20181103

北欧3ヵ国を訪ねて 36: バルト海を目指して



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今回は、バルト海に面した港町を目指して列車に乗ったのですが、辿り着くことが出来なかった顛末を紹介します。
その町Nynäshamnはストックホルムから50kmほど南下した所にあります。
バルト海と海の幸を楽しみにしていたのですが・・・。


 
< 2. ルート、上が北 >

上の地図: Nynäshamnは赤丸、ストックホルムは黒丸で示します。
黒線は今回利用した鉄道です。
黄地の赤丸はヴァイキングの故地を示し、下方にゴットランド島のヴィスビュー、上はメラーレン湖のビルカを示します。
ピンク線はNynäshamnゴットランド島を結ぶフェリーです。
茶色の線は、ヴァイキングの代表的な航路です。

下の地図: 利用した鉄道ルートを示します。
これは郊外電車で、本来はストックホルム・シティーから乗り換えなしで目的地まで行けるはずでした。
しかし、途中の赤地の黒枠印のSkogås駅までしか行けませんでした。
左側の茶色の線はメラーレン湖からのかつてのヴァイキング航路の一つを示します。


 
< 3. Nynäshamn、写真は借用 >

上の写真: 矢印は下の写真の場所を示します。

下の写真: 手前の赤い建物にビジターセンターがあり、鉄道のNynäshamn駅の直ぐ近くにあります。


私がここを目指したのは、是非ともバルト海と海岸、港町をこの目で見たかったからでした。
またゴットランド島へのフェリー港があり、かつてのヴァイキング航路に近いこともあり、何かヴァイキングとの関わりがあるのではないかと考えたからでした。
この地はガイドブックに観光地として載っていないが、風光明媚でサイクリングコースなどが整えられていた。
私は、事前にメールで自転車をレンタルすることにしていました。
またシーフードレストランでの食事を楽しみにしていました。

しかしハプニングが起きました。





 
< 4. 二つの電車駅 >

上の写真: ストックホルム・シティー。
ここから直行の列車PendeltågNynäshamnへ行くつもりでした。
この列車は約30分毎にあるはずでした。
しかしいくら待っても、行先表示の電光掲示板には終点であるはずのNynäshamn駅が表示されません。
ホームに居た若い女性に質問したのですが、言葉が通じずわからずじまいでした。
彼女は移民で来たばかりのようでした。
仕方なく、行けるところまで電車に乗ることにしました。

下の写真: そして乗った電車が止まり、すべての乗客が降りたのがこの駅Skogåsでした。

私にはまだ何が起きているのかわかりませんでした。


 
< 5. 張り紙 >

私はホームに降りて、何か表示は無いか探しました。
するとベンチ横のボードにこの張り紙がありました。
路線図を見るとこの駅から、一つ先の駅までが不通になっている。
そう言えば、放送がバスの往復運転を伝えていました。

このまま続行すると帰りが不安な為、行くのを断念し、ここで折り返して帰ることにしました。
翌日は、ストックホルムを旅立たなければなりませんでした。


ストックホルムを数日旅行して感じたこと。
困って質問すると、ほぼ全員が親切に英語で教えてくれます。
そして年配の人ほど親切です。
しかし、交通機関の表示は、それほど親切ではないようです。
旅行客に異常事態(運行停止)を英語表記で丁寧に貼りだすことはないようです。
例えば、ストックホルム・シティでの表示など。
英語で放送しているのかもしれませんが、私は聞き取れない。



 
< 6. Skogås駅からÄlvsjö駅まで 1 >


 
< 7. Skogås駅からÄlvsjö駅まで 2 >

 
< 8. Skogås駅からÄlvsjö駅まで 3 >

 
< 9. Skogås駅からÄlvsjö駅まで 4 >


次回に続きます。




20181029

北欧3ヵ国を訪ねて 35: Hop On Hop Off Bus に乗って

 
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今回は、ストックホルム中心部を観光バスで巡ります。
初めてホップ・オン・ホップ・オフ・バスに乗りました。
バスの利用と車窓からの眺めを紹介します。


