20200103

人はなぜ愚行を繰り返すのか? 22: 誰がこんな日本にしたのか?




< 巣窟の誕生の裏に >

歌の文句じゃないが、愚痴りたくもなる。
衰退は当の昔に始まり、ほとんど手の付けられない状態になり、
加速すらしている。

絶望的な状況が生まれた背景を簡単に見ます。

現状の経済や社会政策の行き詰まりは、他国のせいではなく腐敗し硬直化した日本政府にある。

明確な事は与党が半世紀以上も政権を担っていることです。
これを日本風土に適した結果と見る人もいるが、世界史から見て長期政権の腐敗は必然です。

与党が政権を長期に担えた一番の理由は、戦後から米国が政権与党を徹底的に支援して来たからです(経済・軍事・資金・諜報)。
逆に野党は潰され飼いならされた。
米国支援の一番の理由は、共産圏への防波堤の役割を担わす為でした(元南ベトナム、韓国と同様)
しかし、いずれ国民は真相に気付いても良いはずだったが、妨げる要因があった。

日本には家族制度に由来する独裁を容認する風土があります。
また言語が世界で唯一であることが災いし井の中の蛙になり易い。
こうして先進国で普遍的な民主主義は定着せず、選挙と議員は汚職ばかりで、国民は政府に従うが期待もしない。

さらに米国の指導の下、共産化や民主主義の芽を摘む妨害策が徹底された。
これに呼応して政府は国民に政治意識を持たさない教育を行った。
極め付きは、2007年より米国のプログラムPRISMによって監視され、政治家らの反米行動は徹底して潰されて来た。
また米国に追従する大半のマスコミも政治を監視すべき立場を放棄した。

こうして日本国民は愚民化され、政府の腐敗に無関心になってしまった。

さらに災いの種がある。

島国のお陰で異民族の侵略を逃れた為に、隣国との対応で大きく振れ易い。
他国の文化受容に積極的であるかと思えば、非常に反発することも起きる。
これを利用して無思慮な指導者はナショナリズムを煽り、失策の隠れ蓑に使う。

こうして視野の狭さとお上への従順さが、日本の行く道を誤らせて来た。
これがここ1世紀の動きに反映されている。

参考に、米国は80年代からそれまでの発展途上国優先や支援から、日本を従属させ利用し富を掠めることに躊躇しなくなりました。
これも日本を貧しくしている要因です。

どうか皆さまご自愛のほどを・・


次回に続きます。


人はなぜ愚行を繰り返すのか? 21: 不甲斐ない野党





< 迎え撃つ強敵と遥かな頂き >

これは大問題です。
没落を早め、腐臭を放つ政権が去っても、
それに代わって担えるものが無ければ。

野党は政権運営の実績が少ない上に以下の問題が圧し掛かる。

A 官僚の特権と悪弊を除くべきだが、徹底したサボタージュに合う。
自立的な成長を奪っている元凶を無くすべきだが。

B 米国から経済的独立を図るべきだが、米国の経済・軍事圧力と諜報活動(CIA)、さらには国内の大勢を占める親米派の徹底的な潰しにあう。
このままだと米国よりも酷くなる。

C 国民目線の政策を採るべきだが、経済界や大半のマスコミはサボタージュと非難合戦を始める。
当然だが、これが出来ない。

D 数年以内にアベノミクスの後遺症で巨大な金融危機に見舞われるが、これに対処しなければならない。
ここ10年間の日欧米中国の超金融緩和による反動、バブル崩壊が起こり、リーマンショック以上の苦戦を強いられる。

E 与党が造った風土(誤魔化しの政権運営、活性化を潰す中央・官僚集権、汚職を生む選挙、国政から遠ざける教育)を変えなければならない。
しかし根が深く広範囲の抵抗に遭う。

F 新しい国造りのビジョンは必要だが、現時点で共有されているものは無い。
格差拡大と金融危機の巨大化を防ぐ為に、米国主導の自由放任主義と金融資本主義から離脱すべきだが、抵抗は想像を越えるだろう。
一方、国民が地球上最も豊かで幸福である北欧の福祉国家への道も遠い。
米国流は勝手に浸食してくるが、北欧流は国民の意識改革無しでは一歩たりとも進まないだろう。

