20180325

何か変ですよ! 103: 未来の壁 1


 

< 1. 成長を支える?? >


このまま行けば、いつか日本は幸福な国々から取り残される。
我々はなぜ取り残されてしまうのだろうか。
これから、「我々の何が幸福を遠ざけてしまうのか?」を見て行きます。
今日は「働く」ことについて。


* はじめに

最近、日本の労働観をよく示す事件がありました。


 

< 2. トンでいる自民党の労働観 >

2018年3月13日、参院予算委員会の公聴会で自民党議員が、「東京過労死を考える家族の会代表」の公述人に、キツイ一発を放ちました。

「働き方改革をめぐる議論を聞いていると、『働くことが悪いこと』のように聞こえる、『週休7日が人間にとって幸せなのか』と述べた」注釈1.

これに対して、2008年にワタミ子会社で過労死した娘さんの両親が、彼は「何の反省もしていなかったとしか思えません」などとするコメントを発表した。

彼とは「ワタミ」創業者の渡邉美樹です。
彼は後に謝罪し、議事録からこの発言は抹消された。


 

< 3. 2016年の最悪社長 >

彼は立身出世の花形としてもてはやされたが、ブラック企業の代表としても広く知られている。
政治の世界では、橋下やアベらは彼を「時代を切り開く経営手腕を持つ逸材」と高く買った。
彼はアベ内閣で教育再生会議委員を拝命した。


おそらく国民の大半は、この一連の渡邉(橋下、アベ)の姿勢に不快感をもたないだろう。
この事実が、日本の壁の一つなのです。



* 周回遅れの労働観

気が付いて欲しいポイント。

A: 働く目的は何か?

B: 幸福先進国の労働時間と休暇は?


国民は未だに高度経済成長期の思い出に浸っており、政府はそれにかこつけ、古い労働観を鼓舞することで経済の発展を狙っている。
これは幸福先進国から見れば、周回遅れと断じることが出来る。



* 働く目的は何か?

団塊の世代に聞けば、ある人は「会社で働き甲斐を持ってて幸せだった」と語るだろう。
一方で「ワーカホリックを自認して会社に尽くしたが・・」と空しさを感じている人もいるだろう。
確かに団塊の世代からその親の世代は戦後の経済成長を支えた人々でした。

20世紀初頭、米国の労働者もよく家族の為に身を粉にして働いたそうです(ある経営者の米国視察記より)。
実は、逆に戦前、日本の労働者は転職を繰り返し、組合を結成しストにも参加した(倒産が多かったことも)。

働き方は時代と共に変わるのです。

唐突ですが、皆さんは遥か昔の方がよく働いていたと思いますか?
100年前まで世界各地の先住民は、その生活スタイルを少なくとも数百年は保持していた。
彼らは自然を相手に、毎日に働き詰めだったでしょうか?
人類学者の観察では、そうではありませんでした。
多くの狩猟採集民は、おそらく1日平均数時間も働くことはない。
彼らはのんびりと仲間とお喋りを楽しむのが日課なのです。

「企業で身を粉にして働くことこそが人生の最大の喜びである」と考えたのは、日本でもほんの一時の減少に過ぎないのです。
今の若い人には、これは古い説教としか聞こえないでしょう。
幸福先進国の人も、これを異常と見るでしょう。

ここで視点を変えて、時代背景を見てみましょう。



* ここ半世紀の日本の労働観を支えたもの

なぜ日本の政財界は「労働者は企業に身を捧げるべき」に固辞するのでしょうか?
これを簡単に説明します。

戦後の高度経済成長にあって人材を確保する為に、企業は従業員の福利厚生や退職金制度の拡充が不可欠でした。
これは成功し、日本の組織文化とも合致し企業と従業員は一体となり、大躍進を遂げた。

しかし、日本政府はプラザ合意(1985年)による円高で輸出に頼らない内需拡大を目指さざるを得なくなった(注釈1)。
この為に大幅な金融緩和を行ったが、これが途方もないバブル崩壊(住専破綻)を招き、これにより日本経済は長期衰退を余儀なくされた。