 
< 2. Hop On Hop Off Busのルート、上が北 >

私が乗車したのは地図の赤線の番号1から17までです。
乗車した時間は2018年6月3日(日)13:25~14:50です。

*利用について
気づいたことを記します。

はじめに、このエリアの観光バスとしてはパノラマ(バス)とホップ・オン・ホップ・オフ(バスとボート)があります。
わたしが利用したのはホップ・オン・ホップ・オフ・バスです。

二つのバスは巡回ルートが若干異なり、前者は75分、後者は90分です。
料金は、前者で1回300SEK、後者で1日乗り放題SEK320です。
どちらもストックホルムパスで無料乗車出来ます。
前者(パノラマ)は季節によって異なりますが1日数回の定刻発車で、後者は日中の時間内で頻繁に発車しています。
前者は乗車降車位置が一か所で決まっていますが、後者は地図の番号19か所で乗り降り自由です。
両車両とも複数言語(日本語も)の観光案内の音声がイヤホーンで聞けます。

前者は、乗車前にSTROMMA.COMのブースでチケットの発行が必要になるでしょう。
私は王立オペラハウス横のStromgatan 通り、番号1から乗りました。
写真3のバスストップで受付嬢にストックホルムパスを見せるだけで乗れました。
前者のバス乗り場は、少し西のグスタブ・アドルフ広場からです。

前日にパノラマバスを利用するつもりでしたが、ストックホルム・マラソンで運行していなかったので、時間の制約がないホップ・オン・ホップ・オフを使うことにしました。
まったく問題ありませんでした、





 
< 3. いよいよ乗車です >

受付の黒人女性がチャーミングで笑顔が印象的でした。

上の写真: バスの2階に座り、撮影。

下の写真: 通りに沿って東側を見ている。


 
< 4. バスの様子 >

下の写真: バスに乗る時、運転席横にあるイヤホーンを貰い、これを写真の接続口に差し込み、日本語の番号を選択する。


 
< 5. 国会議事堂 >

いざ観光です。
これから巡る場所の多くは、歩いており既に紹介していますが、おさらいです。

上の写真: 地図の番号2の手前辺り。
右手の建物は国会議事堂の一部です。

下の写真: ちょうど地図の番号2の辺り。
陸続きの西隣の島にあるリッダーホルム教会が見えている。


 
 
< 6. 旧市街の西側 >

上の写真: 地図の番号3の辺り、Kornhamnstorg

下の写真: 南側にあるセーデルマルム島に渡る途中。



 
< 7.セーデルマルム島 1>

地図の番号5か6の辺り。


 
< 8.セーデルマルム島 2 >

上の写真: 地図の番号4と5の間。
大きなクルーズ船が、二隻接岸していた。

この島の北側(走った所)は、最近整備が進み、ショッピングや観光地として注目されているようです。





 
< 9. 折り返して >

上の写真: 地図の番号8。
王宮前の坂を下った岸壁近くに立つグスタブⅢ世の像。

下の写真: 地図の番号10の手前。
ベルツェリー公園から東南方向を望む。


 
< 10.Strandvägen 通り >

地図の番号10の通りからの両サイドの眺め。
前日、ここでマラソンの熱戦が繰り広げられた。


 
< 11.ユールゴーデン島に入る >

地図の番号11の手前から12まで。

下の写真: Gröna Lund、テーマパーク。




 
< 12.ユールゴーデン島から出る >

上の写真: 地図の番号13。
スカンセンの前。



 
< 13. 歴史博物館の近く >

地図の番号14の周辺。


 
< 14.Karlavägen 通り辺り >

地図の番号14から15の間。


 
< 15. フムレ公園 >

下の写真。 地図の番号15の手前にある大きなフムレ公園。


 
< 16. もうすぐストックホルム中央駅 >

この巡回バスに乗って再確認したのは、北欧の首都の落ち着きです。
日本のようなけばけばし繫華街、飲み屋街を見かけないことです。
バスがたまたま行かない可能性もありますが、バスの観光案内や、30年前の訪問時の経験を踏まえて、ほぼ間違いないでしょう。
男性だけがたむろして夜遊びする生活スタイルが北欧には少ないのでしょう。


