*1
これからアベ政権倒壊後を考えます。
先行きが読めないので仕方なくアベをまだ支持している人がいる。
むしろ先行きを読めばアベは不要になる。
* はじめに
ニュースで流れる政府の惨憺たる状況を見ても、まだ支持率は30%もある。
本来なら5~10%だろう。
ネットウヨは産経新聞がアベ支持率39%を発表しただけで裏切り者呼ばわりしている。
まだまだ腐敗への不感症は国民に深く浸透している。
* アベによる日本沈没の現状
結論、アベが政府から手を引かない限り、日本の更生は無い。
そこで現状の深刻さをまとめます。
A 中央省庁の腐敗、内閣の劣化。
B 縁故主義の蔓延、便宜供与とそれによる一層の権力集中。
C 報道の自由崩壊、ウヨとアベ友応援団による扇情。
D タカ派的対応と日米同盟強化によって高まる戦争危機。
E 深まる格差社会と繰り返すバブル崩壊、日本の長期衰退。
A、B、Cは喫緊の課題で、確実に日本をどん底に陥れるので絶対に正常に戻さなけらばならない。
アベが政治に関わる限り、再生は不可能。
ここ数年の状況を見ていると、与党(自民党、公明党)は絶大なアベ人気とその剛腕ゆえに完全に盲従していた。
これを再来させてはならない。
もっとも、適当な代役が出現すれば与党はまた同じことを繰り返すだろうが、数年はないだろう。
Dは、わざわざ火種を撒き散らしているようなもの。
北朝鮮の核弾頭は米国に向けられていたもので、わざわざ日本に向けさせる必要はない。
要は、気まぐれなトランプとの連携強化を避け、米国と中国の間をうまく泳ぐしかないだろう。
Eは、ここ30年以上、自民党(公明党も)が押し進めて来た政策を、更にアベが加速させた(非正規拡大、賃金低下、企業収益上昇、逆累進課税など)。
しかし、これは民主主義を取り戻した後に10年ほどかけてやるしかないだろう。
手本があるので政策として難しくはないが、労働界と産業界のコンセンサスを得るのが難しいだろう。
* 経済はこのままで本当に良いのだろうか
既に、幾度も説明して来ました。
結論は、概ね良いことはアベの政策と無縁、概ね悪いことは自民党の政策とそれを拡大させたアベのせいです。
株価は上昇し、失業率は下がり、人手不足、円安が進み、オリンピック工事で都心は活況です。
・株価高騰はアベの貢献半分、世界の株高が半分(半分は目安)。
・円安はアベの貢献半分、世界の金融政策が半分。
・失業率と人手不足はアベの貢献1/4、残りは他の要因。
< 2. 人件費、企業利益、売上高 >
重要な事は、株価が上がりGDPが少しプラスになっても大半の国民には何らメリットが無いことです。
このような経済システムが既に定着しており、さらにアベによって深刻の度が増している。
上のグラフはこれを如実に示しています。
表面的に景気は良くても、株価や企業収益が上がっているだけで、賃金は上がらない。
ほんの一部の人は株高や企業収益のおこぼれに預かれるが、圧倒的多数は無縁なのです。
残念なことに御用マスコミとアベ友応援団の大合唱で、大半の国民はこの事実に
気付かない。
そして、良くなると信じてひたすら待っている。
格差を広げる労働システムと税制、バブルを繰り返す経済システムを変えない限り、国民に未来はない。
多くの若者は現実に苦しんでいるのに、このシステムの理解から遠ざかっている。
しかし、追い打ちをかけて災難が襲う。
世界的な株価下落で日本の株価高騰は逆に日本を窮地に陥れる。
次の章で分析します。
* 今の経済はバブル崩壊で木っ端みじんになるだろう
国民は、アベが去ることにより経済の舵取りに不安が生じると思っている節がある。
今、大きな災難が降り注ぎつつあるが、この被害の甚大さはアベの政策がもたらしたものです。
従って、結論はアベの政策を正常に戻し、アベの関わりを絶つことが急務です。
この問題を考える前に、現状を確認しておきます。
< 3. 世界の株価推移 >
上記グラフは世界(日本、中国、ロンドン、米国)の株価が、今年の1月から下落していることを示しています。
円ドル相場も、同時期から円高になっています。
問題はバブル崩壊によって、世界経済と日本経済がどれほどのダメージを受けるかです。