一方1980年代から、欧米は自由放任経済を目指し始め、労働組合つぶしが波及し、政府は経済活性化のために益々企業優先に舵をきります。

こうして、政府は首切りが容易で低賃金が可能な非正規雇用の普及、そして退職金の企業負担を軽減すべく確定拠出年金への転換など、労働の低コスト化を推し進めた(良い意図も一部にはある)。
しかし不思議なことに国民は我慢し続けた。

つまり、政財界は賃金、退職金、待遇などすべて切り下げておきながら、相変わらず全身全霊で会社に尽くせと労働者に押し付けているのです。
これが冒頭の渡邉自民党議員の発言になったのです。

実に、ばかばかしい偽善と言わざるを得ない。

当然、仕事に生きがいを持つことが悪いのではなく、本来、会社以外や家族にいくらでも楽しみや生きがいはあるのです。
しかし、中々生きがいを見つけられない人が多いのではないでしょうか?

ヒントは海外にあります。



* 幸福先進国と比較する

単純に、日本は遅れています。
日本の労働者は先進国と比べれば、時間当たりの収入が少なく、長時間労働で休暇も取れない。


 

< 4. 労働生産性の比較 >

労働生産性=GDP(購買力平価で換算)/就業者数
日本はOECD35ヵ国中22位で74315ドル(783万円、給与ではない)。
世界155ヵ国中なら32位となる。
ちなみにドイツは12位で95921ドルで日本より29%多い。



 

< 5. 年間労働時間の比較 >

日本の年間労働時間はOECD35ヵ国中、短い方から22位でした。
日本では長く働いている割りに収入が少ない。

別の資料から労働1時間当たりのGDPの多い国と日本を比較します。
上位3位のノルウェーは日本の2倍、5位米国1.6倍、6位フランス、7位ドイツ、8位オランダ、9位デンマークは1.5倍です。


 

< 6. 有給休暇も取れない >

日本の取得率は50%未満で9日しか過ぎない。


この冴えない日本の労働実体はさらに低下傾向にあります。



* 北欧と比べます



現在、スウェーデンをはじめとする北欧で1日6時間制が進んでいます。
現在、デンマーク人の労働時間は平均33時間になっている。

スウェーデンを中心に見ます。
若年失業者の為に、IT、医療、バイオ分野のスキル取得のプログラムが多数用意され、無料で受講できる。
また失業者に失業前賃金の80%が200日間給付される仕組みもある。

育児中、子供一人につき、父母それぞれ240日、両親で合計480日の育児休暇が取得出来る。
男性も取得するようになって来た。
育児休暇取得期間中は社会保険庁より所得の80%が保障され、さらに企業によって上乗せがあります。

一般的なスウェーデン人は年に33日の有給休暇をとっている。
スウェーデン国民で残業をしているのはたった1%しかいないという。



 

< 7.スウェーデンの帰宅後、参考 >

私が1984年に北欧(スウェーデン、デンマーク)の企業を視察した時、一番驚いたのは、定時の終了時間が来ると従業員は皆直ぐに帰宅したことです。

直接、従業員に聞いた話では、皆は真っすぐ家に帰り、夫婦や家族で過ごすと言う。
楽しみを聞くと、我が家を建てている人もいるとのことでした。


 

< 8. 職場の雰囲気、参考 >

製造工場でさえ日本のような制服はなく、流れ作業は既に廃止していた。
これは作業者の労働意欲を高める為だと管理者が言っていた。

本によると、ノルウェーでは16時頃から夕食をとり、夜7時、8時頃に夜食として簡単なサンドイッチを食べる。
夕食と夜食の間の時間に、散歩に出かけたり、冬にはクロスカントリースキーを楽しむ者も多い。


 

