< 月明りもやがて雲に隠れるのか >
前回、官僚の腐敗が日本で特に蔓延る理由を、日本に特有の低能力の議員と特別会計、中央集権的な税制、長期政権と指摘しまた。
その絶望的な実態を見ます。
なぜ官僚は腐敗するのか?
当然、議員も摘発されないだけで口利きと賄賂汚職は日常茶飯事です。
そのボロが森友・加計問題で明るみに出た(握り潰されたが)。
議員は、主に選挙費用を得る為に業者に金銭を要求し、見返りとして業者に有利な口利きや規制を行います。
(与党議員は、官僚の法律案を自分の業界の為に修正する力だけは持っている。)
それでは官僚は何のために動くのでしょうか?
彼らは自分の省庁の権益拡大の為に動くのです。
露骨に言えば、権益拡大は天下り後の贅沢を約束し、この拡大に貢献した者が出世出来るからです。
財務省の「ノーパンしゃぶしゃぶ」接待などは日常茶飯事です。
例えば、銀行に研究所を造らせ、そこを通じて毎年、官僚の海外旅行費を出させています。
財務省は、天下り先の金融関連の予算拡大が絶対で、それ以外の支出は抑え、将来の予算減額に結び付く公共投資(財政赤字の原因)も反対するのです。
だから財務省は増税を奨励し、社会保険などの費用を減らすのに夢中なのです。
その為に財政赤字の危険性を、マスコミを通じて声高に言わせるのです。
当然、社会保険関連の天下り先は少ないし、調整し易いから狙われる。
それでは他の省庁は自らの天下り先をどう確保すれば良いのか?
財務省に首根っこを押さえられているのに。
それは特別会計と言う無尽蔵の金庫があるからです。
与党が今まで幾度も構造改革をやって来ましたが、特別会計の実額はまったく減っていません。
つまり、国民の目の届かない所で天下り先は確保されているのです。
与党議員にとって強大な天下りグループは得票に繋がるので、知らぬふりを決め込むのです。
逆に天下り先を温存しながら民営化したことにより、会計検査が出来ず、横行を許してもいるのです。
こうして、各省庁は権益拡大の為、官僚主導で関連業界の温存にありとあらゆる手立てを使って日夜励んでいるのです。
これが続く限り、本来の自由競争や新規産業の勃興は起こり得ないのです。
なにせ官僚が懐を肥やす為に扱う金額はGDPの60%を超えるのですから。
これが日本の長期衰退を招いた大きな理由の一つなのです。
次回に続きます。
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