ダメージは株価下落の進み具合によって異なります。
最高値24000円をつけた日経平均が以前のように8000円にまで暴落すれば、日本経済はこの半世紀経験しなかったほどの最悪となるでしょう。
高失業率、大幅なGDPマイナス、続出する企業倒産が10~30年続きます。
さらにこれを救済するために財政赤字が一気に増え、さらに税収と預金の減少で財政破綻は秒読みになるでしょう。
この可能性を見てみましょう。
< 4. 世界の株価時価総額と世界のGDP >
このグラフから、2018年の暴落は2007年のリーマンショックに始まる欧州金融危機の再来と言えるでしょう。
< 5. バフェット指数にみるバブルの兆候 >
2016年以降、世界と日本の株価は投資家が提唱するバブルの目安(100%)を越えており、バブル崩壊の警告を発しています。
日本のバフェット指数は1989年の株価暴落の前兆を示し、この後、日本経済は20年以上苦しむことになった。
2017年の指数はこれに近づいている。
これは、アベがこれまでの堅実な日銀政策を博打的なものに変えたからにほかならい。
米国は逆に150%から100%に低下中です。
< 6. 米国中央銀行の貨幣供給と株価の差 >
米国は既に緩和縮小(ベースマネー減少)を行っているが、過去の緩和の勢いで株価は過熱気味です。
今、日銀がやっている大量の貨幣供給も、このようにコントロールが難しいのです(金利操作の余地があれば良いのだが)。
以上5つのグラフは、ほぼ確実に世界が同時にバブル崩壊に入ったことを示している。
そのダメ―ジについては、世界は前回のリーマンショックと同程度で、日本のダメージはアベノミクスにより1990年代の最悪に並ぶでしょう。
< 7. 今年になってからの日本の為替と株価 >
為替の動向は概ね日米の金利差で動いているが、期待値だけで大きく変動することがある。
相場水準は両国の金融緩和の差(金利差)で概ね決まり、後は投機家が先読みし売買することにより為替の変動が起きていることを示している。
年初から、今まで日本株を買い続けて来た海外投資家は一気に見限り逃げ出した(円高が大きい)。
それを日本の個人投資家がチャンスと見て買い足している。
しかし、一番始末に悪いのは日銀が株価を買い支えていることです。
もし、ここで日銀が買わなければ株価は暴落し、今まで年金基金と日銀が買い支えて来た60兆円(?、2017年3月で50兆円)の大半が失われる。
こんなことをしても、世界でバブルが弾ければ、追加購入は損失を増やすだけに過ぎない。
こんなバカげたとことを、アベ政権になってから本来独立機関である日銀まで行うようになった。
* まとめ
皆さんは、見かけに囚われず、経済システムを理解するようにしてください。
そうすれば、このまま続けると危険なことがわかるはずです。
とりあえずは、アベ政権が誕生する前の状況にでも戻し、しのぐしかないでしょう。
そして日銀政策と労働の規制緩和を元に戻し、これ以上の逆累進性の税制をストップすることです。
これなら、たいていの政権で行えるはずです。
絶対してはならないことはアベノミクスの深追いです、アベノミクスがバブルの傷を深めるのですから。
やるべきことは、アベノミクスからのスムーズな撤退です。
これから日本は景気上昇どころではなく、手痛いバブル崩壊で景気後退に苦しめられることになる。
このために、また景気刺激策(財政投資)と金融緩和がまた必要になる。
新政府は過去の経験と日銀の従来の手法、米国の知恵を借りてやるしかない。
米国はバブル崩壊の大先輩なのだから。
だが、米国の猿真似は危険、後にさらに大きなバブルと格差拡大を呼ぶことになる。
このバブル崩壊後の対処で、おそらく政府は最悪100兆円に及ぶ損失を被ることになるだろう。
これもアベがもたらした置き土産です。
この悲惨な状況を心ある経済学者は以前から警鐘を鳴らしていた。
しかし、優勢なアベ友応援団と御用マスコミの単純な礼賛に国民は踊らされてしまった。
これまで煽動して来た人物は、鳴りを潜めるだけで責任を取らず、騙された国民が自己責任を取るのです(米国も同じ)。
実に痛いの一言に尽きる。
終わります。