< 9. クロスカントリースキー、参考 >


* まとめ

結論は、日本の労働環境や労働政策、労働の文化は前世紀の遺物です。
そろそろ本来の生き方に目覚めるべきです。

国民は、経済の低迷を理由にこき使われる愚から脱するべきです。
答えは30ヵ国以上の幸福先進国にあります。

私は典型的な仕事人間であり、会社を好きにはなれなかったが技術者として誇りを持つことが出来た。
しかし、定年の10年前ほどに父が他界したの機に、北欧の暮らしぶりを見ていたこともあり、定年後の生きがいを模索し始めた。
そして定年退職後は毎日、目標に向かって励み、旅行を楽しみ、充実した人生を送っています。



終わります。



注釈1.
米国はドル高を嫌い、主要貿易相手国に協力を迫り、日本は円高の協調介入で協力した。
これにより円高が急速に進み、日本経済を急速に低下させ、大幅な金融緩和と公共投資を行わざるを得なかった。
これが最近までの日本経済落ち込みの転換点でした。



20180321

何か変ですよ! 102: これからどうする 3





< 1.馬鹿の遠吠え >


今日は、国民が目指す社会を考えます。
ここ30年ほどの社会経済の低迷にヒントがあります。
そこには国民軽視と豊かさの履き違えがあります。


* 世にも奇妙な物語

私達日本人は、どうしても島国の呪縛から抜け出すことが出来ない。
その典型を紹介します。


 
< 2. 亡国の??? >


先日、前川前事務次官の講演に横やり(検閲、嫌がらせ)を入れたのが左の赤池議員です。

さらに馬鹿げた事実が判明しました。
彼は自らのブログで、「ちびまる子ちゃん」のキャッチフレーズは国家崩壊を招くと文科省に直談判したと自慢していたのです(現在、消去)。

皆さん、このキャッチフレーズの何処が危険かわかりますか?
彼は、『友達に国境はな〜い』と教育したら日本という国家がなくなってしまうと、真剣に訴えたのです。
笑うべきか、泣くべきか?

こともあろうに、この赤池は自民党文部科学部会長で、アベ政権で文科政務官の要職を2期も拝命しているのです。

さらに魔訶不思議なことがあります。
先日、アベ友応援団の和田議員(写真右)が国会で爆弾発言をしました。
「山梨のある学校法人が格安で国有地の払い下げを受けている。この学校の保護者の会の連合会長は野党のある国会議員!」
実は、この学校の校長がこの赤池だったのです。

アベ周辺の脳みそはどこまで偏り、腐っているのか?


今日は、こんなつまらないを話をしたいのではなく、もっと皆さんが世界に目を向けて欲しいと願うからです。



* 私達は幸福なのか?

難しい質問で恐縮なのですが、幸福はどうしたらわかるのでしょうか?

狭い単一文化の中にいると、前述の赤池のようなとんでも認識が幅を利かせてしまう。
皆さんの素直な思いでも良いのですが、やはり諸外国の暮らしぶり(ライフスタイル)を一度は知ってから判断することも必要です。
私はツアー旅行と視察旅行ですが、30数ヵ国を訪れ、多くのカルチャーショックを受けました。

残念ながら、日本はいつまで経っても成熟せず、国民を幸せにする方向に向かっていない。
さらにアベ政権になってからの社会状況は急速に悪化している。

先ずは国際的で客観的な指標から日本の現状と凋落を見ます。



 

< 3.世界幸福度報告2016年 >
国連が発表し、各国で6項目について主観的な評価(1~10)を聞いて算出したものです。

* 世界幸福度報告から見えるもの

日本は157ヵ国中53位で、ロシアや韓国よりは少しましだが、欧米先進国には届いていない。

各項目を見ると、一人当たりGDPでは26位、社会的支援では23位、健康寿命では3位、社会の腐敗度33位で特段悪いとは言えない。
しかし人生選択の自由度45位、さらに寛容さ136位が水準を押し下げている。
これらの項目はGDPを除いて、国の文化と社会状況に大きく影響を受けるだろう。
この社会状況とは、経済と社会保障制度の状況に左右されるだろう。

この指標を眺めても、日本の姿はまだ見えてこない。


 

