20181112

北欧3ヵ国を訪ねて 38: 列車でストックホルムを発つ





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今回は、ストックホルム中央駅で列車に乗るまでを紹介します。
ストックホルムと別れ、オスロに向かう途中、最後にもう一つ都市を訪れます。
列車チケットの手配の仕方も紹介します。

 
< 2.ストックホルム中央駅 >

上の写真: 構内にあった駅の見取り図。右がほぼ北。
緑の矢印がスウェーデン国鉄SJの1階にあるチケット取扱所で、下の写真がその入り口。
茶色の矢印が昼食のレストラン。
ピンクの矢印が2階にあるホームに降りるエレベーターの一つ。

 
< 3. チケット取扱所 >

上の写真: 受付カウンター。
最初に、写真左手前に見える番号発券機で順番の番号を入手し待つ。
受付カウンターの上部に表示される番号に従って行く。

下左の写真: 入った所にこの路線地図があり、ここに次の目的地カールスタッドとオスロの名があったので、ここでチケットの確認が出来ると安心した。
数日前に、中央駅のホームの車掌や地下1階のチケット取扱所で拒否されたのでほっとした。

下右の写真: はっきりは覚えていないのですが、上側の「Personlig service」を押して番号を得たと思います。

順番が来たので受付カウンターに行き、自宅で印刷したチケット(写真13)を見せて、「正規のチケットに交換したい」と言いました。
担当者は笑顔で「これでOK」と答え、拍子抜けしたが安堵もした。
事前の調べでは、正規チケット交換の必要ありと何処かに書かれていたように思ったので。

 
< 4.1階ホールの列車発着表示板 >

上の写真: 1階で、緑のチョッキを着た係員が気軽に相談に乗ってくれます。

下の写真: この表示板は1階ホール中央にあります。
左から発車時刻、行先、ホーム、列車番号、列車の種別が表示されている。


 
< 5. 1階ホール >

上の写真: 中央にある旅行案内所。
いつも人が並んでいる。

下の写真: ホールの北の端で、ここから長距離バス乗り場に行くことが出来る。
この写真の右手を少し戻った所に私が入った昼食のレストランがある。

 
< 6. 2階からの眺め >

上の写真: 眼下にホームを見る。
南側を見ており、リッダーホルメン島の教会が中央に見える。

1984年11月末、私は企業視察でスウェーデンを訪れた折、この駅の近くのホテルに宿泊し、このホームを眺めていた。
おぼろげながら当時の面影が蘇り、歩いた通りのクリスマスの飾りつけと肌寒さが懐かしく思い出された。
やっと果たせた! 私が最初の欧州旅行で訪れた国であり、最もカルチャーショックを受け、いつかまた訪れたいと願っていたスウェーデンとデンマークに。
当時、福祉と男女平等、生活と家族を優先することにおいて最も理想に近い国であったが、今回訪れて、さらに暮らしやすさと経済力が向上していることに驚いた。

下の写真: 2階駅舎を西側に出て直ぐの所。


 
< 7. 2階にて >

上の写真: 北側を見ている。
手前に高架の道路、その右手に長距離バスの乗り場が見える。

下の写真: 左手のボックスのようなものがエレベーターで、2階に幾つかある。
ホーム番号の表示があるので、これに乗り階下のホームに行くことが出来る。
エスカレータもある。

 
< 8. 15番ホーム 1 >

下の写真: この列車がSJの車両です。

 
< 9.16と15番ホーム >

上の写真: 地方鉄道の車両。
実は、カールスタッドまではこの列車に乗って行きます。
この発車時刻は13:25なのですが、10:15には16番ホームに停車していた。
ただ扉は間際まで開かない。

下の写真: ホームの奥(北側)に見えているのは、駅舎の2階です。

 
< 10.昼食のレストラン >

上の写真: 私が注文したもの。
この店はスウェーデンでよく見かけたオープンサンドの店です。
私は既にパンの上に食材が盛りつけられたものを選びましたが、多くの人は様々な食材をチョイスしていました。
ホール内にあるので便利です。
食事する所や弁当(サンドイッチ詰め合わせ)の販売は、この一角にあります。

恥ずかしい話なのですが、今回の旅行でレストランらしい所に入るのはこれが初めてでした。
ホテルの朝食以外、ほとんどは食事抜きかコンビニのサンドイッチでしのいでいました。
理由は、食べる時間が惜しく、食事が高額で、また海岸のレストランをトラブルで一度逃したことなどです。
ちなみに上記注文の支払い額は150クローナ、1900円ほどです。