これでは、ほとんど勝算がないように思える。

しかし逆に言えば、政権交代をしなければ、上記のすべてが悪化し取り返しのつかないことになる。

次回に続きます。

人はなぜ愚行を繰り返すのか? 20: 反日の意味




< ウヨの神様と仏様 >

「反日」には、ある可笑しさがある。
井戸に向かって「馬鹿野郎」と怒鳴ると、
より大きく響いて返って来るような。


ある人々は「反日」と相手を罵倒して論戦に終止符を打つ。
そして嫌なら出て行けと付け加える。

何が可笑しいのか、例え話で説明します。

山の麓の畑で野菜を作っている兄弟がいました。

兄が言いました。
「毎年、台風による被害が大きくなっており、土砂崩れで畑が埋まるかもしれない。擁壁や排水溝を整備する必要がある。」

弟は興奮気味に反論した。
「擁壁などを造れば、せっかくの美しい景観が台無しになる。俺は怖くない! 兄はこの畑が嫌なら出ていけ!」

こうも付け加えた。
「そんなことより、隣の住人は野菜を盗む目をしている。俺が見張りに立つ。」

兄は仕方なく別の畑に行きました。

やがて台風が来て、弟は畑を守ろうとして土砂崩れの犠牲になりました。

結末は、先を予測できるか、冷静に判断できるかで明暗が分かれた。
もっともこの例え話が理解出来るぐらいなら・・・。
これは自分の愚かさを疑わなくて猪突猛進する典型的な愚行の例です。


次回に続きます。



20200102

人はなぜ愚行を繰り返すのか? 19: 騙されないために 




< 素晴らしい強力な助っ人 >

騙されないためには、
騙しに加担しているものを見分けることが必要です。

* マスコミを識る

概ね新聞は与党寄りか野党寄りに分かれ、どちらも偏向が強い。
さらにテレビは既に一方に偏り、ネットはウヨが優勢になっている。

問題なのは政府が腐敗し過ちを犯している時です。

積極的に悪い事実をカモフラ―ジュし国民をミスリードするマスコミは多い(政府・与党の圧力もあり)。
しかし、単純に偏向を識別する方法があります。

例えば、読売、日経、産経での沖縄の辺野古基地反対や伊藤詩織事件の扱いに注視してください。
伝え方も違うが、ほとんどニュースにしないはずです。
これが繰り返されて国民の半分は問題に気付かない。
広く問題を知れば、数多くの事件が繋がり今の政府の惨状が浮かび上がって来るでしょう。


* 類は友を呼ぶ

安倍さんの周辺、または同調する人で、マスコミによく出る人物を観察してください。

多くは信頼できる人物でしょうか?

タカ派的な発言を繰り返す人は、差別や基本的な権利を否定する不用意な発言をすることが多いので分かり易いはずです。

もう一つは、知識人とか評論家と呼ばれる類です。

なぜか多くは「中国は即刻、破綻する」と言って、20年は経ったでしょうか。

もっとも未来予測は当たらないのが常ですが。
それにしても、繰り返す厚顔無恥さには呆れるばかりです。

彼らが劣等国と吹聴している間に、日本は様々な分野で中国に追い抜かれた(IT金融、画像・音声処理、自動運転、シェアビジネス、ほとんどの工業製品・・・)
もう取り返しがつかない所まで。

愚かにもほどがある。


次回で終わります。



人はなぜ愚行を繰り返すのか? 18: 愚行は一度失敗したぐらいでは




< 経済を操る策術 >

当時の英国と日本、そして今の日本の経済状況はそっくりです。
また同じ愚を犯している。

実は、19世紀の英国と20世紀の日本で同じことが起きていた。

かつて国内経済が低迷すると、両国の大量の資金は発展途上国の開発に向かいました。
(かつて英国の資金が米国の発展に貢献したように良い例もあるが、英国のエジプトや日本の朝鮮半島に向かった例は・・)
そして失敗すると資金回収(没収や課税)や安全確保の為に軍隊が出動した。
これが帝国主義の一面です(侵略が伴うのは民族差別と結びついた時)。