< 4. 世界幸福度報告2013年(2010-2012年) >

このグラフは日本の順位が43位であったことを示している。
つまり、3年の間に順位を下げている。
当然、上位を占める北欧の上位は揺るがない。

他の指標で、日本が衰退しているかを見ます。



 

< 5. 人間開発指数 >
国連が発表し、人間開発を実現させるための基本となる長寿、知識、人間らしい生活水準の3分野の平均達成度を算出したものです。
長寿は出生時平均余命、知識は成人識字率と就学率、生活水準は1人あたり国内総生産 GDPを使う。
人間開発とは、人の能力の拡張、選択肢の拡大、自由の増大、人権の実現の程度を示す。

このグラフから、日本の順位は1980年から2013年にかけて、10位、8位、15位、そして17位と低下傾向にあることが分かる。

つまり、日本では幸福や自由などの国民にとって重要だとみなされているものが日増しに低下している。
言い換えれば、他の先進国が日本より、より幸福へと近づく努力がなされている中で、日本は取り残されつつあると言える。

この悪化状況をより具体的に示す指標を見てみましょう。



* 幾つかの指標

経済や労働の状況を示すものに一人当たりのGDP、非正規雇用者率、賃金の推移、失業率、年間労働時間、貧困率がある。
また社会状況を示すものに自殺率、報道の自由度がある。
これらの中から、二つの指標を見てみましょう。





 

< 6. 報道の自由度 >
赤の折れ線の赤数字は世界ランキングを示し、1位が最も良くて、数字が増えるほど自由が無い状態です。


日本の状況は深刻で、マスコミを外から傍観しているだけでは、政府により弾圧されている状況はわからない。
とても先進国とは言えず、凋落の度を深めている。

しかし、少し努力すれば見えて来る。


 

< 7. 2018年3月2日の各紙比較 >

この日、朝日が森友のスクープを放った。
毎日は、野党追及の果てにアベが裁量労働制を断念したニュースを載せた。

読売は、当然、どちらにも触れず、アベが贈った羽生選手への国民栄誉賞で紙面を飾った。

当然、国民、特に勤労者にとってより重要なのは国民栄誉賞ではない。

多くの人は新聞購読を1社に限定し、ニュースもそれに合わせて限られた放送局しか見なくなる。
こうして御用新聞ばかりを見ていると社会の真実から疎くなってしまう。

これを脱する為には、インターネット上の各社デジタル版のトップ見出しを比較するだけで良い。
きっと、どちらの新聞により価値があるかわかるはずです。



 

< 8. 日本の貧困率の推移 >

概ね30年の間に悪化し続けているのがわかります。
日本の所得格差拡大、社会保障制度の劣化が進行している。
これはアベのせいと言うより、長年の自民党の政策の結果です。
現在は株バブルの影響で幾ら貧困率が下がっている。



 

< 9. 貧困率のランキング >

日本の貧困率は、格差の激しい米国より少しましなだけで、どうにか西欧諸国に仲間入り出来る程度です。


* まとめ

いつの間にか日本の栄光は風前の灯なのです。
そして悪いのは経済だけでなく、むしろ私達があまり意識していないところに問題があるのです。

それは政府らが唱道する「勤労」や「道徳」などではなく、「生きがい」「ゆとり」「自由」などなのです。
生きがいは働き甲斐を意味するのではなく、むしろ仕事以外、余暇や家族との暮らしにあるのです。

直ぐには、意識を切り替えることは出来ないかもしれないが、北欧や他の生活先進国を直に見れば、何が本来の人生かがわかるでしょう。


終わります。









20180320

何か変ですよ! 101: これからどうする 2



*1



人々は本来、国に何を期待するのだろうか?
ある女性は介護、平和、失業、地球温暖化と答えました。
国民が安心して暮らせる為には何が必要か?
そこにはアベが必要か、はたまた災いか?