 
< 11.  いよいよ乗車です >

車掌がやって来て扉を開け、私たちが乗車出来たのは出発の20分前だったと思います。
この頃には、各車両の扉の周辺に5~6人ほどの待ちが出来ていました。
乗ってみると、やはりローカル線の車両で室内の木張りは古びた感じがしました。
それでも座席はゆったりしており、趣のある室内でした。
これこそ一人旅と少し楽しくなりました。
これ以降、北欧で乗る車両は、一部の路面電車を除いて近代的で新しいものばかりでした。

やがて車掌が検札に来ました。
私は先ほどの印刷したチケットを見せ、無事すべての手続きが問題なく終わりました。
パスポートの提示や、ロシアで経験したような厳重な身体・荷物のチェックは遂になく、時間に余裕を見ていたのですが、あっさり終わった。
この検札の時、半数以上の客はスマホを提示していた。

私がこの中央駅に到着したのは9:30頃でしたから、3時間半も駅で時間を潰していました。
当初、この時間で市内を数か所見学したかったのですが諦めました。
それは疲れが溜まっていたのと、初めてのチケット手配と一人での列車乗車にびびってしまったからです。

 
< 12. いよいよ出発 >

シグツーナとストックホルム4泊5日の旅はこれで終わりです。
好天と心温かい人々に恵まれ、様々なトラブルに見舞われながらも、多くのものに触れることが出来ました。
駆け足の旅で、何か得たものはあるのかと自問自答してみるが、この国の社会経済や人々の暮らしがわかったとは言えない。
しかし、人々の物心両面の豊かさが想像以上であり、発展と社会変革が続いており、これからも良くなるだろうと感じることが出来た。
少なくとも日本は完全に取り残されていると確信した。
このことを肌で感じられたことは大きい、けっして日本に居ては得られないものです。

しかしこの国の将来に一抹の不安も感じた。
それは移民の多さと経済が国際化する中で、米国と同じような分裂と格差が生じ始めていることです(一部は書籍の知識です)。

かけがえのない旅の1/3が終わろうとしています。
次は、スウェーデン最後のカールスタッドです。



  鉄道チケットの手配について
これまでの海外旅行はほとんどが添乗員の付いたツアーへの参加でした。
今回は観光ではなく、じっくりと北欧を観察したいと思い、個人で旅行することにしました。
但し、徹底的に節約することにし、手配はすべて自分で行いました。
事前に、ホテル、航空機、鉄道、フェリーを数か月前からインターネットで行いました。
ただし各都市のパス(観光や交通の利用し放題)は現地購入にしました。

 
< 13.列車のチケット >

これはストックホルム中央駅からカールスタッド中央駅までのチケットです。
旅行の半年前にインターネットで申し込み、自分で印刷したチケットです。
これで乗車出来ました。

幾らか参考になる情報を記しておきます。
このチケットは2等で指定席、予約時にインターネットで座席図から席を自由に選べた。
鉄道は国鉄の運営ですが、この車両は地方鉄道のもので、Tågabの表記がそれを意味します。
チケットの発着駅記載の下にある表記は左から出発時間、到着時間、列車番号、車両番号、席、窓側を意味しています。

 
< 14.鉄道チケットの予約サイト >

このサイトで手配していないのですが、旅行計画の初期はこのサイトを良く見ました。
ここで北欧三ヵ国の都市を効率よく最安値で巡るには、どの鉄道と航空機、フェリーを組み合わせるべきかを調べました。
他に日本の旅行会社のサイトも参考にしました。

しかし、チケットを手配する段になると、使えませんでした。
それは何か月も前の手配が出来ないこと、細かな選択が出来ないこと、さらに料金が高かったからです。


 
< 15. チケットを手配したサイト、https://www.acprail.com >

これは偶然見つかり、使って行くと最も詳細に予約出来たので、これで手配しました。
サイトは英語表記ですが、google翻訳が可能です。
但し翻訳をかけると、表記がおかしくなるので注意。

このサイトの使い方について記します。
駅名は英語かスウェーデン語で入力してください(予めMapで駅名をコピー)。
片道なら、Departureだけに年月日を選択して下さい。
時間は早めを入力したらよい(以降リストアップされる)。
Senior(60以上)なら下の段に人数を、上の段はゼロを入力して下さい。
シニアは安くなるので必ず入力。
入力が終わったらSearchをクリックしてください。

 

< 16. 記入欄 >

ここでは年齢を入力、他は同じです。
さらに進みます。

 
< 17. 列車の候補 >

自分の気に入った時間の列者をクリックすると、クラスと料金が表示されます。
安いのは払い戻し不可能な分で、私はこのタイプにしました。
この金額をクリックし、先に進みます。
この先もいくつかの選択肢があります。

購入は早ければ早いほど安くなり、席も空いています。
私の場合、半年前でも最適な時間の列車で安い席は無くなっていました。


次回に続きます。




20181106

北欧3ヵ国を訪ねて 37: Älvsjö駅周辺を散策






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今回は、早朝にホテルのあるÄlvsjö駅周辺を歩きました。
ここは都市通勤に便利な閑静な住宅街です。
北欧の人々の暮らしが見えて来ます。