さすがに現在は無理なので、お上任せの日本では国民が企業の海外損失を被るようになっている(輸出の保証契約で)。

現在、日本の企業は莫大な余剰資金を蓄えているが、国内経済は低迷している。
これは消費増税分が企業減税、賃金低下分が企業の余剰資金に替わり、このせいで国民の消費が落ち込んで、長期の経済低迷に陥ったからです。
すると企業家は余剰資金があっても国内ではなく海外に投資する。
(つまり大嘘のトリクルダウンは起こるはずもない)

今回の財界の要望にはもう一つの魂胆があります。
実に情けないのですが、財界はシステムと謳うが、要は既存技術の応用で儲けたいのです。
つまりチャレンジ精神を失っている。
これも英国の企業家が産業革命後に保守的になって衰退を始めたのと酷似している。

ここまで読めば憤りと言うより、無知と絶望を感じるはずです。
こんな馬鹿げた事が、白昼堂々と行われようとしているのかと!
知らぬが仏!

次回に続きます。

人はなぜ愚行を繰り返すのか? 17: 嘘を見抜く 2



< 日本の表と裏 >

経済活性化策には落とし穴が隠されている。
政府は鉄道や原発のシステム輸出を狙っている。
これは日本にとって良策でしょうか?

多くの人は1件で1兆円近くの売り上げがあれば素晴らしいと思う。
一方で左翼は原発輸出反対と訴える。

少し中身を見てみましょう。

売上の多くは海外で生産されるので国内生産への寄与度は大きく無い。

一方で、輸出国に対して莫大な保証責任(事故・運営不備・予定経済効果未達の賠償)が生じ、加えてカントリーリスクもある。
(売るために過大な保証を付加している)
これら契約の隠された大問題は、最終の賠償責任は企業ではなく日本政府になっていることです。

原発輸出は既に二ヵ国で頓挫しているが、これは原発事故を受けて安全対策の費用が倍近くになったからです。
発展途上国での建設投資は内戦や暴動などで中止、資金回収不能が起こる可能性がある(かつてのイラン)。

それではなぜ首相は自ら頑張るのでしょうか?
この案件も財界(安倍トモ)の要望です。

財界の狙いは、ひとえに膨大な余剰資金を輸出国に融資し利息を得たいからです。
そして失敗したら国民が自腹を切って賠償する手筈なのです(税金など)。

もう一つ国民が見落としてはならないことがある。
それは現在のデフレ脱却には国内の設備投資増加が不可欠なのですが、首相が先陣を切って民間の国内投資を免除しているのです。

こんな馬鹿げた事は前代未聞と思うかもしれないが、歴史は繰り返しているのです。


次回に続きます。


20200101

人はなぜ愚行を繰り返すのか? 16: 嘘を見抜く 1




< 躍進を謳い、没落を覆い隠す・・ >

政府の嘘を見抜くのは難しいが不可能ではない。
幾つか簡単に見ます。


* 「一億総活躍社会」、「すべての女性が輝く社会づくり」

これが謳われれて5年が過ぎましたが、お陰でこの間、世界の男女平等ランキング(WEF)は101位から121位へとさらに低下しました。

アベ支援者は偶然だ、中傷だと怒る。

実際、女性閣僚は少ない(人材が無いのか、男性優先なのか)。
他国では女性議員、女性の首相は当たり前だが。

また与党議員の女性蔑視の発言を聞いていると頷ける。
官僚が準備した法案は全て彼らの部会を通過しなければ議会に提出出来ないのだから(利権や心情のふるいにかけられる)。

ここ30年ほど日本の社会・経済指標の世界ランキングはほとんどで順位を落としています。
特に安倍政権になってからは旧落下と言えます。

世界約300ヵ国中、ランキングが分かるのは約200ヵ国、先進国は約30ヵ国でしょう。
日本のランキングは、昔は10位前後から多くは10位台であったが、今は20位台から悪化するものは100位を越えるものが増えて来ました。

これらランキングを認めない人もいるが、国連やそれに準じる機関の信頼度を全否定することは無理です。
どちらにしても、一様にランキングが低下し続けているのですから。
(米国の一部機関で日本の評価を上げる所もあるが)

アベ支援者は他国が上昇しているだけ、我が国は株価が上昇しているじゃないかと言いそうだが。


次回に続きます。



20191230

人はなぜ愚行を繰り返すのか? 15: 規制緩和と言うけれど 2



< 優秀な官僚達の冬 >

規制緩和は素晴らしい!
本当にそうなのか?

