して、明治以降の政体が太平洋戦争まで続いたのです。

統帥権の問題は一例ですが、政府と軍は天皇を祀り上げ利用し、縋り続けた。

 

翻ってみると、日本の軍国主義には明確な独裁者はいなかった。

天皇から陸軍の東条まで、一人に権力が集中し権限を振るって戦争を始めたのではない。

どちらかと言うと、軍(歴代首脳と多数の中堅幹部)、内閣(歴代首相と多数の大臣)、そして数人の天皇が、逐次、戦争開始と継続に加担しており、一人の責任に特定できない。

逆に言えば、無責任体制こそが元凶と言える。

 

 

最後に

 

日本は素晴らしい国であり、自然や文化は誇れると私は思う。

しかし、国が大きく進むとか徐々に衰退する時、その方向づけや、コントールに国民も政治もうまく対応できない欠点を持っているように思う。

これらの欠点に気が付いて日本を良い方向に牽引してくれる指導者が出ることを心より願います。

 

--目次---

 

1話;悪化の責任は誰に

2話;皇軍が選んだ道

3話;独裁に魅了された人々

4話;皇軍の軍人魂とは

5話;日本の戦争を振り返る

6話;軍備と敵について

7話;戦争に向き合う

8話;米国民へのお願い

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20261011

連載 国民の責任 6; 軍備と敵について

   


国が戦争を始めた時、「国民に責任があるのか」、日本と米国について考えます。

 

今回は、軍備にまつわる話をします。

 

 

軍備は必要か

 

必要ですが、条件があります。

基本は、「隣国が侵攻されると疑心暗鬼にならない程度に自国の軍備を抑える」のが賢明です。

この為に、通常、地域全体で軍縮協定や軍事同盟(NATO等)を結び、軍拡競争に陥らないようにします。

しかし、安心は出来ません。

対立する軍事同盟が互いに牽制するようになるからです。

もう一つ日本には厳しい状況があります。

それは三つの独裁国家に囲まれていることです。

一方、米国などの軍事同盟があり、安心できる部分もあります。

 

 

考慮すべき問題とは何か?

 

仮想敵国の想定と抑止力です。

通常、自国の軍事力は、仮想敵国を設定し、相手の侵攻意欲を挫く程度まで上げることを目指します。

この軍事力に期待するものを抑止力と言います。

多くは自国より巨大な軍事力を持つ国を仮想敵国に選びますので、軍拡競争に突入しやすい。

 

話は単純そうですが非常に厄介で、この仮想敵国と抑止力の概念は、頻繁に間違いを生み、むしろ戦争を呼び込むことになった。

簡単に幾つかの事例を紹介します。

 

 

抑止力への過信と、過度な期待が戦争を煽った例

 

第一次世界大戦では、軍事同盟が引き金になりました。

当時のヨーロッパは、三国同盟(独・墺・伊)と三国協商(英・仏・露)という巨大な同盟網によって勢力均衡を保っていました。

「自国を攻撃すれば同盟国が参戦し、世界大戦になるぞ」という威嚇が、互いの戦争を抑止すると信じられていた。

しかし、2発の銃弾によるオーストリア皇太子夫妻の暗殺が、引き金になり、相次いで同盟国が戦端を開き、戦争はユーラシア大陸を巻き込んだ。

 

太平洋戦争(日米開戦)では、日米共に判断ミスをしていた。

既に説明しましたが、日本陸軍は日独伊三国同盟に「強大なドイツと結べば、アメリカは二正面作戦を恐れて妥協するだろう」という強力な外交的抑止力を期待した。

しかし米国は「世界支配を企む枢軸国側の包囲網」と捉え、日本への敵対心を激化させ、開戦に向かわせた。

また米国は、日本の中国・東南アジアへの拡張政策を抑止するために段階的な経済制裁を実施し、太平洋艦隊を真珠湾に配置した。

しかし日本は「国家の生存に対する決定的な脅威」であり、ジリ貧になる前に「予防的な先制攻撃」へと向かった。

 