< 2. 散策ルート。上が北 >

上の写真: 写真の横幅2km、赤いバルーンがÄlvsjö駅です。
黄色の枠は下の写真の範囲を示します。

下の写真: 写真の横幅600m、赤枠が駅で、赤丸が私の宿泊したホテルです。
ホテルを出て、黄線に沿って歩き、森に入ってから、ピンク線に沿って折り返して来ました。
写真は2018年6月4日(月)7:10~8:10に撮影したものです。
写真は撮影順に並んでいます。



< 3. 図書館 >

上の写真: 駅の直ぐ西側にある図書館。
私が行った時は閉まっていました。

扉にサービス時間が記されており、この建物の役割が見えて来ます。
図書館の開館時間
月火 12:00-19:00、17:00
水木金10:00-18:00、17:00
土  11:00-15:00
日曜日 閉館
ここに行政の出先機関があり、月~金の開館は概ね8:00-16:00で、土日閉館になっている。

日本と違って、図書館の開館時間が遅く、一方で閉館時間がやや遅くなっている。
これは住民サービスよりも雇用者の勤務時間を考えているのだろう。
当然、土曜日は短く日曜日は休館になっている。

私が北欧を旅行して困った事の一つは、店やビジターセンター、観光施設の開館が遅く、閉館が早いことです。
私としては朝早くから夕方遅くまで、多くを見学したいのだが、思うようにはかどらない。



< 4. 閑静な住宅街と広い道路 >

通勤時間だと思うのだが、自動車の数は少ない。



< 5. 寿司店 >

上の写真: 道路沿いにSushiの看板を掲げた店があった。
働いている人は東南アジア系のようだ。


< 6. 大きな交差点 >

上の写真: 西側を望む。奥の方に広大な住宅街が広がる。

下の写真: 交差点から東側を望む。駅側に向かっていく人々。
自転車に乗っている人からローラースケート、バス、徒歩など多種多様な手段で通勤通学をしている。


< 7. 建設ラッシュ >

非常に大規模な建設です。


< 8. 通学の様子 >

上の写真: 建設中のプロジェクトを示す看板。
巨大な住宅開発が進んでいる。
写真を見ると、バラエティーに富んだ中層のアパート群が一帯を埋め尽くしています。
この不動産デベロッパーのHPを見ると、一戸の売り出し価格が2千万から9千万円でした。
北欧の一人当たり所得は日本の約2倍あり、更に夫婦共稼ぎで、日本のように男女の賃金格差が無いので、この購入価格は高くないと思う(円安で高くなっている)。

ここÄlvsjö駅からストックホルム中心まで、電車で9分と非常に便利です。
また周辺には緑もあり、住宅環境は良い。

下の写真: 父親が子供を連れている。
北欧ではベビーカーを押している育メンを多く見かけた。



< 9.公的サービス >

上の写真: これは中層アパートの1階にある公的サービスセンターです。
看板の表記をHPで調べると、ここには自治体が運営する介護センター、学童・幼児用センター、レストランがあるようです。

下の写真: プランナーが工事担当者と植栽工事の打ち合わせをしているようでした。
至る所、街並みはさりげない植栽が施されており、気持ちの良い街づくりがなされている。


< 10. 邸宅 >

上の写真: 古いが立派な邸宅が珍しく一軒ありました。



< 11. 低層アパートの団地に入る >

上の写真: これは低層アパートの一階にある保健センターのようです。
表示によれば医院もあります。
この保健センターでは住民の心身の健康相談、予防接種、糖尿病のサポートなども行っているようです。



< 12. 低層アパート団地を抜けて森に向かう >

上の写真: アパートの個々のベランダが憩いの場にしつらえられている。
椅子とテーブルがあり、簡素だが飾りつけもされている。
住人は自宅でも自然と触れる暮らしを大事にしている。


下の写真: 左手に遊戯施設のある公園が見える。


< 13. 森の奥へ >

この道を歩いていると、駅の方に向かう人、逆に向かう人がいた。
朝の散歩をする人や通勤の人がいたが、人数は多くはなかった。


< 14. 折り返す >

上の写真: 折り返し点で、来た道を振り返る。
折り返さず先に行くと、森の中に学校がありました。

下の写真: アパートの団地を抜けたところ。



< 15. 駅とホテルに戻って来た >

上の写真: ホテルの建物が見えた。

下の写真: 駅前広場に出た。

少し街を散策するだけで、公共サービスや通勤通学の様子、朝の動きが見えて来ました。
中国のように大勢が一緒に体操している様子はなく、静かで落ち着いた暮らしがそこにはありました。

次回に続きます。