 
< 17. 降車 >

地図に番号17。

次の目的地に行くためにここで降り、地下の駅からストックホルム南部の海岸を目指す。
ここで、この日最大のハプニングに出くわすことになりました。


次回に続きます。





































20181027

北欧3ヵ国を訪ねて 34: ストックホルム中世博物館







< 1.謎の彫像 >


今回は、ストックホルム中世博物館を紹介します。
ここでガムラ・スタンの歴史がわかるはずです。




 
< 2. 徒歩ルート、上が北 >

ドロットニングホルム宮殿からの戻りのボートを降りて、ストックホルム中世博物館まで歩いたルートを示します。
矢印がボート下船位置、四角印が博物館、青の破線が徒歩ルートです。

写真は2018年6月3日、12:20~13:00に撮影したものです。



 
< 3. 右手にガムラ・スタン >

進行方向右手、川向かいにガムラ・スタンの大聖堂の鐘楼が見えます。


 
< 4. 左手にクララ教会 >

進行方向左手、通りの奥にクララ教会の鐘楼が見えます。



 
< 5. 国会議事堂が見える >

上の写真: 国会議事堂。

下の写真:国会議事堂前の幅の狭い川を東に見ている。
ガムラ・スタンへ北側から渡るには5本の橋があり、写真の橋はちょうど真中にあります。


  < 6. 国会議事堂に行く橋の前 >

上の写真: 後方右手を少し振り返ると、リッダーホルメン島の教会が見える。

下の写真: この橋を渡ると、国会議事堂を抜けて、ガムラ・スタンに入る。

実は、巻頭写真の彫像は、この撮影地点の右手、交差点の角にあります。
これはどうやら物乞いをする狐のようです。
意味不明だが、ユニークです。


 < 7. グスタフ・アドルフ広場 >

上の写真:  グスタフ2世アドルフの像が見える。
三十年戦争を戦ったスウェーデン王国最盛期の国王。
右手奥に、王立オペラ劇場。

下の写真: この広場の前から橋を渡って、ヘランズホルメン島に入ります。
その橋の上から東側を望む。


 < 8. 中世博物館へ向かう >

上の写真: 橋を渡りきって、島の中央に来るまでに、道の左側から階段を降ります。

下の写真: この階段を下ります。


 

< 9. ストックホルム中世博物館 >

上の写真: 降りたら左手に公園があります。

下の写真: 降りて道路下の右側を見ると、目立たない入口が見ました。
これが博物館で、ここは入場無料です。


 
< 10.博物館の展示物 >

上の写真: 借用した写真。
これはストックホルムの遺跡そのもののようです。
それを保存する形で、このような道路下の博物館になったようです。
展示館としては大きくありませんが、ストックホルム(ガムラスタン)の中世の変遷や人々の暮らしを下の写真のように再現しています。



 
< 11. ガムラ・スタンの変遷 >


私はこの一連の模型と絵に最も興味を持ちました。

上の写真: 中世のガムラ・スタンの再現模型、左手が北です。

真中の2枚の写真: 島の中世時代の変遷模型。上が北側です。
実は模型は合計5体あって、変遷がわかるようになっていますが、その内、二つを抜粋しました。
左側が最も古く、13世紀半ばの砦の誕生期を示しているようです。

右手は新しい方のものです。
共に島の右上方に砦が見え、その左下に建物が見えます。
これは現在の王宮と大聖堂の位置に相当するのでしょう。
初期、島の中央部だけが壁らしいもので覆われており、その外には砂浜と桟橋があった。
桟橋が南側に多いのは、鉄の広場(荷上場)が南側にあるためでしょう。

時が経つにつれ人口が増え、等間隔に櫓が配された城壁が島全体を囲むようになった。
さらに白線で描かれているような現在の大きさにまで周辺が埋めらていった。
この間、博物館にあったのレンガ積みの遺跡のように、当時のものは地下3mほどに埋もれてしまった。

下の写真: 中世ガムラ・スタンの再現図。右手が北側です。


ストックホルムはヴァイキング時代後200年を経て、このメラーレン湖の東端に、ドイツのハンザ同盟と結びつきながらバルト海交易に乗り出した(ヴァイキング時代後期はハンザ同盟と競合し交戦相手でもあったのだが)。
これがストックホルムがここに誕生した理由なのでしょう。
ガムラ・スタンがバルト海から数十km内陸部にあることは、模範としたハンザ同盟の盟主リューベックが河口から10km内陸部にあることと不思議に似ている(北ヨーロッパの交易都市は川を遡上した所に多いようです)。

次回に続きます。