はじめに

彼女は私の妻で、60才代後半です。
上記四つのテーマについて考えます。

介護: 高齢者介護に不安。

これは社会保障(医療、年金、健康、弱者の救済などの)の一部です。
進む高齢化と累積する財政赤字で、これら制度が破綻するか不安です。


平和: 戦争をしたくない。

誰しも戦争を避けたいのですが、現状、戦争を避ける口実で戦争を始める可能性が高まっている。

戦争の発端は三つあり、①敵が侵略して来る場合、②防衛と称して侵攻する場合、③小競合いから戦争に発展する場合です。
無数にある戦史をひも解くと見えてくるのですが、ここ半世紀ほどはイラク戦争、ベトナム戦争に始まり、多くの内戦も②と③が多数を占めるようになっている。


失業: 失業が増えると、彼らは無給で暮らさなければならない。

所得が少なく将来が展望出来ない若年層や貧困層が益々増えている。

これは経済力、社会保障、労働制度がすべて上手く機能してこそ解決出来る。
既に説明して来たが、例えGDPが上昇しても、社会保障(失業者対策)と労働制度(最低賃金、同一労働同一賃金、非正規雇用)が劣悪であれば、現状のように悪化は続く。


地球温暖化: 異常気象が将来の人類の生存を危うくする。

これは非常に長期的な取り組みを必要とするが、着実に防止策を進めておかないと取返しのつかないことになる。

無視されやすいが、私達の食料生産、小麦から水産物までが異常気象で大幅な減産の憂き目にあっている。
地球の食料生産量は既に自然の生産力を越えて久しい。

他にも伝染病、水源、林業資源など不安は多い。
またエネルギーと原発政策は地球温暖化と環境破壊に密接している。

個々に検討を加えます。


 
*2

* 介護について

最近、失業者の所得より生活保護費の方が多いとして、生活保護費が削減されました。
政府や与党は、生活保護者が失業者よりも多く貰っているとはけしからんと罵倒していました。

単純に二つのことが言えます。
一つは生活保護費が基本的人権(最低の文化生活)を維持する為のものだとしたら、失業者はそれ以下になります。
今一つは、日本の社会保障がそれほど素晴らしいのかと言うことです。
確かに日本より医療保険制度が酷い先進国(米国)もありますし、年金も医療も金額的には悪くないでしょう。

しかし、先進国の中では格差が拡大し、貧困層が増えています。
介護保険制度も進んだ北欧から見れば、内容は今一つです。

特に、今の政府と自民党には基本的人権を敵視している人が目立つ。
これは、上述の生活保護費など社会保障を徐々に無力化させ、これまでの公的な社会サービスを自由放任主義経済にほり投げることになる。

今一つ重要なことはアベノミクスにより、今回のバブル崩壊の被害額が格段に増加し、年金は直接数十兆円失い、また大幅な累積財政赤字となり、将来、社会保障制度は瓦解する可能性が高まった。

この右翼的な個人軽視と博打的な経済な流れは、これからの先進国の進むべき道ではない。
米国への熱愛か百年前の国家スタイルへの復古に過ぎない。

つまり、アベは百害あって一利なし。


 
*3


* 平和について

この問題は複雑なのですが、今回は一つの視点で戦争に巻き込まれる危険について考察します。

戦争には表裏一体の奇妙な思い込み「被害者」が国民を支配することになります。

例えば、ドイツのラインラント進駐(1936年)、日本の満州事変(1931年)、米のベトナム戦争とイラク戦争を見ます(ソ連にもあるのだが、日本でよく知られているのであしからず)。

世界の常識から見れば、この国々は侵略国です。
しかし、当時の国民は加害者とは思いもよらなかった。
多くは、敵国が強大になる前に叩いておこう、または攻めて来る前に防御線を確保しておこうとの意図から始めたものでした。
ドイツは少し違ったが、すべて被害者意識がなせる業で、綺麗ごとを言えば予防的な戦争(防衛?)と言うことになる。

ここで不思議なことがあります。
ドイツは戦争を自己批判し周辺諸国から免罪され信頼もされています。
一方、日本と米国では自己批判が一部に留まってしまい、周辺国や被害国からいまだに憎まれ、疑いの目で見られている。