 


 

 

米ソの核軍拡競争は、抑止力の概念を変えながら核戦争の防止を図った。

これは抑止力が如何にあやふやなものであり、難しいかを示している。

1940年代から1980年代までに、大きく3~4段階の変遷を経た。

大量報復戦略⇒相互確実破壊⇒軍備管理と相殺戦略へと、両国は交渉を経て兵器削減条約を結んできた。

互いに相手を核で完全に破壊する前提で始まったが、やがてピンポイント、核には核で、通常兵器には通常兵器でと、限定する方向へ進んだ。

 

 


 

 

仮想敵国を誤って開戦した例

 

ベトナム戦争が最も象徴的で悲惨な例と言えます。

1955~1975年、米国が南ベトナムを支援する為にベトナムに侵攻し、北ベトナムとベトナム解放戦線との間で行われた戦争です。

米国の5人の大統領が、共産主義の拡大を恐れ、南ベトナム支援を開始し、徐々に大規模派兵を行うようになり、遂には北ベトナムが勝利し、米国は撤退した。

総死者数は200~400万人、米国も6万人の死者を出したが、ほとんどはベトナム人でした。

 

当時の米国は、北ベトナムを「ソ連や中国が操る共産主義の手先」という巨大な妄想に憑りつかれていた。

しかし北ベトナムの動機は、「外国勢力に分断され、米国の傀儡政権となった南ベトナムからの民族独立と国家統一」でした。

この戦争を指揮した米国のマクナマラ元国防長官は敗戦の20年後、「一枚岩の共産主義の脅威」など存在せず、ベトナム人のナショナリズムの強さ、そしてベトナムは中国と対立さえしていた事を後になった知ったと回顧録で深く反省しています。

彼は間違ったが、己の重大ミスを正直に告白できた立派な人物でした。

日々、嘘を吐き続ける大統領と同じホワイトハウスにいたとは考えられない。

イラク戦争も、有りもしない敵(兵器)を求めた結果でした。

 

 

満州事変が太平洋戦争へと向かわせた。

 

これは少数グループによる仮想敵国の想定が、大きな災いを招いた日本らしい事例です。

満州事変の首謀者は関東軍参謀の石原でしたが、彼は「いずれ日本は米国と戦うことになる」、この理由は、日蓮の予言にある「世界最終戦論」に基づいていました。

馬鹿みたいと思われるかもしれませんが、世界中の多くの宗教に「最終戦」が盛り込まれており、新約聖書にハルマゲドン、ヒンドゥー教にも善と悪による最終決戦が示されています。

 

日本の仮想敵国は日清戦争辺りからロシア(ソ連)でしたが、後に、米国も仮想敵国に格上げされた。

こうして満州事変が起きたが、政府は拡大阻止の手を打ったなかったので、泥沼にはまる事になった。

後に大本営政府は国策決定で、ソ連侵攻に備えた「北進論」と米国決戦に備えた「南進論」で対立することになる。

結局は、明確な理由もなく南進論を採ることになった。

 

 

 

まとめ

 

最初、皆さんは抑止力と仮想敵国の想定は、簡単だと思われたでしょう。

しかし、実際には、非常に複雑であり、困難なのです。

単純に、同盟を組むとか、軍備増強で済む問題ではないのです。

だからこそ、長い戦争の経験から、中立を選んだ国もあるのです。

 

一番重要なのは、世界中の情報を広く集め、分析を積み重ねる事と、仮想敵国と言えども、多くの国と外交交渉を続ける事です。

 

 

--目次---

 

1話;悪化の責任は誰に

2話;皇軍が選んだ道

3話;独裁に魅了された人々

4話;皇軍の軍人魂とは

5話;日本の戦争を振り返る

6話;軍備と敵について

7話;戦争に向き合う

8話;米国民へのお願い

 

 

次回に続きます。