確かに規制緩和が競争を促し、価格低下を促すことはある。
しかし競争の条件が整っていなければ逆もある。
(寡占で価格アップか、賃金低下でデフレを加速)

安倍政権が行った水道民営化や移民拡大などは将来に大きな禍根を残す。
なぜなら海外の多くで悲惨な結果が出ている。

その一方、でたらめに緩和はするが発展の癌は放置する。

ところで、なぜ中国でスマホを使ったインタネット金融がここ20年弱で世界のトップに躍り出たかわかりますか?

これは産業スパイとコピーのお陰だ!(右翼)
実は中国企業のIT関連特許出願件数は世界でトップです。

アリババなど2社の取扱い金額は既に中国の全銀行を凌駕した。
(大手銀行は中国の公営企業で、これを脅かしているから驚きです)
これは政府が産業育成の目標を持って改革開放を続けているからです。

一方、日本は「おサイフケータイ」を2004年に始めていたが、そこまでだった。
一つには官僚が、既存の銀行業を守るため当初制限を設けたからです。
日本では、日常的に官僚が煩瑣な規制(指導)を行っている。
銀行が後に彼らの天下り先になるのは偶然だろうか。

政府は改革・規制緩和と言いながら、相変わらず官僚を抱き込むため彼らを野放しにする。

かつて日本の太陽電池は世界を牽引したが、原発を優先する為に、これを切り捨てた(中曽根)。
口惜しい!
事務方の官僚や呪縛された政治家らに先の産業が読めるのか?


次回に続きます。


人はなぜ愚行を繰り返すのか? 14: 規制緩和と言うけれど 1




< 日本を導くもの >

様々な会合をリードしている安倍さんが頻繁にテレビに映る。
皆さんはかなり期待したはずだ。

例えば働き方改革はどうか?

政府はデーターを捏造してまで法案を通し、雇用の規制緩和に邁進した。

この間違いを経済的に説明することは可能だが、誰の為にやっているかが分かれば話は早い。

結論は米国と日経連(企業経営者)の為です。

米国は1996年「規制撤廃要望書」、2002年「日米投資イニシアティブ」で、労働者の流動性と派遣サービスの拡充を強く要求して来た。
これは米国企業が日本に参入するための地ならしでした。
(派遣サービスはかつて米国経済復活で持ち上げられたが、賃金格差の温床とも言える)

日経連は1995年「新時代の日本的経営」を上梓し、正社員を減らし、雇用保障も無くすべきだと訴えた。
(これは80年代、米国の要望に従って政府と日銀が無茶をやってバブルが弾けた為に、打開策として日経連が労働者に犠牲を求めたものです)

これを受けて小泉政権から安倍政権へと、規制緩和が大々的に進められ、なぜか国民も期待した。
(米国と日経連は大助かりで、与党と官僚に痛みが伴わず、大半の国民が喜んでくれるのですから万々歳)

その結果、非正規雇用が年々増加し、賃金は低下し、経済成長も零近辺に張り付くようになった。
これは米国流の当然の帰結だが、北欧などはむしろ賃金上昇を図り成長を手に入れている。

次回に続きます。

人はなぜ愚行を繰り返すのか? 13: パフォーマンスの実体は



< 事実は明々白々 >

首相の人気は役者張りのパフォーマンスにある。
実体は額面通りか、それとも真逆なのかをチェックしてみよう。

外交の安倍と讃えられている

なぜか絶えず海外に出て、ロシア行きは20回を越えた
彼は自らプーチン大統領と北方領土返還を交渉して来た。
これは快挙だと期待された。

結果はどうだろうか。
初め4島返還を大々的に訴え、いつの間にか2島返還にすり替え、今ではすべてを諦めざるをえないようだ。

しかし救いもある。
これで沖縄返還の核持ち込みのような密約が行われる可能性は消えた(与党の十八番)。

それにしても、従来は首相が大局を見て判断し、命じられた外交官が粘り強く交渉を重ね、最後に首相が調印の運びとなるのだが。
今回は、首相直々の面談がTVから頻繁に流れたが、その一方、北方領土返還の目を潰したと言える。

実は、北朝鮮の拉致家族帰還で人気を博した安倍さんだが、同行者は当時彼が反対したと告白している。

つまり外交はアピールが目的だと言えそうです。


次に続きます。