特に、日本会議一色になったアベ政権になってからは、この悲劇のサイクルがまた始まろうとしている。

青山や三浦などアベ友応援団、御用新聞が北朝鮮が攻めてくると煽り立てる。
一方で、報道の自由度が失われ、戦前と同じ状況になっている。
国民は被害者意識を煽られ敵意が強くなており、客観的に世界情勢を見れなくなっている。

まだ戦略や外交などの問題(同盟、中立など)もあるが、最低でも国民に正確な情報が入らないと、戦前と同じ誤りを繰り返す。

つまり、ここでもアベは百害あって一利なし。


 
*4


* 失業について

知って欲しいことは失業率の低下は一時的なもので、今後も続くものではないことです。

今の失業率低下は、震災復興とオリンピック需要、株高、高齢者の大量退職、そして好調な世界経済による所が大きい。
すべてここ1年から数年で逆転が始まり、これまでの反動でより大きな逆境に突入することになる。

元来、日本の失業率は低いものでした。
しかし、ここ30年ほどの非正規雇用増加に見られる労働システムの悪化が、失業者を増やし、労働者全体の所得の低下を生んだのです。
それが、一時、上記の理由で減っただけなので、今後また増加し不安定さは増すことになる。

将来、競争力ある産業を育成するには、労働者の流動性は不可欠です。
しかし、今の労働者だけに負担をかける政策は明らかに間違っている。
(それは北欧の政策を見れば明らかです)

それには同一労働同一賃金、失業者の生活保障と転職支援が不可欠なのです。
労働者の首切りと残業代未払いを自由にして、企業を支援するアベの政策は止めるべきです。
現実に、非正規では生涯勤めても生涯賃金は正規の50%に過ぎない。


つまり、ここでもアベは百害あって一利なし。


 
*5


* 地球温暖化について

これは説明を待つまでもなくアベは百害あって一利なし。

なぜなら地球温暖化防止条約を離脱するトランプに唯一人ラブコールを送っているのは我が国の首相なのですから。

さらにアベになってから相次いで原発推進、原発と武器輸出、核兵器禁止反対などを矢継ぎ早に行って来た。
見た目、派手な外交に映り、経済界からも大歓迎だが、国民にとってはどうだろうか?

福島原発の後処理の膨大な費用、被害者救済の進み具合を見て、皆さんは原発が地震国、津波国にふさわしいと思いますか?


 
< 6.原子力と再生可能エネルギーの行く末 >


また世界のエネルギー事情からは取り残されつつあります。
時代錯誤も甚だしい。

青山の言うように北朝鮮が攻めて来るなら、高額な弾道ミサイルではなく海岸にある原発を手軽な小火器で狙うことで目的を達するはずです。
わざわざ迎撃ミサイルやイージス艦を並べても役には立たない。
政府のやっていることは防衛上、真逆というか支離滅裂ではないでしょうか。


 

< 7. アベ御用達の言いたい放題、外れ放題 >


* 最重なこと

見てきたように、アベのやっていることはすべて国民と国益にマイナスになっている。

このような間違った政策がここまで普及したのには理由がある。

それは、アベ政権によって言論や情報が一方だけに偏るようになったからです。
今は、タカ派、右翼、保守、自民党、アベ信条以外の言論や情報は押さえつけら、マスコミから葬られている。
都合の良い情報だけが流され、都合の悪い情報は隠すようになった。


その目的とするところは、彼らが財界、企業、米国、軍事を優先するからです。
彼らすべてが悪意を抱いているわけではないが、あまりにも報道や官僚の自由が無くなり、一方で露骨な干渉やパワハラが行われるようになった。

このことがすべてに災いをもたらすことになる。

規制緩和に始まり、特区、秘密保護法、働き方改革、次いで憲法改正へと進む。

重要なことは敵対することではなく、批判を受け入れ、互いに議論し、国民が政府を信じ、労働界と産業界が協力できることです。

これなくして、介護、平和、失業、地球温暖化の真の問題を解決出来ない。


終わります。